谷崎潤一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
谷崎潤一郎の短編の代表作と考えられる「刺青」はとても官能的。
墨汁が肌に染み入る描写は、不可能だと考えられる自我と他人の同一化をこれ以上ないくらい美しく実現させている。
また、彫られた蜘蛛が生命を持って女性を抱くシーンも美しい。
他の短編については、それぞれの中で開眼させられるような描写は出てくるが(「憎念」の蒟蒻についての描写や「青い花」の洋服についての描写など)、個人的には自然派を思わせるような写実的な描写は冗長に感じた。
一転して、「富美子の足」にみられる富美子の肢体の描写は非常に官能的で美しい。
思うに、谷崎の描写はフェティッシュの対象を描く時には読むものを惹きつける官能性を帯び -
Posted by ブクログ
ネタバレきっと私が初めて読んだ谷崎作品は「刺青」だったのだと思います。
教科書に載っていたような記憶があるので。
その時は何と言う作家の作品か知らなかったのですが、なかなかすごい話だなあと印象に残っていました。
手元に用意するのが面倒でちょっとわからないのですが、マゾヒズム小説集の「麒麟」も末喜の話ではなかったかな。
自身の嗜好を体現している女性、のような思いでお気に入りだったのでしょうか。
わたしも封神演技ではだっきちゃんが一番お気に入りだったこともあり、刺青がいちばん気に入っています。
次が青い花、そして冨美子の足かな。
青い花は読んでる最中は、何だこの話・・・早く着せ替え人形して遊んでくれよ -
Posted by ブクログ
マゾヒストに執って―或いはサディストに於いても―、相手は道具でしか無く、自分の内で描いたシナリオに愉悦、美を求めている。それが叶わないのなら、その相手は不要となる。
"マゾヒストは精神的の要素を含まない"と云う谷崎の価値観には、大いに賛同せざるを得ない。それを履き違える者が、此の世に多過ぎる事も。
マゾヒズムもサディズムも、表裏一体であり、何れも各々の価値観を識らなければ、其処に官能的美学は産まれない。それがSMと称されるものの本質であると、以前から私も感じていた。
此の一冊は短編集で構成されているが、中でも「魔術師」と「少年」は私の中では途轍も無く官能美を備えている様に -
Posted by ブクログ
日本を代表する変態作家、谷崎潤一郎の二篇を編んだ一冊。
『鍵』は長年を共にした夫婦が、相手が盗み読んでいるに違いない!と思いながら書く日記が交互に語られるお話し。
『瘋癲老人日記』は教養ある金持ちのジジイが若い嫁への執着と日々の出来事を綴るお話しです。
私は谷崎は二三冊読んだ程度だし、すでに各方面から専門家の詳細な評が出ている(wikiをみてその評価の高さにびっくりだよ)ため簡単に。
まず美文。
やっぱり読みやすいし物凄くわかりやすい。
章の連なり、その中の文の連なり、その中の言葉の連なりに無理や無駄が無いので本当に読みやすいなぁと思います。
時代を超えても読みやすいもんは読みやすいんだ -
Posted by ブクログ
鍵も瘋癲老人日記も、描写より話で読ませる作品です。
一般人が書いた日記の体裁をとっているので、そりゃあいつもみたいに匂い立つような艶めかしい描写されちゃあびっくりですもんね。
もう断然、瘋癲老人日記の方が面白いです。
タイトルからしてイカれじじいの日記ですよ!?
金持ちでドMで足フェチのおじいちゃんが息子の嫁に欲情して、足をしゃぶらせてもらったり、泣きながらペッティングさせてと強請ったり、実の娘には2万を出すのも渋るくせに300万もする指輪(当時の価値では2~3000万位じゃないですか!?)を買ってやったり、ひっぱたかれて逆に興奮しちゃって血圧200オーバーしたり…
なんなの、このイカれじ