重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上巻を読み終えた感想は、「すごい」でした。
正直、第七章までは、「あれ?これ散々風呂敷広げてるけどちゃんと収集つくのか?ちゃんと盛り上がるの?」って不安に駆られましたが、第八章から重松清さんが本領を発揮し始めます。(第八章まで300ページくらいかかります笑)
主人公シュンの幼馴染、雄司が優しくて、作品の良心だなって思います。
特に雄司が悲しみについて、語るシーンがストンと落ちてきて、ここを読むだけでもこの作品に出会えて良かったなと感じました。
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悲しみは、二人いれば何とか耐えられるんじゃないか。
悲しみを分かち合うとか、半分にするってことではなく -
Posted by ブクログ
上巻で登場したいろいろな人物や出来事がとても綺麗に収まり、最後はとても前向きになれるような終わり方。
じんわりと心が温かくなるお話でした。
洋一郎の母の言葉、「思い出を勝ち負けで分けたら、いけん。」「ええ悪いで分けても、いけん」「嫌な思い出があっても、そっちの方がぎょうさんあっても、ええことも悪いこともひっくるめて、ひとはひとなんよ」そして、小雪さんの「なに、あんた、自分の親がどんな人だったか、他人の評判で決めちゃうの?情けないね、まったく。
思い出は身勝手なものに決まってるじゃないか」という言葉に、父親への思いを新たにし、
そして、後藤さんが息子に叱るシーンでは、幼い頃に息子に叱られて、褒 -
Posted by ブクログ
上巻の総括として、
主人公(洋一郎)の父親との記憶はおぼろげなものしか残っていない。家族を捨てた父親の死をきっかけに、「息子」としての自分が父親と徐々に向き合っていくストーリー。父の遺品を整理する中で,関わりのある人のとの交流をきっかけ親子の関係について考えていく。子をもつ「父親」としての自分、さらに、やがて娘に子供が生まれることで「祖父」としての見方がそこにプラスされていく。
物語の周辺にも、いろいろな親子の形が描かれている。
上巻では父の意外な姿に戸惑いつつ,未だ父を許すことができない。下巻ではどのようにクライマックスにつながるのか,期待を込めて★は5です。
私自身、「息子」「父親」の両方 -
Posted by ブクログ
少年による無差別毒殺事件『木曜日の子ども』事件を中心に、翻弄される家族の話。
人間は弱いから、不完全なものに惹かれるのかなぁと考えたりした。
1日を無事に終えた兵士は逆に安心して眠ることができない。静かで、清潔で、絵に描いたように幸せな街に暮らしても、どこか不気味さを感じる。
私たちは完全なものを手にしても、それが失われる恐怖に常に迫られる。
だからこそ私たちは、その恐怖が現実になる確率を下げて、不完全なものにすがって、「自分は大丈夫」と思いたいのかもしれない。
重松清さんの作品はもともと大好きで読んでいたけど、この作品はいつものような、リアルでどこか温かい親子の物語にとどまらない。ミステリ