【感想・ネタバレ】十字架のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年01月23日

いつの間にか、涙がこぼれていた。。。

帯に書いてありましたが、本当にいつの間にか…でした。。。

いつものことながら、重松さんの小説は1ページ目から入り込んでしまいます。
そして、まるで私もそこにいるかのように、そこで出来事を見て、話を聞いているような感覚になります。
今回のストーリーは、いじめを...続きを読む苦に自殺したフジシュン、子を亡くした親と弟の苦しみ悲しみ、親友と書かれた同級生ユウ、告白され大好きでしたと書かれたサユ、いじめをして名前を書かれた三島と根本…が、背負い背負わされた十字架。
この事件を記事にする記者の人たち…中学生でも容赦しない勢い。
ユウがフジシュンの死から20年にわたっての苦悩と葛藤、遺族とサユとの関わり、気持ちの変化を語っています。

もちろんいじめが1番酷い。でも、名前を書くなんて!とか、記者の人もそこまでする? 遺された親の怒りと悲しみ、逆にユウ側の親の気持ち、みんな自分の子がかわいいし、護りたい。
自殺当日に、告白されたサユの気持ち。
どこをどう切り取っても、逃げられない苦しみ。

どこをどう折り合いつけようとしても、解決しない。

いじめをした三島と根本、そして、名前を書かれなかった堺が、1番悪いと矛先を向けても、その後の顛末にも胸が痛む。

辛すぎる。

自ら死んじゃうのはだめだよ。。。

でも、私がクラスメイトだったら、助けてあげた?
やっぱり、見て見ぬふり…というか、見なかったこと、知らなかったことにしちゃうんじゃないだろうかと思うと、また苦しくなる。

ああ。フジシュンは、命をかけてみんなに伝えたかったのかな。。。
時間が経てば忘れられてしまう。時間が経てば傷も癒やされる。
いや、時間が経てばわかってもらえる!これかな?

でも、やっぱり死んじゃうのはだめだよ。

世の中、ニュースを見てるとこうやって自殺や事故、事件で家族を失って苦しまれている遺族が毎日毎日増えているんだよね。

私がこぼれていた涙は、同情とか、可哀想とか悲しいとかそういう涙とは違った。
いたたまれなくて、どうしようもなくて、苦しくてそして、願いのような祈りのような…。

読み終わってしばらくは、いのちの重さを思い知らされたような、疲労感さえ感じています。

こんな悲劇がこれ以上起こりませんように。。。





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Posted by ブクログ 2023年05月29日

10代の頃に1度読んだので再読になります。
人を責める言葉には2種類ある。

「ナイフの言葉」と「十字架の言葉」

10代の頃はなんとなくしかその意味が
わからなかったけど、今ならその意味がわかる。
私は誰にもナイフの言葉や十字架の言葉も向けたくない。

人生を本で現す表現もとても好きです。
重松清...続きを読むさんらしい。

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Posted by ブクログ 2023年05月05日

幼なじみで中学に入って疎遠になってしまった同級生が自殺してしまい、遺書に自分が親友だったと書かれたことにより十字架を背負っていく男の子が幼なじみの死や遺族と向き合いながら成長していくお話。

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Posted by ブクログ 2023年01月03日

登場人物それぞれの視点で、自分だったら、と考えて、、、何も言えなくなります。

テーマとメッセージを考えるととんでもない覚悟を持って書いた小説だと思います。ひたすら重く、苦しい内容ですが、間違いなく星5つの作品です。

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Posted by ブクログ 2022年12月30日

大人になった今ならば、あらゆる可能性を示してあげることも出来る。
そこから逃げ出してもいいのだと、教えてあげることも出来る。
この先の人生の方が長いのだから。
世界はもっと広いのだから。
つらいことから逃げるな。
立ち向かえ。
声をあげろ。
耐えろ。
と、端から言うのは容易い。
自分だったら何が出来...続きを読むたか?
巻き添えになることや、進学に響くこと、親に知られてしまうことを恐れて、やっぱり何も出来ないかもしれない。
その後重たい十字架を背負うことを知らずに。
忘れ去られることが出来るならば、少しは楽に生きられるのかもしれない。
でももし将来自分の子供が同じ目に遭ったなら?
親となった自分は何と声をかけてあげられるだろうか?
自分は何も出来ず見殺しにした。
見て見ぬふりをした。
忘れて過ごした。
それなのに、自分の子供に何て声をかけられるだろう。
過去の報いとして受け入れられるだろうか?
「あの時何もしなかった自分」と、その時向き合えるだろうか?

