【感想・ネタバレ】カシオペアの丘で(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

テーマは「ゆるす」こと「ゆるされる」こと。
友情、家族愛、背負ったもの、そして生と死。
本書は電車の中では読んではいけません。

そして下巻です。
故郷には帰らないと決めていたシュンは奥さんと息子とともに北都に戻ります。
そして、トシ、ミッチョと再会。
しかし、症状が悪化して入院を余儀なくされてしまいます。

そんな中、シュンは過去に向き合い始めます。
祖父との関係、トシとのわだかまり、ミッチョとの関係。
自分の余命、炭鉱事故での命、そして、生まれなかった命。
うーん、重い。
シュンの症状悪化に伴い、シュンのかたる言葉が「ひらがな」になっている表現が切ない。

残された日々の中、
「ゆるす」こと「ゆるされる」こととは?
死を目前に家族に残したいもの、伝いたいこと。
生きるということ。

後半を通勤電車で読んでしまったのが失敗。
嗚咽が堪えきれませんでした。

周りのひと、この人、目を赤くしてなにしてんだろって思っていたんだろうな(笑)

とってもお勧め

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

静かに読み終えたあとほっとした気持ちになった。北海道の昔の実際にあった事故をもとに書かれた話のようで、知らなかったので調べながら読んでいて、心が痛み、それぞれの気持ちがわかり複雑だった。だけど後悔しても前には進まなくてはならないし、伝えたいときに伝えないといつ死ぬかなんてわからないなと、改めて今ある日々を大切に生きなければならないと思った。
大切な仲間と出会えた主人公の人生は幸せだったと思う。

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2023年02月20日

Posted by ブクログ

彼氏からこの本を貸してもらった。
上下に分かれてる上に1冊が分厚くて読む気持ちにならず、ずっとしまっておいた本。
読もうかな、と彼氏に話をした時、けどこれ癌の話なんだよね、と彼氏が戸惑った理由はちょうど私の母が癌の診断を受けた時だったから。
それからまた読まずにしまっておいた本を、読み始めたのは母が死んで半年くらい経ってからでした。
そうだ、喉に痰が絡んで苦しそうだったな、話す時も疲れていたよな。母も、自分の死が近づいてる事を気づいて最後に私たちに何を伝えようかたくさん考えていたのかな。
シュンの様子と母の様子が重なって本当に苦しくて悲しい気持ちになった。けど、大きな声で泣くのもあの時ああすればよかったって後悔するのも全部良いんだって思える本だった。
明日は母の日。母の事を今日の出来事のように思い出せる本を読んでよかった。

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2021年05月09日

Posted by ブクログ

星の綺麗なカシオペアの丘

その綺麗な星と命は、一緒。
星も命も様々なものがあり、どれも輝いている。

そして、死んだ星や命もその後も輝き続けている。
生きることの希望を感じれた。。

昔からの、自分の内に秘めていたことも
更らに、輝ける未来の為に乗り越え解消していく
そんな姿に生きる力強さ、本気でぶつかる良さも
感じれた。
変えようのない過去、消したい過去も
未来のいつかの自分なら乗り越えてくれるはず。

許す、許されるそんな想いを解消できた時
人は心から笑えるんだと。
苦しみながらも、幸せと思える人生を送りたい

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2021年03月12日

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上巻同様、何度も読み返して毎回同じところで号泣してます。シュンがどんどん弱っていく様子は読み進めるのが辛くなります。
辛くはありますが、心にそっと寄り添ってくれる温かさも感じる、今後も読み返したい名作です。

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2021年02月23日

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ネタバレ

ゆるす、ということが大きなテーマになっていると感じた。

「倉田」という鉱山を仕切る家に生まれたシュンは、鉱山の事故とトシの事故、ミッチョとの新しい生活に踏み切れなかった、三重の苦しみに悩まされながら生きてきた。

ガンになり、治すのが困難になったことで、過去と向き合い、今まで避けてきた、苦しみの元となった北都市に帰っていく。

徐々に体が弱っていく中でも、ゆるし、ゆるされるとは何かを考え、悩みながら、自分なりの回答が得られたのではないか。

この本を読みながら、自分もよく、ゆるす、ゆるされることについて考えているが、最後の川原さんとトシのやり取りの中でのトシの考え方に共感した。

また、ゆるしについては、考えることがあると思うが、深く悩んだときは、この本を読み返したいと思う。

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2020年10月29日

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ネタバレ

重たい話だけど暖かい話です。
下巻の最後の方は電車では読めないと思い家で読みました。
元気な頃は拒んでいたことも徐々に受け入れていく、死に近づくにつれて変わっていく心模様も自然で悲しい。

