【感想・ネタバレ】その日のまえにのレビュー

あらすじ

余命の告知を受けた妻と、新婚時代のアパートを訪ねる僕たち…「その日のまえに」。妻の最期を、二人の息子とともに見届ける「その日」。妻が亡くなった病院の看護師さんから、ある日、お目にかかりたい、と連絡がきた…「その日のあとで」。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか──。死と向かいあう人々の切なくもけなげな姿を描き、幸せの意味をみつめる連作短篇集。“王様のブランチ”で「BOOK大賞」を受賞した涙の感動作!

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Posted by 読むコレ

購入済み

危険な一冊w。途中から通勤電車での読書を諦めました。新幹線で読了グチョグチョです。

1
2013年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先に旅立った人の想い、
残された家族の想い、
そのどれもが本当に複雑で、
ただ悲しいだけじゃない。
「忘れていいよ」
この一言に涙が止まらなかった。
愛とは相手を解放することなのかも。
すごく辛くて淋しいのにどこか晴やかで、
涙は止まらないけど時折微笑みが混ざるような、
不思議な温もりがある。

0
2024年12月17日

Posted by ブクログ

「その日」
全く意識せずに生きている人間の一人でした。

結婚6年目、子どもも小さくて毎日をやり過ごすのに必死な毎日に、急に降ってきた「その日のまえに」。オーディブルで聴きました。

その日は誰にでも来る。これだけは必ず。でも、その日がいつ来るかは誰にも分からなくて。
本の登場人物たちと一緒に、少しだけ人の死に触れて背筋が正される思いだった。

大切な人を大切に。愛を言葉に。1日は今日しかないからたくさん笑顏でいよう。そんなありきたりなことだけどすっかり忘れていた大事なことを、本を通して思い出させてもらった。

0
2024年11月13日

Posted by ブクログ

読み進めるにつれ、それまでの話が連なっていく。

お母さん。
お母さんを思い出したよ。膵臓癌の告知を受け、3ヶ月経たないうちに亡くなった、それまでのことを。その日のことを。今に続く、その日の後のことを。

わかる。わかる。
そうか、そういう考えもあるのかと。
そう思いながら、思い浮かべながら読み進めた。

お母さん。いつも心に浮かんでるわけじゃないけれど、忘れるわけがないよ。

0
2024年11月01日

Posted by ブクログ

子供ができてからの再読。
かつては遺された遺族目線で読み、今回はこの世を去る死者目線で読んだ。
有限の時の中で、誰に、何を、どのように残していけば良いのか。そんなことを考えるきっかけになる話だと思う。久しぶりに本を読んで、泣いた。

0
2024年09月11日

Posted by ブクログ

「死」をテーマにした短編小説で、一見するとばらばらの物語なのだけれど、物語につながりがあっておもしろかった。
あまり本を読んで泣いたことはないのだけれど、涙が出てしまった。

自分が子どもを出産してから、生きることや死ぬことについてよく考えるようになって、このお話を読んでまたさらに考えた。今やっておくべきことはなにか、とか、後悔のないように生きるためにはどうすればいいのか、とか、いろいろ。
自分や身近なひとの「その日」はあまり考えたくないけれど、イメージしておくことは大切なんだと思う。

0
2024年09月04日

Posted by ブクログ

大切な人の死について。

わかっていても泣いてしまう。
突然の死ではなく、徐々に病に蝕まれていくその日に向けてどう過ごすか?

色々考えさせられるし号泣した。
その日は予告されることもあるし、突然のこともある。
どちらでも日々を大切に過ごさないといけないと考えました。

素敵な作品でした

0
2024年09月01日

Posted by ブクログ

命の儚さと大切さを教えてくれる作品。「その日」が事前にわかるからこそ、準備できることもあれば辛くなることもある。本人はもちろんだけど、家族の気持ちになると自然と涙が溢れてくる。読んでいる最中も読んだ後も、家族に対して優しくなれる作品。ストーリーとしても、短編が連続した後、最後の作品で色々回収され、シンプルに面白い。読んでよかった。

