重松清のレビュー一覧
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響
オヤジ目線の小説。
だけど,子どもの気持ちにも真っ直ぐ向き合う。
どの年代の人の心にも響くだろう。
親でも子でも,先生でも生徒でも,地味でも異端でも。 -
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ネタバレゆるす、ということが大きなテーマになっていると感じた。
「倉田」という鉱山を仕切る家に生まれたシュンは、鉱山の事故とトシの事故、ミッチョとの新しい生活に踏み切れなかった、三重の苦しみに悩まされながら生きてきた。
ガンになり、治すのが困難になったことで、過去と向き合い、今まで避けてきた、苦しみの元となった北都市に帰っていく。
徐々に体が弱っていく中でも、ゆるし、ゆるされるとは何かを考え、悩みながら、自分なりの回答が得られたのではないか。
この本を読みながら、自分もよく、ゆるす、ゆるされることについて考えているが、最後の川原さんとトシのやり取りの中でのトシの考え方に共感した。
また、ゆる -
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旅
私にとってのたいせつな場所ってどこだろう。
人生の分岐点って,どこだったんだろう。
どこで間違ったんだろう。
現実は,甘くないから現実だ。
奇跡なんてそうそう起こらない。
だからこそ,魔法より強力な何かを見つけるために。
旅をし続けるんだ。
ときには流れ星の力を借りて。 -
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本を読んで涙が出たのは、本当に久しぶりです。
前回がいつだったかは思い出せません。
4つの話の短編集であるこの本の中で、
最後の「追伸」の話が一番好きでした。
幼くして母を亡くした敬一、その4年後に新しい「母」として現れたハルさん。
二人をいきなり親子にしようとしてしまった不器用な父、父とハルさんの間に産まれた、年の離れた弟。
4人の複雑な家族の話が、丁寧に描かれています。
物語では、既に敬一は40歳を迎えているところからはじまります。
重松清さんの書く人物の心情はとてもリアルで、
必ずしもまっすぐではない意思を持っていて、
セリフだけでなくその目線やしぐさからそれを表れていて…
だ -
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著者の作品は、たくさん読んでいるように思います。ストーリーが分かりやすくて、いい意味でベタなところが好きです。特に若者が子供や青年が主役のものが好きです。その意味で、この作品は私にハマっています。登場人物たちと、ほぼ同年代。各エピソードに当時を思い出させるヒットソング。音楽って不思議なもので、私などでも印象深い場面には、なにかの音楽が頭にあります。それを、そのまま表現してくれています。少年3人が、中学高校と恋をしたり、辛い人生経験をしたり、そして高校卒業とともに違う道を歩き出す。3人が、その後どんな経験をして、生きていくのか興味深いです。甘いかもしれませんが、3人の友情が大人になっても、おじさ
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健太くん可愛い!
重松さんの小説に出てくる、子ども達は本当に可愛い。可愛くて、いとおしい。健太くんも、ヒロくんも。その子ども達を見つめているから、大人たちも素敵。
愛があるなぁと思います。
ラストが「しんどいのは変わらないけど、これから」な感じなのも、好きです。 -
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春夏秋冬に合わせて出された短編集の「春」。
ひな人形やツバメ、柏餅にさくら‥と春らしいキーワードがそれぞれのストーリーの中核として生きていて、読み終わったあとは温かい気持ちになった。
1本目を飾る「めぐりびな」、ラストの「ツバメ記念日」は産まれたばかりの子どもがいる自分にはとても感情移入ができたし、「さくら地蔵」は悲しい背景があっても前向きな気持ちになれる。「お兄ちゃんの帰郷」のクスッと笑える娘の描写、「目には青葉」の何とも言えないドキドキさ‥どれも素晴らしい作品。
どの作品を読んでも思いますが、なぜこんなにも老若男女の気持ちを書き分けられるのか、重松清さんには脱帽。 -
Posted by ブクログ
上・下巻の感想
初めて読んだのは高校生のときだった気がする。
そのときは、どちらかというと子供の心情の方が入ってきた覚えがある。
自分がこの子の立場だったら何を思うのかなと考えたりもした。
でも、大学4年でもう一度読み返したとき、また違う視点で、違う心情が湧いた。
自分が余命宣告をされて、守らなければいけないものがあったとしたら何を思うんだろう、と考えてみたが分からなかった。
きっと5年後、10年後に読み返したらまた違うのかなと思う。
重松先生の作品は、情景や心情がリアルで、追体験をしている気持ちになる。
どのタイミングで、何回読んでも泣ける作品です。 -
Posted by ブクログ
フミとマキの掛け合いの言葉ひとつひとつの裏にある素直にできない気持ち、、優しい愛のある温かいものを感じました。その愛があるゆえに葛藤が起こることは、これからもあるかもしれない。そんな新たな家族の形を自分たちの中に言い聞かせながら、未来と子どもながらにフミとマキだからこそ出来る向き合い方で向き合おうとしている強さに、涙が出ました。ワンフレーズも無駄にできない重松清さんの作品が改めて好きだなと。読んだあと、たった1人ではなくともお母さんやお父さん兄弟など、私を思って共に生活してくれている人に「少しのごめんね」と「いつもありがとう」が伝えたくなるお話です。
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