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2019年06月29日

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人は死に直面した時、何を考え何を求め何を祈るのか。「憎しみ続けて生きるのは寂しい」「人は誰もが人を傷つけ、許されたいと願うもの」といった言葉が胸に突き刺さる。主人公やその祖父、家族、周りの幼馴染や知り合った人々にも、少しずつ変化が訪れる。それでも、遺された人たちは、日々の日常を生き続けなければならない。
舞台となった北海道の巨大観音像のモデルは、芦別の観音像か?炭鉱町という設定も合致するが、果たしてそうなのかどうかは不明。

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2019年01月14日

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重松作品には、長編・短篇ともに「別れ」の情景を描いたものが多いが、そのほとんどは「遺される者」を主眼に据えたものだった。そんな中で本作は、「遺して逝く者」を主眼に据えている。死にゆく者が、人生の最後に何を果たし、何を残すのか。安易な奇跡やハンパな綺麗事でかたづけない、ただじっくりと真摯な目で人間の抱くつらさや苦しさを見つめる、重松作品の真骨頂を見た。

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2018年01月08日

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ネタバレ

最初に言うておく。この小説スゲー!このテーマに対してここまでがっぷり四つで向き合える重松さんの、小説家としての強さもスゲー!

ただ、安易にレビューを書けない小説でもある。書かれている内容の一つ一つが重くてツラくて美しくて。読む人それぞれに色んな思いが湧きたつ小説なんだろうけど、その思いが湧くまでの哀しさや切なさ優しさがツラい。

こいつら俺と同学年で、今の俺より10歳若いねんで。自分がガンになるのか、親友がガンになるのか、それは分からんけど、これはいつ俺自身に起こっても全くおかしくないドラマ。他人事として読めないから、余計にテーマが重い。

色んな場面が印象的だけど、俺が一番印象的だったのは、唯一エッチのラブシーン。股間に手を当ておっぱい触るシーンで泣きそうになったのは初めてだった。ムッサ良いシーンだった。

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2017年11月25日

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「許されたくても許されない人生と、絶対に許せないという気持ちを持ち続けて生きる人生のどっちが辛いか」。

難しい…
でも前者は自分に選択の権利がないのに対して、後者は許すか許せないか選べるんですよね。

トシは、自分の母親を寂しい人生だったと言いました。
それはシュンやクラセンを許せないまま亡くなったから。
心の底ではゆるしてやりたい相手を、ずっとゆるさないまま生きていくのは寂しいことだから。
誰かを憎んだり恨んだりするのを支えに生きるのって、それはやっぱり寂しいことだから。

本当にそう思います。
自分自身悔しい思いをして、ある人を強く憎む気持ちがあります。
でも、その気持ちだけで生活するのは辛く寂しい。
時間の経過とともに忘れることで、自分のキズを癒して、いつか許すことができる人になりたい。
そんなことを思いました。

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2024年04月24日

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10年後に読んだら今ときっと感想が違うし、20年後に読んだらまた違うと思う。そう思えることを幸せに感じられる読書時間だった。

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2024年01月18日

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感情移入しすぎて、胸が苦しい。

何があっても人は生きていかなければいけないし、生きたくても必ず命は終わる。

気持ちをまとめるのに時間がかかりそうです。

ただ、命は子どもに引き継がれていく。
罪までもが。難しいものですね

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2023年11月19日

Posted by ブクログ

ラストは穏やかな気持ちで読めた。
読んだ人はきっと星を眺めたくなるはず。(見るならもちろん満点の星空)

