重松清のレビュー一覧

  • かっぽん屋

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    この本も私が買った本じゃなく、家の本棚に重ねてあった奴。
    だれが買ったのかなぁ。。。

    「かっぽん」ってのは地方の隠語で、男女の営みの事。
    15歳の少年が頭にある事は四六時中かっぽんの事ですわな。
    そんな少年の悩みとか、太宰治の研究をする大学教授の話とか全8編からなる短編集です。
    レコードのようにA面とB面に別れていて、A面は青春純情物語、B面は世にも奇妙な物語的なように別れてます。
    いつもは、ホロリとさせてくれる重松さんですが、この本中の物語ではそんなのは無かったなぁ。でも、青春期のノスタルジックな気分に浸れます。

    重松さんにしては性描写がリアルな部分があるんだけど、この本、息子が買ったの

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    2020年04月16日
  • 疾走(上)

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    これはねぇ、他の重松作品と違うね。
    いつもなら、ラストシーンでホンワカさせてくれるのに、この物語は最初から最後まで悲しすぎます。
    重い退廃感が強すぎて楽しめませんね。
    ただ、主人公が15歳という事で、若い読者なら何かしら示唆してくれるものがあるのかもしれない。
    が、性描写が異常なので、薦めるには勇気がいるかも。

    DVDにもなってるようだけど、あまり見たいとは思わない。
    表紙の写真(絵?)が強烈ですが、内容も同じように怖い話です。

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    2020年04月16日
  • ニワトリは一度だけ飛べる

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    ネタバレ

    大好きな作家です。第1章の出だしは「元気の出ることを考えたかった」、このご時世にまさに思わずにいられないことだから読みはじめました。

    だけどこれはなんだかなぁ。そもそも会社勤めをしている人が、発信者不明の「ニワトリは一度だけ飛べる」なんて件名のメールを開けますか。セキュリティ研修中にありそうな偽メール。いやいや、こんな件名の偽メールはあり得んか。しかも開けるだけじゃなくて「あなたは誰ですか」って返信するんだもの。全然アカンやん。

    煮え切らない主人公、自信過剰な同僚、物言いがいちいち喧嘩腰な後輩、一日中文庫本を読むだけの上司。そしてニワトリさんも含めて、誰ひとりとして感情移入できる人がいなく

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    2020年04月14日
  • たんぽぽ団地のひみつ(新潮文庫)

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    平成、昭和…わたしたちの世代、親の世代、祖父母の世代…といろいろな世代の人々が交差しながら話が続いていくフシギな「お話の世界」。ストーリーは途中、退屈かな?と感じる部分はあったけど、わたしたちが普段感じているけど口には出せない想いを登場人物たちが代弁してくれる箇所が所々にあって、だからわたしは重松清さんの小説が好きです。

    男子に、世間に、同じ女子に、その他もろもろ、負けていないはずなのに勝てないことは、たくさんある。
    子どもの頃の後悔や心残りは、おとなにならないとわからない。振り返るたびに胸が痛くなる思い出があって、それで初めて、後悔や心残りに気づく。
    生きていれば、みんな、思いどおりになら

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    2020年04月13日
  • ファミレス 下

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    重松清の久しぶりの本。

    ※ファミレスはファミリーレスの略なんでは?という言葉が深い。

    3つの家族が織りなす決して円満ではないストーリー。
    50代を迎える筆者の心情が色濃く出た作品だったせいか、これまでの重松作品とは少し違ういびつさがありました。号泣するような物語ではない。後悔を受け入れ、少し笑える強さを持って前進するような物語。いつか自分もこのときの気持がわかるようになるのか。
    切ないだけではない。正しい別れもある。いびつな関係性を吸収するような物語。

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    2020年03月21日
  • ファミレス 上

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    エミリ先生やその娘が非常識すぎて不愉快にしか思えない。その非常識な母子を住まわせていることを妻にひとことも言っていない(言い出しづらいとかいう問題ではない)一博も同じくらい非常識でびっくりする。
    陽平の妻も流石に子供すぎて笑ってしまう(なにも告げずに息子の所へ行きメモだけ残す予定だった、など常識的に有り得ない)。下巻では何かが変わることを期待。

