【感想・ネタバレ】ひこばえ(上)のレビュー

あらすじ

小学校2年生の時に別れたきりの父が亡くなった。報せを受けた長谷川洋一郎は、48年間の空白を胸に、父の人生に向き合おうとする。父は、死の直前に「自分史」を書こうと思い立っていたらしい。なぜ? そして、誰に読ませたかったのか。

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・少し難しかった。
・読んでいて悲しくなったり、イライラしたり、感動したりいろいろな感情になった。
・全員の言っていることが正しいと思えた。
・下がすごい気になる上だった。
・とても良い作品だった。

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2024年04月07日

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上巻の総括として、
主人公(洋一郎)の父親との記憶はおぼろげなものしか残っていない。家族を捨てた父親の死をきっかけに、「息子」としての自分が父親と徐々に向き合っていくストーリー。父の遺品を整理する中で,関わりのある人のとの交流をきっかけ親子の関係について考えていく。子をもつ「父親」としての自分、さらに、やがて娘に子供が生まれることで「祖父」としての見方がそこにプラスされていく。
物語の周辺にも、いろいろな親子の形が描かれている。
上巻では父の意外な姿に戸惑いつつ,未だ父を許すことができない。下巻ではどのようにクライマックスにつながるのか,期待を込めて★は5です。
私自身、「息子」「父親」の両方の立場なので、とても自分と重ねやすいお話だと感じました。

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2024年03月08日

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重松清さんの作品が小学生の頃から好きで、流星ワゴンなどの他作品も大好きです。
今20代半ばになり、自分も結婚をして、将来とか、老後とか、自分の親の介護とか、そういうことを考えているタイミングでこの作品に出逢えたこと、とても感謝しています。

離婚して、母親に引き取られ父親とはそれ以来会うことが出来なかった息子が、父親がどんな人生を送ったのか、父親とは、息子とは、何か探していく物語で、何度も何度も涙が溢れるシーンがありました。
上巻でトラブルメーカーに悩まされ終わる…その展開がまた面白く、すぐに下巻を読み始めました。

下巻の感想は下巻の方に書きます。

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2023年05月08日

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この『ひこばえ』は帯を読んだだけで心が惹かれた。『ひこばえ』というのは樹木の切り株や根元から生えてくる若芽のこと。 太い幹に対して、孫に見立てて「ひこばえ」という。

父親と息子、そしてその息子の様々な物語。『流星ワゴン』『とんび』に続く、父と息子を描く3部作の完結編?なのかな。

主人公は還暦前。幼い頃に離婚したあと、音信不通だった父の訃報が届き、既に骨壺に入っている父親の生きてきた足跡が少しずつ明らかになってゆく…このあらすじだけでも、面白いでしょう?

読み進めるページが少なくなるのが惜しいほど面白かった。僕の息子らにもいつか読んで欲しいな。

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2025年03月07日

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感想
老後も自分の生活や入る墓、誰が面倒見るのかとか色々あるんだなぁ。

ちゃんと遺言を残して、残された人に迷惑かけないようにしないとなぁ、なんて思ったりする。


あらすじ
長谷川洋一郎は、小学生の時に父親が出て行った。本人はあまり気にしていなかったが、姉は実父に強い憤りを感じ、自分が母親を支えていくという強いが強い。

自分も55歳になり、孫が出来る段になって、老後のことを考え始める。姉は、母親が再婚した相手方の子供に強い不満を抱いている。

ある日、姉から出て行った父親が東京で亡くなったので、洋一郎に家財の処分などを任せたいと言われ、40年以上会っていなかった父親とお骨で再会することになり、複雑な思いになる。

父親のお骨を引き取りたくないが、父親の昔の友達などはそれを望んで、引き取らせようとする。

洋一郎が勤める老人ホームでは、本社案件入ってきた後藤さんが、天然迷惑系の人で、施設で様々な問題を引き起こす。

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2024年10月11日

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久しぶりの重松清さん。
少年少女の悩める心に向き合った作品が多い作家さんだが、今回は現代の家族が抱える問題を描いた作品。

