あらすじ
意地っ張りだけどマジメなシュウ、お調子者で優しいヤスオ、クールで苦労人のコウジは、中学からの友だち同士。コウジの母親が家出したときも、シュウがカノジョに振られたときも、互いの道を歩き始めた卒業の日にも、三人の胸にはいつも、同じメロディーが響いていた。サザン、RC、かぐや姫、ジョン・レノン……色あせない名曲たちに託し、カッコ悪くも懐かしい日々を描く青春小説。
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Posted by ブクログ
だいぶ前に読んだ本だけど、再読。こんなに面白かったのか…とあらためて思った。
地方の男の子3人の中一から高校卒業までの日常を描いた小説。しかしそこにはミソがある。それぞれの短編に当時流行していた音楽の題名が…サザン、RC、かぐや姫、浜田省吾、ジョン・レノン……それぞれのヒット曲のタイトル、そしてそれぞれにちなんだエピソードがある。
家族のこと、好きな女の子のこと、怖い先輩のこと、どんくさい同級生のこと…文化祭、自動車教習所、山口百恵とキャンディーズ引退、ウォークマン、中古のシルビア、教育実習の先生、大学の赤本、共通一次試験…僕の記憶にも懐かしいものばかり。重松清は僕と同年代だから、めちゃくちゃ親近感がある。
最終章『トランジスタラジオ』では、高校の卒業式が描かれ、主人公は東京の大学に進学するために上京することになり、仲間と別れを告げる。これも切ないなあ…
ステキな青春小説です。
Posted by ブクログ
小学生で彼らが友達になり、高校を卒業するまでの彼らの成長を覗き見してるようで、だんだん親近感が湧いてくる。たくさんの歌が出てくるので、一緒に歌を聴きながら読み進めても、より楽しめそう。昭和の懐かしい雰囲気に切なくなる。
気持ちが穏やかに過ごせます
懐かしい単語がたくさん出てきて、あの時の自分の気持ちと、登場人物達の気持ちを重ねながら読みました。
どのお話も、最後にじーんとさせます。
Posted by ブクログ
ザッ青春
ちょっと男子校っぽいノリもあって親近感があった
歳を重ねて振り返った時、この頃が懐かしくキラキラした思い出になるんでしょうね
2020/12/1 ★4.7
Posted by ブクログ
著者の作品は、たくさん読んでいるように思います。ストーリーが分かりやすくて、いい意味でベタなところが好きです。特に若者が子供や青年が主役のものが好きです。その意味で、この作品は私にハマっています。登場人物たちと、ほぼ同年代。各エピソードに当時を思い出させるヒットソング。音楽って不思議なもので、私などでも印象深い場面には、なにかの音楽が頭にあります。それを、そのまま表現してくれています。少年3人が、中学高校と恋をしたり、辛い人生経験をしたり、そして高校卒業とともに違う道を歩き出す。3人が、その後どんな経験をして、生きていくのか興味深いです。甘いかもしれませんが、3人の友情が大人になっても、おじさんになっても、爺さんになっても続いてくれることを祈っています。私には叶えることが、できていませんが。
Posted by ブクログ
どうして、この人のお話を読んだあとは甘酸っぱいような、泣きたくなるような、切ないようで爽やかな風がスーっと心を吹き抜けて行くのだろう。何か忘れていた大切なものを思い出させてくれる。
Posted by ブクログ
時代の歌にのせて青春時代を語ります。
重松さんの青春物はどれもどことなく似ているけれど、自分の青春と重ねて味わう気持ちを何度でも感じたくて、とても惹かれます。
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これぞ重松清!!!!
おもしろいし温かくなれるし最高!これこれぇ!
3人のキャラがどれも個性的で本当におもしろかった!
