重松清のレビュー一覧
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ネタバレジン先生の暑苦しくも憎めない性格に影響され、行動していく高校生たち。先生に憧れた先生をする人間をどこか冷笑している自分がいた。でも、結局は自分も教員になったのは、何かの先生に憧れたからだ。それはクールでもなんでもなく、ただひたすらに教育に熱い先生だったはずだ。
その初心に立ち返らせてもらった。
びっくりするくらい真っ直ぐな青春を浴び、読み終えた今は懐かしさと寂しさがやってきている。
そして最後の校長先生の言葉は、何よりも心に来た。
社会は主人公ばかりではない。「ダシ」があるから、回るのだということ。
そこにもドラマがある。
主役と脇役なんて配役はどうでもいい。一生懸命に生きる人間が重なって作り上げられる社会を尊く感じ、自分もその一員になりたいと思う。
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Posted by ブクログ
最初この本と出会った時は、亡くなった人の気配と共に温かく、優しく、寂しく、強く生きていく父娘の物語として、感動しながら読みました。
年月が経ち、自分も娘をもって、一児の母としてもう一度この作品を読むと、亡くなったともこさんと、自分たちより先に娘を亡くしたともこさんのご両親の気持ちを想像してしまい、涙が止まりませんでした。
自分に置き換えると本当に苦しくて、今自分が生きて家族と向き合えていることの幸せを噛みしめながら読みました。
子育てに迷ったとき、今この瞬間の幸せを見失いそうになったとき、きっと私はこの本を開くと思います。
受け取るメッセージは異なれど、きっとどんな人にも響く本だと思うので、ぜひいろんな方に読んでいただきたいです。
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ネタバレ
人生で1番の本に出会えたと思います。
全ての文章が名台詞みたいな本でした。
上で起きた問題がそれぞれ優しく解決していって。
ドンの家庭の不和がなんとかなりそうなのが個人的に1番嬉しかったです。彼が自分のために怒ること、彼の母が家族のために泣くことを諭した陽平の教師として、人としてのあり方があまりにも素晴らし過ぎて、じんわり涙が込み上げました。
その他にも、相手の美味しい顔を思い浮かべて作る料理も大切ということや、正しいけれど優しくないこともあったり、家族のためは実は自分のための言い訳だったりするし、大人になっても友情は大切だで、自分の「核」がなんなのか自覚することの重要さに気付いたり。
素敵すぎて書ききれないです。
普段する料理の意味を改めて考えさせてくれたり、自分の夫婦生活を見つめ直させてくれたり。
お節介ぐらいに優しくてあったかい。
誰のことも置いていかず、誰も悪者にしない、そんな終わり方なのも素敵です。
大切にしなきゃいけない1冊になりました。
まずは私の「核」を見つけることを始めようかな。
"恋妻家宮本"では宮本夫婦の話だけになってるのが勿体無い…
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ネタバレ
あったかい。くすぐったい。もどかしい。
家族でも、友達でも、そんな気持ちが溢れてる。
でも一方でモヤモヤ抱えてるものもあり、迷うときもあり。
前途多難なことも。
料理もとても美味しそうで。家で真似してみたいものも。
重松先生のこの文体の柔らかさや優しさ、時にグサッとくるセリフの鋭さが本当に大好きです。
まだまだ上を読み終わったばっかり。
宮本家の夫婦の問題、ニコニコ亭に上手く就職できるのかコージー・マッケンジー、武内夫婦の心の距離、ドンの家庭環境、どうやって収束していくのか。
映画版の"恋妻家宮本"では伺えなかった人間ドラマも読めて、改めてこの本を手に取ってよかったと思えました。 -
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昭和後期の地方都市を舞台に家族と友人との触れ合いを熱く優しく描いた傑作小説。
題名が「とんび」ですが、鳥のとんびは登場しません笑
これは「トンビが鷹を産む」のことわざを端折っているのでしょうが、内容的にはこのことわざの本来の意味をなさないように思われ、どちらかというと「トンビがくるりと輪をかいた」と言った方が的確ではないかと笑
不器用で荒くれだけれども信義を貫く主人公ヤスさんの人生物語。
最愛の妻に不慮の事故により先立たれ、男手ひとつで息子アキラを育て上げるという、いわばハートウォームファミリーサクセスストーリー。
仁義なき戦いシリーズが大好きなので、広島弁(備後弁)には全く違和感なく、むしろ愉快であった。屁理屈をこねたり、減らず口を叩いたりと、会話のやり取りが面白いじゃないか!
家族の絆と仲間との友情を織り交ぜながら、劇的に社会の変化を遂げた時代を背景に、家族のあり方を改めて考えさせられた涙なくしては読めない作品。 -
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連作短編なので、展開も早く読みやすい。
大切な人が逝ってしまっても、日常は何もなかったかのように続くコト、あんたはどう想う?と問いかけているようで考えさせられる内容だ。
「死」以外の「その日」を描いた短編も混じっており、読み手のストレスを少しだけ和らげてくれるが、ひとつの区切りに本当にケリをつけられるのか、と想いを馳せてしまう。
で、どうなった?と「その日」が読み手の想像に委ねられた描かれ方で、引きずりを持ったまま読み進めたが、最後の3編は「その日」を含めた時間の流れと残された人たちの心の移ろいや葛藤、苦しさ悲しさが描かれており、心に沁みた。
「その日のあと」に託された手紙の一文に愕然としたが、残された者へ、引きずらなくていいよ、と逝ってしまった者の優しさもあったのかな。
逝くこと、生きることの意味を考えさせられたし、隣にいる妻の存在が今まで以上に愛おしく感じられた。
今という日常を大事にしたい。
刺さった一文
▪まず「悲しみ」が薄れ、「寂しさ」もしだいに淡くなって、いまでは記憶に残る場面のひとつひとつを「懐かしさ」できれいにまとめることができるようになった。
▪昨日までいた人が、今日、不意にいなくなる。
でも、そのひとがいようがいまいが、明日は来る、明後日も、明々後日も、来る。
▪現実の世界から姿を消してしまったからこそ、僕たちの記憶の中で永遠に生きる。 -
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たいせつなことだけを喋る国語教師の村内先生と、問題を抱えた中学生のお話。
村内先生が、国語教師らしからぬ吃音の持ち主なのに、村内先生が国語教師なのは、なるべくしてなったんだなと、読み終える頃には、ジンとしていた。
中学生あるあるな悩みや問題を抱える子、複雑な環境下の子、様々な考え方があって、様々な人がいて、様々なやり方で、みんな1人が嫌なんだよね。あの頃って、なぜだか世界が全部敵みたいに感じることがあって、そんなことを思ってるのは自分だけに感じてしまう。そんな時にそばにいてくれる大人の大切さ、大切な言葉をくれる存在の大切さ。
重松清の描く少年少女たちは、重たい背景を抱えていることも多いけど、どこか身近で他人事ではなくて、自分自身で、だからこそ身に沁みて、読んだら優しくなれる。ずっと好きです。
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