谷崎潤一郎のレビュー一覧

  • 少将滋幹の母

    Posted by ブクログ

    匂い立つような美しさが文章から滲み出るよう。過剰な美は人を狂わせる。
    最後の再会の場面が眼に浮かぶようだ。

    0
    2017年02月13日
  • 恋愛及び色情

    Posted by ブクログ

    多少の例外があっても。

    日本では恋愛問題を取り上げた物語で、
    知識階級が恥じない賞賛を博したのは、
    明治の夏目漱石まで無かった。

    ぢゃあ、「源氏物語」はどうなんだ?という声が聞こえますが。
    アレは恋愛なんかぢゃあ無いよ、と。

    だって、顔も見たこと無い相手と和歌を交換したら闇の中でベッドイン、ですよ?

    個人と個人、性格と性格。
    そういう人間性の交錯では、なかったわけです。

    あれは恋愛ぢゃなくて、「もののあはれ」っていう、

    長い歳月の人の営みの印象みたいなことについての文章でせう、と。

    漱石さんは、19世紀までの欧州のブンガクを気が狂う寸前まで綿密に研究した学者さんだったわけで。

    0
    2016年11月09日
  • 細雪(中)

    Posted by ブクログ

    中途半端な終わり方やと思ったが、三部に分けたのは筆者の知るところではないハズなので仕方ないか。
    「上→中→下と、どんどん引き込まれる。」とは言えないダラダラ感。
    さて、「下巻」に感動をもらえるのでしょうか・・・?

    0
    2016年10月11日
  • 谷崎潤一郎

    Posted by ブクログ

    痴人の愛位しか読んだことなく、特に好きでもなかったのですが、この間弥生美術館の展示を見て、あと森博嗣の本の冒頭で、ちょっと気になり。

    乱菊物語。
    普通の作品だったら、もっと時代小説ぽくなるのでしょうが、そこがエンタメになっていて、少女と女性が全く古臭くないとこが、もしかして谷崎のすごいとこなんだろうか…と初めて気付きました!
    ちらっと出てくる遊女に姫君の姪御の描写やら、果ては戦闘の似合うカップルと、あれ、これが文豪の描写力のすごさなのか、と。

    陽炎御前と海龍王にぐっときて、これからこの二人の話に移るのね…というところで…。谷崎おめ最後まで書きゃあ!と内心叫びました。
    鏡花ほどではないまでも

    0
    2016年09月26日
  • 谷崎潤一郎

    Posted by ブクログ

    この本の半分以上を占める[乱菊物語]は 未完成の作品で前編しか読むことができないのが残念だが、完成していれば政村の生涯から見て悲劇で終わる結末になっていたのだろうか?
    未完とはいえ流石に谷崎潤一郎だけあって大衆文学も素晴らしく面白い。

    0
    2016年05月21日
  • 吉野葛・盲目物語

    Posted by ブクログ

    現代と戦国期を並べたのは、谷崎の意図だろうか?どちらも違った意味での郷愁を感じる。お市といえば、かつて光秀の娘・玉子が細川家に嫁ぐ際、戦国の世の女の定めを説いたと言われているが、その意味を深掘りしたくて、お市の生き様に興味を持っていた。それを盲目の尼僧が語るというのが斬新で、一層物悲しさを引き立てる。

    0
    2016年05月15日
  • 谷崎潤一郎

    Posted by ブクログ

    ・何かと物議を醸してゐるらしき池澤夏樹=個人編集「日本文学全集 15」(河出書房新社)は 谷崎潤一郎である。私が一瞬「残菊物語」かと思つてしまつた「乱菊物語」を中心に、「吉野葛」「蘆刈」等を収める。谷崎を全集で読むなどとは考へたことも ないので、私は谷崎全集の全貌を知らない。従つて、「乱菊物語」などといふ作品も知らなかつた。これは「残菊物語」の姉妹編か何かかと思ふほどの無知である。だから、これを収めることを一種の英断ととらえる人がゐる一方で、こんな作品を中心に編むなといふ人がゐるのも、私には全く分からないことである。全集には編集者の個性が出てゐて良いと思ふものの、収める作品には一定の質は必要だ