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Posted by ブクログ 2022年11月01日

以下、一番心に残った文を抜粋。
「わたしたちはみんな、重たい荷物を背負っているんじゃなくて、重たい荷物と1つになって歩いているんだと、最近思うようになりました。だから、降ろすことなんてできない。わたしたちにできるのは、背中をじょうぶにして、足腰をきたえることだけかもしれません。」

家族が死ぬと言う...続きを読むことが遺族にどれほどの苦しみを残すのか、残されたクラスメイトはどのようにその死と向き合うのか、訴えかけるように書ききっているいい本だと思う。

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Posted by ブクログ 2024年02月14日

人間関係ってほんと複雑。自分が仲良いと信じてる相手でも実際はそうでもなくて、むしろ嫌われてたりする。恋人関係も。自分では気づきにくいからタチが悪い。
この中だと親子が一番安定した人間関係なのかな。親は望んで子どもを得るから絶対的な愛情。子ども側も一人ずつしかいない両親への信頼。うざいと言いつつも離れ...続きを読むられない関係。読後、意外と互いのこと気にかけてるかもしれないと思った。
作中の小百合さんの言葉が印象的だった。「ほんとうに大変です。(略)生きていくしかないんだなあ、と思っています」どんな状況でも、自分ができる事をして過ごしていく。行けるとこまで行く。意外と単純な面もあることに気づいた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月31日

いじめが原因での自殺。
まだ14歳なのに。。と考えると胸が苦しくてたまらない。
遺書に親友と書かれた子、片思いをされていて電話がかかってきたのに冷たい態度で切ってしまった子、子を亡くした親。
それぞれが十字架をかかえて生きていく。
重くてつらいテーマなだけに余韻がすごい。

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Posted by ブクログ 2024年01月10日

いじめを見ないふりしていた主人公と、いじめによって息子を亡くした父を中心とした心の動きが読み取れる小説。
読み進めるうちに、元に戻せない後悔を、自分ならどうするか考えてしまった。どうしたら許してもらえるかを考えたり、反対に考えることを放棄しているうちは答えは出ないし、一生背負っていかないといけないの...続きを読むだと思わされた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月01日

『人は、死にたくなるほど辛い思いをした時、それとも死にたくなるほど辛い思いをした時に誰も助けてもらえない時、どちらで絶望を感じるのか』(省略)
読んだ直後は即後者を選んだ。
あと一歩前に出たら空(くう)、なんなら崖の淵に足半分出ちゃってる様な、少しでも重心をずらしてしまったら終わるそんな状況を想像し...続きを読むたから。
でもこの状況の時にはもう既に虚無かともその後に思った。やっぱり分からない。

『寂しさは、両方で分かち合うものではない。自分は寂しがっていても相手も同じように寂しがってるとは限らない片思いみたいに。相手がそばにいないから寂しいのではなく、そばにいない相手が自分が思うほどに自分のことを思ってくれていないんじゃないかと寂しい。その寂しさが寂しい。』(省略)
が1番好き。本当にそうだと思う。しっくりきた。

涙が溢れ出る程の感動というより、じわじわとしんしんと感情が積もる感覚がありました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月27日

イジメにより中学二年生で自殺したフジシュン。
遺書に「親友」として名前のあがった主人公やその家族が、罪の十字架を背負い生きていく様を描いた作品。
テーマが重く、読み進めるのが苦しかった。それでも、最後まで読まなければいけないと思った。

いじめた側・いじめられた側ではなく、その周りにいて何もしなかっ...続きを読むた傍観者に焦点をあてた本作。

守ることだけが大人の役目ではない。分かるけど、主人公たちが背負わされた十字架はあまりにも重すぎた。
いじめの傍観者の罪深さが、主人公が背負う十字架の重さとともに描かれているけれど、これだけ主人公が苦しむのならば、正義感を振りかざして生徒を学校に閉じ込めておきながら、いじめに気付かない教師や、いじめの加害者となった生徒らの罪はもっと大きいのではないか?