0
2024年07月18日

Posted by ブクログ

死を扱うテーマであるものの、そんな中でも前向きに生きることや日々大切に生きることを学ばせてくれる本です。

0
2024年07月14日

Posted by ブクログ

亡くなる人と、それに向き合う人の連作短編集

以下、公式のあらすじ
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僕たちは「その日」に向かって生きてきた――。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか…。死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、それぞれのなかにある生と死、そして日常のなかにある幸せの意味を見つめる連作短編集。
---------------------


収録は6編
・ひこうき雲
・朝日のあたる家
・潮騒
・ヒア・カムズ・ザ・サン
・その日のまえに
・その日
・その日のあとで


・ひこうき雲
小学校の頃住んでいた、飛行機の滑走路のある街
小学生の頃に同級生の女の子 渾名ガンリュウが病気で入院し、クラスで作成した寄せ書きと共にお見舞いにいったお話

・朝日のあたる家
高校教師が朝の日課であるマラソン中に教え子に出会う
カメラマンを目指す傍らのコンビニバイトの帰りだという
また、たまにコンビニに来る他の教え子が結婚し今のマンションに住んでいるという
しかし、その子は過去に万引きで捕まった事があり……

・潮騒
シュンは癌で余命宣告を受け、小学生の頃に住んでいた海の街を訪れる
当時、海に誘われたが断った後に行方不明になった同級生オカちゃん
そんな事故の後、「ひとごろし」となじった石川との会話

・ヒア・カムズ・ザ・サン
母子家庭の高校生男子
母が最近路上ライブをしているアーティストにご執心
また、母は健康診断の再検査の診断を受ける

・その日のまえに
余命宣告を受けた妻と、結婚当時に住んでいた街を訪れる


・その日
妻の亡くなる日

・その日のあとで
「その日」から3ヶ月後



前半の4編は「死」を迎えるという共通点はありそうだけど、「朝日のあたる家」は例外だなぁと思いながら読み進めていくと
後半の3編でそれぞれの繋がりが明かされる

「朝日のあたる家」の武口と入江、一緒に暮らしているのだなぁと何だかしんみりする
「ひこうき雲」の委員長も、その経験だあったからこそ、その道を選んだのだなと感慨深い



この歳になると、いつ何が起こってもおかしくはない
毎年人間ドックは受けているけれども、それで絶対に病気が見つかるわけでもないしね
なので、「もし自分が亡くなるとしたら?」を考えてしまった

以前は、ピンピンコロリが周囲にも迷惑をかけないし、自分も苦しむことがないのでいいかと思っていた
でも、人間生きていれば何かとあるわけで、前もって死ぬ準備ができる方がいいのでは?という考えにもなってきた

もし私が明確な余命宣告を受けるような病気になったとしたら
きっとSNSとかにも情報を公開して、会っておきたい人達には会うだろうし
家の整理や、近しい人や親しい人に形見分けのような事もするだろう
そして、幸いなのか不孝なのか両親は未だに健在なので、実家に帰る気がする

残った家族はどうするかとかも考えたりもしたけど、結局はなるようになるし、なるようにしかならないと思って考えるのを辞めた


やはり、重松清は過去を振り返る物語が上手いなぁ
郷愁や感傷もあるけど、どうしようもないもどかしさもありつつ
それでいて結局は未来に少し希望がある終わり方にするイメージがある

もし私が亡くなっても周囲の人達がそれなりに前を向いて生きていってもらえたらなと思う

0
2024年04月24日

QM

購入済み

泣きどおし

大変。短編編成なんだけどどの話も泣けるのはもちろん、冗談抜きで10ページに一度はウルっときた。最後のお話は本当にずっと泣きどおし、泣きながら読んだ。

#泣ける #感動する

0
2024年03月13日

Posted by ブクログ

変わり映えのない毎日に嫌気がさしていた日に読みました。スタバで読んでたら号泣。家でゆっくり読むことをおすすめします。明日は何をしようかな?健康がいちばん。

0
2024年03月09日

Posted by ブクログ


病気をきっかけに遺してゆく人と、遺される人たちの切なくも希望に満ちた物語の連作。

予想もできないほどはるか彼方にあった「死」の存在が、ある日突然目の前にやってきた。
その時がきたら、わたしはどんな気持ちになるか想像しながら主人公と物語を進めていった。

