重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最後のカッコウの卵がとても良くて、ボロ泣きで本を閉じました。
ひとりぼっちにならないために嘘をつき続けたてっちゃん。巣をつくるカッコウになったてっちゃん。
村内先生が間に合って、ほんとうに良かった。
ひとりぼっちは、寂しい。
うまくやれなくて、「みんな」からこぼれ落ちてしまう子供たちにとって、村内先生は間違いなくヒーローだ。
ひとりぼっちが二人いれば、それはもうひとりぼっちじゃないって先生は言ったけど、それってきっと、先生がひとりぼっちだったからなんだろうなぁ。
ひとりぼっちの子供の隣には、村内先生だから、寄り添うことができる空間がある。
子供たちの心が溶けて行く様子は、読み手の心もあたた -
Posted by ブクログ
親の教科書のような本でした。
親の勤めは、子どもを寂しいと感じさせない、元気に生きていてほしいと願うこと。
細かなことを言えばキリはないと思うけど、親としてしてあげられる大切なことってそういうことなのだろうなって思いました。
名言がたくさん出ますが、中でも和尚さんがグッとくること(シーン)が2つありました。
1.「寂しい」は「寒しい」(さむしい)からきている。前(ヤスさん)からも後ろ(照雲や和尚)からも抱かれているアキラは寒くないだろ?と言う。寒くないように寄り添える関係を作りたいと思わせてくれる。
2.海のような男になれ。和尚はヤスさんに向かいそう言う。雪が海に溶けても、海に雪は積もらない -
購入済み
どこにでもいそうな家族の描写が上手すぎると思う。妻の不倫、息子の暴力、リストラ等決して明るい感じでも仲良し家族でもないのに、主人公の死に際になって、不運すぎる事故で亡くなった親子の運転する不思議な車に乗せられ、やり直しはきかないけど自分の人生で分かれ目になったポイントを1つ1つ振り返っていき、最後はまたサイテーな現実に向き変えることができた。生きる希望を与えてくれる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ1975年の奇跡の優勝を軸に展開する中学1年生の友情(+かすかな恋?)の物語。
重松さんこの小説を書いてくれてありがとう。
控えめな熱狂的カープファン(広島生まれ)だが知らないことをたくさん知れた。またカープのことを知らない人たちにカープの素晴らしさを教えてくれた。
以下は心に残った場面の箇条書き。
181ページ
七月二十六日という日付を戦争と結びつけたことは、一度もなかった。(福山の空襲を受けた日付)
281ページ
「この帽子、お母さんにあげるから。それで、カープの帽子、かぶって帰る」(マナブ@東京が母との別れ際に)
369ページ
「広島の山本」は、やっぱり「浩二」の前に「一義」なんよ ( -
購入済み
おもしろい
書いた時期が少し昔だったから知らないネタも結構あったが内容としては楽しめた。重松作品は大人になってから読みたくなるようなものばかりで、そういう作品をたくさん読んできたからこういうエッセイはすごく新鮮。
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