谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    病的です。フェティシズムの対象を崇拝し、変態として酔い痴れ、堪能し尽くす…文体の美しさが近頃のフェチものとは別格。
    「悪魔」にいたってはかんだ後の鼻水ですよ?きちゃない。幸い、この境地には達しておりません。

    「刺青」「悪魔」「憎念」「富美子の足」「青い花」「蘿洞先生」収録。
    「刺青」と「富美子の足」が同時収録されているのがいいですね。

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    2013年09月21日
  • 少将滋幹の母

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    谷崎潤一郎が昭和24年に発表した王朝物の時代小説。昌泰の頃、高齢の大納言藤原国経が、その美しく若い妻・北の方を、左大臣藤原時平に奪われたという"今昔物語"が伝える史実をもとに創作されたお話です。タイトルにもある"少将滋幹の母"こと北の方についてはほぼ語られません。話の中心にくるはずの彼女について詳しく語られないことによって、彼女を奪った時平、奪われた国経、そして彼女のかつての情人だった平中、息子である滋幹と、彼女をめぐる男たちの浅ましさや欲望が浮き彫りにされています。これは見事としか言えません。

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    2013年09月11日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

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    「幇間」、何度読んでもいい。あの最初の舟と河岸のにぎやかさ、あれを味わうために「幇間」を何度も読む。最後の一文も徹底してていい。
    確か新潮文庫だと「刺青」に入っていたはず。
    「麒麟」は初めて読んだ。中国を舞台にした(孔子とか)作品で、南子夫人の悪さがいい。

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    2013年06月14日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    決して巷に出回る手頃なエロ小説なんかではない。フェティシズムも谷崎氏の手にかかれば、何と崇高で美しい歓楽の世界となって映ることか。

    とにかく女性美に対する病的な憧憬と畏敬の念は並大抵でない。特に「富美子の足」では、脚の美しさを讃える描写が何ページにも渡り、氏が相当の脚フェチであったことが窺える。

    ストーリーの中に描写があるのでなく、描写でストーリーが進むことを強く実感する短編集。

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    2013年05月18日
  • 吉野葛・盲目物語

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    谷崎潤一郎の中期の名作"吉野葛"と"盲目物語"を収録。"吉野葛"は谷崎らしい作品だと感じました。幼くして亡くした母への息子の追慕を扱う点で後期の"少将滋幹の母"を思い出した。本人ではなく、第三者の友人を主人公にしている点が面白かった。吉野の自然や人の暮らしの描写も紀行文的な雰囲気が良かった。一方、"盲目物語"は歴史小説です。織田信長の妹、お市の方の波乱の人生を仕えていためしいのあんまが感じたことや聞いたことを話すという形式で第三者を通して語らせています。やはり日本語の選び方が綺麗で、読んでて気持

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    2013年05月12日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    どの短篇も印象に残ります。登場人物がフェティシズムの渦に巻き込まれるスイッチみたいなものが入る瞬間、ああこの人もう戻れないんだな、と思うと同時に何故かワクワクしてしまいます。

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    2013年03月19日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

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    「マゾヒズム」っていうワードと表紙に惹かれての衝動買い(●^o^●)
    もやもやっとしたまだ「芽」のようななんとも言えない感じがいい。
    一番最初の少年たちの話は読んでてかなりどきどきした^^

    ・・・これって、やばいかなぁ(^_^;)

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    2013年02月27日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    谷崎潤一郎の短編の代表作と考えられる「刺青」はとても官能的。
    墨汁が肌に染み入る描写は、不可能だと考えられる自我と他人の同一化をこれ以上ないくらい美しく実現させている。
    また、彫られた蜘蛛が生命を持って女性を抱くシーンも美しい。

    他の短編については、それぞれの中で開眼させられるような描写は出てくるが(「憎念」の蒟蒻についての描写や「青い花」の洋服についての描写など)、個人的には自然派を思わせるような写実的な描写は冗長に感じた。

    一転して、「富美子の足」にみられる富美子の肢体の描写は非常に官能的で美しい。

    思うに、谷崎の描写はフェティッシュの対象を描く時には読むものを惹きつける官能性を帯び

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    2013年02月18日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    まさか「悪魔」がこんなに可愛い装丁の文庫になることがあるとは。
    学生時代に必死で文献探しに付き合わされたことを思い出しつつ、懐かしさと共に読みました。
    無難に「刺青」から始まり、「憎念」……はあまり私好みではありませんでしたがこれも確かにフェチ。
    「冨美子の足」も久々に読み、本当に脚大好きな谷崎潤一郎です。「青い花」等はもう女の子大好きです。「蘿洞先生」はもう、だからなんだというMですね。
    本だから許せ、引き込まれました。谷崎のフェチズム、軽く集大成レベルで集められていると思いました。
    変態万歳……とか思わず呟きそうになる作品群。

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    2012年12月27日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

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    ネタバレ

    きっと私が初めて読んだ谷崎作品は「刺青」だったのだと思います。
    教科書に載っていたような記憶があるので。
    その時は何と言う作家の作品か知らなかったのですが、なかなかすごい話だなあと印象に残っていました。

    手元に用意するのが面倒でちょっとわからないのですが、マゾヒズム小説集の「麒麟」も末喜の話ではなかったかな。
    自身の嗜好を体現している女性、のような思いでお気に入りだったのでしょうか。