「ひこばえ」とは?
伐った木の切り株などの根元から新たに生える芽のことを「ひこばえ」と呼ぶ。もともとは、太い幹に対して、孫(ひこ)に見立てて孫が生まれる=孫生(ひこばえ)という意味。ひこばえは、眠っていた芽(休眠芽)が起き出したもの。


『ひこばえ』上巻
長谷川洋一郎は小学2年生の時の両親の離婚を機に、父親が2人いて苗字が3度変わる人生を歩んでいた。洋一郎も55歳になり初孫誕生が間近になったある日、母と離婚以来、音信不通となっていた実の父親の訃報が届く。

父は生前「自分史」を作ろうとしていた。
記憶も思い出も朧げな実の父親・・・
空白の48年間父は何を思いどう生きたか・・・
様々な葛藤を抱えながらも、洋一郎はその人生に向き合うことを静かに決意した。

下巻へ続く

※下巻を読み終わってから纏めてレビューします。

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2023年11月22日

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人は、ある日を境に得るものより失うものが多くなる。それまで与えられ、または自らの意思で得たものの多くが蒸発するかの如く失われてゆく。それら全てが存在を示す証であって、失う度に心には穴があき、心許なさが募る。失ってしまうのは人との繋がり、心の穴は寂しさ、この過程を老いという。あいた穴の埋め方で老いた時の居場所や居心地が変わるのだが、それは人との繋がりを如何に保って行くかということ。最たるものは血の承継。これだけは何事にも揺らぐことのない、逆に言えば決して断つことのできない、理屈抜きの繋がりなのだ。
「おい、息子。わかったようなこと書いてんじゃねーぞ。」
「やっぱり干物ですよ。水分の抜き方が大切ってことです。」
「あんたね、そんなこと書いてる暇あるなら、他にやることあるでしょ。」
「いや、どうでもいいことなんですけどね。うちの息子なら、もう少し気の利いたことが書けますよ。」
「これでいいの。老いるってね、難しいのよ。」
(合掌。念仏・・・)
濃ゆーいキャラクター達の声が聞こえてきます。私もお近づきになりたい。
長編ではありますが、とても読みやすく、残りの人生についてあれこれ考えさせられます。心に残るフレーズが沢山出てきます。老若男女、全ての人に読んでいただきたい作品です。老いたら迷惑じゃなく面倒かける。いいなこれ。
週末は墓参りに行ってこよう。

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2023年11月09日

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詳しい感想は下巻も読み終わってから。

ただ、上巻だけでも十分楽しく読めた。
人物の書き方がうまいな、と改めて感じながら読んだ。

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2023年08月06日

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久しぶりに読む重松清さんの作品。その上下巻の上。
ひこばえっていう言葉の意味も初めて知りました。

自分より少し世代が上の主人公の親子の物語。
少しずつ見えてくる父の姿。
様々な人々との出会い。

下巻ではどんな物語が、と期待を感じながら読み終えました。

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2023年06月14日

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ネタバレ

「くちぶえ番長」に続く重松清作品。またまた職場のパートさん(もうすぐ60歳)が、「私たちの年代の方が合うかも。」と貸してくれた。どれどれ。

しっとり穏やかに、懐かしさ、哀しさ、寂しさ、辛さ、優しさ、色んな感情が胸を打つ。物語設定自体もそうなんだけれど、重松清さんの文章が、そうさせている気がする。重松清さんの文章は、礼儀正しく、柔らかい。そんなイメージ。

主人公は長谷川洋一郎、55歳。洋一郎には小学2年生で生き別れた父親がいて、長い時を経てその父親が亡くなったとの知らせが入る―。

洋一郎の幼い頃の父との思い出は、昭和のその時代を直接知らない私でも、懐かしさに胸がいっぱいになる。なんでだろう、やはり重松清マジックか。そんな父親との少ない思い出の描写もありつつ、洋一郎の今が少しずつ明らかになっていく。