「その日」がきたら、悲しい出来事で終わらせず遺してくれたたくさんの思い出も持ち続けたい。

いつ来るか分からない「その日」を考えるよりも、一緒に過ごせる今を大切にしたい。

読んでよかった、、、

0
2024年02月26日

Posted by ブクログ

「その日」がいつ来るのか。
一寸先かも知れないし、10年後かも知れない。
一生来ないと信じて疑わずに過ごす毎日が奇跡のように感じる。
神様は優しくない。遺された側の心の重石の重さ、触れ方、避け方の葛藤が痛々しくて切なくて温かい。
いつのタイミングに読んでも後悔しない作品。ライフステージが変わったタイミングで読み返す一冊になった。

0
2024年02月23日

購入済み

読み終わって「よーし、変わるぞ」と鼓舞した訳ではなく、「その日」を意識するようになり少しづつ自分の意識が変わった気がする。

0
2020年09月26日

ネタバレ 購入済み

こういう話もいいですね。

死に向う人々のオムニバス。
本人だったり、家族だったり。
癌の闘病が多い気がした。
お別れの時間があるからかな?

当たり前だけど忘れてる。
私達はいつ死ぬか分からない事を。
癌の余命半年位が準備するのに
ちょうどいい。

0
2014年03月02日

Posted by ブクログ

いつかくる「その日」「死」、運命を変えられないことは残酷でもあるけど、それを受け入れ前に進んでいく家族の愛に触れられました。「その日」が来たとしても風呂に入って歯を磨く日常は繰り返さなければならないし、窓から見える景色も変わらずそこに在る。自分だけが時間に取り残されないように変わらない日常と共に前に進んで生きたいと思いました。大切な人との「その日」と重ねながら読むと自然と溢れる涙を抑えられなかった、とても心に染みる大切にしたい作品です。

0
2025年01月10日

Posted by ブクログ

すごく悲しいけれど、深い作品でした。久しぶりに重松清の小説読んだけど、やっぱりいいなー考えさせられる。これは大人向けの小説だと思うけれど誰しもがいつかは考えることになる「大切な人の死」というテーマがこの一冊に詰まってる。
短編集にはなっているが、物語の最後で前の話に出ていたキャラクターがひょっこり出てくる工夫もされていてなんだかホッコリしました。
これは何年後かにまた読み返してもいいかもしれない。年齢を重ねれば重ねるほど味わい深い小説かもしれません。

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2024年12月30日

Posted by ブクログ

忘れてもいいよ。
凄く悩んで伝えたかった言葉。
考える時間もなく突然いなくなってしまうと、おかちゃんの母親のように現実を受け入れることが難しくなってしまうかもしれない。
答えが出なくて不安に押しつぶされても、心構えできるんだ、と受け入れるしかないのかな。
重松清さんらしい作品でした。

0
2024年12月22日

Posted by ブクログ

夫が癌になった時の気持ちを思い出しました。あの時、夫は自分は死ぬまでの時間を考えることができる、突然死や事故死じゃないからと言ってたのを辛く思っていたけど、ホントにそうだと思います。幸い夫は寛解しましたが、再発リスクがあるので今は平凡な日々のありがたさを感じています。

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2024年11月09日

Posted by ブクログ

こんなんずるいじゃん、電車の中で何回か泣きそうになった。

余命が明らかで、死ぬ日が概ねわかっている人の方が幸せなのかもしれないなって思った

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2024年11月06日

Posted by ブクログ

人は皆、「その日」が来る。永遠に生きれるかのように思いがちだけど、確実に来る。そんな、その日、その前、その後が描かれている短編集。改めて日々の生活は永遠に続くことはないと認識させれた。辛いと言うより、じんわり温かい涙が滲み出てくる作品かな。

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2024年11月02日

Posted by ブクログ

死と生について、考えさせられた!
いつも、同じように一緒に居られると思っていたことの、普段の生活がどんなに幸せなことか!
人は、いつか、死なないとならない現実が突き刺さる
残された人は、どのように暮らせばいいのか
読みながら自然と涙が出て、優しい気持ちになった