YOUTUBEで、作中に出てた歌を流しながら読んだり、読み終わったあと振り返るように曲を聞いたりしたよ。
色んな楽しみ方が出来て嬉しい。楽しくて、前を向ける本だった。
Posted by ブクログ
どストライク!音楽もしきたりも人間たちも空気も雰囲気もすべて私が過ごした青春時代と同じだった。育った場所が違うだけで、体験したことも目標も瓜二つ。まるで各年代の自分のアルバムを見ているよう。涙が溢れるような感動こそなかったが、大きな共感を覚えた。ありがとう!重松清さん。
Posted by ブクログ
本州の西の端の小さな街で生まれ育ったシュウ、コウジ、ヤスオは1980年ごろに中学生となる。親の離婚、交換日記、高校への進学や、大人の女性に憧れ、ギターで流行歌からちょっとズレた歌を歌い、様々なイベントを当時の流行していた歌とともに思い出していく連作。
重松清というと重くるしくて理不尽な不幸の連続というイメージが有り、これを含め何冊も買って寝かしていたが、この作品はそういう雰囲気ではなかった。
コウジのように親が離婚してしまうわけでもなく、ヤスオのように思い切り弾けるわけでもなく、馬場くんのように引っ込み思案でもない平凡なシュウは、作者のいち部を反映したものなのだろう。
しかしそこは重松清である。それぞれのエピソードに出てくる人たちはいろいろな背景があり、一筋縄ではいかない人生であり、高校の途中で駆け落ちをしたり、事故で生死をさまよったりということになる。
それぞれのテーマとなっている曲も1980年前後の邦楽中心の、当時を生きた人なら知っている、その後に生まれた人にも、Youtube等で聴けるような曲が選ばれており、若い人たちにも読みやすい作品であろう。
どこかで重い雰囲気になるんじゃないかと、若干警戒、もしくは期待していたところは有ったが、そういう作品ではなかったね。気楽な重松清。
Posted by ブクログ
おもしろかった!
仲良し?男子三人組が学生の頃からオトナになっていくまでのお話。
それぞれの個性が素敵で、自分の学生の頃、あの男子達はこんなこと考えてたのかなぁと思いをはせていました。笑
なんとも言えないもどかしさとか気持ちを擬似体験できたようでした。
Posted by ブクログ
ノスタルジックでほのぼのとした雰囲気が漂う、ひとりの少年の目線からみた青春群像劇といったところかな。
方言はのまま綴られる会話にとてもほっこりする。東京に憧れて将来見据えながら模索していく様子にもどこか共感しながら
いつしか親の目線で見ている自分にもビックリ。
Posted by ブクログ
重松清の青春小説がいい。
ドラマ化されるような小説も多く勿論面白いのだが
やはり青春小説がいい。くだらない下ネタも(笑)
懐かしい、ホロリとする。
心臓とへその奥の間がむずがゆい感じ
安直な言葉で敢えて表現することが
一番の賛辞なのだと思う。
展開がなんとなく読めたりもするんだけど、
それでも抵抗なく心が持っていかれしまう。
Posted by ブクログ
重松清にしては、結構明るい話だ。
だいたいが、ジクジクウジウジ、ジメジメジトジトした内容の物が多く、読後感はあまり良くなく、スッキリしないことが多いのだが、この小説に関しては、主人公もサッパリしているし、ちょっと硬派なところがあったり、軟弱なところもあったりで、普通の中学高校生だ。
そんな、地方都市の多感な中学高校時代をノスタルジックに、苦笑や懐かしさとともに描いた、今までの重松清作品の中ではなかなか出会えない、傑作青春小説である。
Posted by ブクログ
重松清さんとは同世代。
この本に出てくる歌は私にとっても「わたしの~青春~、そのもの~♪」と歌で答えたくなってしまう。
ふと思う。
重松清さんのファンって、男性と女性、どちらが多いのだろう・・・
Posted by ブクログ
男ってなんてバカで、不器用で、すけべで・・・だけど、いいなって思った。
自伝的な色合いもあるのかな?
