重松清のレビュー一覧

  • めだか、太平洋を往け

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    涙なしでは読めない。東日本大震災、正しさ、ずるさ、生きること全てが詰まった濃厚で豊かな読書時間になりました。正しさは正しい。だがそれだけでは生きづらい。答えはいつも同じではなく、その日、その時、その状態を考慮して考えて出す。定年退職直後に息子夫婦を事故で亡くし孫と暮らすことになったアンミツ先生が、かつて息子や生徒に掛けていた言葉は20年先、30年先の彼らの人生を創りあげていた。感動!

    ※人間、困っているうちは老け込まない。なんとか解決しなければと頭をフル回転させアクションを起こす。そういった行動は細胞を活性化して免疫力を高める。

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    2025年06月06日
  • 見張り塔から ずっと

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    「カラス」が良かった。
    希望に満ちたニュータウンが一転して呪いになる。
    少しだけ得をした隣人を群れになった住人たちが襲う。
    いや、襲うというか村八分か。
    リアリティーがありながら、ストーリーとしてはホラーになっていて恐ろしかった。
    住人たちの気持ちを理解できてしまう自分が辛い。

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    2025年06月04日
  • カシオペアの丘で(下)

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     いい話だった。
    本当にいい話でした。

     下巻では、北都を訪れたシュンの病状が一気に悪化する。
     クラセンとの再会、カシオペアの丘の今後など物語のテンポが上がっていく。
    同時にトシとシュンの思い、クラセンの苦しみ、川原さんの迷いなど絡まった糸が少しずつほどけていく。
     いつもひょうきんで場を和ませ、とっておきの言葉を残して、さっと身を引き仕事へ戻るユウちゃんに惚れてしまった。
     
     夜空に輝く無限の命の星たち。
    どの命も傷つき、削られて、それでも夜空に星は光りつづける。
     誰にも傷つけられず、誰も傷つけずに終わる人生は良い人生かもしれないけど、それは幸せだったといえるのだろうか。
     
     温かい涙をたくさん流して浄化されたようでした。

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    2025年06月04日
  • 卒業

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    涙が出てこない理由が思いつきません。通勤電車内で読みながら涙目になり、たった今お身終えた最後の2ページだけで涙目に、、、、普段何に対しても穿った目で観察し歪んだ解釈をして自分を納得させるような生活していてるのに涙が出てきてしまう。

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    2025年05月31日
  • カシオペアの丘で(下)

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    ゆるし、ゆるされ、そして生と死の物語

    以下、公式のあらすじ
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    苦しみ、傷つき、やがて輝く星になる。壮大な命の物語
    ぼくはゆるしてもらえるんでしょうか。
    ゆるされて、しぬことができるんでしょうか。

    29年ぶりに帰ったふるさとで、病魔は突然暴れ始めた。幼なじみたち、妻と息子、そして新たに出会った人々に支えられて、俊介は封印していた過去の痛みと少しずつ向きあい始める。消えてゆく命、断ち切られた命、生まれなかった命、さらにこれからも生きてゆく命が織りなす、あたたかい涙があふれる交響楽。
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    炭鉱の町として栄えていた北海道の北都市で育った小学生の幼馴染トシ、シュン、ミッチョ、ユウちゃんの4人
    4人は水没予定の窪地を見渡せる、「カシオペアの丘」と名付けた場所に、将来遊園地を作る夢を語り合った

    30年後、遊園地は実現したが……
    トシは市役所の職員として、赤字経営の遊園地の車椅子園長
    ミッチョはトシと結婚し、小学校の教師をしながら遊園地の手伝いをしている
    シュンは東京で家庭を築き、奥さんと小学生の息子と暮らしている中、癌が見つかり余命宣告される
    ユウちゃんは東京でテレビの仕事をしている

    カシオペアの丘の遊園地を訪れた事のある家族の幼女殺害事件をきっかけに4人の人生が再び混じり合う

    トシが車椅子になった理由、シュンが地元を離れた理由、そして抱えている罪悪感の原因

    炭鉱の町だった北都を今も牛耳っていたシュンの家系 倉田
    そして、その王たる振る舞いをしていた祖父

    炭鉱事故での非情にも苦渋の決断
    その結果見捨てられた人と達とその家族

    シュンとミッチョの再会と別れの経緯
    再会していた事をトシに黙っていた事

    それぞれが抱える秘密と罪悪感と赦す想い

    「ゆるす」こと「ゆるされる」こと。
    友情、家族愛、背負ったもの、そして生と死


    シュンに必要なのは、トシに許されるよりも、まず自分を赦す事なんだろうな
    トシもトシで、シュンと倉田を切り分けた上で、許すとまではいっていなくとも、過去の事故を受け入れてはいる
    伝聞の情報しか提示されていないけど、恐らく母親も晩年はそうだったのかもしれない