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2023年05月31日

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泣けた

一番好きなのはユウちゃん。
人の弱さを肯定して、弱さが好きだと言える強さ。

星は昼間には見えないけど、ある。
死んだ人とは会えないけど、いる。

ゆるすって、ゆるされるより辛いのかもしれない

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2022年05月07日

Posted by ブクログ

久々の重松作品。
相変わらず涙腺を崩壊させられました。

許す、許されるという大きい核を中心に家族愛や友情を描いており、登場人物が同年代であることから自分に置き換えて読んでしまいました。

シュンが病にかかることから、止まっていた時間が大きく動き出す。普段何気に生活しているが、こういう大きなキッカケがないと人間なかなか動き出すことは出来ないのかもしれない。

4人それぞれが主人公で、各々が一人称で語られることでそれぞれの本音や気持ちが読み取れるようになっている。個人的にはユウちゃんに肩入れしたくなりました。

あと子供はいかん。もう涙腺が。。。
親目線になると、弱くなります。

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2022年04月07日

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美しい文章だった。

どんなに相手から許しを得ても自分が自分自身を許してあげられなければきっと本当の苦しみからの解放はないのだと思う。それはきっと他人を許すことよりずっとずっと難しいこと。

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2022年03月15日

Posted by ブクログ

人が生きていき、死んでいく。
人が許し許される。
離れ離れになってしまった幼馴染たちが、ガンを患うことで、また再び出会う。
過去の出来事を許し許されるのか。
そして死を見つめた人が、どう人生を終えるのか。
そんなことを考えさせられた。
通勤途中で読んでいて、涙が滲んで気恥ずかしかった。

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2021年12月26日

Posted by ブクログ

自分も折り返し地点を回って、そろそろ国立競技場が見えてきました。人は必ず死にます。心筋梗塞でバタッと逝くか、ガンで余命宣告されて嘆き悲しむかこの先の運命は分かりませんね。
読んでるところで、有名な女優さんが自ら命を絶ちました。本当に残念でなりません。子が親より先に死ぬのはキツいです。
さて、本の話しですが、とにかくそんなことを考えながら読んでましたので。。。

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2021年12月24日

Posted by ブクログ

上巻読み終えてすぐに下巻も。人を許す事、許される事は難しい。たとえ相手が許してくれても。こういう気持ちがあるのは、相手を思う気持ちがあるからかなと。

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2021年10月24日

Posted by ブクログ

読むのに時間がかかった。長かった。一人称が何度も入れ替わり、理解するのに時間がかかった。でも、それはそれでよいと思う。一人の、いやたくさんの人の人生が描く物語なのだから。

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2021年06月08日

Posted by ブクログ

シュンのガンが段々と体を蝕んでいく。

幼馴染み4人、そして4人に引き寄せられた、『ゆるされたい人』『ゆるしたい人』たち…


息子の哲生に自分がガンであることを打ち明ける場面

シュンの誕生日プレゼントを皆が渡す場面では、涙がじわっと出てきた。

『ひるまは星はみえない
でもあさもひるも雨の日もそこに星はある
おとうさんも、会えないけどいるから。
あかあさんとてつおのことをずっとみているから』



上巻は序章だったのだと思わされるほど濃い一冊だった。

幼馴染み、心の奥でずっと生き続けている思い出。
大人になると一番遠い関係になる、そのリアルな関係の描かれ方が心にぐさっと来た。



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2019年11月24日

Posted by ブクログ

上巻からよりも、さらに濃く怒涛の内容

登場人物の様々な思いが上巻のストーリーも膨らませていく
分かっていたのに、明け方の電話で私も泣いてしまった

小説で泣けたの久しぶり
やっぱり重松清、良い!

私のどす黒いもやもやをデトックスしてくれる小説でした

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2019年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

北海道の謎の巨大宗教建造物の物語下巻。許されるために、生きる。しかし、死ぬことによる「許し」には敵わない。ものすごいカタルシスだな。そう思った。人間失うものがなくなると何でもできるっていう背水の陣の便利さ。
 人は負い目を背負って生きていくことがある。他人の命を代償に自分が生きていくとき、その重い「思い」を身にまとって生きていくことになる。それは振り払おうと思っても振り払えない。なぜなら自分からにじみ出ている邪念だから。
 人は虚勢を張っても、弱みを持っている。だから、邪念に打ち勝とうと思っても、弱さゆえに力尽きる。

