あらすじ
「わたしの父親ってどんなひとだったんですか」ある日突然、十四年前に自ら命を絶った親友の娘が僕を訪ねてきた。中学生の彼女もまた、生と死を巡る深刻な悩みを抱えていた。僕は彼女を死から引き離そうと、亡き親友との青春時代の思い出を語り始めたのだが――。悲しみを乗り越え、新たな旅立ちを迎えるために、それぞれの「卒業」を経験する家族を描いた四編。著者の新たなる原点。
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涙が出てこない理由が思いつきません。通勤電車内で読みながら涙目になり、たった今お身終えた最後の2ページだけで涙目に、、、、普段何に対しても穿った目で観察し歪んだ解釈をして自分を納得させるような生活していてるのに涙が出てきてしまう。
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短編4つ。
登場人物各々の気持ち、生き方や境遇の違いからすれ違いが起きる。30~40年を経てやっとお互いをゆるし合える事ができたお話し。
それから、娘が幼い頃に自殺した父親。高校生になって娘はイジメにあい、死ぬ前に父親の友人を尋ねて、記憶には残っていない父親の姿を形作ってから自殺を選ぶ...?
いじめ、母性、友情、家族、自殺、ある障害を抱えた妹と兄のお話し。
5年ほど前に一度読んだ事を忘れてまた買って読んじゃいました。テンポ良く物語は進んでいくので読みやすい小説でした。
筆者の作品は色々好きです。
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高校時代の読書感想文で選んだ本です
「卒業」かー、学生の話なのかなーとか思いながら読み始めたのを覚えています
それもあってか、読み終わった時には放心状態で余韻に浸りまくりました
人生における色々な「卒業」が語られていて考えさせられる本でした
社会人となった今読むと感じることもまた違うんだろうなと思ってまた読みたいと思ってます
この本がきっかけで本っておもしろいなと感じ始めました
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「卒業」とは、学校を終える事ばかりではない。
「親からの卒業」「幼い自分からの卒業」世の中には色々な卒業がある。
厳しくて生徒から人気がなかった教師の父親。見送る息子の話が胸に迫る。
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小学校の時に全く本を読まなかった私が、「重松清」は小学校の読書レールの鉄板であると知って、慌てて読んだ。
家族を題材とした本ということも知らずに読んだが、4編どれも素晴らしいヒューマンドラマだった。
反出生主義が再び注目・見直される中、是非とも著者の作品は読んでみるべきだと思う。
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まずジーンとくるお話ばかりだった!!
4つのストーリー全てが面白いという本はなかなかないので凄く読んでて楽しかった。
のめり込んで一気に読んでしまった。
家族を題材にした話だったので共感できる部分も多かった。
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さまざまな人生の卒業。
生きている中で、何度も卒業しながら次のステップに進んでいくけれど、その先に見えるものは清々しくて、希望なんだと思う。
そして、進んだステージにはまたいろいろな苦悩や試練が待っている。
生きるってことは、こうやって命の卒業の日まで、たくさんの卒業をしていくんだな。。。
もがきながらも卒業していく姿に涙が出ましたし、応援したくなった。
そして、自分もちゃんと折り合いつけながら卒業をしていこうと思う。
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明日が卒業式というとで手に取りました。
表題の「卒業」よりも、「追伸」で涙しました。
教師であり父でもある自分と、登場人物が重なりすぎてしまいました。
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本を読んで涙が出たのは、本当に久しぶりです。
前回がいつだったかは思い出せません。
4つの話の短編集であるこの本の中で、
