あらすじ
ノブとハム子は、同じ団地に住む小学六年生。ともに“一人っ子”だが、実はノブには幼いころ交通事故で亡くなった兄がいて、ハム子にも母の再婚で四歳の弟ができた。困った時は助け合う、と密かな同盟を結んだ二人は、年下の転校生、オサムに出会う。お調子者で嘘つきのオサムにもまた、複雑な事情があって――。いまはもう会えない友だちと過ごしたあの頃と、忘れられない奇跡の一瞬を描く物語。
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Posted by ブクログ
芦田愛菜さんの推薦本からピックアップ。分かりやすいハッピーエンドではありませんが、どうにもならない事情の中で、葛藤しながらもまっすぐ生きている子供たちの姿、登場する人物の優しさに感動しました。自分も一人っ子を育てている立場なので、大人が思っている以上に子供は子供の立場で色々考えているのかな?と想像が膨らみます。
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子どもって、大人が思うよりもずっと色々なことを考えている。子どもの心の動きがリアルに表現されていて、懐かしさと切なさとで胸が苦しくなった。みんな,幸せになって欲しい。
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切なくもどこか、心が熱くなる、そんな作品でした。
重松さん作品は教科書でしか触れたことがなく、このように子どもの等身大の感情表現を書けるのかと驚愕しております。
あとがきも必読。
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一人っ子は一人っ子で大変だなあと思った。僕は兄弟がいるけど将来 ずっと兄弟で助け合って生きていけたらなと思う。一人っ子っていうのは 事情があって一人っ子っていうのが多いのかな と思うのでなるべく 一人っ子の話題っていうのは避けた方がいいのかな と思った。
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ずっと積読状態だった作品。
少し考えさせられるというか、深く作品に浸りたい?という思いから、久々に重松さんの作品を手に取りました。
同じ団地に住む小学6年生のノブとハム子、そして、小学4年生のオサムの家族の話。
子どもの「どうにもならないことって、ある。けっこうたくさんある。」ということが、本当に良く描かれていて、切なくなるときがあった。
読みながら「辛いよね~」と登場する子どもに共感したり同情したりすることが多かったけれど、10年、20年後、彼らが幸せに笑っていたら良いな~と、物語なのに思いました。
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なんだってこんなに等身大の子どもを描けるのかと思うくらいだよね。
児童文学作家さんとかって。
重松清さんも、すごいよね。
公子をハム子と読んだ、という出だしから、
既視感があったんだけれど、
内容も全然覚えがなかったから、
やっぱり初めて読んだんだけれど、
じゃあどこでハム子って見たのかなぁ、
思い出せない。
オサム、好きだなぁ。
必死な痛々しい感じが可哀想だけれど、
寄り添ってあげたくなるよね。
ハム子のとげとげしさにはあんまり共感できんかったけれど、なんでこんな状態で再婚できるのか、とも思うし、まさか離婚するとも思わんかったけど。
好きなシーンは
「わが家でいちばん早く季節が移り変わるのは、茶の間の壁だ。」
というところ。
こういう表現いいよねえ。
お父さんの、
「自分の子どもに、好きな場所や、好きやことや、好きなものがあるっていうのは、親としてはなによりもうれしいんだよ」
「好きなもの訊かれて、ちゃんと答えられるうちは、人間、みんな、だいじょうぶだ」
もいいよね。
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それぞれに複雑な事情を抱える一人っ子達。
子供は、大人が思っている以上に、色々考えてるし分かっているものだと思う。
家庭の事情や境遇は子供には変えられなくて、どうしようもできない事もある切なさ。
その中でも本当の兄弟じゃなくても、小さい頃から知っていて相談できる相手がいて良かった。
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うーむ この本も最高によかった~
重松 清氏の「一人っ子同盟」。
子どもが主人公の作品。
人生にはどうにもならないことがある。
子どもには もどかしさが沢山。
どうにも切ない 重松氏を代表する作品だと思います。
あとがきに重松氏の思いがしっかりと詰まっています。
大切な宝物になりそうです。
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よくここまで子供目線で描くことができるなぁと。
かなりリアルに心情描写が続くので、自分の子供時代を思い出し、モヤモヤしたことも。
子供から見た大人の姿が印象的でした。
