重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ作家さんのお名前は以前からお勧めサイトなどでちらちら見ていた。
「泣けるお話」探しをしてて、同僚にお勧めされて本書を手にとりました。
今まで「泣けるお話」を探していて、あまりピンとこなかったのですが、本書は…泣けました!!!
一番泣けるシーン(由香ちゃんがなくなったと恵美ちゃんが感じるところ)を電車の中で読んでしまったせいで、理性が働いてしまい、こらえてしまったのですが…。
お勧めしてくれた方は「娘に読ませたくて買った本なんだよね」とおっしゃっていたんですが、(気持ちはめちゃくちゃわかる。思春期の学校という狭い場所でなんとか生きなくちゃならないときの辛さを和らげる手助けになればと思う)やっ -
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【2025年85冊目】
ある雨の日に、恵美は交通事故に遭ってしまった。一生松葉杖を手放せない身体になり、人生のあり方ががらりと変わってしまう。ゆったりと歩くしかなくなった恵美は、腎臓の病を抱えた同じクラスである由香との距離を縮めていく――少年少女の心の機微とさまざな「ともだち」のカタチを描く一作。
危なかった、電車の中じゃなかったらバチバチに泣いてるところでした。ぐっと唇を噛み締めて耐えました。涙は滲んでいた。
作者が登場人物の一人であるというちょっと変わった文体でありながらも、違和感を覚えさせることなく読ませてくる文章力に脱帽でした。だんだんと物語が進むにつれて「これはきみの物語だ」って -
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ネタバレ凄くファンタジーなお話なのに、その中で向かい合っていく現実は実にリアルで「サイテー」な惨状。
そのドロドロ感とSF感の混ざり合いが実に面白かった。主人公にとってこの旅は、サイテーな現実でも目を背けず、幸せのために戦い続けるために必要な勇気を授けてくれる旅だったのだ。
関係が修復できずに終わってしまった生(橋本さん親子、主人公と父)もあり、主人公もこれから家族を幸せに導けるかは分からない、それが現実的なのだが、その中にも小さな救い、それも現実を生きる私達からしても「ギリギリありそうな」救いを見い出せる点が、ファンタジーなのにリアルなこの物語の魅力に思えた。
橋本さん親子は走り続けているのかな、 -
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ネタバレ一家離散とリストラに遭った永田一雄はもう死んでもいいかな、と思っていた。
終電の終わった最寄駅のバス停のベンチで、不思議なワインレッドのオデッセイに乗ることになる。
広島の故郷では折り合いの悪かった父親が63歳でガンを患い亡くなろうとしている。
一雄は大会社の社長である父親がくれるお車代目当てに月2~3回の帰郷を繰り返していた。
オデッセイの運転手は5年前に交通事故で亡くなった父子。
一雄を人生のターニングポイント「たいせつな場所」へ導いていく。
一回目のダイブは妻がテレクラにハマり出し、息子が受験のストレスを抱え出した1年前。一家離散の未来を知っている一雄だが、過去を変えることはできな -
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「その日」は、すべての人に等しく訪れる。
本作は短編集ではあるが、後半に収められた一編が、この本の核心といえる。
そこでは、“人がこの世を去る日”を「その日」として捉え、
「その日の前」、「その日」、「その日のあと」という三部構成で描かれている。
死は、誰にも等しく訪れる避けがたいものだ。
しかし、もしその準備をする時間が与えられたとしたら――それは不幸ではなく、むしろ幸福と言えるのかもしれない。
誰しも「いつか伝えよう」と思いながら言えなかった言葉がある。
感謝の気持ちや謝罪、大切な人への想い。
だが、そうした言葉を伝える「その時」が、必ず与えられるとは限らない。
余命を告げる病は、残 -
Posted by ブクログ
走馬灯 に焦点を置いてある本。
重松清さんの作品は、ファンタジー要素もありつつ、しっかり現実と向き合わせられるような作品が多いが、これもその一つだと感じる。
悔いがあってもいい
悔いがあるからこそ人生
楽しいだけが人生じゃない
辛いことがあっても、決してそれだけではないよなあと深々と考えさせられた。
楽しいことのが多いはずなのに、辛いことや悲しいことのせいで人間はあっという間にどん底にいる気持ちになるけど、いつかそれも含めて懐かしいと思うことができるからこそ人生なんだなあと思った。
はるちゃんがお母さんと呼んだ場面はグッとくるものがあり、涙がでそうになった。
また読みたい。
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