 最後に人は怯える。孤独に怯える。自分から噴き出す黒い感情で包まれて孤独になることに恐怖する。
 その時、人は寄り添う存在を求める。渇望する。渇愛する。そして神にすがる。なにより強い存在に泣きつく。神なら、自分を見捨てずにいてくれる。だから、ボクを見ていて、神様。

 クラセンは観音像を北都に建てた。ミウさんは忘れないために、許され続けるために観音像を建てたんじゃないかと言っていたが、どうだろう。
 クラセンは北都のみんなが事件を忘れないためにシンボルを建てたのか。そんなのわからない。そこに言及しなかったから、良作。

 人って、人を傷つけたり、人の命を奪ったとき、それは相手に申し訳ないから、悲しみ続けるのかというと、そうではないと思う。もっと自己中心的であると思う。
 人を傷つけてしまった自分も、傷ついているのである。自分のアイデンティティに「犯罪者」「人殺し」そういう傷跡が深く刻み込まれるのである。
 その不名誉が、苦しいのである。二度ときれいな状態には戻れない、喪失感、怒り、焦燥感、そういう自己愛のために苦しむのだと思う。けっこう、他人のことは大事じゃない。やはり自分が大事なのである。

 ひどい言い方ではあるが、そんなもんじゃろうと思う。人はそれほど他人を思いやれない。人を思いやれる、自分をスゴイと思いやっているのである。
 だから、この物語に出てくる「許されたい人」も、それぞれの相手から許されたいのではないと思う。自分に自分を許してほしいのである。「もう自分を自分で攻めなくていいよ。」そう自分に言ってほしいのである。
 だから、自分にできることを全部やってる。償えることをすべてやった達成感のその先に、自分への許しが待っているのである。
 川原さんはまさにそうだろう。いろんな土地をめぐって、いろんな人に会って、行動の末に自分を許したかったのである。娘が死んだ原因は、妻の不倫、それはつまり夫である自分の不出来だから、自分を許せない。それを許したい。

 クラセンとシュンは死ぬ前に、自分を許して、解放されることができた。死ぬ間際だから、思い切って行動ができたんだろう。そしてさらに良いことに、死ぬという最高のカタルシス、解放を迎えることもできる。
 死は、さわやかである。現世の執着から解放されるその様はすがすがしい。だからこの物語の死にはさわやかさがあるのだろう。


 シュンの死に際して印象的なシーンがある。
 奥さんにアソコを触ってもらうシーン。そして奥さんの恵理はおっぱいを触らせるシーン。
 こういうシーンだよな、非常に説得力がある。

 生き物なんだから、やはり最後に精力がほとばしるんだな。そして、夫婦なんだからそこに恥じらいなんてなくて、素直につがいとして触れ合う情景が、愛おしい。


 しっかし、北の大地というのは、どうしてこうも許されたい者たちが集まるんだろう。許されざる者もそうだし、レヴェナントもそうだし、試される大地ってのは、許しを試してくれるとでも思ってんのかね。

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2018年05月31日

Posted by ブクログ

※上巻と同じ内容です。

かつて炭鉱で栄えた北海道の街、北都。夜中に家を抜け出し星を見に行った4人の少年少女は、この丘をカシオペアの丘と名付け、将来遊園地を建てることを約束する。

そして少年たちは大人になった。


う~ん、泣ける。特にラストちょい前の誕生パーティのシーンはたまらない。
やっぱりこの人の連載モノはいいねぇ。

いい作品に巡り合えた勢いでちょっと重松論を書いてみる。


実はこの著者、長編が苦手というか長いものを書くと必ず中盤がダレる。
そのせいもあってデビュー後しばらくはまったく評価されていなかった。個人的にはビフォア・ランはもっと評価されてもよかったと思うけど。

その後「見張り塔から、ずっと」等の短編集を発表して、キレのある短編を書く筆力の高い作家として認知されはじめたが、長編はというと「舞姫通信」や「四十回目のまばたき」等のやっぱり中盤がダレる作品。

とはいえ短編のクオリティの高さと圧倒的な筆力で評価は着実に上がっていった。当時の書評や解説では、上手い上手いばっかり言われていて、内容に踏み込んだものは少なかったように思う。