    「ゆるしたい相手を決してゆるせずに生きていくひとと、ゆるされたい相手に決してゆるしてもらえずに生きていくひとは、どちらかが悲しいのだろう」

    どっちも悲しい気もするが、許す側の人間は、その判断を自分に委ねられている分、そっちの方が辛い気がする
    許されたい側は、ある意味で吹っ切る事ができる分、まだ逃げ道があるのではなかろうか


    正論を吐くトシ
    それに対するミッチョ
    「あなたの言っていることは正しい。でも正しさだけじゃないんだよ、ひとの気持ちって」

    簡単に断定してはいけないのだろうけど、トシは強い人なので、自分の正しさを自分で決めてそれを実行できるけど
    世の中、そんな人ばかりではないからね


    シュンの闘病の様子を読んでいて、自分も同じような年齢のため、いつそうなってもおかしくないと実感する
    今、何かが見つかって余命宣告を受けるという状況、なくはない年齢なんだよなー

    なので、シュンの精神的な変化も自分に起こったときのシミュレーションのようにして読んでいた

    私も癌が見つかっても結構早い段階で受容まで行くと勝手に思っているんだけど
    こればっかりは実際になってみないとわからないですね


    幼馴染の関係に変化を与える契機になった川原さん
    物凄く過酷な状況だよな……
    大切な一人娘を殺された上に、実は妻の浮気相手が犯人だったというのが判明とか
    辛すぎじゃね?

    あと、どことなく流星ワゴンに通じるものがある


    一番のMVPはユウちゃんだよなー
    川原さんのケアもそうだし、東京でのあれこれ、何よりミッチョが実はという展開、意外だったわー


    読み終わった後は、珍しく感想を書けないくらいに打ちのめされた状態だった
    奇跡が起こるわけでもなく、物語としては順当な展開なのだけれども
    流石は重松清だけあって、そんなありきたりなやり取りの中で感動させる文章なんだよなー

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    2025年05月20日
  • きよしこ

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    ネタバレ

    気持ちを声に出して伝えるのが難しい主人公ですが、素直で気持ちを伝えることを諦めない姿に感動しました。彼の周りにいる人も彼の気持ちを汲み取ってくれます。不器用でも気持ちは伝わるのだと思える、勇気を貰えるお話でした。

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    2025年05月24日
  • 十字架

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    吉川英治文学賞受賞作。いじめを苦にして自殺した少年。主人公の少年ユウはさほどその少年とは仲良くなかったのに遺書に親友と書かれてしまって…。息子をいじめで失った両親のやり場のない想いが胸に刺さる。傍観者であることも罪。後半は涙なしには読めない心に残る話。

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    2025年05月17日
  • きよしこ

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    一瞬で読めるほど読みやすい。重松さんの作品は涙無しには読めないですね。吃音を通して見える世界に触れることができたし、学生時代を思い出すなんとも言えない感情。大人のダメさ、子供の心強さ、本当に素晴らしい作品です。

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    2025年05月12日
  • せんせい。

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    多くの生徒から見た「良い先生」が、誰にとっても「良い先生」である、とは限らない。
    逆に、普段はつまらなさそうな先生が子供のようにはしゃいでいたり、厳しい先生が実は一番生徒の気持ちを理解していたり。
    そんな、違った角度から先生を見た時、人間味があって、とても面白かった。
    自分たちに当時見えていた先生は、「完璧な大人」だったが、実際は学びと試行錯誤の連続で、大人と子供に大差はないのかもしれないと感じた。
    むしろ、大人の中の「新人」と「ベテラン」にこそ、子供と大人以上の大きな差を感じた。

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    2025年05月05日
  • かあちゃん

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    重松清の本気の長編に◎!
    加害者で繋いでいく短編形式で、感動的な長編を構築した名作!
    いじめや事故の加害者が、全て悪と切ってすてることなく、それぞれに背景があり、悩み苦しみもがく姿を描く。それぞれの章で毎回、涙腺が崩壊した。
    彼ら彼女らは、本心を見つめることができず、偽りの態度で、言葉で繕う。大人は紋切型に子供をはめることが正しいと大人ぶる。しかし、登場人物たちは、あるきっかけで自分と向き合う覚悟をする。過ちは全ての人間にはあるはず。そう、それを忘れないこと。そうすれば、前に進む新しい始まりが見つかるはず。
    手を貸さないが見守る作品が多い作者にしては、珍しく登場人物に介入していく作品作りになっていたが、重松清名作TOP5?に推せる素晴らしい作品でした。

