あらすじ
「センセイ、僕たちを助けてください」ある小説家のもとに、手紙が届いた。送り主である中学二年のタケシと、小学五年の男子リュウに女子のジュン。学校や家で居場所をなくした三人を、「物語」の中に隠してほしい。その不思議な願いに応えて、彼らのお話を綴り始めたセンセイだったが――。想像力の奇跡を信じ、哀しみの先にある光を探す、驚きと感涙の長編。毎日出版文化賞受賞。
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みんなは、いま、それぞれいろんな壁にぶつかってると思う。その壁は、ほんとうに分厚くて高くて、目の前いっぱいに広がってるんだと思う。でも、ちょっとだけ時間のスケールを大きくしてみたら、いまの壁も、いつかは越えられるかもしれない。
親の大事な数字4桁は、お兄ちゃんの誕生日。
嫌いな子、たくさんいるんだ、リュウって
じゃあ、リュウのことを嫌いな子もたくさんいるんだ。
5日かけて毎日じっくり読んだ。バイト中も読みたくてうずうずした。地下鉄を待っている間にも読んだ。
本当に、生きていてくれるだけで良いんだけど、当人は、苦しくて苦しくて仕方ないんだなあ。
登場人物の心理描写が本当に丁寧で、終盤はつい泣いてしまうところもあった。
信じられるものがないと、生きることが辛くなるよなあ。
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小学生の時、読書感想文を書く際に読んだ本で、あの時全部読まずに感想書いた本。何故か、思い出して手に取ってみました。
この物語を高く評価した人は、恐らく登場人物と同じ位の歳に同じ境遇、もしくは違う立場で後悔をしている人達なんじゃないかな…。だから、今そういう状況の渦中にいる子供たち、また学生時代を終えた大人たちには1度手に取って貰いたい本。
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物語の面白さ、想像力、希望
色々と思うことはあった、いじめの話は少し学生時代の苦い記憶思い出してしまったが、それだけではなくてなぜ物語を読みたくなるのか考えさせられた。ただ幸せな物語だけを読みたいわけではないと気付かされた。
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タイトルと表紙に惹かれて、買いました。
最後の方を読みながら、大号泣してました。
思い出すだけで悲しくなるけれど、とても素晴らしい、良い作品だなと思います。
泣いちゃうので、外では読めない作品です。
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3人それぞれの今までの生き方、のちに出会う人の思いなどをうけて一冊の中色々な気持ちになった。
一人一人が自分の意思を最後はしっかり持ててよかったし、とても感動した。
重松清さんの小説は優しさがある
とても悲しい物語ですが、温かみがある小説です。いつもの重松風の展開ですが、こういう小説って重松清さんしか書けないでしょうね。最後の結末も良かった。現実問題として、こうして虐められた子供達が、気楽に避難できたり逃げる事を認めてあげる国になれたらいいのに。別に学校に行かなくても良いって事を教えてあげたい。
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劇中劇のような不思議さ。追い詰められゼツメツが見えてしまった彼らの痛みと辛さに胸が苦しくなる。哀しい物語ではあるが読者に問いかける素敵な作品でした。
あらすじ(背表紙より)
「センセイ、僕たちを助けてください」ある小説家のもとに、手紙が届いた。送り主である中学二年のタケシと、小学五年の男子リュウに女子のジュン。学校や家で居場所をなくした三人を、「物語」の中に隠してほしい。その不思議な願いに応えて彼らのお話を綴り始めたセンセイだったが―。想像力の奇跡を信じ、哀しみの先にある光を探す、驚きと感涙の長編。毎日出版文化賞受賞。
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久々の重松清作品。「その日のまえに」を読んで号泣したのでこれも泣いてしまうかと思ったけど、かろうじて耐えた。
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「センセイ、僕たちを助けてください」ある小説家のもとに、手紙が届いた。送り主である中学二年のタケシと、小学五年の男子リュウに女子のジュン。学校や家で居場所をなくした三人を、「物語」の中に隠してほしい。その不思議な願いに応えて彼らのお話を綴り始めたセンセイだったが―。想像力の奇跡を信じ、哀しみの先にある光を探す、驚きと感涙の長編。毎日出版文化賞受賞。
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大切なのは想像力。信じることも想像力。この作品は物語の中と現実が交差してゆくので想像力が大切になるけど、すごくせつない物語。最初は少年少女の冒険!なんて楽観的に読んでたけど、そうじゃなかった。たくさん考えさせられる作品。