苦しい長編だったけど、読み終えるときにはほんの少しだけ息が楽になった。そんな終わり方でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年09月16日

秀作。
作者らしい、少年から成人にいたる葛藤。
つらい話。でも、誰にも起こりうる。モデルになった事象があったのだろうか。
歳を重ねたら、人は変わる。過去にしがみついてはいけない。

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Posted by ブクログ 2023年06月19日

「いじめ」の傍観者と被害者の親という不思議な関係だった。子供を亡くした親は、それでも生きなければやらないけど、どうしても立ち止まってしまうことがよくわかる本だった。また、苦しみ続けることは難しいと感じた。どうしてもある時点で「もういいか」となりがちだからだ。話は飛ぶが、この話の中でのジャーナリスト(...続きを読むライター?)の立ち位置がよく分からなかった。仕事で関わってはいるが、当事者ではないことが変な感じがした。

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Posted by ブクログ 2023年04月27日

それぞれが背負った十字架、それぞれの始まりと終わりがすごく綺麗に書かれている印象でした。
叫びも、誰かのせいにしていたい気持ちやらの微妙なニュアンスがとても良かったです。
そしてこれからの自分自身にとっても学びになりました。良かったです。

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Posted by ブクログ 2023年04月16日

いじめを題材にした書下ろし小説。いじめを受けて自殺したフジシュンの遺書に親友として名前を挙げられたユウの視点で話は進むのだけど、読んでいて胸が痛くなる。いじめた人間、いじめを見ていたのに止めることなく見殺しにした人間、自殺したフジシュンの家族など、人ひとりの自殺という出来事が多くの人の心に大きな重し...続きを読むとなり、いつまでも消えることはない。後半に進むにつれて涙が止まらなくなってしまったのだが、それはこの作品がフィクションであって、実は実際のモデルとなった実話に基づいているものだとあとがきで知り、納得した。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月27日

いじめがテーマということもあって、重たい話だった。私は歳的に学生の目線でいじめを考えることが多かったから、親や周りの残された人たち目線の描写にはずしんと来るものがあったし、やっぱり苦しい。ずっと背負って行くべきものなのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2022年09月03日

読んでいる最中も、読んだ後も、ふとこの作品の内容を思い出してしまうほど引き寄せられる。
自分がいつか親になることができるのか、親の責任を全うできるのか、不安になってしまうほど、フジシュンの両親が居た堪れない‥
オチのような展開を最初に持ってきて、そこから数十年を描く重松さんの文章力がすごすぎた!

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Posted by ブクログ 2024年04月08日

クラスでいじめが起こり、級友が死んだ。主人公はいじめを静観していたのに彼の遺書には親友として主人公の名前が残されていた。主人公はこの事件を背負い大人になっていく。いじめとその後を描いた物語。

自分だったらどうしたかな、と何度も読みながら考えた。決して綺麗事ではなく、でも人間の優しい部分も見えるお話...続きを読む。自殺は多くの人を巻き込み、思い悩ませ、束縛するものだと感じた。

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Posted by ブクログ 2024年03月31日

オチはまあまあだったけど、出てくる大人の理不尽さと身勝手さで共感できなかった。賞を受けるような内容かというのが
正直なところ。

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Posted by ブクログ 2024年03月15日

いじめ、自殺。被害者と加害者、いじめを傍観していたクラスメイト、我が子を失ったご両親…。重くて苦しいテーマの作品で、ページを進めながら、どう気持ちをコントロールすればいいのか分からなかった。大人になること、時間が解決してくれること、もちろんそんなことはあると思うけれど…変わることと忘れないでいること...続きを読むは、いつも紙一重で、大人になったからこそ、長い年月が過ぎたからこそ、気付くこともあるんだと思う。

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Posted by ブクログ 2024年02月27日

許されないことってあるんだな…って改めて考えさせられました。
重かった…重いけど、、、この十字架を背負ってどう生きていくのかが気になって読み進めました。
重いけど…読んで良かったです。

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Posted by ブクログ 2023年12月19日

重いんだけど、泣けるわけでもないのだけど、じんわり心にくる1冊。

自殺したクラスメイトの両親と、遺書に書かれた親友ではない親友とのやりとり。

人の死ってやっぱり重い。
親御さんの気持ちも、主人公の気持ちもよくわかる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月29日

いじめを知りながら助けなかった子たちは同罪なのか?と疑問に思った
友達なら助けたいと思うけど、友達じゃないただのクラスメートのことを助けたいとは思えない

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Posted by ブクログ 2023年03月30日

またまた重松清である。
が、やっぱイイね。
本をまったく読まない人こそ、こういうのって読んでもらいたいなと。

いじめから自殺した中学生の遺書に、親友として書かれてしまった私が主人公。
親友でもないのにそう書かれてしまったため、いじめの傍観者という十字架を背負うことになる。

私はけっこう涙もろい方...続きを読むで本でもよく泣いちゃいます。
これのレビューなんかでも泣けたとか書かれてますが、なぜか私は何も泣けませんでした。

いじめはいつでも、どこでもありますね。
自殺に至るいじめも、身近に起こる可能性はかなり高い。
いじめる側の奴らが本なんか読むわけないが、もしかするとこんな事になっちゃうかもしれないぞとわかってもらいたいね。