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    2020年02月19日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    ショートパンツを穿いてサンダル履き、シャーツの前をはだけて、腹を丸出しにして、裾を風にはためかせている奴の姿を見ると、破滅の予感が沸いてくる。Tシャーツに印刷された絵や文字は、どうにも珍妙で道理に反している。自分の内在している思想や感情を表現しているように見えてしまうことが卑怯すぎる。見えてしまうことによって、人は破滅に向かう。Tシャーツ1枚で偉そうに思想を語った気になる。自分の弱いモチーフを服によって増幅させる。これは刺青をちらつかせて人を威圧するのと変わらない。相応の覚悟もないまま雰囲気だけまとって、さも中身があるかのように取り繕う人間には破滅の道があるだけ。破滅が恐ろしくてTシャーツが着

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    2020年01月18日
  • ニワトリは一度だけ飛べる

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    人生一度だけでもいいからがむしゃらにやってみないかい?

    がむしゃらでない人生がどんなに色がなく、自身に情熱を与えてくれないか今までの私の人生を見ていても痛いくらいに分かる。
    人は、何もすることがなくなったり心の余裕ができすぎると途端に寄り道したり回り道したり獣道にいったりしちゃうんだと思う。がむしゃらにすればするほど、前しかみてないから一本道を突っ切っていく。
    一日一日120%を7/24 365日は不可能だけど、その日その日を情熱のある一日にしたい。

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    2019年12月20日
  • トワイライト

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    ドラえもんの登場人物と
    かぶせている話は
    意図的なのか…
    大人の事情を リアルに描かれ
    複雑な思いなんだけど
    どんどん読み惹かれていきます。

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    2019年11月30日
  • カカシの夏休み

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    30代40代の中年に入る悲哀の物語、三編。
    バブル期のダム建設で底に沈んだ故郷を懐かしみ同級生が再会。
    長髪のカツラを外し、ハゲを曝け出すこうこうきょうし。
    自殺され遺書に名前を残されるが冤罪だった高校生。
    重松作品は劇的な展開はないけど、そこはかとないというか淡彩で、何でもない誰にでも起こり得るであろう人生を書くのが非常に巧いですね。
    生と死。
    誰かが死にたいと思った今日は、誰かが必死に生きたいと願った明日だな。

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    2019年11月24日
  • きみ去りしのち

    購入済み

    そして…

    小説的フィクションの中で、前妻のもとにいる娘と共に旅に出る主人公。ありえないけどこういう設定でも読者を圧巻させてしまうシゲマツの筆力に、脱帽です。

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    2019年11月20日
  • なきむし姫

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    人は自分が気づかないうちに少しずつ変化していく。それは環境の変化や人との関わりが大きいのだろう。色々な家族があり、家族単位の人生があり、その家族の中でも一人一人に人生がある。その人生には沢山のことが起きるが、家族で支えあうと不思議と乗り越えられる。家族の中でなくても、ママ友や幼馴染や近所の人など沢山の人がいる。今はあまり関わる事が少なくて、頼りづらいかもしれないけれど、支え合うのが人間だから、頼ったり、頼られたりしながら生きていきたいと思う。そしてお世話になった人にはちゃんとお礼が言える人になりたい。

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    2019年11月06日
  • ニワトリは一度だけ飛べる

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    星3つにコンマいくつか……という感じの印象。これまでに読んできた重松清さんの作品が自分にとって魅力的すぎたせいか、期待していたほどには胸の奥に響いてこなかった。
    自分がここ最近、仕事に対して夢中になりたいと思うようになったことで手に取ったのがきっかけで、序盤の方はとても面白く読み進めることができていたんだけど……どこまでも現実と地続きな人間ドラマが繊細かつ温かさを持って描かれる小説、それが重松さんの真骨頂、だと勝手に思っているので、それに比べるとフィクション色の強い後半の展開にあまり馴染めず、キレイに着地はしたものの心を震わされるほどではなかったのが残念……。
    とはいえあくまでも自分の好きな過

