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限られた生の時間のなかで、家族へのこす言葉を探すために、俊介はふるさとへ帰ってきた。幼なじみとの再会を果たし、過去の痛みを受けとめた俊介は、「王」と呼ばれた祖父とともに最後の旅に出る。
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Posted by ブクログ
上巻では謎に包まれていた様々な事情が、下巻で明らかになっていきました。 小学5年生のトシが大怪我をした日のこと、大学時代のシュンとミッチョの過ごした日々、ユウちゃんの秘めていた思い、シュンが故郷に背を向けていた訳、、、色々なことが、繋がっていく感覚で、時には涙しながら読みました。 幼なじみ四人...続きを読むに加えて、ミウさん、川原さん、シュンの妻子・恵美さんと哲夫くん、シュンの兄・ケンさん、そしてシュンの祖父・倉田千太郎さん、、、みんな心に重いものを抱えながらも、相手を思いやり、時には許し許され人生を生きていく、この小説の中に流れていく情景や交わされる言葉が心に沁みて、重松さんの優しさを改めて深く感じました。 この本に出会えたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
いい話だった。 本当にいい話でした。 下巻では、北都を訪れたシュンの病状が一気に悪化する。 クラセンとの再会、カシオペアの丘の今後など物語のテンポが上がっていく。 同時にトシとシュンの思い、クラセンの苦しみ、川原さんの迷いなど絡まった糸が少しずつほどけていく。 いつもひょうきんで場を和ませ...続きを読む、とっておきの言葉を残して、さっと身を引き仕事へ戻るユウちゃんに惚れてしまった。 夜空に輝く無限の命の星たち。 どの命も傷つき、削られて、それでも夜空に星は光りつづける。 誰にも傷つけられず、誰も傷つけずに終わる人生は良い人生かもしれないけど、それは幸せだったといえるのだろうか。 温かい涙をたくさん流して浄化されたようでした。
ゆるし、ゆるされ、そして生と死の物語 以下、公式のあらすじ -------------------- 苦しみ、傷つき、やがて輝く星になる。壮大な命の物語 ぼくはゆるしてもらえるんでしょうか。 ゆるされて、しぬことができるんでしょうか。 29年ぶりに帰ったふるさとで、病魔は突然暴れ始めた。幼なじみ...続きを読むたち、妻と息子、そして新たに出会った人々に支えられて、俊介は封印していた過去の痛みと少しずつ向きあい始める。消えてゆく命、断ち切られた命、生まれなかった命、さらにこれからも生きてゆく命が織りなす、あたたかい涙があふれる交響楽。 -------------------- 炭鉱の町として栄えていた北海道の北都市で育った小学生の幼馴染トシ、シュン、ミッチョ、ユウちゃんの4人 4人は水没予定の窪地を見渡せる、「カシオペアの丘」と名付けた場所に、将来遊園地を作る夢を語り合った 30年後、遊園地は実現したが…… トシは市役所の職員として、赤字経営の遊園地の車椅子園長 ミッチョはトシと結婚し、小学校の教師をしながら遊園地の手伝いをしている シュンは東京で家庭を築き、奥さんと小学生の息子と暮らしている中、癌が見つかり余命宣告される ユウちゃんは東京でテレビの仕事をしている カシオペアの丘の遊園地を訪れた事のある家族の幼女殺害事件をきっかけに4人の人生が再び混じり合う トシが車椅子になった理由、シュンが地元を離れた理由、そして抱えている罪悪感の原因 炭鉱の町だった北都を今も牛耳っていたシュンの家系 倉田 そして、その王たる振る舞いをしていた祖父 炭鉱事故での非情にも苦渋の決断 その結果見捨てられた人と達とその家族 シュンとミッチョの再会と別れの経緯 再会していた事をトシに黙っていた事 それぞれが抱える秘密と罪悪感と赦す想い 「ゆるす」こと「ゆるされる」こと。 友情、家族愛、背負ったもの、そして生と死 シュンに必要なのは、トシに許されるよりも、まず自分を赦す事なんだろうな トシもトシで、シュンと倉田を切り分けた上で、許すとまではいっていなくとも、過去の事故を受け入れてはいる 伝聞の情報しか提示されていないけど、恐らく母親も晩年はそうだったのかもしれない 「ゆるしたい相手を決してゆるせずに生きていくひとと、ゆるされたい相手に決してゆるしてもらえずに生きていくひとは、どちらかが悲しいのだろう」 どっちも悲しい気もするが、許す側の人間は、その判断を自分に委ねられている分、そっちの方が辛い気がする 許されたい側は、ある意味で吹っ切る事ができる分、まだ逃げ道があるのではなかろうか 正論を吐くトシ それに対するミッチョ 「あなたの言っていることは正しい。でも正しさだけじゃないんだよ、ひとの気持ちって」 簡単に断定してはいけないのだろうけど、トシは強い人なので、自分の正しさを自分で決めてそれを実行できるけど 世の中、そんな人ばかりではないからね シュンの闘病の様子を読んでいて、自分も同じような年齢のため、いつそうなってもおかしくないと実感する 今、何かが見つかって余命宣告を受けるという状況、なくはない年齢なんだよなー なので、シュンの精神的な変化も自分に起こったときのシミュレーションのようにして読んでいた 私も癌が見つかっても結構早い段階で受容まで行くと勝手に思っているんだけど こればっかりは実際になってみないとわからないですね 幼馴染の関係に変化を与える契機になった川原さん 物凄く過酷な状況だよな…… 大切な一人娘を殺された上に、実は妻の浮気相手が犯人だったというのが判明とか 辛すぎじゃね? あと、どことなく流星ワゴンに通じるものがある 一番のMVPはユウちゃんだよなー 川原さんのケアもそうだし、東京でのあれこれ、何よりミッチョが実はという展開、意外だったわー 読み終わった後は、珍しく感想を書けないくらいに打ちのめされた状態だった 奇跡が起こるわけでもなく、物語としては順当な展開なのだけれども 流石は重松清だけあって、そんなありきたりなやり取りの中で感動させる文章なんだよなー
