重松清のレビュー一覧

  • その日のまえに

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    プロローグ

    教室の廊下側の席に着くと、目線を窓側に向けた
    ガラス窓は半開きになっており、そこから
    爽やかな風が舞い込んでくる
    その風の出入口に彼女は座っている

    彼女の香りは僕まで届かない、なんとも近くて遠い
    そして、僕の想いも彼女には届かない

    彼女は、艶のある唇で鉛筆を挟みながら、
    いつも窓の外を眺めていた


    本章
    『その日のまえに』こういう本に出逢いたかった!
    感動の★5
    NSFMさんの本棚から
    あの冷静沈着にレビューを書かれるNSFMさんが
    生涯トップクラスの感動!
    屋外で読まないで!
    との文言で即断!!!

    6編の短編小説
    どれも共通しているのは、過去と現在そして死
    それぞれの家

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    2025年11月29日
  • ステップ

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    重松清の『ステップ』を読み、前に進み続けることの大切さを改めて感じた。主人公の健一は、突然妻を失い、幼い娘のみきを抱えてシングルファザーとして生きていく。彼が娘を抱っこしながらも、どうしても「仕事の延長」のように業務的になってしまう姿は、とてもリアルだった。生活のために働き続けなければならない一方で、みきが求めているのは、抱っこのぬくもりや、母親のような柔らかさだ。そのギャップを埋められないと理解しつつ、それでも必死に寄り添おうとする健一の姿には胸を打たれた。

     物語の中で、義理の父が健一に説教をする場面がある。「自分の娘が悲しんだことを他人事だと思うな。自分のことだと思え」という言葉は、読

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    2025年11月28日
  • めだか、太平洋を往け

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    自分の考える「正しい」ことが、他の人の「正しい」とは限らないということを感じた。
    他人に言われることを全部正解だと思わずに、自分の道を進んでいきたいと思えた。

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    2025年11月28日
  • ステップ

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    ホントにもう、重松清さんの本は電車で読んではいけないと思う。またしても涙と鼻水が止まらず…

    氏の講演会で隣に座った男子学生が、人気投票1位と予想していた作品だったので手に取った(その講演会での一位は本作ではなかったけど)。

    で、これを読みながら思った。

    人の内面、感情を描いた作品はたくさんある。
    その中でも、例えば三島由紀夫の金閣寺は、吃りの寺の跡取りというある意味特殊な主人公の屈折した感情の動きを、ここまで掘り下げるかというくらい深読みして、格調高い言葉を駆使して表現している、ある意味極北とも言える作品だと思う。ただ、「うん、こういう思い、わかるよ」と万人が感情移入できるモチーフ、表現

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    2025年11月26日
  • ひこばえ(下)

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    私もご先祖様のひこばえなんだと考えると、とてもとても遠いようで、でもなんだか誇らしくもなるなぁと思った。
    ただただ‘家族’というわけではない。深く深く、強い強いつなかりを持っていて、絶対に切り離せなくて、そして優しくてあったかいもの。
    不器用な人もいるし、余裕を持っている人もいて、何度も失敗をする人がいて、何事も優しく受け止めてくれる人がいる。

    迷惑と面倒は似ているようで全く違うんだと
    迷惑はかけてはならないけれど、面倒くらいはかけてもいいんじゃない。
    この言葉は大切にしようと思った。

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    2025年11月21日
  • かあちゃん

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    ずいぶん前に読んだ本だけど、まぁ泣ける泣ける…。

    自分が「かあちゃん」の立場なのもあるかもしれないけど、子どもたちが自分なりに、やってしまったことに対してきちんと向き合う姿がよかった。

    この作家さんはけっこうお年で、他作品では価値観が古くてちょっと…と思う時もあるけど、この本に関してはいじめという難しいテーマに鋭く切り込んだ傑作だと思う。

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    2025年11月20日
  • きみの友だち

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    ★一緒にいなくても寂しくないのが友達なんじゃないの。
    ★俯いてから空を見上げると自然と笑顔になれる。

    学校生活での恵美のまわりの友達について、俯瞰したところから書いた小説。一人一人にフォーカスした短編連続小説だった。
    1番好きな物語は堀田ちゃん。すごく共感できたから。戦争より平和が好きだからどこの味方にもつかない。八方美人のようにいっぱい友達がいる。でも本当の友達は?そんな悩みが重なった。友達がいない訳じゃないけどだれにでもいい顔をしてしまう。私は恵美みたいなさっぱりした考え方と由香ちゃんみたいなほんわかした雰囲気を持った人になりたい。

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    2025年11月18日
  • ステップ

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    いっぱい泣いた。

    残された人たちの日々。

    重松清さんの言葉が染み渡る。

    優しい言葉たち。

    久しぶりにこんなに泣いた。

    やっぱり重松清さんの言葉はいいんだよなあ。

    優しくて。でも現実的で。

    人を大切にしたいと、改めて思った。

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    2025年11月16日
  • ポニーテール

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    なぜ?私と同い歳のおじさんが、こんな話を書けるのか?
    子供のこころ、娘のこころ、母親の心、父親の心。我慢をする、意固地になる、平等な愛、どう対処すれば良い。いろんな心が時には寄り添い、時にはぶつかって、時は進んで行く。
    優しさに満ちた「はじまり」の物語。あとがきを読むと、震災の時に書き終え、震災後に出版された本書の目指したところが見えてくる。

