重松清のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
連作短編集。
連載を大きく改稿した単行本で、独立した短編としても読めるし、繋がった世界としてもさらに楽しめる。
生きること、死ぬこと、のこされること、歩き出すこと。それらに深く触れられる。
死という泣かせの常套句を扱ってはいるが、これほど素晴らしく表現されている作品はなかなかない。
・ひこうき雲
小学6年生の時に入院した、嫌われ者の女子、ガンリュウ。時は流れ、40代になってから同じ街の介護施設に入所している、認知症の妻の祖母。
病気。生と死。言葉や態度。正直な気持ちと建前。じわりと胸を締め付けられた。
・朝日のあたる家
マンション14階に住む、高校教師のぷくさん。夫を亡くして娘と二人暮ら -
Posted by ブクログ
これも涙なくして読めなかった。
それぞれの短編の中で、それぞれの「きみ」の心の奥を見抜いて、端的だけど刺さる言葉を発する恵美さんが、瀬尾まいこさんの「あと少し、もう少し」に登場する先生を思い出した。
---
でもさ、青だけの空って、のっぺらぼうじゃん。空の顔つきって雲で決まるんだよ。お日さまだってギラギラして、うっとうしいときもあるじゃん。雲は雨も降らせるし、日差しもさえぎるし、けっこうクセモノだから。
邪魔じゃないよ、雲は。
がんばれ、雲。
私は「みんな」って嫌いだから。「みんな」が「みんな」でいるうちは、友だちじゃない、絶対に。
---
「みんな」という人はいないんだよな。
重松さ -
Posted by ブクログ
友人に「泣けるから読んでみて」と勧められて、まぁ、と思いながら移動中に読みました。移動中に読まなきゃよかったです。泣きました。
「その日」を迎える短編が最後にゆるっとオーバーラップ。どの話も温かくて、けれど寂しくて、涙なしでは読めません。
私は若い頃に「その日」を迎えており、病室に泊まり込んで管が刺さった母の痰が少しでも取れるように、加湿器の位置を変えたり、モルヒネの影響で意識が混濁し、意味不明な事を言ってる母の背中を泣きながら摩っている状況がフラッシュバックし、「あの日」一生忘れる事のできない出来事でした。
その日の前に、後悔がないように生きたいものです。
-
Posted by ブクログ
小学生向け「働く」本を探して。これは良書!
絵本サイズですが、内容は普通の小説短編くらいの字のサイズと分量です。小学校の中・高学年から読めるかな。
挿絵も大きくて工場の機械類に温かみを感じる優しさがあります。
新しいゲーム機を買ってもらうために「ゲーム機が壊れた」と嘘をついたエリカは、両親に言われておじいちゃんが働く工場に行くことになった。
おじいちゃんの働いている工場では機械を作るための機械の「工作機械」を作っているんだって。
エリカは「工場」といったら煙がもくもく…のようなものだと思っていた。でも工場長さんに案内された工場は思っていたものとは違っていた。周囲の環境や、働く人たちの快適を考 -
Posted by ブクログ
好きな作家は?と聞かれて、必ず答えていたのが重松清。ビタミンFに収録されている短編は、すべて”ある家庭の30代後半から40代のお父さん”の視点の物語である。中学生の頃は、お父さんの生態を解き明かす解剖書のように読んでいただろうか。31歳、妻歴4年目、社会人歴11年目の今、再読すると、30代になった変化、夫婦としての日常、会社の先輩後輩とのやり取りが、あと何年後かの自分の予言書のように思えた。
こんな大人になりたくないになってしまった私達に、そんなもんだよ、だけどちょっぴりでも変えることはできると希望感を残してくれる。人生に希望はあるなんて大仰に説得してこようとする話なんてない。一つ一つのお話が -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分に関わりのある人のその日(人の死)を前に人々が何を思い、成していったかを綴った短編集。最後の物語は、それに加えて「その日」と「その日の後」も綴られている。
涙、涙で読み進んだ小説だった。
特に、二人の息子のいる妻のその日の物語は、「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」で描かれていて、特に印象深かった。前編に出てきた登場人物が出てくるのもよかったし。
「その日のあとで」、亡くなった妻が何度も何度も書き直した夫への手紙が、息子達の未来を託すとかの内容でなく、
「忘れてもいいよ」
のただの一言だったのが印象的だった。
死期を悟った時、私自身、または親族がその日を迎える前にどう思い
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。