洋一郎の友人で、一人息子を若くして亡くした友人「佐山」が洋一郎に相談にくる場面は、佐山とその奥さんの癒されない哀しみが、ただただもう苦しかった。誰が悪いわけでもないのに、と思うと人生とは苦行だと思ってしまう。

そして父親の死の知らせが入ってから、その父親と母親が離婚した後の洋一郎のこれまで人生が少しずつ分かってくるのだが、母の再婚、再婚相手とその子供についてなど知るうちに、洋一郎の複雑な半生がだんだんと見えてくる。ここらへんの構成もうまいなぁと思ってしまう。なんというか、徐々に情報がでてくるというか。ここ、という場面で必要な情報が出てくるというか・・・うまく言えないけど。
まぁ、なんて複雑。洋一郎は苦労をしているんだなぁ、としみじみとわかってくる。

父の死をきっかけに知り合う人たち(大家さんの川端久子、遺骨を預かってくれている和尚、父が通っていた地域の文庫の職員、田辺さん親子、そして父の友達だという神田さんなど)が、みんないい人で、その人たちが語る父親もいい人で、幼い頃に別れた父親と違いすぎて戸惑う洋一郎。何より、周りから「お父さん、お父さん」と呼ばれても全くピンとこない。洋一郎の中に父親が不在・・・という状況。
そんな中、勤め先の介護施設併設老人ホームに、面倒な人が入ってきて、その人の背中と覚えていないはずの父親の背中が重なるー

まだ半分だけど、「さすが重松清さん」と言い切りたい。誠実に真剣に人間に向き合ってその人生を観察し、丁寧に読者に伝えてくれている気がする。

下巻に続きます!

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2023年06月14日

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ひこばえ
という単語を初めて知りました。

重松清さんの作品はいつも(私の勝手な期待を)裏切らない。重くまじめに向かい合い、人って...と考えさせられる。

ほんと好き(*^^*)

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2023年06月01日

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序章 こいのぼりと太陽の塔/
臨月/旧友の時計/父、帰る/和泉台ハイツ205号室/
息子、祖父になる/カロリーヌおじいちゃん/
父の最後の夢/ノブさん/トラブルメーカー/
迷って、惑って

洋一郎が小学校2年生の時にいなくなった父。48年ぶりに連絡を受けた父の「今」は……
父を嫌う姉の思い、父に関わった人のいろいろな思い、そして父の思いを考えていく洋一郎は何を思うのか。

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2023年04月20日

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小学2年の時に家を出た父が亡くなった、と知らせを受けた、長谷川洋一郎。

48年間、音信不通だった父・石井信也の晩年の生活が見えてくる。

自分史を書こうとしていた父・石井信也。
何のために…
誰のために…

48年、しかも子供の頃の記憶もほとんどない。
家族を捨てた父親。
父がいなくなってからの苦労。
特に母親の苦労を考えると、『父親だろ』って、言われても…
他人に何がわかるって、もんだろう。

洋一郎の姉や石井信也の兄弟の対応が当たり前だろう。

洋一郎は父・石井信也の存在をどう捉えていくのか…

これからどうなっていくのか。

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2023年03月11日

Posted by ブクログ

作者と同年代なので、いままでの作品も、時代背景で、そうそう、そうだったと思うところが多かったが、この作品では父親の歳も一緒で、死んだ父と重ね合わせて読んだ。上巻では、何も起こらず、下巻を読まないと何も進まないのがもどかしい。

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2023年05月04日

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どんな親でも、例え亡くなったあとでも、親。厄介なこともたくさん。洋一郎はどんな風に向き合うのだろう。下巻へ。

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2023年03月27日

Posted by ブクログ

ずっと昔に別れた父親が亡くなりその
痕跡を辿っていく話。主人公の姉や娘
友人などの色々な家族の形を描いている

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2023年02月10日

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