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    2025年05月04日
  • 十字架

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    ネタバレ

    人間って、死にたくなるほどつらい目に遭ったときに絶望するのかな。それとも、死にたくなるほどつらい目に遭って、それを誰にも助けてもらえないときに、絶望するのかな

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    2025年05月02日
  • 星のかけら

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    あらすじを全ぜん読まずにこの本を読んで、星のかけらかー、欲しいなあ面白そうだなー、というような気持ちであらすじに書いてある、不思議な女の子、フミちゃんのこととか全然読まないで、知らないままで読んだけどそれでも良かったかもしれないと、思った。生きているとはなんなのか、死ぬというのはどういうことなのか、それを僕に教えてくれた一冊になりました。何回も読み返したくなる面白さだった。

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    2025年05月01日
  • ビタミンF

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    結婚して子供が欲しいと漠然と思っていたけど、子供は中学生になって反抗的になったり関わり方がわからなくなったり、結婚相手とも順風満帆とはいかなかったり、うまくいくだけの結婚生活ではない感じがリアルで、考えさせられた。
    自分も37歳になって人生がある程度決まってくる年齢ではどんな生活をしてるんだろう、結婚することが幸せなのかも考えさせられる作品でした。

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    2026年06月11日
  • 疾走(下)

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    ネタバレ

    評価が星6つあったら6つけてた
    こんなに揺さぶられる物語はないと思う

    人は強そうに見えて、実は弱い
    弱いからつながろうとするし、
    つながるから傷つくこともある
    絶望に飲まれても前に進めば
    必ずどこかに希望があるのが生きるということではなかろうか

    なんて思いながら読んでいたら、
    救いのない物語と言われていると知り驚いたけど
    そんなことはないと思うし少なくとも自分は救われた

    絶対にまた読む

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    2025年04月15日
  • 疾走(上)

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    小学生の頃、本屋で見かけて表紙に惹かれ、ずっと気になってた作品。子どもの頃はなんだかまだ読んではいけないような気がして避けていたけれど、大人になり読んでみることに。もうすでに何回か読み直したし、映画も見た。表紙と同じように、なぜか惹かれるものがあって、時々読み返したくなる。(少し気分が落ち込むことは覚悟の上で…)

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    2025年04月11日
  • あの歌がきこえる

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    だいぶ前に読んだ本だけど、再読。こんなに面白かったのか…とあらためて思った。

    地方の男の子3人の中一から高校卒業までの日常を描いた小説。しかしそこにはミソがある。それぞれの短編に当時流行していた音楽の題名が…サザン、RC、かぐや姫、浜田省吾、ジョン・レノン……それぞれのヒット曲のタイトル、そしてそれぞれにちなんだエピソードがある。

    家族のこと、好きな女の子のこと、怖い先輩のこと、どんくさい同級生のこと…文化祭、自動車教習所、山口百恵とキャンディーズ引退、ウォークマン、中古のシルビア、教育実習の先生、大学の赤本、共通一次試験…僕の記憶にも懐かしいものばかり。重松清は僕と同年代だから、めちゃくちゃ親近感がある。

    最終章『トランジスタラジオ』では、高校の卒業式が描かれ、主人公は東京の大学に進学するために上京することになり、仲間と別れを告げる。これも切ないなあ…

    ステキな青春小説です。

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    2025年04月09日
  • 十字架

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    ・テーマ/世界観 ★★★★★
    ・背景描写    ★★★★★
    ・キャラクター  ★★★★★
    ・インパクト   ★★★★★
    ・オリジナリティ ★★★★★
    ・テンポ/構成  ★★★★★
    ・文章/語彙   ★★★★★
    ・芸術性     ★★★★
    ・感動/共感   ★★★★★
    ・余韻      ★★★★★

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    2025年04月03日
  • 木曜日の子ども

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    重松清さんといえば家族小説。物語の根幹となる部分はすごく暗い事件だけど、最後の一言で家族の物語に変わっていく。素晴らしい。

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    2025年04月02日
  • きみの友だち

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    ・全部の人間に読んでほしい。
    ・評価4以下の人とは仲良くなれる気がしない
    ・どんな繊細な心を持っていればこの小説が書けるのだろう。あるいは心の中を直接覗いてるとしか思えない。
    ・最初に読んだのは小学生のとき、当時はなんでこんなに子供の気持ちがわかるのかと驚いたのを覚えてる。久しぶりに読んだら当時の驚きは感じられなくなっていた。過大評価だったのか?いや違う。自分には子供の気持ちがわからなくなっていたということだ。
    ・自分の中にはほんとはたくさんの、複雑な感情が生まれてるはずなのにそれを誇張もせず嘘もつかず言葉にするのは難しい。自分だったら何気なくやり過ごしてしまうモヤモヤも、重松清だったら容易く言葉にしてしまうんだろうな。

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    2026年06月14日
  • 定年ゴジラ

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    定年後を描いた小説。
    読んだ時にはまだ先の話かと思ったが、その年代になってしまった。
    ドラマ化され、主人公は長塚京三が演じている。

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    2025年03月21日