描写が上手い
それぞれの短編が最後に繋がるのがよかった
死に直面し受け入れた上で
普通に生活を送れることなど
私にできるだろうか
それを見守るしかない側も
残酷で辛く苦しい
今日と同じ明日が続くという前提のもとで
生活している事をありがたく受け止めて
大切に生きねばと感じた
亡くなった人は
生きていく側にとって
思いでの中で
生きていくもの
和美の「忘れていい」は
それを知っていたから
生きるためには
なによりも生活がある
仕事をする日常があり
その中で誰かと繋がり
辛いけれど 苦しいけれど
笑える時がいつか来る
それが「生きる」という事
お気に入りは「ひこうき雲」
飛行機が鉛色の塊で
空を飛ぶと言う表現ができる滑走路に
近いところに住む子供達の描写がすごくいい
初めてひこうき雲をみたのは
クラスの嫌われ者と言われた
ガンリュウとあだ名の女の子の見舞いで
降りたはまかぜ台
ひこうき雲は気温が零下50度
高度が1000メートルから1万メートルに
ならないと見えない
ベンが子供の頃に住んでいた所では
絶対見えないのだ
一緒に教室にいた時は男まさりで
ガンガン言ってくるみんなの嫌われ者の
ガンリュウと
病室で皆んなが書いた寄せ書きに
涙するガンリュウは違っていた
その姿を見たベンは立っていることさえ
苦しい思いをしたのは
近すぎて見えなかったガンリュウの姿が
遠く離れた病室で見えたから
それで「ひこうき雲」なのかと勝手に解釈
おじさんになったベンが小学6年のベンを
振り返り進む過去と
現実に起きてる年老いたおばあさんと
家族の絡みは生きること
死ぬことを考えさせられる
亡くなった人との思い出は
心から消える事はないけれど
遠のいていく
ベンのように
おばあさんの見舞いで市街地を抜けた電車が
海沿いを走りだした時
思い出す記憶になっていいのだと思う
ガンリュウの見舞いの色紙に
飛ぶ鳥を描いた山本さんが
看護師になって登場した事はよかった
後半は話の持って行き方にそつが無く描写も秀悦で感動された方には申し訳ないけど上手すぎてきれいで少し苦手