そんな中、著者が連載を持つことになる。連載時の作品名は「マジカル・ミステリー・ワゴン」。これが見事にはまる。

連載という性質上、次回へのヒキを作らなければならず、そのヒキにより中盤がダレることがなくなった。
元々ストーリーや設定には人を引きつけるものがあったし、ストーリーテリングでは当代随一の作家。中だるみさえしなければ面白くないはずがない。この作品は加筆、改題の後単行本化され、著者の出世作となる。改題後のタイトルは「流星ワゴン」。

個人的には関根勤がTV番組で紹介していたことが印象深い。女子アナの好きな作家を聞かれた時の回答が、村上春樹から重松清に変わっていったのもこの頃。

女子アナはさておき、実はいまでも重松清は長編の苦手な作家だと思っている。映画になった「疾走」も中盤はダレてしまっている。
やはり連載→改稿→単行本化がこの人にとってはベストじゃないだろうか。


話をカシオペアの丘に戻す。
上手・下手で言えば本作は改稿は流星ワゴンより上手い。相当丁寧に加筆、改稿をしたのだろう、連載モノのぶつ切り感をあまり感じさせない。またストーリーの面白さ、筆力の高さについては前述の通り当代随一。
ただしプロットに関しては流星ワゴンとの類似性を感じる、というか非常に悪い言い方をすれば二番煎じ。そのため評価は星4つ。

いや、それでも充分面白いんだけどね。

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2019年04月03日

Posted by ブクログ

(上下合わせてのレビューです)
仲よし幼馴染4人組。ふるさとの夜空がよく見える丘の上で、
星を見ながら語った夢は「ここに遊園地ができたらいいのに」。
そして、30年近い年月がたち、夢は実現しましたが…。
幼馴染の4人は成長とともに、その関係もばらばらになっていました。
ある事件がきっかけで故郷に帰れなくなった俊介は東京で結婚。
平凡なサラリーマンになっていましたが末期ガンの宣告を受けます。
死ぬまでにやらなければならないこと、あやまらなければならないことが俊介を故郷へ追い立てます…。
死を控えて苦悩する俊介とそれを見守る幼馴染たち。若いころの過ちも苦しみも、全てがやさしい文章で書かれた長編傑作です。

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2017年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2008年(第5回)。10位。
北都で再開した幼馴染+その家族と、ミウさん、川原さん。
許し、許されるがテーマの小説。
ガン進行はほんとこわい。昼間の空に星は見えないけれど、いるんだよ。

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2023年03月30日

Posted by ブクログ

重くて苦しくなったけど、出会いは人生を変える。みんないつかは消えていくけど、その時にどんな顔が浮かぶのだろうか。後悔がないのは綺麗事だと思う。

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2021年08月28日

Posted by ブクログ

泣き所の多い作品だった。涙腺が弱いので外では読めなかっただろうと思う。
炭鉱で起こった悲しい事故、炭鉱による繁栄と衰退を経験した北海道の小さな都市を舞台にした物語だった。人を傷つけてしまった者は、ゆるして欲しいと苦しみ続ける。傷つけられた方はゆるしたいけどゆるせない葛藤で同じように苦しむ
。そしてゆるさずに生きていくことは寂しいことなのだ、と気づいている。取り返しの付かないことが起こった場合はそうして生きていくしかないんだと思った。
肺がんと診断されてからのシュンの気持ちの変化や行動などはとても共感できた。今、自分だけが最期を迎えるっていうのはどれだけ受容できても辛いだろうなと思う。この物語でシュンが最も現実味があった。本作は実在する地域や出来事を題材にしているにも関わらず、全員がいい人に描かれていて、全体的にリアル感が薄くなったと思う。

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2019年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「いままで誰にも語られなかった命を、夜空に置いてあげたい。わたしとシュンの、生まれなかった命を、忘れずにいてあげたい。」なくなってしまった命も、誰かが覚えていたり、懐かしんだりしているうちは消滅してからも星空に瞬く星のようにその命が消えることはないとこに気づいたミッチョ。誰にも語ることのできなかった命について、ミッチョが語ることができてよかった。その命が存在していたことについて愛おしく思うことができてよかった。

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2018年06月24日

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