重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いい話だった。
本当にいい話でした。
下巻では、北都を訪れたシュンの病状が一気に悪化する。
クラセンとの再会、カシオペアの丘の今後など物語のテンポが上がっていく。
同時にトシとシュンの思い、クラセンの苦しみ、川原さんの迷いなど絡まった糸が少しずつほどけていく。
いつもひょうきんで場を和ませ、とっておきの言葉を残して、さっと身を引き仕事へ戻るユウちゃんに惚れてしまった。
夜空に輝く無限の命の星たち。
どの命も傷つき、削られて、それでも夜空に星は光りつづける。
誰にも傷つけられず、誰も傷つけずに終わる人生は良い人生かもしれないけど、それは幸せだったといえるのだろうか。
温かい涙をたくさん流して浄化されたようでした。
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Posted by ブクログ
ゆるし、ゆるされ、そして生と死の物語
以下、公式のあらすじ
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苦しみ、傷つき、やがて輝く星になる。壮大な命の物語
ぼくはゆるしてもらえるんでしょうか。
ゆるされて、しぬことができるんでしょうか。
29年ぶりに帰ったふるさとで、病魔は突然暴れ始めた。幼なじみたち、妻と息子、そして新たに出会った人々に支えられて、俊介は封印していた過去の痛みと少しずつ向きあい始める。消えてゆく命、断ち切られた命、生まれなかった命、さらにこれからも生きてゆく命が織りなす、あたたかい涙があふれる交響楽。
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炭鉱の町として栄えていた北海道の北都市で育った小学生の幼馴染トシ、シュン、ミッチョ、ユウちゃんの4人
4人は水没予定の窪地を見渡せる、「カシオペアの丘」と名付けた場所に、将来遊園地を作る夢を語り合った
30年後、遊園地は実現したが……
トシは市役所の職員として、赤字経営の遊園地の車椅子園長
ミッチョはトシと結婚し、小学校の教師をしながら遊園地の手伝いをしている
シュンは東京で家庭を築き、奥さんと小学生の息子と暮らしている中、癌が見つかり余命宣告される
ユウちゃんは東京でテレビの仕事をしている
カシオペアの丘の遊園地を訪れた事のある家族の幼女殺害事件をきっかけに4人の人生が再び混じり合う
トシが車椅子になった理由、シュンが地元を離れた理由、そして抱えている罪悪感の原因
炭鉱の町だった北都を今も牛耳っていたシュンの家系 倉田
そして、その王たる振る舞いをしていた祖父
炭鉱事故での非情にも苦渋の決断
その結果見捨てられた人と達とその家族
シュンとミッチョの再会と別れの経緯
再会していた事をトシに黙っていた事
それぞれが抱える秘密と罪悪感と赦す想い
「ゆるす」こと「ゆるされる」こと。
友情、家族愛、背負ったもの、そして生と死
シュンに必要なのは、トシに許されるよりも、まず自分を赦す事なんだろうな
トシもトシで、シュンと倉田を切り分けた上で、許すとまではいっていなくとも、過去の事故を受け入れてはいる
伝聞の情報しか提示されていないけど、恐らく母親も晩年はそうだったのかもしれない
「ゆるしたい相手を決してゆるせずに生きていくひとと、ゆるされたい相手に決してゆるしてもらえずに生きていくひとは、どちらかが悲しいのだろう」
どっちも悲しい気もするが、許す側の人間は、その判断を自分に委ねられている分、そっちの方が辛い気がする
許されたい側は、ある意味で吹っ切る事ができる分、まだ逃げ道があるのではなかろうか
正論を吐くトシ
それに対するミッチョ
「あなたの言っていることは正しい。でも正しさだけじゃないんだよ、ひとの気持ちって」
簡単に断定してはいけないのだろうけど、トシは強い人なので、自分の正しさを自分で決めてそれを実行できるけど
世の中、そんな人ばかりではないからね
シュンの闘病の様子を読んでいて、自分も同じような年齢のため、いつそうなってもおかしくないと実感する
今、何かが見つかって余命宣告を受けるという状況、なくはない年齢なんだよなー
なので、シュンの精神的な変化も自分に起こったときのシミュレーションのようにして読んでいた
私も癌が見つかっても結構早い段階で受容まで行くと勝手に思っているんだけど
こればっかりは実際になってみないとわからないですね
幼馴染の関係に変化を与える契機になった川原さん
物凄く過酷な状況だよな……
大切な一人娘を殺された上に、実は妻の浮気相手が犯人だったというのが判明とか
辛すぎじゃね?
