重松清のレビュー一覧
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この本も私が買った本じゃなく、家の本棚に重ねてあった奴。
だれが買ったのかなぁ。。。
「かっぽん」ってのは地方の隠語で、男女の営みの事。
15歳の少年が頭にある事は四六時中かっぽんの事ですわな。
そんな少年の悩みとか、太宰治の研究をする大学教授の話とか全8編からなる短編集です。
レコードのようにA面とB面に別れていて、A面は青春純情物語、B面は世にも奇妙な物語的なように別れてます。
いつもは、ホロリとさせてくれる重松さんですが、この本中の物語ではそんなのは無かったなぁ。でも、青春期のノスタルジックな気分に浸れます。
重松さんにしては性描写がリアルな部分があるんだけど、この本、息子が買ったの -
Posted by ブクログ
ネタバレ大好きな作家です。第1章の出だしは「元気の出ることを考えたかった」、このご時世にまさに思わずにいられないことだから読みはじめました。
だけどこれはなんだかなぁ。そもそも会社勤めをしている人が、発信者不明の「ニワトリは一度だけ飛べる」なんて件名のメールを開けますか。セキュリティ研修中にありそうな偽メール。いやいや、こんな件名の偽メールはあり得んか。しかも開けるだけじゃなくて「あなたは誰ですか」って返信するんだもの。全然アカンやん。
煮え切らない主人公、自信過剰な同僚、物言いがいちいち喧嘩腰な後輩、一日中文庫本を読むだけの上司。そしてニワトリさんも含めて、誰ひとりとして感情移入できる人がいなく -
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平成、昭和…わたしたちの世代、親の世代、祖父母の世代…といろいろな世代の人々が交差しながら話が続いていくフシギな「お話の世界」。ストーリーは途中、退屈かな?と感じる部分はあったけど、わたしたちが普段感じているけど口には出せない想いを登場人物たちが代弁してくれる箇所が所々にあって、だからわたしは重松清さんの小説が好きです。
男子に、世間に、同じ女子に、その他もろもろ、負けていないはずなのに勝てないことは、たくさんある。
子どもの頃の後悔や心残りは、おとなにならないとわからない。振り返るたびに胸が痛くなる思い出があって、それで初めて、後悔や心残りに気づく。
生きていれば、みんな、思いどおりになら -
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ショートパンツを穿いてサンダル履き、シャーツの前をはだけて、腹を丸出しにして、裾を風にはためかせている奴の姿を見ると、破滅の予感が沸いてくる。Tシャーツに印刷された絵や文字は、どうにも珍妙で道理に反している。自分の内在している思想や感情を表現しているように見えてしまうことが卑怯すぎる。見えてしまうことによって、人は破滅に向かう。Tシャーツ1枚で偉そうに思想を語った気になる。自分の弱いモチーフを服によって増幅させる。これは刺青をちらつかせて人を威圧するのと変わらない。相応の覚悟もないまま雰囲気だけまとって、さも中身があるかのように取り繕う人間には破滅の道があるだけ。破滅が恐ろしくてTシャーツが着
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購入済み
そして…
小説的フィクションの中で、前妻のもとにいる娘と共に旅に出る主人公。ありえないけどこういう設定でも読者を圧巻させてしまうシゲマツの筆力に、脱帽です。
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星3つにコンマいくつか……という感じの印象。これまでに読んできた重松清さんの作品が自分にとって魅力的すぎたせいか、期待していたほどには胸の奥に響いてこなかった。
自分がここ最近、仕事に対して夢中になりたいと思うようになったことで手に取ったのがきっかけで、序盤の方はとても面白く読み進めることができていたんだけど……どこまでも現実と地続きな人間ドラマが繊細かつ温かさを持って描かれる小説、それが重松さんの真骨頂、だと勝手に思っているので、それに比べるとフィクション色の強い後半の展開にあまり馴染めず、キレイに着地はしたものの心を震わされるほどではなかったのが残念……。
とはいえあくまでも自分の好きな過 -
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東大を目指し受験し続けるも三浪。
夢破れ帰郷する主人公。目に入る景色は一面の田畑。電車も数時間に一本。爺さん婆さんだらけの過疎村。
高校を出て家出をし、奇しくも、一時東京にいたが21歳でバツイチのシンママになって同じく帰郷した同級生に出遭う。
農業を営む、地方山村。
流れる時間は緩やかで、世間は狭く、土着のルールはめんどくさい。
盆暮れ正月に帰るくらいでちょうどいいのかな。
まあ、故郷があるってのはいいことか。
戦争を経験した婆ちゃんの台詞が胸を打つな。
サザエさんを思い出す。
波平がいて、マスオさんがいて、カツオがいて、タラちゃんがいる。フネにワカメも。
そう。磯野家にいる両親、旦那 -
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ネタバレ親戚の間をたらい回しにされて嘘をついて周りに構ってもらいたがるオサム、幼い頃に兄を亡くしたノブ、母の再婚を認められないハム子。大人の間で揺らぐ小学生の話。わたしも6年生の頃ってこんな感じだったかなあ。
小学生の頃お父さんを亡くした友だち、「本当は兄ちゃんがいたんだけど生まれてすぐ死んじゃったんだ」と言っていた友だち、中学の時、お父さんもお母さんも亡くした友だち、なんだか様々を思い出して、自分の人生の平穏なさまを思い、やるせない気持ちになった。わたしはいつだって傍観者でしかなく、当事者になることはなかったけど、子どもは思っているよりも大人で、しかし大人になりきれないからこそ揺らぐんだろうと感じた -
Posted by ブクログ
泣き所の多い作品だった。涙腺が弱いので外では読めなかっただろうと思う。
炭鉱で起こった悲しい事故、炭鉱による繁栄と衰退を経験した北海道の小さな都市を舞台にした物語だった。人を傷つけてしまった者は、ゆるして欲しいと苦しみ続ける。傷つけられた方はゆるしたいけどゆるせない葛藤で同じように苦しむ
。そしてゆるさずに生きていくことは寂しいことなのだ、と気づいている。取り返しの付かないことが起こった場合はそうして生きていくしかないんだと思った。
肺がんと診断されてからのシュンの気持ちの変化や行動などはとても共感できた。今、自分だけが最期を迎えるっていうのはどれだけ受容できても辛いだろうなと思う。この物語で
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