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家族の愛と絆を、とても儚い形で表現した作品でした。最後は涙なくして読めませんでした。電車内で誤魔化しながら読んでいて、コンタクトが外れてしまい大変でした。この作品が誰かを救ってくれるといいなあ。
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イジメに合い、学校で家でそれぞれ居場所をなくした、中学二年のタケシと小学五年のリュウそれに少女のジュンの三人が家出する。
重く哀しい話であるが、送り主のタケシの手紙と、センセイと呼ばれる小説家の文章とが交錯し、現実と小説内が混然とすることで、その哀しみが軽減される。
三人が、センセイの小説の中の登場人物と会うことにより、化学変化を起こすような不思議な小説。
タケシが語る
「人間には誰だって、どんなときだって、物語が必要なんじゃないか、って。特にキツいとき、自分がこのままゼツメツしそうなほどキツくて、苦しくて、たまらないとき、頭の中で物語をつくりあげて、そこに現実の自分を放り込むことで救われるのだと思うのです」
「人間は誰もが物語を必要としている」
小説のひとつの効能といっていいか。
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p.223
エミさんは「おとなをナメんな」と、笑いながら、そっけなく言った。
恵美がでてくるとは!
また、きみの友だちを読みたくなりました。
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ちょっと不思議な設定の小説。三層の劇中劇のような体裁を持ちつつ、劇中劇とも微妙に違う。
これは、ちょっと強引だけど、ファンタジーなんじゃないかと思う。
おそらく、重松清の他の小説に登場した人物も出てきている。
空想的なストーリーが印象的だけど、やっぱり、どうしてもこれだけは言いたい。
どんなことがあっても、自ら死を選んではいけない。
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学校や家で居場所を失った少年たちが逃げ込んだ先は、意外な場所だった。
悲しみと悔しさのラスト。残された者たちにはたくさんの後悔があったなぁ。
小説家は過去の自分の作品の登場人物が今なにしてるかなぁ〜って思い浮かべるんだって。それだけ想いを込めて書いてるんだなぁ
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君達は死んでいたんだ。タケシ、ジュン、リュウ。美由紀も。センセイは作者の重松ではなかった。そしてそのセンセイも亡くなっていたとは。多くの意外な展開、イジメの想像を絶する凄まじさ。本書は無理にでも暗くならないような配慮が随所に感じられる。人間性豊かなツカちゃん、ナイフさん、全てをわかっているエミさん。これらの脇役?の素晴らしさ。イジメた子供達にも配慮が。
登場人物の土台となった小説があるのだろうか。そこから読みたかった。あるような感じがするだけだが。もしあるなら、冒頭にそのような紹介があればベストだ。
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500ページある小説が、ぐいぐい引き込まれてしまいます。
重松氏の代表作になりそうな一冊でした。
これまでの小説中の登場人物が多く登場します。
重松ファンにはたまらない作品。
でも、しっかりシゲマツワールドで、決してハッピーエンドでは終わらない・・
これからに対してのメッセージ。
ずっと大切にしたい一冊です。
Posted by ブクログ
本篇の登場人物である作者を通して、この世の苦しみから逃れるために、物語の中に登場し、話が進められてゆく。
現実なのか、物語の世界なのか。
現実であるなら、あまりにも悲しく、物語の世界なら物語の世界だけにしてほしい。
再度に、自らの命を絶とうとする少女がおもう「一番」を踏み二次られたことの絶望に対して、同行していた少年の父親は
「君に思う一番である『夢』、『希望』、『正義』、『優しさ』、『思いやり』は一番ではない。本当の一番は『生き続ける事』。
明日を考えると怖くなる。しかし明後日はどうだ、一年後はどうだ。生きているということは何かを信じる事なんだ」という。
大切に思うことを踏みにじられ、いじめられることは本当につらい事だと思う。
いつになったら、そのようなことのない世の中になるのだろう。
重松清のテーマであろう。いつも考えさせられる一冊だった。
Posted by ブクログ
つらい。
こういう結末だとは、読み始めには思わなかった。
けれど、意外にも、暗さはない気がする。
「銀河鉄道の夜」を、ふと思い出した。
でも、ジョバンニは出てこないんですよね?