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2024年10月27日

Posted by ブクログ

これは涙腺刺激します。
電車で読むには要注意。。

ただただ泣けるだけじゃなくて
前向きな言葉に会えるのもいいところ。

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2024年10月23日

Posted by ブクログ

死にゆく者とそれを見送る者を題材にした連作短編集。
私は緩和ケア病棟で働いている訳ではないですが、外来で関わる事もあり、物語にどんどん引き込まれて時には涙しました。
色々「死」について考えさせられる作品で、オススメです。

0
2024年08月09日

Posted by ブクログ

死だけなく、遺された者がどのように死と向き合うかについてゆっくりと時間をかけて書き綴られた作品。

死と向き合い続けるのは難しく、遺された者も死者を忘れないようにと無意識に自分を縛ってしまう。

妻の手紙の一言は、家族と向き合い続けてきたからこそ遺された家族が前を向けるようにと想いを込めたと思うと涙が止まらなかった。

忘れてはいけない、お前の愛はそれほどだったのかと責められていると感じてしまっていたから、なんだか許しを得たような気持ちになり、心が軽くなった。

思い出も色褪せていい、時間は進んでいくのだから
本当に読んでよかった作品だった

0
2024年07月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすい分かりやすい題材の短編小説だった。
末期がんに罹患した余命いくばくかの人物が死ぬ「その日」の物語。最終話で短編の全ての人物が登場し一つのストーリーになる構成は秀逸。
今までの日常が癌により突然奪われる悔しさ、絶望感、後悔。その後で、どうにも変えられない現実を受け入れるまでの心情描写はリアルで読んでいて苦しさすらあった。
「その日」がいつ訪れるのかは誰もわからない。日常を大切に生きたいと思った。

0
2024年07月12日

Posted by ブクログ

 本書は、「死」と向き合う7篇の連作短編集です。テーマは重いのですが、人が抱える悲しみや辛さを、大きな優しさと温かさで包み込んでくれ、じんわりと心に染み込んでいくような物語でした。

 死にゆく人と残される人それぞれの想い、すでに亡くなっている人との遠い記憶‥。生と死の狭間で揺れる心情が、繊細に丁寧に描かれます。身近であるがゆえにリアルで、自ずと我が身に置き換え考えざるを得ません。
 日々忙しい人も一旦立ち止まり、生きる意味を考える‥そんなきっかけをもらっているようです。

 当然ながら、意識しないにせよ、誰もが「その日」に向かって生きています。だけど、これまた当然ながら、「その日」がいつなのかは誰にも分かりません。人は「その日」が分かったら、生き方を変えるのでしょうか? 急に残りの「生」が味気なくなる気もします。逆に、分からないからいいのだとも言えますね。

 足掻き、もがき悩むのが人間だと分かっていながら、その弱さをなかなか認めたくないのも人間なんでしょう。「死」はドラマでもミステリーでもなく、日常なんですね。
 どんなに命を大切にしても、唐突に失われる理不尽さもあり得ます。だとしたら、「その日」を迎えるまで、いろいろな人・事・物に感謝しながら、素直に、面白おかしく、丁寧に生活したいと思いました(優等生的模範回答?)。

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2024年06月20日

Posted by ブクログ

おすすめ小説って紹介されてたので買った一冊。

死に関する話でした。

死ぬ人はその日までどう過ごすのか、それを見守る人達はどう乗り越えていくのか

いろいろ考えさせられました。

どの話も悲壮感がなく前向きなラストで良かった。

最後の3話はその日までの過ごし方が理想的なんじゃないかと感じた。

連作短編と書いてあったがどうこの短編が繋がるのかと思いながら読んでいたが、見事に最後の3話で繋がったのはスッキリする。

自分もいつか迎える死
いろいろ考えた小説でした。


0
2024年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感動する本のオススメで選んで読み始めた
短編の小説で何人かの余命宣告をされた人間模様を書いていて、最初は何が感動的なのかなぁーと思いながら読み続けていると最後のタイトルにもなっている『その日のまえに』から一気に今までの登場人物を含めた話展開になっていき、そこからのお話が涙を止める事が出来ない話展開だった
病気で死ぬ事は私には嫌だけど、感謝したい周りの人達に恥ずかしくて伝えられない気持ちを伝える事が出来てから、準備してから亡くなる事ができると思うと、嫌だけど少しだけ、ほんの少しだけ死の恐怖から抜け出せる事が出来るのではないかと思えたお話でした