舞台が山口で、いろんな歌が出てきて。
特に一番初めの章「いつか街で会ったなら」が好きだった。
コウジの存在は、この物語の中で光っていたと思う。
Posted by ブクログ
今も昔も青春の根本の部分は変わらない。
恋愛、友情、家族があって照れながらも人に囲まれて人と過ごして生きていく。
そんな青春時代はなんてかけがえのないものなんだろうと思う。
重松先生はその青春という形をまっすぐ表現してくれる。だからこそ突き刺さる部分があるのかもしれない。
Posted by ブクログ
重松清。ちょっとませた、小中学生の感情を思い出す。
作品登場曲が良かった。その音楽を聞きながら本を読むって素晴らしい。この世代に生まれたかったなって思う。今も悪くないけど。
Posted by ブクログ
シュウたちはオイラの4つ上だ。だから「風を感じて」はオイラが小学四年生の時ということになる。確かにその頃から部屋でラジオを聴くようになった。だから「風を感じて」以降の曲たちはどれもよく聴いていた。シュウが高校を卒業したら東京に行こうとしていた気持ちがちょっとわかる。別に家族と仲が悪かったわけでもないが、地元を出てみたかった。馬鹿だから国立は諦めて私立に決めたが、経済的に厳しいのはわかっていたから新聞奨学生というやつになった。それでも家を出ることのほうがはるかに嬉しかった。まあ、そのあといろんないいこと、わるいことがあったけど家を出たからこそわかったことはオイラの大きな糧になっていると思う。シュウ、コウジ、ヤスオが3人組なようにオイラも小学校から高校を一緒に過ごした2人のツレがいる。数年前に3人で集まったがオヤジになっても関係が昔のままというのが何とも可笑しい。シュウたちもきっとオヤジになって一緒に酒飲んだりするんだろうな。
Posted by ブクログ
馬場くんの嫌われっぷり可哀想だと思ったけど、実際クラスにいたら私も目を合わさずに声も掛けないだろうな〜
ヤスオのあのお気楽さ私にも分けてくれ笑
Posted by ブクログ
【あらすじ】
意地っ張りだけどマジメなシュウ、お調子者で優しいヤスオ、クールで苦労人のコウジは、中学からの友だち同士。コウジの母親が家出したときも、シュウがカノジョに振られたときも、互いの道を歩き始めた卒業の日にも、三人の胸にはいつも、同じメロディーが響いていた。サザン、RC、かぐや姫、ジョン・レノン……色あせない名曲たちに託し、カッコ悪くも懐かしい日々を描く青春小説。
【感想】
Posted by ブクログ
ケンカしたアイツらは憶えてるやろか。
手紙書いたのに出せなかった。
いじめの側にいた自分がいや。
ここには勝負しにきたのやろか。
好きだった人はいつまでも好きだった人。
年上ってなんかドキドキ。
教育実習の先生が楽しみだった。
安いサンダルって、オレのこと?
チャリで徘徊してた時、ドキドキしてた気がする。
金、貸せられるやろか。
受験の時、エロ映画館に行った。
こんな気持ちうまくいえたことがない。なかなかね。
そんな想い出が蘇る感じ、でした。
Posted by ブクログ
本州最西端、山口県に住む田舎の男子3人組の中学生から高校卒業までのお話。
一言でいうと「思春期に少年から大人に変わる」一度しかない青春の物語です。
おそらく作者さんの青春をベースにしている感じ。
主人公は山口の高校から早稲田の教育に進む設定だし…。
その時代の楽曲が、各章のタイトルにもなり、文中で効果的に使われていました。
時代的にユーミンとかサザンとかオフコースとかでした。
今、50ちょいくらいの地方出身者さんは懐かしい気持ちになる本なんじゃないかな?
Posted by ブクログ
昭和のちょっとレトロな雰囲気で訛りが強い地域のお話ってなんでこんなにほっこりするのか。さすが重松さん!昭和の歌謡曲が沢山出てくるけど知らない歌も多くこれはきっと知っていたらもっともっと面白かったに違いない。この世代の人にはドンピシャなんだろうなぁ。
シュウ、コウジ、ヤスオの友情がとにかくいい。田舎だからかわからないけどとにかく三人とも素直で友達思いで、でも暑苦しくなくていいなぁ。シュウとコウジが友達になるところもグッときたけど、ヤスオのようなクッションがいてこそだし本当にバランスがいい。
男の友情ってなんだかいいなぁ。この三人にはいつか地元で再会して一杯やって笑いあっていて欲しいし、きっとそうなるだろう。
Posted by ブクログ
内容紹介
意地っ張りだけどマジメなシュウ、お調子者で優しいヤスオ、クールで苦労人のコウジは、中学からの友だち同士。コウジの母親が家出したときも、シュウがカノジョに振られたときも、互いの道を歩き始めた卒業の日にも、三人の胸にはいつも、同じメロディーが響いていた。サザン、RC、かぐや姫、ジョン・レノン……色あせない名曲たちに託し、カッコ悪くも懐かしい日々を描く青春小説。
Posted by ブクログ
重松さんの作品は好きでよく読んでいたが、ちょっとした退屈感を覚え、読むのを休止していた。そしてこの本で復帰。
久々に読む重松作品、やっぱりいいね!
どことなく哀しみを含んだ物語、それが重松作品の特徴の一つだと思う。でもそれがラストには必ず心温まるお話に変わってしまうから不思議。
そして今回の作品は、時代ごとにヒットした歌謡曲を混ぜ合わせてそれを物語にうまくリンクさせているのが面白い。吉田拓郎、さだまさし、南こうせつ・・・などなど。
個人的には結構世代はズレるが、丁度親父たちが青春を過ごしたであろう時代の歌が、なぜかぼんやり、薄っすらと世代が違う俺にも共感と懐かしさと感動の響きで伝わってくる。