    0
    2016年04月10日
  • 美食倶楽部 ――谷崎潤一郎 大正作品集

    Posted by ブクログ

    不気味で滑稽でもあるが艶めかしい。

    「或る調書の一部」の掛け合いなんかは笑ってしまう。
    しかし、善いことができるはずがないから、
    気持ちの好い悪い事をするという一節にどうも心を惹かれる。

    0
    2015年08月17日
  • 谷崎潤一郎全集〈第2巻〉

    Posted by ブクログ

    恐怖、少年の記憶、恋を知る頃、熱風に吹かれて、捨てられる迄、憎念、春の海辺、饒太郎、金色の死、お艶殺し、懺悔話

    0
    2015年07月09日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

    Posted by ブクログ

    分かりやすいフェティシズムは刺青と足かな。でも、鼻水ズルズルがいちばんフェティッシュを感じる。あるよ。そういう気持ちは自分の中にも。。。

    軽く読めますが、書かれているのは本物のフェティシズムだと思います。

    0
    2015年06月24日
  • 金色の死

    Posted by ブクログ

    7篇収録の短篇集。

    「金色の死」は江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」に似ているなと思った。実は逆で、江戸川乱歩が「金色の死」に影響を受けて「パノラマ島綺譚」を書いたとのこと。理想の美を具現化すると気味が悪い。私はディズニ―ランドにも同様の気味の悪さを感じていて自分がおかしいのかと思っていたが、解説ではずばりその点について指摘されていて安心した。ディズニ―ランド大好きな人が多いのであまり大きな声では言えないけれど。

    「富美子の足」の足フェチぶりはおもしろい。富美子の足の素晴らしさについて滔々と語られる。そんなに良いのか、足が。

    「小さな王国」は世にも奇妙な物語的で印象に残る。謎の転校生が学校内

    0
    2015年03月28日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

    Posted by ブクログ

    知性が理性の味方だといつから錯覚していた?谷﨑の小説において知性とは欲望を豊潤に彩り駆り立てるデュオニソスであり、理性の盲目さを付いて快楽の足元へと導くメフィストフェレスなのだ。谷﨑の処女作である『刺青』を含むこの短編集は、人が自然に神を発見した様に人体の細部に神を見出す力=フェティシズムと谷﨑の文章力の共犯関係を愉しむにうってつけの選集と言えるだろう。人肌に対する匂い立つような表現力がたまらない。そしてフェティシズムとは他者を物化する概念でもある。だから彼ら皆、ひとりの世界に生きながらも満たされる。

    0
    2015年02月07日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

    Posted by ブクログ

    変態性欲炸裂してます。谷崎センセイは常人ではないです。明治や大正にこんな素晴らしい嗜好の小説をお書きになるなんて勇気ある天才です。『富美子の足』が一番良かったです。フェティシズムが精密かつ美しく狂い咲きしてました。

    0
    2014年12月31日
  • 陰翳礼讃

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    和紙がユネスコ世界文化遺産に登録されたということで読んでみた。近代建築や文明はどんどん光を取り入れる方向へ向かっているが、谷崎は逆に陰翳の賛歌をうたいあげる。漆器や金屏風、掛け軸、和食に至るまですべからく古来日本のものは薄暗い部屋にあってこそその真の価値が分かるという。
    そういうものかもしれませんねー。わからんけど。
    文芸書というより今では建築とかデザインの入門書的地位を占めているっていうのが興味深い。

    旅について語ったところもあって、汽車のなかでうつらうつら読むといい感じだ。旅に出たーい。

    0
    2014年12月07日
  • 少将滋幹の母

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「痴人の愛」以来谷崎小説は避けてきましたが、雅で上品な官能に満ちた話でした。
    最初に驕慢な貴公子の恋の駆け引きにどぎまぎして、
    妻への恋情に死んだ夫とそれを見つめる滋幹の場面にどこか無常観と業の深さを感じ取りました。
    滋幹の母、北の方が最後に尼僧になったからかも。

