あらすじ
夢やぶれて実家に戻ったレイコさんを待っていたのは、いつの間にかカラオケボックスの店長になっていた弟のタカツグで……。家族やふるさとの心の絆に、しぼんだ心が息を吹き返していく様子を描く感動長編!
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Posted by ブクログ
田舎から都会に行った者が田舎に戻った時の様子が表現されている。田舎特有の人間関係は鬱陶しさもあるが優しく。家族、特に祖父母の優しさやそれを感じ取るレイコさんの優しさ。とても心が温かくなる本でした。
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家族や周りからの期待を背負って田舎から東京へ上京、東大受験を目指すも3浪してしまい、傷心して田舎に舞い戻ってきたレイコ。
しかし田舎のこの集落では、頭のいい子は都会に出て『偉人(えらじん)』になり、戻ってくると言われており、いたたまれない…。
現役で大学に受かろうが、浪人しようが、結局大学進学はやめようが、もう僕くらいの年齢になればそれはあまり関係無いことだが、若い頃はそんなわけにはいかない。3浪したコンプレックスに負けそうになる。だが消えてしまいたいのに、田舎の人たちはそれを許してはくれない。
他人のプライベートには立ち入らないのが都会の人の主義。しかしそれは他人に興味をなくしだんだん人間関係が希薄になる寂しさもある。
だが、故郷の人たちはその逆だ…どうした?何があった?と悪気なく心の領域に入ってくる…感情のコントロールが難しい
過疎化した田舎に住む家族や周りの人たちと触れ合ううちに、これからの自分を見つめ直すレイコ…。
レイコのこれからがどうなるかまでは書かれていないが、ふるさとで家族や仲間に囲まれて『心の洗濯』をし、これからまた歩みを始めていく…そんな前向きな終わり方でよかった。
『ふるさと』の存在。それを改めて問いかけるような小説でした。
僕は今住んでいる場所がふるさとであり、帰省する場所も無いので少し羨ましくもあるなあ…。
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家族や地域、それぞれの関係性が希薄な時代だからこそ、深く考えるきっかけになり強く心に響いた。なんのために進学するのか、どう生きていくのか、家族や周りの人だけでなく自分自身に誠実に向き合うことの大切さを感じた。どんな選択をしても正解かどうかは何年も先に振り返って分かることで、自分自身で正解にしていくんだろうと思った。
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レイコ 東大3浪 故郷に帰還 今後の進路に悩む
タカツグ 弟 カラオケ 店長
イネちゃん 高校のとき家出
旦那の元を離れレオと帰郷
達爺 無口
キミ婆 レイコの母が倒れたとき頑張ろうとして転倒
医者のいうことを聞かず歩行練習始める
余計に悪化
しかしやめない
レイコやめてよという
平手打ち
「あんたが東京行くときに駅まで見送りに行きたい.練習せな間に合わん」
マスオさん イネちゃん旦那
仕事長続きしない
寝言でお母さんと言っていたのを聞き,故郷に帰らせてあげようときめる
レオ 田舎に友達がいないので歌うことしかしない
イネちゃんまた都会へ
サブちゃん 60過ぎ一人暮らし
みんなの田んぼを管理
息子 弁護士,医者 サブちゃんを押し付けあう
いくら出せばいい?