最後の「追伸」の話が一番好きでした。
幼くして母を亡くした敬一、その4年後に新しい「母」として現れたハルさん。
二人をいきなり親子にしようとしてしまった不器用な父、父とハルさんの間に産まれた、年の離れた弟。
4人の複雑な家族の話が、丁寧に描かれています。
物語では、既に敬一は40歳を迎えているところからはじまります。
重松清さんの書く人物の心情はとてもリアルで、
必ずしもまっすぐではない意思を持っていて、
セリフだけでなくその目線やしぐさからそれを表れていて…
だからこそ共感でき、自分だったらどうするだろう、と
思いを巡らせることができます。
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精神的な成長を経て、区切りをつけて次の機会ステップへと進むことを「卒業」と表現している。
その意味で、自分のこれからの人生も卒業続きであろうと思うし、そうしていかねばならない。
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2004年初版。著者の作品は好きで、よく読みます。時間や金銭を損したと言う経験はありません。4つの中編小説です。どの作品も「卒業」がベースに流れています。著者の後書きにありますが、卒業とは終わりであり悲しくもあるが新たなスタートでもある。その通りだと思います。私も、あといくつの卒業を経験するのかなあと考えてしまいました。著者の作品は感傷的な作品が多いような気がします。親と子供、夫婦、そして少年少女の心情を心憎いほど巧みに描きます。私は毎回見事に涙したりします。
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それぞれの形の親子関係に「死」が関わっていて、もう、涙なしでは読めませんでした。
個人的にも、親子関係に関して色々と考えていたということもあり、自分の子育てを振り返るきっかけにもなったし、気になるフレーズもたくさんありました。
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どの話も、ウルウル泣けそうな話でした。
どのタイトルも「卒業」でもいいくらいに、
いろいろな思いからの「卒業」を感じたよー。
まゆみのマーチ
まゆみが好き、好き、好き、まゆみが好き、好っき!!
あおげば尊し
父の死から、「死」を学んでもらう。あおげば尊しって歌を最期に歌ってもらえたら、嬉しい。
卒業
自分の父は産まれる前に自殺しちゃった。その血が自分にも流れてる…。
追伸
30歳で病気で亡くなった母。後妻をお母ちゃんとは呼べない…。呼びたくなかった…。
個人的には、「あおげば尊し」で泣けてしまった。
「死」について考えるのは怖いけど、
いつかは考えないといけないこと。
それを改めて感じることができた話。
まゆみのお母ちゃんもステキだったなぁー。
私もたくさん「好っき!!」って言おー!!!!
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100ページの作品が4つ収録
いずれも何かしら考えさせられる内容でした
著者のあとがきでは連作ってことでしたが
それはあまり感じられませんでした
Posted by ブクログ
じーんと胸打つ物語
4編の短編小説です
■まゆみのマーチ
母親の臨終の間際に再開した兄と妹。
母親はずーと妹を甘やかしていた。
小学校で自由奔放にしていた妹。授業中でも歌を歌ってしまう妹。一方で、優等生だった兄。
しかし、いま、自分の息子は登校できない状態に。
そんなとき、まゆみのマーチといわれるその歌詞が驚愕。
ジーンときます。
■あおげば尊し
ガン末期を自宅で過ごす父親。
父親は教え子からも嫌われる教師だった。
自らも教師となり、小学生を教える立場に。
その生徒たちに「死」を教えようと、父親の現場を見せることに。
「死」について考えさせらえます。
そして、出棺に流れるあおげば尊し
これまたジーンときます。
■卒業
これ、学校の卒業と思いきや違ってました(笑)
14年前に自殺した親友の娘が突然訪ねてきます。
そして、死をめぐる彼女の悩み
そんな彼女のために、過去の思い出をつづります。
乗り越える。それが卒業
■追伸
育ての母を認められないず大人になった主人公。
わだかまりがずーっと続きます。
不器用な二人はどうなるのか
そんな大みそかの夜
といった展開
この4作の中では、まゆみのマーチにやられた!
