あらすじ
小川遥香、16歳。3歳で母に捨てられた彼女は祖母も亡くし、天涯孤独だ。走馬灯をつくるために人生の思い出をめぐる旅行会社〈ブレーメン・ツアーズ〉と出会い、幼なじみとともに手伝うことに。そんな折、自分を捨てた母から「会いたい」と連絡が来て ――。「記憶」とは、「大切な思い出」の持つ意味とは何か。家族の繫がりを描く、感動長編。
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Posted by ブクログ
久々の重松清さんの作品
走馬灯の絵師たち?のお話。走馬灯とは死の直前に見るという自身の記憶。そもそも走馬灯とは影絵の細工が施された筒状の紙灯籠のこと。
それを生前に内容を確認して作り直す事ができる人を走馬灯の絵師という、というのが本作品ての設定になっている。
主人公のはるちゃん、その母親のふうちゃん 本当に親子かと思うくらい性格が違っているように感じた。はるちゃんもナンユウくんも優しくて良いなあと思った。
同じ時間をともに過ごした家族でも、各個人によって思い出、なつかしく思うもの、そして記憶に残っているものは違う、確かにそう思う。でも、それはそれでイイ。個人の価値観なので。
さて、自分の走馬灯には何が描かれるんだろうか?
Posted by ブクログ
物心つく前に母親から捨てられた高校生遥香と、早逝した兄の影を両親から背負わされたナンユウの2人が、ある時「人の記憶・走馬灯に残る思い出を観る」能力があることを知る。
走馬灯を書き換えるサービスを行うブレーメン・ツアーズの人たちと出会い、2人はさまざまな人のあらゆる記憶を覗いてしまう。
「その人が生きた証としての記憶」をテーマに、「人生の最期に一生を総括する走馬灯」をモチーフとして、高校生2人がそれぞれ成長し、家族とあらためて向き合っていく物語です!
重松さん、すごいなぁ…!感動…!!
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走馬灯 に焦点を置いてある本。
重松清さんの作品は、ファンタジー要素もありつつ、しっかり現実と向き合わせられるような作品が多いが、これもその一つだと感じる。
悔いがあってもいい
悔いがあるからこそ人生
楽しいだけが人生じゃない
辛いことがあっても、決してそれだけではないよなあと深々と考えさせられた。
楽しいことのが多いはずなのに、辛いことや悲しいことのせいで人間はあっという間にどん底にいる気持ちになるけど、いつかそれも含めて懐かしいと思うことができるからこそ人生なんだなあと思った。
はるちゃんがお母さんと呼んだ場面はグッとくるものがあり、涙がでそうになった。
また読みたい。
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走馬灯を作る仕事に関わることになる高校生のはるか。
幼馴染のナンユウ君とともに人の走馬灯を見ることで、人の記憶や想いに寄り添っていく。
楽しい記憶もあれば辛い記憶もある。
辛い思いも楽しい思いも一つの人生だと思うと、平等に人は思い出を受け入れないといけないのかなと思う。
生きていれば後悔は必ずする。そう思うことで少しは肩の力を抜いて前に進めるのかな。
人が生きることをテーマにした重松さんの作品は色々と考えさせられます。
あとがきで重松さん自身も、病気で苦しまれている部分もあり、それを作品に活かす姿は流石だなと思います。
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人の記憶ってなんなんだろう。
死ぬ時どんなことが見えるんだろう、なんか深く考えさせられました。
今死ぬとしたら何が蘇ってくるか、なんて読みながら想像させてくれる本でした。
後半の、はるかのお母さんとの話は早く結末が知りたい!と思い、次々と読み進められました。
読み終わって、良かったなーはるか、と思って終われたのがホッとしました。
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「走馬灯の絵師」という設定がおもしろい。はるちゃんとナンユウくんがともに特別な力を持ってたりやや強引さを感じる部分もありますが、まあいいでしょう。
ナンユウくんのキャラがキラリ光って、楽しく読ませていただきました。
Posted by ブクログ
店頭に並んでいるのを見て手に取った1冊。
設定がとても面白いと思った。
走馬灯の絵師って何?から始まり、思い出とは何か、記憶とは何かを考えさせられた。
自分が最後に走馬灯を見るとしたらどんな走馬灯だろう。
自分が見る走馬灯が『自分の人生色々あったけど悪くなかったじゃん』と思えるとような人生にしたいと強く感じた。
Posted by ブクログ
走馬灯の絵師がいたらいいなーと思えた。
人の記憶に残れるって嬉しいことだし、近くの人の記憶を見るのは怖いかも。
大切な記憶がいい記憶とは限らないってことが1番印象的だった。苦い思い出、後悔のある思い出があるからこそ、真っ当に生きることができる、と言うのも印象的。
Posted by ブクログ
はるか ??
ブレーメン って あの音楽隊のこと?
走馬灯をつくる??
とにかく不思議で
心がぽかぽかして
辛い経験をした16歳の二人を応援してた
二人ともホントに真摯で
他人の心を思いやれる子なんだよ
辛い場面では彼らの代わりに泣いていた
ホント
君たちの心が
懐かしい想い出でいっぱいになりますように
Posted by ブクログ
中学受験ぶりに、重松清を読んだかも。
身勝手な親に会いたいかなぁ?なぜ子どもの側が赦さなければいけないのか?とずっと疑問に思いながら読んでいたが、なるほど記憶に残ってないからこそ、会いたいと思える部分もあるのかなと終盤に少し納得した。
ふうちゃんがはるかの唄を歌うところは、目頭が熱くなった。