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Posted by ブクログ
田村と光司は架空の人物でしょうが、被災地のエピソードは全て取材に基づいた事実。
田村が筆者、光司が読者の分身なのだと思います。
作品内でも触れらているが、東日本大地震において絶望のまま時が止まっている部分には触れず、絶望の中でも希望を持ち、少しでも進もうともがく人に焦点をあてた本になっている。
あれから15年。直接の被害のなかった人にとっては、東日本大震災は過去の歴史となりつつある。しかしそうではない。あの震災を歴史の1ページとして刻むにはあまりにも早すぎる。被害、教訓、恐怖、悲しさ、苦しさ。そのさまざまをいつまでも忘れずに、伝え、考えていかないといけないのだという生の被災地をみて、生の声を聞いた重松さんのメッセージに感じました。
Posted by ブクログ
最初の方で被災者が前を向いて頑張りますとインタビューで答える。報道はそこまでで締めに入るけど、好転していない状態で前向きになれる根拠もないが自分を奮い立たせるためにあえて元気にふるまっているとあり、心の強い人だけを映し出していたのかと思っていたけど本当はその人たちも不安を抱えていたのだと知る。
当事者でない人に不安を語っても親身になって問題を解決してくれる訳じゃないし、頑張って下さいだけで終わる。
震災で職を失った人が給付金をもらって、企業が求人を出しても今の状態が楽だからと働かない。
生きる気力を失った人たち。
それと対象的に違う従業員を護る社長の話。バイタリティに溢れて自分がなんとかしないとと踏ん張る。
南海トラフがくると言われている今、自分は護る何かを持っていないと生きる気力を失った人たちのように他人の税金をむしり取って本当にほしい人の手にはわずかしかもらえないという悪の根源になってしまうと危機感を抱く。
そして石巻地区での成人式は例年どおりというか、厳かな成人式ではなく始終うるさかったという。大人になる意識を持たなくてはいけない式に子どものように振る舞う。
この作家は他の作品も含めて片手間で読めるけど、考える力を養うことができ、自分以外の人間がどのように思っているのかを知ることもでき、そして今回は胸にズッシリとくる。
Posted by ブクログ
中学受験に失敗し、いじめを受け不登校になっていた少年が、ライターと共に被災地を巡る中で震災の悲しみから立ち上がるべく、希望を見出す人々と出会いながら、自らも成長していくフィクションドキュメンタリー。
登場人物こそフィクションではあるが、各地で出会う人々のエピソードは事実であり、マスメディアの報道では知り得ない被災地の現実を知ることができる。
ちなみに私は被災地を巡る旅をしていた途中、釜石市の仮設商店街にある書店でこの本と出会った。もちろん釜石市もこの本の中で登場する。
その6年後に、ラグバーワールドカップの仕事で再び釜石市を訪れることとは知る由もなかったが。
偶然とは物語の中でしか生まれるものではなく、現実に繋がるときもある、と実感した作品。
Posted by ブクログ
震災後、半年が経過した時が始まり。
中学受験に失敗し、公立中学に通っていじめに遭い不登校となった男の子と、震災後を取材する男との物語。
事実に沿って書かれているのだと思うが、やはり自分の目で見ていない以上、ああだこうだと言えない。
同じく中学生の息子がいるのだが、躾と称して厳しく小言を言ってしまう自分に思いっきり反省した。
期待をするのは親の勝手。息子に希望を持たなきゃ。
希望であれば裏切られることも、裏切ることもない。
夢を持ったまま死んでゆくのが、自分の夢という言葉に物凄く心を揺さぶられた。
まだまだ時間はある。出来ることを諦めずにやっていこう。
この本は息子にも読ませてあげたいです。
Posted by ブクログ
今まで読んできた震災文学が誰かを失うという視点から書いたものだったのに対して、今回は震災後の[復興]をメインにしている小説だった。
津波、原発事故、避難所生活
2011年の私がテレビで見ていた生活が、より質量を伴って眼前に現れる
絶望とは?希望とは?
大自然の前の人間の余りの無力さ、それでも這いつくばって未来へ進んで行かなければならない残酷さ、震災の後のリアルな部分が描かれていた
どんな困難が目の前に現れても諦めない人たちを見た中学生の少年は、自分を彼らに重ね、成長していく
震災後、被災地とは何か、被災者とは何か、その定義を問われている気がした
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