【感想・ネタバレ】一人っ子同盟(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

ノブとハム子は、同じ団地に住む小学六年生。ともに“一人っ子”だが、実はノブには幼いころ交通事故で亡くなった兄がいて、ハム子にも母の再婚で四歳の弟ができた。困った時は助け合う、と密かな同盟を結んだ二人は、年下の転校生、オサムに出会う。お調子者で嘘つきのオサムにもまた、複雑な事情があって――。いまはもう会えない友だちと過ごしたあの頃と、忘れられない奇跡の一瞬を描く物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

うーむ この本も最高によかった~

重松 清氏の「一人っ子同盟」。
子どもが主人公の作品。
人生にはどうにもならないことがある。
子どもには もどかしさが沢山。

どうにも切ない 重松氏を代表する作品だと思います。
あとがきに重松氏の思いがしっかりと詰まっています。
大切な宝物になりそうです

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2018年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真面目なノブと女子最強王者のハム子を中心に物語が進んでいきます。ノブは4歳の時にお兄ちゃんを交通事故でなくしました。ハム子も母一人子一人の母子家庭。そんな二人の所に天涯孤独の嘘つきなオサムが引っ越してきました。みんな一人っ子ですがそれぞれ事情が異なる一人っ子。ハム子には新しいお父さんと弟ができますが、ハム子は少しもなつきません。オサムは小さい頃に両親を亡くし、親戚の間をたらい回しにされていました。ノブはお兄ちゃんが亡くなった場所へ行き、お兄ちゃんのことを思って初めて泣きました。この話を短く言うと、ノブとハム子とオサムの成長ストーリーです。

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2021年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やっぱり重松清はいいなあと思った。
のんびり読んでるんだけど、いつのまにかページをめくるスピードが早くなっていく感覚。
予想外の展開続き、というわけじゃないからこそ妙にリアルで引き込まれる。
本当の「悪者」がいないってのがいい。

ノブは消極的な感じだし情けない感じがするけど、ノブの存在のおかげでハム子はハム子らしく、オサムはオサムらしくいられるんだろうな、と思った。そしたらなんと後書きでノブはドアノブのノブが由来だとあり、感動した。ドアノブのノブ、うーん素敵。

私は一人っ子じゃないから単なる想像でしかないけど、本当に一人っ子ってこういう風なのかもしれないと感じた。秘密の話ができる相手がいないのって寂しいだろうし、親の秘密の話が聞こえてきちゃうのも寂しいんだろうな。でも、だからこそ成長できる部分もあるわけで。その成長がいいとは限らないけど。私には兄弟がいてよかったと思ってしまった。
ノブもハム子も純粋な一人っ子じゃないっていうのがまたミソだよなあと思う。一人っ子だって言いたい気持ちもわかる。

ノブにもハム子にもオサムにも感情移入できて、だからこそ応援したくなる。
あとがきにもあったけど、ノブもハム子もオサムも、そして陽介も幸せになれたらいいな。そして願わくばまたみんなが再会できますように。

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2020年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

親戚の間をたらい回しにされて嘘をついて周りに構ってもらいたがるオサム、幼い頃に兄を亡くしたノブ、母の再婚を認められないハム子。大人の間で揺らぐ小学生の話。わたしも6年生の頃ってこんな感じだったかなあ。
小学生の頃お父さんを亡くした友だち、「本当は兄ちゃんがいたんだけど生まれてすぐ死んじゃったんだ」と言っていた友だち、中学の時、お父さんもお母さんも亡くした友だち、なんだか様々を思い出して、自分の人生の平穏なさまを思い、やるせない気持ちになった。わたしはいつだって傍観者でしかなく、当事者になることはなかったけど、子どもは思っているよりも大人で、しかし大人になりきれないからこそ揺らぐんだろうと感じた。

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2019年09月26日

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