    わたしも封神演技ではだっきちゃんが一番お気に入りだったこともあり、刺青がいちばん気に入っています。
    次が青い花、そして冨美子の足かな。
    青い花は読んでる最中は、何だこの話・・・早く着せ替え人形して遊んでくれよ

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    2012年11月01日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

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    マゾヒストに執って―或いはサディストに於いても―、相手は道具でしか無く、自分の内で描いたシナリオに愉悦、美を求めている。それが叶わないのなら、その相手は不要となる。
    "マゾヒストは精神的の要素を含まない"と云う谷崎の価値観には、大いに賛同せざるを得ない。それを履き違える者が、此の世に多過ぎる事も。
    マゾヒズムもサディズムも、表裏一体であり、何れも各々の価値観を識らなければ、其処に官能的美学は産まれない。それがSMと称されるものの本質であると、以前から私も感じていた。

    此の一冊は短編集で構成されているが、中でも「魔術師」と「少年」は私の中では途轍も無く官能美を備えている様に

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    2012年07月22日
  • 夢の浮橋

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    ネタバレ

    随筆がだいぶおもしろかった。谷崎氏の血圧が240を超えたあたりでついつい笑ってしまう。他の文豪の話も噂話を聞いてるようでおもしろい。
    表題の話は乳吸うあたりで生理的にかなり気持ち悪い。

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    2012年06月16日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    日本を代表する変態作家、谷崎潤一郎の二篇を編んだ一冊。

    『鍵』は長年を共にした夫婦が、相手が盗み読んでいるに違いない!と思いながら書く日記が交互に語られるお話し。
    『瘋癲老人日記』は教養ある金持ちのジジイが若い嫁への執着と日々の出来事を綴るお話しです。

    私は谷崎は二三冊読んだ程度だし、すでに各方面から専門家の詳細な評が出ている(wikiをみてその評価の高さにびっくりだよ)ため簡単に。

    まず美文。
    やっぱり読みやすいし物凄くわかりやすい。
    章の連なり、その中の文の連なり、その中の言葉の連なりに無理や無駄が無いので本当に読みやすいなぁと思います。
    時代を超えても読みやすいもんは読みやすいんだ

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    2012年05月31日
  • 卍(まんじ)

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    最初は読みにくいと思ったが、ぐいぐいと引き込まれた。最後は壮絶。序文はもともと標準語だったらしいけど、関西弁に直したとかで。

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    2012年05月25日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

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    《購入済》以前から谷崎潤一郎の描く耽美で背徳的な世界観に惹かれていたのも勿論だが、踏み込んだきっかけはやはりジャケ買い。入門書としては調度いい短編集だった。『魔術師』と『日本に於けるクリップン事件』は繰返し読みたくなる。恍惚としたのは『一と房の髪』。

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    2012年04月22日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    鍵の冒頭から、ぶっとびました。
    谷崎作品の中でも恐ろしいほどのエロだわ。
    「鍵」では夫婦二人の日記が交互に、
    「瘋癲老人・・・」ではエロじじぃの日記が
    つづられていくのだけれども
    こうもあからさまに語っていいのか?

    どっちの主人公も、ほんっとに変態・・・

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    2012年03月19日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    鍵も瘋癲老人日記も、描写より話で読ませる作品です。
    一般人が書いた日記の体裁をとっているので、そりゃあいつもみたいに匂い立つような艶めかしい描写されちゃあびっくりですもんね。

    もう断然、瘋癲老人日記の方が面白いです。
    タイトルからしてイカれじじいの日記ですよ!?

    金持ちでドMで足フェチのおじいちゃんが息子の嫁に欲情して、足をしゃぶらせてもらったり、泣きながらペッティングさせてと強請ったり、実の娘には2万を出すのも渋るくせに300万もする指輪(当時の価値では2~3000万位じゃないですか!?)を買ってやったり、ひっぱたかれて逆に興奮しちゃって血圧200オーバーしたり…
    なんなの、このイカれじ

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    2011年12月19日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    鍵 夫が手綱を引いてると思いきやその実、妻の思惑通りになっていく様が恐ろしい。嘘か本当か、敏子や木村の思惑は、闇にされたままの部分がまたちょうどいい塩梅で妄想させてくれる。
    無言はいつも多言より雄弁。

    老人日記
    この老爺、気持ち悪い

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    2011年02月15日
  • 少将滋幹の母

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    やっぱり谷崎さんはどんな題材を書いても上手いなぁと思いますが(これは浅田次郎さんにも思う。調理が上手いシェフの料理を食べる気分になる)これは題材がすごかった、というか昔の日本人すごいと思いました…飲むか…?食うかそれ…?そして「そんなこともあろうかと思って」だと…?

    登場人物を魅力的にめぐっていって、きれいにラストなんですが、やっぱりあのシーンが一番印象的で仕方が無いのは私だけじゃないと思いたいです

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    2011年01月31日
  • 鍵・瘋癲老人日記

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    二作品ともぎりぎりのところでもがいている感じがいい。

    「鍵」のほうはちょっとした叙述トリックみたいになっていて、信頼して素敵だなーなんて思いながら読んでいた気分が裏切られます。

    瘋癲老人日記のさつこへの曲がった欲望を読むとなんとなく歳をとる希望を感じる。

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    2010年08月24日