    何もせず、美人というだけで夫とその係累と元夫、情夫やもう一人息子も?死に至らしめてしまった北の方が一番浮世離れして、まるで雲をつかむように心情が読めなかった。
    周りの男たち、滋幹すら北の方への欲望でドロドロしているのに。

    最後の40年ぶりの親子の再会のおかげで、北の方は魔性の女という誹りを免れていると思うのは意地悪?
    男って母と

    0
    2014年06月08日
  • 少将滋幹の母

    Posted by ブクログ

    平安絵巻物のような美しさ。
    ただモノにするだけの男女関係ではなく、嫉妬・後悔もあり人間らしさに共感。ラストの情景がグッとくる。

    0
    2014年05月17日
  • 谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

    Posted by ブクログ

    比較的初期の短篇を6篇集めたもの。他の文庫なら、タイトルは普通に「少年・幇間」などとするところを、あえて『谷崎潤一郎マゾヒズム小説集』と銘打った。これで新たな読者を開拓しようとの目論見だろうが、『フェティシズム小説集』とともにまずは成功か。ただし、これだと例えば篇中の「少年」等をマゾヒズムの枠組みに固定してしまうことで、他の要素から遠ざけてしまうという欠点も併せ持つ。「少年」、「幇間」、「魔術師」などは耽美、幻惑、哀しみに満ちており、谷崎の筆法は冴えに冴えている。それぞれの短篇は長編に優に匹敵する密度だ。

    0
    2014年03月30日
  • 猫と庄造と二人のをんな

    Posted by ブクログ

    おもしろすぎる。これが80年近くも前に書かれた小説とは信じられない。猫を妹かなにかに変えれば、そのままライトノヴェルとしてじゅうぶん通用するのではないだろうか。しかし、さすがに谷崎作品であるだけあって、ただエンターテインメント性に優れているのみならず、きちんと人間の深層心理も巧みに描き出している。とくに、リヽーを手放すのに難色を示しつづけ、ついにいなくなったあとも、その様子が気になって仕方がなくなり、前妻のもとまでわざわざ逢いに行く庄造という男は、最高に滑稽だし、いっぽうで、なにかに依存せずにはいられないというその性格は、かならずしも喜劇一辺倒ではない気もする。私自身はネコ好きではないが、この

    0
    2014年02月09日
  • 谷崎潤一郎フェティシズム小説集

    Posted by ブクログ

    何ページにもわたって脚についての魅力を語っていたり
    ちょっと一般人のわたしからしたらひいてしまうような性的嗜好を持つ主人公ばかりの短編集なのですが、文章が美しいので最後まで読めました フェチという言葉は現代ではかなり一般化していますが、これには真のフェティシズムの深淵を垣間見せられた・・・!

    0
    2014年02月04日
  • 鍵・瘋癲老人日記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    エロス・足フェチ・ドMと、谷崎の小説をあまり読んだことがない頃に
    抱いていたイメージをそのまんまぎゅぎゅっと濃縮した1冊。
    どちらも日記形式のお話。

    『鍵』は、はじめはこの旦那さん鬼畜だなぁーと思ってたけど、
    終盤はぞっとした。最近よく週刊誌の見出しで「死ぬまでS〇X」なんて
    フレーズをよく見るのを思い出して、あれは生涯現役な意味
    なんだろうけど、こちらは本当に命をかけて性欲を満たそうと
    しちゃうんだからすごい。
    敏子と木村も日記を書いていたら、どんな内容なのだろうと
    想像が膨らみます。

    『瘋癲老人日記』
    『鍵』に比べるとこちらの方がちょっと陽気というか、滑稽味がある。
    足の形の墓石を作っ

    0
    2014年08月09日