重松清のレビュー一覧

  • 哀愁的東京

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    誰かの人生が欠けていく様を見続ける主人公。
    それは主人公も例外ではなく、どこからかぽろぽろと何かが落ちていくような感じ。
    逆境に立ってそれでも俺は負けねぇぞじゃなくて、結局は降参してしまう人たち。
    ハッピーエンドじゃないけど、笑っとかないとやっていけないって感じ

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    2025年06月09日
  • めだか、太平洋を往け

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    通勤電車で読んじゃダメな本。めっちゃ、泣いてしまう、私の好きな重松清さんらしい本。今回も不器用に生きる登場人物それぞれに、愛着持ってあっという間に完読。

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    2025年06月07日
  • せんせい。

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    学校という場でイメージする先生とは少し違う、そんな先生たちが主人公です。普通イメージする先生は「頼りになる」「いろいろ教えてくれる」「こわい」「うるさい」という所でしょうか。人によって思い出があると思います。
    しかし、この物語に出てくる先生はみんな普通とはいえません。人間らしさがよくみえます。
    理由なく人を嫌うとか、夢を追いかけ続けるとか、もっともっと、先生という存在ではなく人間として先生を見たいと思える作品です。
    特にこの作品の中でも「にんじん」は人間らしさと先生らしさの真ん中で苦しみ続ける姿がとてもつらく、やり場のない苦しみってどうすればいいのか、考えさせられました。

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    2025年06月06日
  • めだか、太平洋を往け

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    涙なしでは読めない。東日本大震災、正しさ、ずるさ、生きること全てが詰まった濃厚で豊かな読書時間になりました。正しさは正しい。だがそれだけでは生きづらい。答えはいつも同じではなく、その日、その時、その状態を考慮して考えて出す。定年退職直後に息子夫婦を事故で亡くし孫と暮らすことになったアンミツ先生が、かつて息子や生徒に掛けていた言葉は20年先、30年先の彼らの人生を創りあげていた。感動!

    ※人間、困っているうちは老け込まない。なんとか解決しなければと頭をフル回転させアクションを起こす。そういった行動は細胞を活性化して免疫力を高める。

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    2025年06月06日
  • その日のまえに

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    人生の転勤に立った普通の人の、普通じゃない一日を描く。重松清の物語に登場する人々は普通の人だ。知り合いにいそうな人々の生活がなぜこんなにも魅力的なのだろう。

    周囲にいそうな人が、大切な存在を失う日。誰にでも起きるが、人生で何回も起きるようなことではない。

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    2025年06月04日
  • 見張り塔から ずっと

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    「カラス」が良かった。
    希望に満ちたニュータウンが一転して呪いになる。
    少しだけ得をした隣人を群れになった住人たちが襲う。
    いや、襲うというか村八分か。
    リアリティーがありながら、ストーリーとしてはホラーになっていて恐ろしかった。
    住人たちの気持ちを理解できてしまう自分が辛い。

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    2025年06月04日
  • カシオペアの丘で(下)

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     いい話だった。
    本当にいい話でした。

     下巻では、北都を訪れたシュンの病状が一気に悪化する。
     クラセンとの再会、カシオペアの丘の今後など物語のテンポが上がっていく。
    同時にトシとシュンの思い、クラセンの苦しみ、川原さんの迷いなど絡まった糸が少しずつほどけていく。
     いつもひょうきんで場を和ませ、とっておきの言葉を残して、さっと身を引き仕事へ戻るユウちゃんに惚れてしまった。
     
     夜空に輝く無限の命の星たち。
    どの命も傷つき、削られて、それでも夜空に星は光りつづける。
     誰にも傷つけられず、誰も傷つけずに終わる人生は良い人生かもしれないけど、それは幸せだったといえるのだろうか。
     
     温か

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    2025年06月04日
  • きみの友だち

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    ザ・重松清、という作品でした。

    交通事故で足が不自由になった恵美と、腎臓の病気で度々入院し学校も休みがちな由香。「みんな」からはじかれたことで二人で過ごすようになりますが、やがて互いにかけがえのない存在になります。

    そんな彼女たちや、彼女たちを取り巻くクラスメイト、恵美の弟やその友人など、語り手を次々と変えながら物語が語られてゆきます。
    「親友」「相棒」と軽々にラベル付けすることなく、真正面から由香と付き合うことで成長した恵美の姿は凛々しくて憧れます。そんな彼女の姿を見た登場人物たちも、弱虫だったり八方美人だったりする自分の弱さに気づきながら、自分たちの人生を歩んでいきます。

    友だちとは

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    2025年06月02日
  • 卒業

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    涙が出てこない理由が思いつきません。通勤電車内で読みながら涙目になり、たった今お身終えた最後の2ページだけで涙目に、、、、普段何に対しても穿った目で観察し歪んだ解釈をして自分を納得させるような生活していてるのに涙が出てきてしまう。

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    2025年05月31日
  • カシオペアの丘で(下)

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    ゆるし、ゆるされ、そして生と死の物語

    以下、公式のあらすじ
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    苦しみ、傷つき、やがて輝く星になる。壮大な命の物語
    ぼくはゆるしてもらえるんでしょうか。
    ゆるされて、しぬことができるんでしょうか。

    29年ぶりに帰ったふるさとで、病魔は突然暴れ始めた。幼なじみたち、妻と息子、そして新たに出会った人々に支えられて、俊介は封印していた過去の痛みと少しずつ向きあい始める。消えてゆく命、断ち切られた命、生まれなかった命、さらにこれからも生きてゆく命が織りなす、あたたかい涙があふれる交響楽。
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    炭鉱の町として栄えていた北海