キミ婆
「金の話をするときは恥ずかしい顔をせえ
自分の都合を言うときはつらそうな顔になれ
身内を・・・身内を捨てるときは涙の一つも流せ
ええの レイコ」
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三浪して東大受験に失敗した主人公レイ子さん。傷心帰省の途中にバツイチママと、再会。久しぶりの家族との日は煩わしいがそれぞれの立場で仕事があると気づいていく主人公。
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都会生まれの都会育ちで地元から離れて暮らした事のない自分には過疎化の進む田舎の生活は感覚として理解し難いものがあったが、人の優しさ、家族の温かさは心に沁みた。
とくに『エラジンさん』の話しは良かった。ほんとうのエラジンさんとはどんな人なのか、地位や学歴、収入じゃないよね〜
Posted by ブクログ
大好きな作家さん。
主人公のレイコさんは優等生で田舎でやぼったい故郷から離れたくて東大を目指して上京。
やがてふるさとに帰ることになり、ふるさとへの思に変化していく。
田舎の過疎化についてよく書かれているし、田舎はのどかで住みやすいという優しいお話ではなく、田舎のリアルが見て取れます。キミ婆さんみたいな人は本当に居ます。ゴロゴロ居ます(笑)
以下引用
高校時代は駅前で出くわしても目を合わせないようにしていた地元組も、ひさしぶりに会うと、そんな柄の悪そうな感じではなかった。みんな大人っぽくなった。愛想がよくなった。
自分と同い歳で、自分よりずっと出来の悪かった地元組がおばあちゃんと世間話を楽しめるなんて…
田舎はよくもわるくも顔見知りが多く自然とこういう状況になっていくだろうし、みんな年を重ねておじさんおばさんおじいさんおばあさんになっていく。ザふるさと。ザいなか。というのをリアルに感じられる物語です。
Posted by ブクログ
今回の作品は、頻繁に目頭が熱くなるものではなかったが、田舎ものとしては、「わかる、わかる、ん」というものだった。
『みんなで、みんなが、みんなとともに、みんなのために』
そういう世界があってもいいと思う。
Posted by ブクログ
決して悪くない。
しかし、期待を上回らない。
主人公が若者のレイコさんではなく、年寄りのキミ婆さんなら泣けたのかも知れない。
重松清の作品に安定感があるのは間違いない。
Posted by ブクログ
三浪して梅郷にかえってきたレイコさん。
田舎から東京に出たことで、比較しながらも田舎で生活し周りの人からも刺激を受け価値観が変わっていく。
田舎特有の、距離感が近くてウザったい感じも、そのお陰で安心感のある居場所になりうる感じも「田舎あるある」だなとほっこりしました。
田舎って狭くて個人情報筒抜け窮屈コミュニティだけど、その辺は書いてないからちょっと都合いいなと思ってしまった。
Posted by ブクログ
故郷を題材にした家族の物語。
高校まで過ごした故郷を思い出させてくれた。
故郷って大事だね。
家族って大事だね。
たまには帰省しなきゃなって思わされる作品でした。
Posted by ブクログ
夢破れ 田舎に帰って来た主人公の話
何となく東大受験に何度も挑み
何度も落ち
何で大学に行きたいかも分からない
田舎に戻り でも勉強し
無難な大学にするか…東大また挑むか…
自分の場合は、ずっと何となく生きてしまい
小さい頃からの夢もなく
カレーを食べればラモスになれると思っていた(Jリーグカレーじゃん!!)
でも、この主人公のように がむしゃらに挑むとか 自分には無かったかなぁ
人は選ぶ道が間違ってても、それを正解として進んでかなきゃイケないし
自分はどちらかと言えば、主人公の弟さんっぽい性格かなぁ…2話のコイノボリの話はグッと来たなぁ
とにかく元気で居ればいいし
目標があれば挑めば良いし
無理だったり、状況的に無理ならその環境内で1番いい選択して誰のせいにもしない。
ってのが1番だと思う
自分のいる場所が
良いと思えば【城】になるし
悪いと思えば【牢】となる
でも田舎の過疎化は嫌ですよね
どっちかって言うと田舎の方が好きですし…
※結局 話は変わるけど何が言いたいかって言うと
【野球バンで「消える魔球は3回まで!」と決めてるのに4回目使うと 友達は暫く話してくれないよね?】って事!!
Posted by ブクログ
家族のせい?家族のため?
