重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
学校という場でイメージする先生とは少し違う、そんな先生たちが主人公です。普通イメージする先生は「頼りになる」「いろいろ教えてくれる」「こわい」「うるさい」という所でしょうか。人によって思い出があると思います。
しかし、この物語に出てくる先生はみんな普通とはいえません。人間らしさがよくみえます。
理由なく人を嫌うとか、夢を追いかけ続けるとか、もっともっと、先生という存在ではなく人間として先生を見たいと思える作品です。
特にこの作品の中でも「にんじん」は人間らしさと先生らしさの真ん中で苦しみ続ける姿がとてもつらく、やり場のない苦しみってどうすればいいのか、考えさせられました。 -
Posted by ブクログ
いい話だった。
本当にいい話でした。
下巻では、北都を訪れたシュンの病状が一気に悪化する。
クラセンとの再会、カシオペアの丘の今後など物語のテンポが上がっていく。
同時にトシとシュンの思い、クラセンの苦しみ、川原さんの迷いなど絡まった糸が少しずつほどけていく。
いつもひょうきんで場を和ませ、とっておきの言葉を残して、さっと身を引き仕事へ戻るユウちゃんに惚れてしまった。
夜空に輝く無限の命の星たち。
どの命も傷つき、削られて、それでも夜空に星は光りつづける。
誰にも傷つけられず、誰も傷つけずに終わる人生は良い人生かもしれないけど、それは幸せだったといえるのだろうか。
温か -
Posted by ブクログ
ザ・重松清、という作品でした。
交通事故で足が不自由になった恵美と、腎臓の病気で度々入院し学校も休みがちな由香。「みんな」からはじかれたことで二人で過ごすようになりますが、やがて互いにかけがえのない存在になります。
そんな彼女たちや、彼女たちを取り巻くクラスメイト、恵美の弟やその友人など、語り手を次々と変えながら物語が語られてゆきます。
「親友」「相棒」と軽々にラベル付けすることなく、真正面から由香と付き合うことで成長した恵美の姿は凛々しくて憧れます。そんな彼女の姿を見た登場人物たちも、弱虫だったり八方美人だったりする自分の弱さに気づきながら、自分たちの人生を歩んでいきます。
友だちとは -
Posted by ブクログ
ゆるし、ゆるされ、そして生と死の物語
以下、公式のあらすじ
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苦しみ、傷つき、やがて輝く星になる。壮大な命の物語
ぼくはゆるしてもらえるんでしょうか。
ゆるされて、しぬことができるんでしょうか。
29年ぶりに帰ったふるさとで、病魔は突然暴れ始めた。幼なじみたち、妻と息子、そして新たに出会った人々に支えられて、俊介は封印していた過去の痛みと少しずつ向きあい始める。消えてゆく命、断ち切られた命、生まれなかった命、さらにこれからも生きてゆく命が織りなす、あたたかい涙があふれる交響楽。
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炭鉱の町として栄えていた北海 -
Posted by ブクログ
ネタバレ家族の余命、、とても考えたくはないけど日々を過ごしているとこの毎日が当たり前ではないということをついつい忘れそうになる。
この物語を読んで、改めて家族との毎日を大切にしようと心から思った。
子供達に和美の余命を告げるか告げないか。
夫婦で話し合う中での和美のセリフ。
「わたしね、最後の最後のもうギリギリまで2人の元気な顔を見ていたいの。ママは治るんだって信じてる顔を見せてほしいの、少しでも長く。悟ったような顔は似合わないって、あの子達には」
「子供から希望を奪う権利は、親にもないと思う」
後悔なく過ごして欲しいから子供達にも告げるべきではないかという夫の気持ちもよくわかるが、母になった私には -
Posted by ブクログ
ネタバレ過去に行っても行動を変えられず過去をなぞることしか出来ない前半。少しずつ行動を変えられたのに未来に影響することはない後半。
「あのときこうしていれば」「こんな言葉をかけておけば」そう思えるのは全て今になってから。
融通のきかないやり直しに主人公がもどかしくなって嫌気をさす。そんな融通のきかなさが「そりゃそうだよな」と思えて、たまらなく好きだった。過去をやりなおしたから未来がハッピーエンドに変わるわけじゃなくて、今を生きなおしてこの先を変えていこうとする終わり方が凄くよかったと思う。
健太くんがお母さんに会いに行って、自分が亡くなった後再婚して子どもがいると知って、砂場で泣く姿にもらい泣きした。 -
Posted by ブクログ
重松清の本気の長編に◎!
加害者で繋いでいく短編形式で、感動的な長編を構築した名作!
いじめや事故の加害者が、全て悪と切ってすてることなく、それぞれに背景があり、悩み苦しみもがく姿を描く。それぞれの章で毎回、涙腺が崩壊した。
彼ら彼女らは、本心を見つめることができず、偽りの態度で、言葉で繕う。大人は紋切型に子供をはめることが正しいと大人ぶる。しかし、登場人物たちは、あるきっかけで自分と向き合う覚悟をする。過ちは全ての人間にはあるはず。そう、それを忘れないこと。そうすれば、前に進む新しい始まりが見つかるはず。
手を貸さないが見守る作品が多い作者にしては、珍しく登場人物に介入していく作品作りになっ
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