重松清のレビュー一覧

  • 疾走(上)

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    〈誰か一緒に生きてください〉

    黒く、粘着質な液体。

    あぶくがひとつ
    懸命に浮かび上がろうと、もがく。

    理不尽な衝撃が
    何度もあぶくを砕く。

    痩せ散らばった体で水面を目指す。

    空気を吸いたい。

    誰かと、つながりたい。

    その瞬間、
    この体が破裂してもいい。

    /////

    師走本⑧
    「人生の双六盤を全力疾走する「ひとり」の本」

    「シュウジ=おまえ」という「にんげん」の運命と宿命の物語。魂を極限までこそぎ落とされながらも、つながりを求め命を燃やす姿は正視に堪えない。絶望の中に生の啓示を垣間見る傑作!

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    2021年01月18日
  • ロング・ロング・アゴー

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    短編だが、一つ一つのストーリーは長め。
    再会をテーマにしていて、ただただ泣けるし心が温まるストーリーが多かった。

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    2021年01月17日
  • 希望ヶ丘の人びと(上)

    購入済み

    オヤジ目線の小説。
    だけど,子どもの気持ちにも真っ直ぐ向き合う。
    どの年代の人の心にも響くだろう。
    親でも子でも,先生でも生徒でも,地味でも異端でも。

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    2021年01月14日
  • ルビィ

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    2020/12/15

    自殺を図った女子高生のルビィと、作家のダザイさん。ふたりは7人の命を救えば天国へ行ける。

    各エピソードで色々と考えさせられた。
    この「火曜日のルビィ」の発売が延びていたので、最後のエピローグが気になって堪らなくなってしまった。
    若者が何となく自殺、やめてくれるといいよね。

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    2020年12月15日
  • あの歌がきこえる

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    ザッ青春
    ちょっと男子校っぽいノリもあって親近感があった

    歳を重ねて振り返った時、この頃が懐かしくキラキラした思い出になるんでしょうね

    2020/12/1 ★4.7

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    2020年12月01日
  • ルビィ

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    生きることは、どんなに疲れてたりキツかったとしても、休めない。
    でもすごいことなんだ。わたしは生きられなくなってから気づいたんだ。
    というルビィの言葉に重みがあって、
    この物語を読んだからこそ、その言葉が登場人物の心に刺さったように私にも伝わりました。
    とはいえ、全体的に重くなく、どうやってこの状況を打破するのだろう?とワクワクもある作品です。

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    2020年11月25日
  • カシオペアの丘で(下)

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    ネタバレ

    ゆるす、ということが大きなテーマになっていると感じた。

    「倉田」という鉱山を仕切る家に生まれたシュンは、鉱山の事故とトシの事故、ミッチョとの新しい生活に踏み切れなかった、三重の苦しみに悩まされながら生きてきた。

    ガンになり、治すのが困難になったことで、過去と向き合い、今まで避けてきた、苦しみの元となった北都市に帰っていく。

    徐々に体が弱っていく中でも、ゆるし、ゆるされるとは何かを考え、悩みながら、自分なりの回答が得られたのではないか。

    この本を読みながら、自分もよく、ゆるす、ゆるされることについて考えているが、最後の川原さんとトシのやり取りの中でのトシの考え方に共感した。

    また、ゆる

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    2020年10月29日
  • 流星ワゴン

    購入済み

    私にとってのたいせつな場所ってどこだろう。
    人生の分岐点って,どこだったんだろう。
    どこで間違ったんだろう。

    現実は,甘くないから現実だ。
    奇跡なんてそうそう起こらない。
    だからこそ,魔法より強力な何かを見つけるために。
    旅をし続けるんだ。
    ときには流れ星の力を借りて。

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    2020年10月20日
  • その日のまえに

    購入済み

    読み終わって「よーし、変わるぞ」と鼓舞した訳ではなく、「その日」を意識するようになり少しづつ自分の意識が変わった気がする。

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    2020年09月26日
  • 卒業

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    本を読んで涙が出たのは、本当に久しぶりです。
    前回がいつだったかは思い出せません。

    4つの話の短編集であるこの本の中で、
    最後の「追伸」の話が一番好きでした。

    幼くして母を亡くした敬一、その4年後に新しい「母」として現れたハルさん。
    二人をいきなり親子にしようとしてしまった不器用な父、父とハルさんの間に産まれた、年の離れた弟。

    4人の複雑な家族の話が、丁寧に描かれています。
    物語では、既に敬一は40歳を迎えているところからはじまります。


    重松清さんの書く人物の心情はとてもリアルで、
    必ずしもまっすぐではない意思を持っていて、
    セリフだけでなくその目線やしぐさからそれを表れていて…

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    2020年09月20日
  • あの歌がきこえる