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    2025年05月20日
  • その日のまえに

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    ネタバレ

    家族の余命、、とても考えたくはないけど日々を過ごしているとこの毎日が当たり前ではないということをついつい忘れそうになる。
    この物語を読んで、改めて家族との毎日を大切にしようと心から思った。

    子供達に和美の余命を告げるか告げないか。
    夫婦で話し合う中での和美のセリフ。
    「わたしね、最後の最後のもうギリギリまで2人の元気な顔を見ていたいの。ママは治るんだって信じてる顔を見せてほしいの、少しでも長く。悟ったような顔は似合わないって、あの子達には」
    「子供から希望を奪う権利は、親にもないと思う」
    後悔なく過ごして欲しいから子供達にも告げるべきではないかという夫の気持ちもよくわかるが、母になった私には

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    2025年05月18日
  • きよしこ

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    ネタバレ

    気持ちを声に出して伝えるのが難しい主人公ですが、素直で気持ちを伝えることを諦めない姿に感動しました。彼の周りにいる人も彼の気持ちを汲み取ってくれます。不器用でも気持ちは伝わるのだと思える、勇気を貰えるお話でした。

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    2025年05月18日
  • 十字架

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    吉川英治文学賞受賞作。いじめを苦にして自殺した少年。主人公の少年ユウはさほどその少年とは仲良くなかったのに遺書に親友と書かれてしまって…。息子をいじめで失った両親のやり場のない想いが胸に刺さる。傍観者であることも罪。後半は涙なしには読めない心に残る話。

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    2025年05月17日
  • 流星ワゴン

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    ネタバレ

    過去に行っても行動を変えられず過去をなぞることしか出来ない前半。少しずつ行動を変えられたのに未来に影響することはない後半。
    「あのときこうしていれば」「こんな言葉をかけておけば」そう思えるのは全て今になってから。
    融通のきかないやり直しに主人公がもどかしくなって嫌気をさす。そんな融通のきかなさが「そりゃそうだよな」と思えて、たまらなく好きだった。過去をやりなおしたから未来がハッピーエンドに変わるわけじゃなくて、今を生きなおしてこの先を変えていこうとする終わり方が凄くよかったと思う。
    健太くんがお母さんに会いに行って、自分が亡くなった後再婚して子どもがいると知って、砂場で泣く姿にもらい泣きした。

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    2025年05月15日
  • きよしこ

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    一瞬で読めるほど読みやすい。重松さんの作品は涙無しには読めないですね。吃音を通して見える世界に触れることができたし、学生時代を思い出すなんとも言えない感情。大人のダメさ、子供の心強さ、本当に素晴らしい作品です。

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    2025年05月12日
  • 流星ワゴン

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    人生に絶望する時、死にたいと言う気持ちと共に後悔も生まれるだろう。この世に希望を失った主人公の、人生の分岐点を巡る旅は自分も同情してしまう部分もあった。でもその長旅を終えて再び生きることを決意した彼の姿に、自分はとても心を揺さぶられ、この本を通じて生きる希望というものを得た。
    この本は少し疲れている人におすすめしたい。

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    2025年05月11日
  • きみの友だち

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    何回も読んでは泣いてしまうお話。

    自身もコンプレックスを抱えながら
    子供から結婚までの人生で、
    同じようにコンプレックスに抱える
    「友だち」とのやりとりを第三者視点
    で書かれています。

    コンプレックスを抱えるが上に
    どうにも厄介な「その他大勢」と
    向きあっていく一人一人を「友だち」
    と呼ぶのであれば、そのような人は
    そう何人もいる訳ではないかなと
    思ったりします。

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    2025年05月06日
  • せんせい。

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    多くの生徒から見た「良い先生」が、誰にとっても「良い先生」である、とは限らない。
    逆に、普段はつまらなさそうな先生が子供のようにはしゃいでいたり、厳しい先生が実は一番生徒の気持ちを理解していたり。
    そんな、違った角度から先生を見た時、人間味があって、とても面白かった。
    自分たちに当時見えていた先生は、「完璧な大人」だったが、実際は学びと試行錯誤の連続で、大人と子供に大差はないのかもしれないと感じた。
    むしろ、大人の中の「新人」と「ベテラン」にこそ、子供と大人以上の大きな差を感じた。

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    2025年05月05日
  • かあちゃん

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    重松清の本気の長編に◎!
    加害者で繋いでいく短編形式で、感動的な長編を構築した名作!
    いじめや事故の加害者が、全て悪と切ってすてることなく、それぞれに背景があり、悩み苦しみもがく姿を描く。それぞれの章で毎回、涙腺が崩壊した。
    彼ら彼女らは、本心を見つめることができず、偽りの態度で、言葉で繕う。大人は紋切型に子供をはめることが正しいと大人ぶる。しかし、登場人物たちは、あるきっかけで自分と向き合う覚悟をする。過ちは全ての人間にはあるはず。そう、それを忘れないこと。そうすれば、前に進む新しい始まりが見つかるはず。
    手を貸さないが見守る作品が多い作者にしては、珍しく登場人物に介入していく作品作りになっ

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    2025年05月04日
  • 十字架

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    ネタバレ

    人間って、死にたくなるほどつらい目に遭ったときに絶望するのかな。それとも、死にたくなるほどつらい目に遭って、それを誰にも助けてもらえないときに、絶望するのかな

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    2025年05月02日