とてもお勧め
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登場人物の感情が大袈裟すぎることなく、リアルに描かれていて、すらすらと読み進められた。
思春期の子どもとその親がよく抱えている出来事を通して、家族愛を感じることができる
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ゆるす/ゆるされる、に関する4編。
紆余曲折を経て、いろいろなことを考え、そして落ち着いていくお話。
まゆみのマーチ。
まゆみちゃんはいい子だ。
本当に純真で、いい子なんです。結果として周りの人たちを明るくしていたはず。
でも、先生の一言、行動で変わってしまう。いい子だからなおさら悲しい。
大人は軽い気持ちで行動を起こしているのかもしれないけれど、本人にとっては一生消えない傷になってしまった。
罪深いのはまゆみちゃんではなく、おとなだ。
追伸。
お母さんだったらどう思うとおもう? 目をつぶって考えてみて。
とてもいいアドバイスだ。
感情的になっているから、冷静に考えられないのだろうけれど、答えとしての選択肢はほとんどないはず。よく考えたらわかる。
結果としてもう取り返しのつかない年月が経ってしまっている。
最期に後悔したくないものですね。
とてもいいお話でした。
Posted by ブクログ
重松作品ならではの感動作。
どの短編もじんわりじんわり心を温めて、優しく最後は包み込んでくれる。
卒業と言うタイトルにふさわしく、全てのお話が終る寂しさとでも前に向かって進める強さや温かさで送り出してくれるような、そんな気持ちにさせられた。
特にこの作品の主人公はどれも自分と同じ年頃の話だったりして、自分の経験や感じていることに重なる部分が多かった。
Posted by ブクログ
「未完な人間にいい先生と呼ばれたって仕方ないだろう。そうじゃなくて、生徒が大人になってから振り返ったとき、あの先生はいい先生だったんだなあと思わせなきゃいけないんだ」
高校時代の部活引退間際にヘルニアと足の靭帯のケガを抱え、2割くらいでしか動けない状態で練習をしていた自分は、顧問から「オレは監督として、どう見ても故障している不完全な状態のお前を使うわけにはいかない。悪化させるわけにはいかない。10分なのか、5分なのか、1分なのか、もしかしたら30秒なのかもしれないが、お前が必要になる時がくるかもしれない。その時に監督のオレが自信を持って試合に送り出せる状態でいてほしい。引退試合まで1週間ではあるが、今は練習よりケガのケアを優先してほしい。」と言われた。
当時の自分の中には、引退間際に部長の自分が練習を見学するという選択肢はなかったが、監督はその選択肢を指示した。当時と今とではこの出来事への感じ方が違う。今振り返れば、いい監督だったのだと思う。
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重松さんの描く文章は丁寧で構成もしっかりしていて、いい意味で教科書に載っていそうな、文学の基本のような感じ。全部親のどちらかが亡くなってしまうけど、困難に直面しながらも良い方向に向こうと努力する。悲壮感が漂うけど勇気づけられるお話ばかりで良かった。特にまゆみのマーチが好き。追伸は、読み進めるうちに幼少期の主人公の感情から義理の母の感情へ、自分の感情がシーソーみたいに交互に傾くのが楽しかった。ただ、個人的に完成され過ぎている文体にあまり魅力を感じないのでこの評価です。
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おじさんの哀愁と、それにまつわる死を扱わせたら、この人の右に出る人はいないんじゃないかと思う。
重松清さんの作品をちゃんと初めて読んだのはいつだったかな。
二十代だったのかな。
そんな私ももう45。
こどもはいないけど、あの頃よりも、登場人物のおじさんの気持ちがわかってくる。
重松清の文体、好きなんだよなあ。
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卒業という言葉は、学校の卒業式をイメージすることが多いが、それだけではない。
今までの自分から卒業。
4つの作品から色々な人生をのぞかせてもらった気分になった。
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ゆるすという事はとても難しいです。忘れる、放棄するとは違うんですよね。何十年経っても和解できないのに、ふとした瞬間にほどける事ありますよね。全てを受け入れなくても「ゆるす」「ゆるされた」という事でほどけていく。とても大事な事ですね。そんな短編集。
Posted by ブクログ
短編集。ちょっとずつ繋がりはあるようだ。主人公はみんな40歳ちょうど。
いわゆる家族小説で、家族の絆、みたいなものが主なテーマで、重松節に溢れている。
嫌いじゃないんだけど、相変わらずちょっと女々しいんだよなあ。