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    著者の作品は、たくさん読んでいるように思います。ストーリーが分かりやすくて、いい意味でベタなところが好きです。特に若者が子供や青年が主役のものが好きです。その意味で、この作品は私にハマっています。登場人物たちと、ほぼ同年代。各エピソードに当時を思い出させるヒットソング。音楽って不思議なもので、私などでも印象深い場面には、なにかの音楽が頭にあります。それを、そのまま表現してくれています。少年3人が、中学高校と恋をしたり、辛い人生経験をしたり、そして高校卒業とともに違う道を歩き出す。3人が、その後どんな経験をして、生きていくのか興味深いです。甘いかもしれませんが、3人の友情が大人になっても、おじさ

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    2020年08月29日
  • ステップ

    購入済み

    映画を観てから

    映画もほぼ原作どおり作られてます。

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    2020年08月19日
  • 加油(ジャアヨウ)……! 五輪の街から

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    重松清の小説は2,3しか読んだことがなく、もっぱらミステリーばかりの私としてはそれでお腹一杯だったんだけど、彼のエッセイは大好き。

    これなんて途中思わず笑っちゃった個所があって、通勤途中の車内でなくてよかったとつくづく思ったくらい。単なるオヤジだよね、好奇心の旺盛な。彼の人間観察での文章には、観察対象に対する愛というかリスペクトがあるように感じる。

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    2020年07月17日
  • 流星ワゴン

    購入済み

    健太くん可愛い!

    重松さんの小説に出てくる、子ども達は本当に可愛い。可愛くて、いとおしい。健太くんも、ヒロくんも。その子ども達を見つめているから、大人たちも素敵。

    愛があるなぁと思います。

    ラストが「しんどいのは変わらないけど、これから」な感じなのも、好きです。

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    2020年07月07日
  • 一人っ子同盟(新潮文庫)

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    それぞれに複雑な事情を抱える一人っ子達。
    子供は、大人が思っている以上に、色々考えてるし分かっているものだと思う。
    家庭の事情や境遇は子供には変えられなくて、どうしようもできない事もある切なさ。
    その中でも本当の兄弟じゃなくても、小さい頃から知っていて相談できる相手がいて良かった。

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    2020年06月14日
  • 季節風 春

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    春夏秋冬に合わせて出された短編集の「春」。
    ひな人形やツバメ、柏餅にさくら‥と春らしいキーワードがそれぞれのストーリーの中核として生きていて、読み終わったあとは温かい気持ちになった。
    1本目を飾る「めぐりびな」、ラストの「ツバメ記念日」は産まれたばかりの子どもがいる自分にはとても感情移入ができたし、「さくら地蔵」は悲しい背景があっても前向きな気持ちになれる。「お兄ちゃんの帰郷」のクスッと笑える娘の描写、「目には青葉」の何とも言えないドキドキさ‥どれも素晴らしい作品。
    どの作品を読んでも思いますが、なぜこんなにも老若男女の気持ちを書き分けられるのか、重松清さんには脱帽。

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    2020年05月09日
  • ポニーテール

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    家族になるのはとても時間がかかる。
    でも、2人のどの言葉の裏にも愛と寄り添いたい気持ちが隠れていること、、重松清さんの言葉は本当に一言一句無駄にできない感じで好きだなぁ。

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    2020年05月08日
  • カシオペアの丘で(上)

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    上・下巻の感想

    初めて読んだのは高校生のときだった気がする。
    そのときは、どちらかというと子供の心情の方が入ってきた覚えがある。
    自分がこの子の立場だったら何を思うのかなと考えたりもした。

    でも、大学4年でもう一度読み返したとき、また違う視点で、違う心情が湧いた。
    自分が余命宣告をされて、守らなければいけないものがあったとしたら何を思うんだろう、と考えてみたが分からなかった。

    きっと5年後、10年後に読み返したらまた違うのかなと思う。
    重松先生の作品は、情景や心情がリアルで、追体験をしている気持ちになる。
    どのタイミングで、何回読んでも泣ける作品です。

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    2020年04月18日
  • みぞれ

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    「石の女」がいつまでもいつまでも忘れられない。

    石女、うまずめ。
    ひとりぼっちで涙を流した人がいったいどれだけいるだろう。

    私はこのお話をはじめ、みぞれに収録された短編に多く希望をもらいました。

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    2020年04月09日
  • ポニーテール

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    フミとマキの掛け合いの言葉ひとつひとつの裏にある素直にできない気持ち、、優しい愛のある温かいものを感じました。その愛があるゆえに葛藤が起こることは、これからもあるかもしれない。そんな新たな家族の形を自分たちの中に言い聞かせながら、未来と子どもながらにフミとマキだからこそ出来る向き合い方で向き合おうとしている強さに、涙が出ました。ワンフレーズも無駄にできない重松清さんの作品が改めて好きだなと。読んだあと、たった1人ではなくともお母さんやお父さん兄弟など、私を思って共に生活してくれている人に「少しのごめんね」と「いつもありがとう」が伝えたくなるお話です。

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    2020年04月03日