あらすじ
出張先から帰れなくなり、幼い娘と毎日画面越しに会話する父親。
3年前に母を亡くし、新しいママと初めて迎えるお盆に戸惑う少年。
母の都合で転校をくり返しながら、ミックスルーツである自分へと向けられる言葉に悩む少女。
いじめを見て見ぬふりしていたことを、偶然出会ったおじさんに言い当てられてしまった中学生――。
ままならない現実を生きる人たちのさみしさを、ちょっとフシギなやさしさで包み込む、11の物語。
感情タグBEST3
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不幸にも生を奪われた子供たち。星になって望むものは極楽浄土じゃなく希望。こいのぼりに乗ったり、銀河鉄道に乗ったり、希望は多種多様。それがすごく分かるから切なく泣けてくる。同時に「こんな希望はどうだろう?」って読みながら妄想できるのも本書の醍醐味かも。
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「さみしい」って自分の中で3つくらいしか存在していなかったんだなと思わされました。ミステリーのようなスカッと感はないけれど、それぞれの主人公に感情移入して、自分の中のさみしいが広がりました。
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短編集。子どもが出てくる物語が多くて、寂しさや切なさを感じながらも、読み終わりはあたたかい気持ちになりました。
特にコスモスが好きです。子どもの成長を喜びつつ、自分から離れてしまうことの寂しさも感じる。私も子育てしている身なので、共感する部分がありました。この親子とコスモスの様子が目に浮かびます。
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コロナ禍に書かれた作品たち。最後の作品に出てくるおじさんが届けてくれた、さみしさの中に優しさのある作品たち。
言葉にならない感情を、お話の中でたくさん届けてくださる重松さんに感謝です。
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2024/09/17予約 5
『さみしくて明るい人、元気でさみしい人が好きだ‥‥そのさみしさを描きたい』
難しい。
『送り火のあとで』が一番好き。逆縁の娘の精霊棚に、きゅうりの馬、なすの牛を飾る。おばあちゃんはお盆を娘の夫、孫ふたりと新しいお母さんの住む家で過ごし、『来年からは田舎でおじいちゃんと一緒にお盆の迎え火をする』と言う。複雑な状況を少ない文字数で表すのは流石だと何度か読み返した。新しいお母さんは優しそうな人で安心するけど、亡くなったお母さんの事を覚えてる上の孫は、送り火の日、出かけてしまう、なすびの牛も消えて。切ない。さみしくて明るい〜は、このお姉ちゃんを思った。
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p.46
はしゃいだ気持ちがそのまま残って、体を動かさずにはいられない。かけっこで、ゴールの線ぴったりのところでは止まれないのと同じだ。
面白かったです。
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こいのぼりのナイショの仕事/ともしび/天の川の両岸/
送り火のあとで/コスモス/原っぱに汽車が停まる夜/
かえる神社の年越し/花一輪/ウメさんの初恋/
こいのぼりのサイショの仕事/
数えきれない星の、その次の星
コロナ禍の時間に生まれた短い物語たち
かなしさやさみしさの多かった時にも
ほっとしたこと にっこりできたことがあったなぁと
思い出せたことがうれしい
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2021年に出版された本なのでコロナになった世界が描かれているのが少し新鮮だった。読み終わったら気分がスッキリして前向きになれる本。短編集なので隙間時間で読みやすい。
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ちょっと不思議な世界観。
なんとなく悲しく淋しいけれど、
読後は優しさや温かさがじわ〜と心に沁みわたる。
コロナ禍で描かれた作品なので、
とくに子どもたちに寄り添った作品が中心で、
でも大人が読んでも色々考えさせられると思う。
『いじる』と『いじめる』の違い、
心の奥にある誰でも持っている鬼は
特に考えさせられたなぁ。
コロナ、震災、いじめ、虐待
この数年で本当にいろんな出来事がニュースになっていた。
その出来事ひとつひとつひ焦点を当て、
ちょっとファンタジー要素を絡めつつ、
心に傷を負った人に優しく寄り添ってくれる。
昔には考えられなかったようなことが
普通に起きるようになってきてる近年。
物語の中に
『この世界は前より良くなってると思うか?』
と問われる部分がある。
正直、良くはなってないと思うし、
この先どうなっていってしまうのかな〜とぼんやり思うことがある。
ただ、温かく思いやりのある世界になってほしいなぁ…とこの本を読んで心から思った。
それにはまず自分がそんな人にならねば。
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短篇集。ひとつひとつ別個のものかと読み進めていたら、ゆるやかにつながっていたと気付かされる。
全体を通して、さみしさと向き合ったり寄り添うものが多かった気がする。会えないさみしさ、見送る(看取る)さみしさ…でもさみしい悲しいだけではない、あたたかさが後に残る。
備忘録として
・コロナ禍の、今となっては思い出したくないあの感覚が、じんわり蘇ってきた感覚があった。
・ひな人形、お盆、桃太郎のお話が特に好き。
・星拾いのおじさんは著者自身のことなのかもしれない。
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短編が重なってるからこそちょっと読むのに時間がかかった
一つ一つの話は面白いが、もう少し先を知りたいと言う物足りなさを感じた部分もあり
個人的には、原っぱに汽車が停まる夜がゾワっとくる感じと暖かさを感じられて好きだった
最後の話は、全体のまとまりを感じられて短編ながらもこの一冊で意味がある話しで面白いと思った
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コロナがあちこちで騒がれた時期に連載されていたものを再編集した短編集。いずれも子供でも読めるような童話のような不思議な世界観。全体的に物悲しさが漂う話が多かった。正直言うとお伽話のような話がいくつかあり、リアリティに乏しく、僕にはスーッと入ってこなかったかなあ。ファンタジーが好きな人なら面白いのかもしれない。
ただ小中学生の心情を書かせたらやはりすごいな、シゲマツ。
再婚した父親の新しく母となった女性との日々を女の子の目線で描いた『送り火のあとで』。
ブラジルと日本のハーフの女の子の心情を描いた『コスモス』。
コウキとシュウヘイ、2人の中1の男の子のやり取りから『いじめる』と『いじる』との微妙なニュアンスの違いを描いた表題作。
中高生の夏休みの読書感想文にはちょうど良いかもしれない。
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久しぶりの重松さん。コロナ禍の話。最近コロナ禍の小説選ぶの多い。そういう気分なのかな
短編集で読みやすかった。ほっこり。重松さんの小説はあったかいっていうか包み込む感じが好きー。
詩みたいな感じかな。人のこと大事にしようねみたいなメッセージ込められた話が多かったかな。
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詩のような小説だった。こいのぼりの話はよく分からないけど、重松清さんの舞台や表現が時代とともに「アップデート」してる感じがした。ただ、昔の短編集の方がメッセージ性とインパクトがあって好きなんだよね。こういう人もいるよね、で終わってる感じがしてしまった。
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最初の2編を読んで、合わないかもな、と思った。しかし読み進めると不思議とするする進む。ぐっと心を掴まれたり、分かりやすく心を揺らされることはないけど、なんとなく人の切なさを通した暖かさを感じる作品集でした。
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重松さんらしい短編集です
私にはちょっと合わなかったかな
その中でも
「原っぱに汽車が停まる夜」は好きです
切ないお話 でも本当にこういう場所があるといいなと切実に感じました
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温かみのある短編集。(桃太郎はちょっと違うけど)
だけど今ひとつ私にはハマらなかった。
帯の『笑いながら泣いて、心の中では、もっと泣いていた。』に惹かれて買ったのだけれど、作中で『あ、そういうことね』という自分の予想とは違い少し肩透かし。