リュウがジョバンニになるのかと思ったのだけれど…
彼も、列車からは降りなかったんですね。
そして、途中から美由紀さんの物語と二本立てのようになる。
物語の中でしか生きられなかった彼等の「光」とはなんだろう?
『生きていてほしかった』という、親の願い?
『仲間』とたどった最後の旅?
なかなか、答えがみつかりません。
Posted by ブクログ
重松清ファンがにやにやしてしまう作品だとおもう。
でも、そうやってにやっと笑える話というわけではない。
決してない。
子どもの心のあたたかさ、しょっぱさ、儚さを描いてると思う。
著者本人も書いてたと思うけど、本人を救う意味もあるんじゃないかな。
またえらそうに書いているけれど。
Posted by ブクログ
2014年 第68回毎日出版文化賞受賞。
いろんな賞があります。
小説家の元にゼツメツ少年と称する子供から「助けてください」という手紙が届く。小説家は、三人の少年少女を隠す物語を書き始める。
イジメや家庭問題等で居場所を失いつつある子供達の心の叫び。主題は、いつもの重松さん。
なのだが、何かいつもと違う。どんどん話が複雑になって、救いがなくなってくる。
重松作品をすべて読んでいるわけでもなく、順を追って読んでいるわけでもないので、明確に覚えていないのだけど、過去作品の登場人物達も現れ、三人の子供達と触れ合っていく。
エピローグで、この小説を書く決心をした、友人との悲しい思い出が書かれていて、この作品をこの結末とした悲しい理由がわかる。
イジメにあう子供達の心情を丁寧に書いて、その子供達を小説の中で生かそうとした力作だと思う。
ただ、私はそろそろイジメにあっている子供達が親を心配させても良いし、役に立たない教師学校から脱却してほしい気もする。
本当は優しい子供でも家庭に何かトラブルがある子供でもイジメをする側が確実に悪いのだから。
恐喝なんか警察介入で良い。
イジメは許されないという断固とした小説を重松さんにお願いしたい。救いがなさすぎる。
Posted by ブクログ
『変化していくような本』
序盤は何だか不思議?かと思うようだが
話が進むにつれ点と線が繋がっていくような感覚
こういうことか…?と考察しながら読み進められる
これは私の想像力というか諸々足りない故かもしれないが、最後の最後にそういうことか!
といった答え合わせが出来るような感じ
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2013年刊の文庫版。過去作の登場人物と新規を加えて、創作の世界が現実(として描いた世界の展開)と意図的に干渉し、良い方向へと導き直すことは可能か?…的な実験的な長編。主題は「イジメ」、又は、生きることを許容されない者達の苦しみと絶望、僅かな希望。
文庫版で後書きを含めて500ページ余り。概ね黒いページが多い上に、これでもかと追い詰められ、屈辱的な危機状況を書き連ねられていたり……。
この本を勧められるのは、いじめる・いじめられる子の現在と経験の認識を知る&理解したい人、疑似体験してみたい人、作者の大ファンで多くの作品を読んでいる人、かな。
勧められないのは、既にメンタルが溢れそうな人、傷跡の痛みが癒えていない人、感情移入し過ぎてしまう人。自分は残念ながら後者なので、評価は下げました。救いが無い。読み物として面白くはあるけれど、読後感は非常に良くない。疲れた。
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ちょっと久しぶりの氏の著作を。小川版・作家の値打ちでの超高評価を見て、本作をチョイス。なるほど、信じていた場面がガラッと変わっていく展開は、一風変わった企みで面白い。全てを読んでる訳じゃないし、読んだものも詳細を忘れているしで、個人的にはほとんどピンとこなかったんだけど、過去著作の登場人物が要所で登場してくるってのも、きっとファンにとってはたまらない仕掛け。さすが安定のクォリティ。
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いじめがテーマとなる青春小説