めんどくさい繋がりの一番近い存在。甘えがあるため言いたいことも言い過ぎてしまいがちで、反面、言い難いことも沢山。
レイコさんの葛藤、家族、田舎のしがらみもよく分かる。でも結論は出せないけど、大事にしたいものが、よく伝わってきました。
重松さんの作品は、なんともならないことになんとか着地点を見つけようとする、やるせなさを自身に重ねて考えさせられます。
Posted by ブクログ
都会か田舎かどちらを選ぶかは別にして、田舎と家族のあたたかさが、じーんと沁みるお話でした。
特に第5話の「エラジンさん」は、本物のエラジンさん(=偉い人)が田舎だからこそ共に生きていけるお話で、いい話だけど切ない。
東大受験に3度失敗した末に、将来に行き詰まり実家の田舎に戻ったレイコさん。
今まで嫌で仕方なかった梅郷の暮らしだったけど、3年ぶりに帰ってみると、家族や友人の温かさに気づき、このまま田舎もいいかもと気持ちが揺らぎ始める。家族のためにも地元の大学へ進学しようと思うと話すレイコさんは、「家族のせいにするんだね」と言われてしまう。
レイコさんは思う。
「家族のためと、家族のせいの違いを教えてよ」
大事に違いないけど、時に重い家族。
重松清さんは、いつも問いかけてくるね。
ただ、今の時代はまた少し違うかな?
田舎とはいえ、少し古くさく感じたな。
Posted by ブクログ
この本に出てきた田舎の人間関係みたいなものがなんかちょっと苦手だなーって思った。読んでる時はいい部分もあったはずなのに、感想を書こうと思うとそんなことしか出てこなかった。
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オイラの中ではこの物語の主人公はキミ婆や珠代さんだ。家族を守って、住んでいる場所を大切にして、そしてそんな風にして日本って国があるのかなって思う。いやそうであってほしい。誰も親や住む場所、国を選ぶことができないけど、できればどれに対しても感謝していたい。何かあったら力を貸す自分でありたいと思う。そのほうがオイラ自身が幸せだと思うから。キミ婆が言う。
“じいさんがおって、ばあさんがおる。お父ちゃんもお母ちゃんも元気で、子どもらも一つ屋根の下で、おんなじおまんまを食うて、おんなじ風呂に入って……その幸せを、しっかり噛みしめんさい。家族みんなが顔を揃えとる幸せを、忘れたらいけん。あたりまえのことでも、それがほんまは、ものすごう幸せなことなんじゃいうんを……あんたら、忘れたらいけん、絶対に忘れたらいけん……”
オイラ、忘れてるよな。
そしてしきたりとか慣習なんかに縛られないのがイネちゃんかな。イネちゃんはきっと何が幸せなのかわかっていて、障害物があったら本能的にピョンっと飛び越えちゃう。キミ婆や珠代さんとは対極にいるのかもしれないけど、手段が少し違うだけで求めるたどり着きたい場所は同じなんじゃないかな。
問題はレイコさん。何がしたいのか、何が欲しいのか、自分でもわからない、困った人だ。でもオイラもそうだったんだ。だからレイコさんみたいに周りにたくさん迷惑をかけた。でも珠代さんたちみたいにわかってくれる大人がいてくれたおかげで大きく踏み外さずに済んだんだと思う。オイラはキミ婆や珠代さんみたいな大人になってるかな。
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重松作品は毎回どこかで泣かされるけど、今回もさぶちゃんの回で泣いてしまいました。
色んな話が盛り込まれていて、どれも面白いけれど、サラッとしていてもう少し踏み込んだお話が読みたかったかも。特に最後、主人公が結局どうなったか、受験に受かったのか、かっちゃんとは何もないままなのかについても触れてくれたら嬉しかったなー。
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東大受験に3度失敗したレイコ。
4度目の受験は失敗出来ない…。