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    2019年10月17日
  • みんなのうた

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    東大を目指し受験し続けるも三浪。
    夢破れ帰郷する主人公。目に入る景色は一面の田畑。電車も数時間に一本。爺さん婆さんだらけの過疎村。
    高校を出て家出をし、奇しくも、一時東京にいたが21歳でバツイチのシンママになって同じく帰郷した同級生に出遭う。

    農業を営む、地方山村。
    流れる時間は緩やかで、世間は狭く、土着のルールはめんどくさい。
    盆暮れ正月に帰るくらいでちょうどいいのかな。
    まあ、故郷があるってのはいいことか。

    戦争を経験した婆ちゃんの台詞が胸を打つな。

    サザエさんを思い出す。
    波平がいて、マスオさんがいて、カツオがいて、タラちゃんがいる。フネにワカメも。
    そう。磯野家にいる両親、旦那

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    2019年10月13日
  • たんぽぽ団地のひみつ(新潮文庫)

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    微妙なファンタジーで、正直つまらなかった。
    50代、60代の男性で、少年時代を懐かしく思い返せる人には合うのかも。
    ガリ版は小学生の頃に使ったことがある(ガリを切るのは先生で、児童が刷ることがあった)ので想像出来るが、若い人には、あの味わいを想像するのは難しいかも。

    でも、ラストは良かった。

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    2019年10月01日
  • 一人っ子同盟(新潮文庫)

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    ネタバレ

    親戚の間をたらい回しにされて嘘をついて周りに構ってもらいたがるオサム、幼い頃に兄を亡くしたノブ、母の再婚を認められないハム子。大人の間で揺らぐ小学生の話。わたしも6年生の頃ってこんな感じだったかなあ。
    小学生の頃お父さんを亡くした友だち、「本当は兄ちゃんがいたんだけど生まれてすぐ死んじゃったんだ」と言っていた友だち、中学の時、お父さんもお母さんも亡くした友だち、なんだか様々を思い出して、自分の人生の平穏なさまを思い、やるせない気持ちになった。わたしはいつだって傍観者でしかなく、当事者になることはなかったけど、子どもは思っているよりも大人で、しかし大人になりきれないからこそ揺らぐんだろうと感じた

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    2019年09月26日
  • ニワトリは一度だけ飛べる

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    会社員として頑張っている人にオススメ。重松さんの作品は大好きですが、期待値が高すぎたのかなんだかちょっと惜しい?物足りない?感じがしてしまいました。

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    2019年09月25日
  • かっぽん屋

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    2019/09/13

    「ぬ」まみれの話が印象深かった
    そして思春期の性への探求
    やはり昔の何もかもよくわからないまま読んでたのとは違う。
    「すいか」「失われた文字を求めて」は、また時を経て読むだろう。

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    2019年09月18日
  • カシオペアの丘で(下)

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    泣き所の多い作品だった。涙腺が弱いので外では読めなかっただろうと思う。
    炭鉱で起こった悲しい事故、炭鉱による繁栄と衰退を経験した北海道の小さな都市を舞台にした物語だった。人を傷つけてしまった者は、ゆるして欲しいと苦しみ続ける。傷つけられた方はゆるしたいけどゆるせない葛藤で同じように苦しむ
    。そしてゆるさずに生きていくことは寂しいことなのだ、と気づいている。取り返しの付かないことが起こった場合はそうして生きていくしかないんだと思った。
    肺がんと診断されてからのシュンの気持ちの変化や行動などはとても共感できた。今、自分だけが最期を迎えるっていうのはどれだけ受容できても辛いだろうなと思う。この物語で

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    2019年09月15日
  • ロング・ロング・アゴー

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    全編子供の残酷さを織り交ぜたショートストーリー。チャーリーという話はもやもやした。親や大人たちがその子を理解して向き合ってあげないと、後々の子供が可哀想になることに気づかされる。スヌーピーにも大人は出てこない。

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    2019年09月05日