0
2024年05月06日

Posted by ブクログ

長くを共にする人は、特別で何でもないような日常も気付けないだけであって失った・失うときにどれ程、大切ものだったかを感じさせられる。
だからこそ、大事な人との時間に感謝しながら日々生きていきたいと思わされた。
日々に退屈してる人には是非読んで欲しい

この人の小説には、温かみがあり泣きそうになってしまう。大好きな作家さんです。

0
2024年04月23日

Posted by ブクログ

うむ、ついつい涙腺が緩んでポロリと来ちゃうわけだけど、いや怒涛のように来るもんだからもうお腹いっぱいというかね。しかもそれぞれの話を繋げていたりして芸が細かいんだけど、それがまたこういう泣ける話には合わないというか、ここは不器用に攻めたほうがじんわり来ると感じるタイプだったな自分は、と思いました。
にしてもだ、表題作の夫にしても、いやそこまで妻を大事にできるのか、ということの方にビビる。他の人たちも大体ができた人ばかりなもんだから、それがグサッときてしまってこれがまたイマイチのめりこめない理由かもしれぬ。

0
2024年03月02日

Posted by ブクログ

死を前にした時の透明になっていくという表現が印象に残っています。
残されたものと去るもの、どちらも切ない。

0
2024年12月25日

描写が上手い
それぞれの短編が最後に繋がるのがよかった
死に直面し受け入れた上で
普通に生活を送れることなど
私にできるだろうか
それを見守るしかない側も
残酷で辛く苦しい
今日と同じ明日が続くという前提のもとで
生活している事をありがたく受け止めて
大切に生きねばと感じた
亡くなった人は
生きていく側にとって
思いでの中で
生きていくもの
和美の「忘れていい」は
それを知っていたから
生きるためには
なによりも生活がある
仕事をする日常があり
その中で誰かと繋がり
辛いけれど 苦しいけれど
笑える時がいつか来る
それが「生きる」という事

お気に入りは「ひこうき雲」
飛行機が鉛色の塊で
空を飛ぶと言う表現ができる滑走路に
近いところに住む子供達の描写がすごくいい
初めてひこうき雲をみたのは
クラスの嫌われ者と言われた
ガンリュウとあだ名の女の子の見舞いで
降りたはまかぜ台
ひこうき雲は気温が零下50度 
高度が1000メートルから1万メートルに
ならないと見えない
ベンが子供の頃に住んでいた所では
絶対見えないのだ
一緒に教室にいた時は男まさりで
ガンガン言ってくるみんなの嫌われ者の
ガンリュウと
病室で皆んなが書いた寄せ書きに
涙するガンリュウは違っていた
その姿を見たベンは立っていることさえ
苦しい思いをしたのは
近すぎて見えなかったガンリュウの姿が
遠く離れた病室で見えたから
それで「ひこうき雲」なのかと勝手に解釈
おじさんになったベンが小学6年のベンを
振り返り進む過去と
現実に起きてる年老いたおばあさんと
家族の絡みは生きること
死ぬことを考えさせられる
亡くなった人との思い出は
心から消える事はないけれど
遠のいていく
ベンのように
おばあさんの見舞いで市街地を抜けた電車が
海沿いを走りだした時
思い出す記憶になっていいのだと思う
ガンリュウの見舞いの色紙に
飛ぶ鳥を描いた山本さんが
看護師になって登場した事はよかった

後半は話の持って行き方にそつが無く描写も秀悦で感動された方には申し訳ないけど上手すぎてきれいで少し苦手

#切ない

0
2024年06月28日

Posted by ブクログ

全体的に悲壮感はなく、その日が来るまでどのように過ごすか、生きるかというのがそれぞれの立場や年齢で表現されている。

ヒアカムズザサンの息子は感情剥き出しでなんとかしたいという思いが伝わってきたので良かったが、後の話は淡々とその日が来るのを受け入れていたような気がする。

0
2024年04月19日

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