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初めて重松清さんの作品を読んだが、子どもたちの生きる世界っていうものを大人の重松清さんがリアルな子どもの目線に立って描いているのが素敵だと思った。
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それぞれの事情があって、一人っ子である子供たちの話。
時代背景は作者自身が小学生の頃らしく、主人公の親が戦争を体験している世代。当時はわざわざ「同盟」を組む程度には一人っ子がまだマイノリティの時代だったようだ。
正直、話の中で出てくるそれぞれの問題が解決せず、すっきりするわけではない。
それでも、問題を抱えながらも年を重ねていく人々の、折り合いの付け方のヒントになり得る作品かな、とは思う。
小説(特に重松作品)は、読み手側がもうできない、もしくはこれからありえる体験を追体験できるところに醍醐味がある。
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真面目なノブと女子最強王者のハム子を中心に物語が進んでいきます。ノブは4歳の時にお兄ちゃんを交通事故でなくしました。ハム子も母一人子一人の母子家庭。そんな二人の所に天涯孤独の嘘つきなオサムが引っ越してきました。みんな一人っ子ですがそれぞれ事情が異なる一人っ子。ハム子には新しいお父さんと弟ができますが、ハム子は少しもなつきません。オサムは小さい頃に両親を亡くし、親戚の間をたらい回しにされていました。ノブはお兄ちゃんが亡くなった場所へ行き、お兄ちゃんのことを思って初めて泣きました。この話を短く言うと、ノブとハム子とオサムの成長ストーリーです。
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久々の重松清。
「どうにもならないことって、あるんだよ」というハム子のセリフが印象的だった。
自分も一人っ子だったのもあり、共通項を感じて購入してみたが、全然自分とは違った。
一人っ子だけど、背景が全く異なる3人の登場人物。みんなそれぞれ、自分の家族について悩みがある。小学生までしか描かれてなかったけど、このあとどうなったか気になるところ。
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ノブくんとハム子さん、6年生の2人をつなぐのは「1人っ子」であること。その悲哀に自身の心情を重ねながら、うなずくこと数十回。同盟という言葉を通じて、お互いを理解し始める2人の姿が印象的でした。
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自分も一人っ子で、しかも団地に住んでたので、親近感がありました。子供の頃が懐かしくよみがえってくる作品。子供だけれど、大人の心もあわせ持つそんな登場人物がいとおしかったです。重松さんの作品、また読みたくなってしまいます。
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最初はあんまり期待してなかったけど、どんどん読んでいくうちにこの本の世界に引き込まれていく感じで休み時間にずっと読んでいて友達に大笑いされました笑
これは本当に最高の本です!
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嘘ばかりつく両親のいないオサム、幼くして兄を亡くしたノブ、親の再婚で新しく兄弟の出来るハム子。家族の形はそれぞれで、ひとりっ子の事情もそれぞれ。
オサムが団地にやってきたことをきっかけに三人のひとりっ子同盟が展開していく。
やっぱり重松さんには泣かされる。
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子供は大人が思っているよりずっと大人で、大人は子供が思っているほどぜんぜん大人じゃない。
世の中どうにもならないことは確かにあるんだけど、小学生にその諦観があるのがなんとも悲しく、寂しい。
一人っ子にしかわからない寂しさと、孤独感、だからこそ感じる結束感がじんわりぐさっとくるお話。
押し付けがましくない、でも明白なメッセージが伝わってくる、そんな一冊。
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★3.5
久しぶりの重松作品はやはりグッときます。
子ども時代から遥か遠くに来てしまったからでしょうか、作中のご両親やおばあさんに共感します。
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「昭和」がまだあと十数年続くあの頃。小学6年生のノブとハム子は、一人っ子。ふたりそれぞれに弟もどきができて、今までの生活に経験のない事が起き始める。昭和の団地に住む子供達が、多少複雑な事情を持つ大人達の事情に振り回されながら、助け合い支え合って、友人となる。安定の重松作品。