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    2025年11月15日
  • きみの友だち

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    大好きな本。小学生の時から中学生にかけて4回くらい読んでる。ほんとうの、大切にすべき友だちとは何かを教えてくれた気がする。

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    2025年11月14日
  • その日のまえに

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    連作短編集。
    連載を大きく改稿した単行本で、独立した短編としても読めるし、繋がった世界としてもさらに楽しめる。

    生きること、死ぬこと、のこされること、歩き出すこと。それらに深く触れられる。
    死という泣かせの常套句を扱ってはいるが、これほど素晴らしく表現されている作品はなかなかない。

    ・ひこうき雲
    小学6年生の時に入院した、嫌われ者の女子、ガンリュウ。時は流れ、40代になってから同じ街の介護施設に入所している、認知症の妻の祖母。
    病気。生と死。言葉や態度。正直な気持ちと建前。じわりと胸を締め付けられた。

    ・朝日のあたる家
    マンション14階に住む、高校教師のぷくさん。夫を亡くして娘と二人暮ら

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    2025年11月10日
  • きみの友だち

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    これも涙なくして読めなかった。

    それぞれの短編の中で、それぞれの「きみ」の心の奥を見抜いて、端的だけど刺さる言葉を発する恵美さんが、瀬尾まいこさんの「あと少し、もう少し」に登場する先生を思い出した。

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    でもさ、青だけの空って、のっぺらぼうじゃん。空の顔つきって雲で決まるんだよ。お日さまだってギラギラして、うっとうしいときもあるじゃん。雲は雨も降らせるし、日差しもさえぎるし、けっこうクセモノだから。
    邪魔じゃないよ、雲は。
    がんばれ、雲。

    私は「みんな」って嫌いだから。「みんな」が「みんな」でいるうちは、友だちじゃない、絶対に。
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    「みんな」という人はいないんだよな。

    重松さ

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    2025年11月09日
  • ビタミンF

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    最初読んだのが小6とか中1とかで、いや意味わからんってなってたけど、今読んでみたらめっちゃおもろいやんってなった。感情を色んな表現、比喩で表してる訳でも無いけど、少しの言葉とか、表情、動きの描写で、どうしても出てきてしまう負の感情とか、漠然とした不安とか、その不安をなんとか見ないふりをしようとする所とかが伝わってくる。最初セッちゃんが一番面白いと思っていたけど、はずれくじとか、なぎさホテルがすごい印象に残った。

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    2025年11月08日
  • 赤ヘル1975

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    1975年、原爆の影が色濃く残る広島の街。
    貧乏弱小だったカープの初優勝への足音を背景に「連れ」の少年3人の物語。

    うっかり(?)カープファンになりそうになる。

    少年3人は大人になったら再会して欲しいなぁ。

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    2025年11月07日
  • みぞれ

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    ひたむきな人生
    死ぬ理由がなければ、生きる理由があるわけでもない。
    人生という物語に大きなことは起きないかもしれないけれど、そこには人それぞれ様々な生き様、人生があると思わせる小説

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    2025年11月06日
  • その日のまえに

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    昨日の続きに今日があり、今日の続きに明日がある。過去から未来は繋がっていて、当たり前のように続くと思っている日常。
    いつかは訪れる『その日』
    そして、その日のあとも続いていく。
    素晴らしい連作短編。
    当たり前に続くと思う日常を大切に思いたくなる1冊。

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    2025年11月03日
  • 半パン・デイズ

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    主人公は十ほど年代が上でエピソードは少し違えど同じような心の揺れみたいな淡い記憶が呼び起こされて読み終えて少しぼーっとしてしまったなんていうかめちゃくちゃエモい

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    2025年11月03日
  • 流星ワゴン

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    長編小説の素晴らしさはこの本で知った。満足感すごい。あのときこうしてればよかったとか、後悔の感情が強い人に読んで欲しい。人間は完璧じゃないけど、そんな人間の良さがこの本に全て詰まってる。

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    2025年11月02日
  • きみの友だち

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    小学生の頃に1度読み、凄い共感、感動したので中学になり再び読みました。
    色んなきみのお話で共感できるようなお話もあったり、
    友達ってなんだろうと改めて実感、、
    この本を読んでまた本にハマり始めました
    1番好きな本です
    何度も読み返したい、、

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    2025年10月29日
  • その日のまえに

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    友人に「泣けるから読んでみて」と勧められて、まぁ、と思いながら移動中に読みました。移動中に読まなきゃよかったです。泣きました。

    「その日」を迎える短編が最後にゆるっとオーバーラップ。どの話も温かくて、けれど寂しくて、涙なしでは読めません。

    私は若い頃に「その日」を迎えており、病室に泊まり込んで管が刺さった母の痰が少しでも取れるように、加湿器の位置を変えたり、モルヒネの影響で意識が混濁し、意味不明な事を言ってる母の背中を泣きながら摩っている状況がフラッシュバックし、「あの日」一生忘れる事のできない出来事でした。

    その日の前に、後悔がないように生きたいものです。

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    2025年10月26日