地元の国立大も視野に入れ、一旦は故郷の梅郷へ帰ることに。
両親、祖父母、弟のタカツグとの6人暮らしと久々にまた同居することに。
小さい頃から頭が良く周囲からの期待も高かった。挫折を味わったレイコの敗北感は大きかった。
鬱屈した気持ちで過ごしていたレイコだったが、同じく「都落ち」で帰郷してきたシングルマザーのイネちゃんや、かつての同級生たちと関わり、また、タカツグが店長を務めるカラオケボックス「ウッドフィールド」で過ごし、様々な人と接することで、気持ちが前向きになっていく。
ラストは、綺麗さっぱり全てが解決するわけではない。(重松さんはこう言う終わり方が多い印象)だけど、登場人物は新しいスタートに向かって前を向いている。それがとても清々しい。
だけど、一つ。
三人称が「レイコさん」と言うのが最後まで個人的にしっくり来ず、気になってしまった…
Posted by ブクログ
くよくよして、自分こやりたいことはっきりしてなくて、まわりの目ばかり気にする人が主人公なのが、いかにも重松清さんの本。 自分と考え方が違いすぎて、いつも、何だかなあ…って気持ちがする。 それでも別の作品読んじゃうから、好きなのかなあ。 うたって、寂しい人が歌うものじゃない。 歌ってる人も、聴いてる人も幸せになれる、素晴らしいもの。
Posted by ブクログ
東大を目指し受験し続けるも三浪。
夢破れ帰郷する主人公。目に入る景色は一面の田畑。電車も数時間に一本。爺さん婆さんだらけの過疎村。
高校を出て家出をし、奇しくも、一時東京にいたが21歳でバツイチのシンママになって同じく帰郷した同級生に出遭う。
農業を営む、地方山村。
流れる時間は緩やかで、世間は狭く、土着のルールはめんどくさい。
盆暮れ正月に帰るくらいでちょうどいいのかな。
まあ、故郷があるってのはいいことか。
戦争を経験した婆ちゃんの台詞が胸を打つな。
サザエさんを思い出す。
波平がいて、マスオさんがいて、カツオがいて、タラちゃんがいる。フネにワカメも。
そう。磯野家にいる両親、旦那、兄弟、息子。それは全て戦争で失わらたもの。戦後の残されたものたちに希望を与えたんだな。
Posted by ブクログ
東大合格を目指していたが3浪しふるさとに戻ってきた主人公。優秀で夢を追いかけて努力したものの、諦めて実家に暮らすいたたまれなさは、私も同じような経験があるので痛いほど同感しながら読んだ。終盤、再び東大受験を目指し頑張る主人公だが、結末は描かれず終了する。主人公の悩み、3浪もした努力の積み重ねの結果を描き切って欲しかったなという思いがありモヤっとした感情で終わった。
家族、ふるさとは煩わしく思う反面、大事にしなければという思いにもさせてくれる作品だった。
Posted by ブクログ
受験に失敗して田舎へ帰った彼女を迎える家族、町の人々を通して成長していくお話。
普通の日常ということもあるのか、なかなか読み進められず・・感動するということもなし・・すみません。
Posted by ブクログ
東大受験三浪し、地元の田舎に帰ってきたレイコさんとを中心に、田舎と家族に起こる出来事が描かれる。
心の処方箋になるような、温かい話であるが、レイコさんと自分を重ね合わせてチクリチクリと来た場面も。
どんなエラジンさんになっても…
親切の基本は…
ふるさとに帰って…それで頑張れる
気に入った文章。
Posted by ブクログ
家族のために、地元のために。
それが回り回って自分のためになるのだろうか。
ありがちな「地方を盛り上げる活動」ではなく家族が軸になっているからとても身近に感じることができた。
Posted by ブクログ
東大受験に失敗(しかも3年も!)し、上京して暮らしていたアパートを解約して、生まれ故郷に帰ってきた21歳の女の子。
そこで、家族や友人、地元の知り合いなどとの交流を通して、故郷で暮らすことの意義や家族の大切さなどを再認識していく。
ありきたりといえばありきたり。
重松清なんだから、もう少し何かが欲しいところだ。
あまりにも平穏すぎる。