悲しいようであたたかい物語でした。物語の途中でやるせない気持ちになりましたが、最後の場面はあたたかい気持ちでした。シュンもこんな気持ちだったのかな。
テーマは「ゆるす」こと「ゆるされる」こと。 友情、家族愛、背負ったもの、そして生と死。 本書は電車の中では読んではいけません。 そして下巻です。 故郷には帰らないと決めていたシュンは奥さんと息子とともに北都に戻ります。 そして、トシ、ミッチョと再会。 しかし、症状が悪化して入院を余儀なくされてしま...続きを読むいます。 そんな中、シュンは過去に向き合い始めます。 祖父との関係、トシとのわだかまり、ミッチョとの関係。 自分の余命、炭鉱事故での命、そして、生まれなかった命。 うーん、重い。 シュンの症状悪化に伴い、シュンのかたる言葉が「ひらがな」になっている表現が切ない。 残された日々の中、 「ゆるす」こと「ゆるされる」こととは? 死を目前に家族に残したいもの、伝いたいこと。 生きるということ。 後半を通勤電車で読んでしまったのが失敗。 嗚咽が堪えきれませんでした。 周りのひと、この人、目を赤くしてなにしてんだろって思っていたんだろうな(笑) とってもお勧め
静かに読み終えたあとほっとした気持ちになった。北海道の昔の実際にあった事故をもとに書かれた話のようで、知らなかったので調べながら読んでいて、心が痛み、それぞれの気持ちがわかり複雑だった。だけど後悔しても前には進まなくてはならないし、伝えたいときに伝えないといつ死ぬかなんてわからないなと、改めて今ある...続きを読む日々を大切に生きなければならないと思った。 大切な仲間と出会えた主人公の人生は幸せだったと思う。
彼氏からこの本を貸してもらった。 上下に分かれてる上に1冊が分厚くて読む気持ちにならず、ずっとしまっておいた本。 読もうかな、と彼氏に話をした時、けどこれ癌の話なんだよね、と彼氏が戸惑った理由はちょうど私の母が癌の診断を受けた時だったから。 それからまた読まずにしまっておいた本を、読み始めたのは母が...続きを読む死んで半年くらい経ってからでした。 そうだ、喉に痰が絡んで苦しそうだったな、話す時も疲れていたよな。母も、自分の死が近づいてる事を気づいて最後に私たちに何を伝えようかたくさん考えていたのかな。 シュンの様子と母の様子が重なって本当に苦しくて悲しい気持ちになった。けど、大きな声で泣くのもあの時ああすればよかったって後悔するのも全部良いんだって思える本だった。 明日は母の日。母の事を今日の出来事のように思い出せる本を読んでよかった。
星の綺麗なカシオペアの丘 その綺麗な星と命は、一緒。 星も命も様々なものがあり、どれも輝いている。 そして、死んだ星や命もその後も輝き続けている。 生きることの希望を感じれた。。 昔からの、自分の内に秘めていたことも 更らに、輝ける未来の為に乗り越え解消していく そんな姿に生きる力強さ、本気で...続きを読むぶつかる良さも 感じれた。 変えようのない過去、消したい過去も 未来のいつかの自分なら乗り越えてくれるはず。 許す、許されるそんな想いを解消できた時 人は心から笑えるんだと。 苦しみながらも、幸せと思える人生を送りたい
上巻同様、何度も読み返して毎回同じところで号泣してます。シュンがどんどん弱っていく様子は読み進めるのが辛くなります。 辛くはありますが、心にそっと寄り添ってくれる温かさも感じる、今後も読み返したい名作です。
うんまあ面白かったよ。赦しが大きなテーマになってて、そこに友情や親子の愛や憎しみや惜別やなんやらが壮大にごった煮になっている感じの物語。心揺さぶられる描写はいくつもあったし、特に息子との関係と青春時代のふたりのあたりは泣けた。でもね、末期ガンで余命幾許もない人物を中心に据えての物語はやっぱり嫌いだよ...続きを読む。それを超えてきてくれる程の力はなかった。幼馴染っていいよな、とは思ったよ。俺にはいないからね。我が子と会えたのが一番の幸せってのは同意するし、色々な思いが沸き起こってきたけど、やっぱり物語として許せない思いは強かったな。物語の中で死んでいくのと、そのひとが死んでいくのを物語にするのとは違うと思っていて、後者は好きじゃないよ。
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カシオペアの丘で
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重松清
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