題名でもあるゼツメツと言うのは、恐竜の絶滅とかけており、このままでは自分たちがゼツメツしてしまうと危惧する少年少女のお話。
クライマックスはどうなっているの!?と、理解に苦しんだ箇所もあったが、自分的にはハッピーエンドと捉えた
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月に一冊は読みたくなる、重松清さん。
小説家のセンセイの元にある少年から一通の手紙が届く。
行き場のない僕たち3人を、センセイの小説の中に隠して欲しい、と。
その3人は、
いじめられっ子を助けたばかりに自分がいじめの標的になってしまった少年リュウ。
自分が生まれる前に亡くなってしまった「姉」の存在に苦しむ少女ジュン。
そして、幼い頃から兄と比べられ、その兄からの壮絶ないじめに苦しめられてきた少年タケシ。
彼らはある集いで知り合い、タケシの提案で、「家出」することを決意する。
「家出先」で彼らは何人かの登場人物に出会う。
それが重松作品の過去のキャラクターのようなのだが、私は重松作品まだまだ初心者のため、ピンと来なかった。
きっと重松ファンなら、ああ、あの作品のあの人だ!
って分かるんだろうな。
物語は、センセイの視点と、リュウの視点で交互に進んでいく。
重松先生は少年たちのいじめ問題を扱ったテーマの作品が多いけど、
この作品は特殊。
少しファンタジー要素も入っている。
これは実際に3人に起こったことなのか、それともセンセイが脚色を加えて書き進める「物語」なのか。
想像力が求められる。
展開としては、悲しい。
重松作品は、ハッピーエンドではない物語も多いんだよな。
これは私の希望だけど、この作品のパラレルワールドのような、違う展開と結末が用意された物語を、もう一度重松さんに紡いで欲しいな、と思った。
リュウ、ジュン、タケシ。3人の歩んでいく姿をまた見てみたいと思った。
Posted by ブクログ
夢オチとまではいかないけれど、作家が描くストーリーという設定の物語なので最後までハッピーエンドを信じました。バットエンドとは言わないかもしれないけれど、少なくも幸せな結末ではないですね。
もともとツカちゃんとエミちゃんが出てくるお話だと前情報で聞いたので、これまでの人気作品を絡めたその後の物語だと軽い気持ちで読み始めました。軽い気持ちで読んではいけなかったですね。読後のダメージが大きかったです。誰かにとって嫌いな人は、誰かにとって大事な人でもあるんです。それを後で後悔したって時間は戻せないのです。物語の中で幸せに生きていたってそれが現実でなければ辛いだけですし、発作のように突然襲ってくる苦しみや悲しみには想像力では勝てない。それでも遺された人たちは生きていかなきゃいけないなんてしんどいですね。
Posted by ブクログ
心に響いた言葉
『赤ちゃんは抱っこして落とせば簡単に死ぬ。鼻と口を塞いだら簡単に殺せる。自分より弱いものを抱いて守ってやってる時の感触や気持ち。忘れたくない』
『大事なのは想像力』
『誰かのことを変わってるって思う人は自分の世界がまだそれだけ狭いという事。世界が広がればそんなの別に変だとは思わない。』
その通りだと思う。その人も普通だと思ってやっているのだから、変ではないはず。自分の世界が広がればそれも普通なのだ。
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ストレスのはけ口がイジメに繋がっているのか、部活動のような没頭できる事を見つければ、解決するという単純な問題でもないか。経済が豊かさが増えても、こころの豊かさは伴わない。2017.7.6
Posted by ブクログ
「僕たちをゼツメツさせないでください」。悲痛なメッセージが小説家のセンセイに届いた。この言葉が意味することは何か。想像力の奇跡を問う長編小説。
重松さんが一貫して私たちに訴える生きることの大切さ。いじめや差別の無意味さは誰も分かっているはずなのに、何故なくすことができないのだろうか。こんなことで命を失うのは、本当にやりきれない。