2010年 吉川英治文学賞作品

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月29日

重い。フジシュンママ、とことん不幸だな……。
ケンちゃん、母が自分を見てくれないことに不満を持ってグレたりしなくてよかった(まあそんな余裕ないか)。
なんかなあ。「なんで見殺しにしたんだ」と言われたら、まあそれはそうだけど、でも多分責めてる側も同じ立場にいたら見殺しにするだろと思ってしまうので、田原...続きを読むさんとか「なんで見ず知らずのお前にそんなこと言われなきゃいけねーんだよ」と思った。ていうか、「いつか死ぬかも」と実際死ぬまでの差はなんだかんだでかいよな。自分なら何かしただろうか。でも表立って止めなくても、こっそり先生に相談するとは思う。そういう意味では、全く何もしないのはやっぱり見殺しだよな。
サユと付き合ったのは若干……なんか気持ち悪かったけど(上手く言えない)、サユと別れるシーンは辛かった。サユも別にユウくんのこと嫌いだったわけじゃないけど、でも結局フジシュンを通じて繋がってる2人だから、相手といるとフジシュンが頭をよぎるんだよな。なんかずっといるんだろうね。手を繋ぐ以上のことができなかったのも「フジシュンが見てる」と思ってしまうからなのかもしれないと思った。集中できないとそういうことって全然できないし。
なんかでもまあ、大人になったことと、時間が解決したことと、色々丸く収まってよかった。フジシュン、生きてたら楽しいこといっぱいあったぞ。でもつらかったんだよな。

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Posted by ブクログ 2023年01月24日

首をくくるのは怖い。 でも、明日を迎える方がもっと怖い。

衝動的に自殺をする人もいるが、平常心ならとても怖いことだと思う。
けれども、明日学校に行く方が怖いので首を縊る。

いじめの傍観者=見殺し というのは共感があまりできませんでした…
大人ならばそれなりに仲介する手段や掛ける言葉がある。

...続きを読むしかし、中学2年生はまだ子どもで私があの立場なら間違いなく傍観者になる。ターゲットにされたくないが本音だろう。
あんなに責められることなのだろうか… 遺族は責める相手が自分と加害者、傍観者しかいないから仕方ないかもしれないけど…

そもそも、遺族の立場に自分が立たされて初めてわかることだと思うからこんな事を言う筋合いは私にはないか。

恨みはしていないが、赦してはいない。とても重いお言葉でした。

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Posted by ブクログ 2023年01月21日

いじめの為に自殺したあいつ。
自分の名前が親友として書かれていた。驚きと迷い。傍観者だった自分。あいつの家族にどういう態度をとるか。あいつの好きだった人。自殺した家族の心は。
重たい題材。十字架。

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Posted by ブクログ 2022年12月15日

遺書に名前を挙げられたユウやサユはその重い十字架を何年も何十年も背負い続けた。その一方で同じクラスでいじめを止めなかったクラスメイトたちは、自分が十字架を背負わされてることにすら気づかない。本来ならば、いじめを止めずにただ見てた傍観者も当然十字架を背負うべきであろう。
ユウ自身もその十字架に最初は気...続きを読むづいてなかったし当事者意識を持つことを避けていたが、年月と共に少しずつ向き合っていくことになる。
サユがひとり悩み苦しむ描写は読むのが辛かった。

残されたフジシュンの家族の気持ちの変化もとてもリアル。
フジシュンのことや同級生のこと、許すや許さないは置いといて自分の中で気持ちの落としどころを長い年月をかけて見つけていく様は、創作と言っても事実に近いものがあるのかもしれないと思った。

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Posted by ブクログ 2022年10月26日

「いじめ」の話なので重いのは覚悟で読んだ。
いじめで自殺してしまった子の家族やクラスメイトの話。
被害者家族だから何をしても許されるのか、許されようと、思ってもないことを言って逃れたり。
色々言いたいけど、言葉にできない。言葉にするのが難しい。
第三者だからこそ色々思ってしまう。

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Posted by ブクログ 2022年09月19日

面白い小説っていう表現は違うと思うけど、心に残る小説だった。物語としては自殺した同級生が中学、高校、大学、社会人ととの流れで行く中で自殺の事件をどう思って、何を背負っていくかの話だった。


よくニュースでイジメや自殺が報道されるが酷いと思っても1年も経てば忘れる。家族は一生忘れることはないのに。
...続きを読む見て見ぬフリをした人はテレビには映らないが背負わなくてはいけない十字架があるのではないかそう思わせられた。

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