谷崎潤一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
7篇収録の短篇集。
「金色の死」は江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」に似ているなと思った。実は逆で、江戸川乱歩が「金色の死」に影響を受けて「パノラマ島綺譚」を書いたとのこと。理想の美を具現化すると気味が悪い。私はディズニ―ランドにも同様の気味の悪さを感じていて自分がおかしいのかと思っていたが、解説ではずばりその点について指摘されていて安心した。ディズニ―ランド大好きな人が多いのであまり大きな声では言えないけれど。
「富美子の足」の足フェチぶりはおもしろい。富美子の足の素晴らしさについて滔々と語られる。そんなに良いのか、足が。
「小さな王国」は世にも奇妙な物語的で印象に残る。謎の転校生が学校内 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「痴人の愛」以来谷崎小説は避けてきましたが、雅で上品な官能に満ちた話でした。
最初に驕慢な貴公子の恋の駆け引きにどぎまぎして、
妻への恋情に死んだ夫とそれを見つめる滋幹の場面にどこか無常観と業の深さを感じ取りました。
滋幹の母、北の方が最後に尼僧になったからかも。
何もせず、美人というだけで夫とその係累と元夫、情夫やもう一人息子も?死に至らしめてしまった北の方が一番浮世離れして、まるで雲をつかむように心情が読めなかった。
周りの男たち、滋幹すら北の方への欲望でドロドロしているのに。
最後の40年ぶりの親子の再会のおかげで、北の方は魔性の女という誹りを免れていると思うのは意地悪?
男って母と -
Posted by ブクログ
おもしろすぎる。これが80年近くも前に書かれた小説とは信じられない。猫を妹かなにかに変えれば、そのままライトノヴェルとしてじゅうぶん通用するのではないだろうか。しかし、さすがに谷崎作品であるだけあって、ただエンターテインメント性に優れているのみならず、きちんと人間の深層心理も巧みに描き出している。とくに、リヽーを手放すのに難色を示しつづけ、ついにいなくなったあとも、その様子が気になって仕方がなくなり、前妻のもとまでわざわざ逢いに行く庄造という男は、最高に滑稽だし、いっぽうで、なにかに依存せずにはいられないというその性格は、かならずしも喜劇一辺倒ではない気もする。私自身はネコ好きではないが、この
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ネタバレエロス・足フェチ・ドMと、谷崎の小説をあまり読んだことがない頃に
抱いていたイメージをそのまんまぎゅぎゅっと濃縮した1冊。
どちらも日記形式のお話。
『鍵』は、はじめはこの旦那さん鬼畜だなぁーと思ってたけど、
終盤はぞっとした。最近よく週刊誌の見出しで「死ぬまでS〇X」なんて
フレーズをよく見るのを思い出して、あれは生涯現役な意味
なんだろうけど、こちらは本当に命をかけて性欲を満たそうと
しちゃうんだからすごい。
敏子と木村も日記を書いていたら、どんな内容なのだろうと
想像が膨らみます。
『瘋癲老人日記』
『鍵』に比べるとこちらの方がちょっと陽気というか、滑稽味がある。
足の形の墓石を作っ -
Posted by ブクログ
谷崎潤一郎の短編の代表作と考えられる「刺青」はとても官能的。
墨汁が肌に染み入る描写は、不可能だと考えられる自我と他人の同一化をこれ以上ないくらい美しく実現させている。
また、彫られた蜘蛛が生命を持って女性を抱くシーンも美しい。
他の短編については、それぞれの中で開眼させられるような描写は出てくるが(「憎念」の蒟蒻についての描写や「青い花」の洋服についての描写など)、個人的には自然派を思わせるような写実的な描写は冗長に感じた。
一転して、「富美子の足」にみられる富美子の肢体の描写は非常に官能的で美しい。
思うに、谷崎の描写はフェティッシュの対象を描く時には読むものを惹きつける官能性を帯び
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