あと、どことなく流星ワゴンに通じるものがある
一番のMVPはユウちゃんだよなー
川原さんのケアもそうだし、東京でのあれこれ、何よりミッチョが実はという展開、意外だったわー
読み終わった後は、珍しく感想を書けないくらいに打ちのめされた状態だった
奇跡が起こるわけでもなく、物語としては順当な展開なのだけれども
流石は重松清だけあって、そんなありきたりなやり取りの中で感動させる文章なんだよなー -
Posted by ブクログ
重松清の本気の長編に◎!
加害者で繋いでいく短編形式で、感動的な長編を構築した名作!
いじめや事故の加害者が、全て悪と切ってすてることなく、それぞれに背景があり、悩み苦しみもがく姿を描く。それぞれの章で毎回、涙腺が崩壊した。
彼ら彼女らは、本心を見つめることができず、偽りの態度で、言葉で繕う。大人は紋切型に子供をはめることが正しいと大人ぶる。しかし、登場人物たちは、あるきっかけで自分と向き合う覚悟をする。過ちは全ての人間にはあるはず。そう、それを忘れないこと。そうすれば、前に進む新しい始まりが見つかるはず。
手を貸さないが見守る作品が多い作者にしては、珍しく登場人物に介入していく作品作りになっていたが、重松清名作TOP5?に推せる素晴らしい作品でした。 -
Posted by ブクログ
だいぶ前に読んだ本だけど、再読。こんなに面白かったのか…とあらためて思った。
地方の男の子3人の中一から高校卒業までの日常を描いた小説。しかしそこにはミソがある。それぞれの短編に当時流行していた音楽の題名が…サザン、RC、かぐや姫、浜田省吾、ジョン・レノン……それぞれのヒット曲のタイトル、そしてそれぞれにちなんだエピソードがある。
家族のこと、好きな女の子のこと、怖い先輩のこと、どんくさい同級生のこと…文化祭、自動車教習所、山口百恵とキャンディーズ引退、ウォークマン、中古のシルビア、教育実習の先生、大学の赤本、共通一次試験…僕の記憶にも懐かしいものばかり。重松清は僕と同年代だから、めちゃくちゃ親近感がある。
最終章『トランジスタラジオ』では、高校の卒業式が描かれ、主人公は東京の大学に進学するために上京することになり、仲間と別れを告げる。これも切ないなあ…
ステキな青春小説です。 -
Posted by ブクログ
・全部の人間に読んでほしい。
・評価4以下の人とは仲良くなれる気がしない
・どんな繊細な心を持っていればこの小説が書けるのだろう。あるいは心の中を直接覗いてるとしか思えない。
・最初に読んだのは小学生のとき、当時はなんでこんなに子供の気持ちがわかるのかと驚いたのを覚えてる。久しぶりに読んだら当時の驚きは感じられなくなっていた。過大評価だったのか?いや違う。自分には子供の気持ちがわからなくなっていたということだ。
・自分の中にはほんとはたくさんの、複雑な感情が生まれてるはずなのにそれを誇張もせず嘘もつかず言葉にするのは難しい。自分だったら何気なくやり過ごしてしまうモヤモヤも、重松清だったら容易く言葉にしてしまうんだろうな。
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