が、とう言う私もこの時代の一人っ子。重松さんでさえ、一人っ子はわがまま。一人っ子はひ弱でたくましさに欠ける。これも世間の常識なんだろう。なんて表現なさる。全く遺憾でありまあす。確かにまだ一人っ子が少なかった。一人っ子と知ると、よくも知らない大人達が、甘やかされてるんでしょうね、なんておっしゃる。あんたんとこの娘の方が、学校では、グズでわがままよ!とは口には出さない。裕福な貴族の御子息御令嬢でもあるまいし、通常、家庭内負荷が2倍3倍にのしかかる奉仕者でしかありません。その常識を押し付けられない様に私の知る一人っ子達は、責任ある行動をとっておりました。
そして、一人っ子を甘くみてはいけません。家庭盤ゲームが一人だとできないからね、だと。トランプだって、一人で4人分やるし、人生ゲームだって一人で5台は動かし、銀行だってやり切った。子供が複数居ないとできないなんて、満ち足りたた家庭人の上から目線はいただけない。オセロはできないけどね。人生ゲームの準備から片付けまで無言でやり続ける忍耐力と空想力のどこがひ弱でしょうか。しかも、無口を愛嬌がないとか言い始める世間。ただの愚痴をここまで読んでしまった方は、申し訳ありません。
たぶん、一人っ子の習性として、同盟は組まないと思います。
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重松清の昭和モノ。
さすがの重松さん、セピア色の世界観を最後までぐぐっと読ませてくれた。
重松作品の中ではそんなに好きな方の部類ではなかったものの、ほんのり切なくもやっとするラストも、そう悪くはなかった。
★3つ、7ポイント。
2021.04.10頃。新。
※レビューし忘れて2週以上も放置(苦笑)。
※「鍵っ子」という単語が今や死語と化していることに、この作品で気づかされた(苦笑)。
※気づけば、「一人っ子」も、当たり前なんだなぁ・・としんみりした。
・・・自分の子供時代には、一人っ子も子沢山もどちらも普通にいたけれど、自分のほんの少し上の世代に遡ると、一人っ子の方が肩身の狭い思いをしていたとは・・・新鮮な感覚だった。
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どうにもならないこと仕方のないことがたくさんある中で小学校6年生というあまりにも若い人たちが自分の考えや気持ちなどを丁寧に描かれている作品だと思った。
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大人っぽい小学6年生だなぁと思いながら読んでいた。様々な出会いと別れが一人っ子同盟を結んだ2人を中心に描かれていた。
幼なじみっていいなぁと思った。
Posted by ブクログ
やっぱり重松清はいいなあと思った。
のんびり読んでるんだけど、いつのまにかページをめくるスピードが早くなっていく感覚。
予想外の展開続き、というわけじゃないからこそ妙にリアルで引き込まれる。
本当の「悪者」がいないってのがいい。
ノブは消極的な感じだし情けない感じがするけど、ノブの存在のおかげでハム子はハム子らしく、オサムはオサムらしくいられるんだろうな、と思った。そしたらなんと後書きでノブはドアノブのノブが由来だとあり、感動した。ドアノブのノブ、うーん素敵。
私は一人っ子じゃないから単なる想像でしかないけど、本当に一人っ子ってこういう風なのかもしれないと感じた。秘密の話ができる相手がいないのって寂しいだろうし、親の秘密の話が聞こえてきちゃうのも寂しいんだろうな。でも、だからこそ成長できる部分もあるわけで。その成長がいいとは限らないけど。私には兄弟がいてよかったと思ってしまった。
ノブもハム子も純粋な一人っ子じゃないっていうのがまたミソだよなあと思う。一人っ子だって言いたい気持ちもわかる。
ノブにもハム子にもオサムにも感情移入できて、だからこそ応援したくなる。
あとがきにもあったけど、ノブもハム子もオサムも、そして陽介も幸せになれたらいいな。そして願わくばまたみんなが再会できますように。
Posted by ブクログ
昭和40年代くらいの話だろうか。兄弟がいるのが当たり前というか、一人っ子が珍しかった、そんな時代の話。
それぞれが複雑な事情を抱えている一人っ子の男の子と女の子。その交流というか日常を綴っているんだけど、何か大きなうねりというか事件が起こるわけでもなく、淡々と、むしろ陰陰鬱鬱と、もどかしいくらいに何事にも消極的な主人公という感じで、あまり共感できる部分はなかった。
Posted by ブクログ
親戚の間をたらい回しにされて嘘をついて周りに構ってもらいたがるオサム、幼い頃に兄を亡くしたノブ、母の再婚を認められないハム子。大人の間で揺らぐ小学生の話。わたしも6年生の頃ってこんな感じだったかなあ。
小学生の頃お父さんを亡くした友だち、「本当は兄ちゃんがいたんだけど生まれてすぐ死んじゃったんだ」と言っていた友だち、中学の時、お父さんもお母さんも亡くした友だち、なんだか様々を思い出して、自分の人生の平穏なさまを思い、やるせない気持ちになった。わたしはいつだって傍観者でしかなく、当事者になることはなかったけど、子どもは思っているよりも大人で、しかし大人になりきれないからこそ揺らぐんだろうと感じた。