あらすじ
同じ痛みを抱いて、俺たちは、生きている。
自ら命を絶った少女・ルビィと出会った、中年作家のダザイさん。
「ねえ、ダザイさん、一緒に行こうよ」
ルビィが誘ったのは、見知らぬ誰かの命を救うための旅だった――。
作家の仕事に疲れて自殺を図ったダザイさんは、一人の少女・ルビィと出会った。三年前に命を絶った彼女は、「七人の命を救わないと天国に行けないの」。ダザイさんは、その義務(ノルマ)を果たす旅に付き合わされ、出会った人たちの心の中に自分と同じ痛みを次々に見つけて……。命の哀しさと尊さに涙する感動長編。
ひとの心の痛みをまっすぐに見つめ、
生きることへの尽きせぬ希望を描く傑作長編!
感情タグBEST3
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重松さんらしいお話だなぁ。妊婦の先生と卓也との話は読みながら涙が出ていた。人の辛い気持ち、寂しい気持ち、やるせない気持ち、どうしようもない気持ちを重松さんの作品ではいつも慰めてくれるような、受け止めてくれるようなお話になっている。人の心にそっと寄り添ってくれているので、いつも読み終わった後はほっと温かい気持ちになる。大丈夫だよと自分を励まし、大丈夫だからねと周りの人たちに声をかけたくなる、そんな作品でした。
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期待を裏切らない、重松清ワールド。
ほんとうに大切なものは、胸に浮かんだばかりの、できたてのほやほやの言葉の中にしかないんだ
うまく説明できないかとか、何かいい感じのことを言えないかとか考えがちな自分には、ささる言葉だった。
生きてるだけですごいんだよね。
生きてこそ。
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自殺してしまった17歳の少女ルビィと小説家のダザイさん(オジサン)が出会い、二人で命を絶とうとしてる人を探して思いとどませる旅をする。ノルマがあり達成できると天国へ行ける。ルビィが後一人で天国に行ける最後の人が・・・だったんだね〜
悲しい話だったけど笑えるところもあったよ
Posted by ブクログ
『生きる』って大変な事だと思う
良い事・悪い事 嬉しい事・悲しい事
そんな繰り返しの中で
ちょっと上手く行かないと
自分は価値のない孤独だなどと
思ってしまう
人は愛されたり 必要とされたりする事を
望んでしまうが
愛してあげる 必要としてあげる事
忘れがちなものだと思う
『生きる事は愛する事』
生きて愛する人がいる事
それは人にとっての何よりの
生き甲斐なのだと
そして愛する人がいれば
自分の命は粗末に出来ない
また重松ワールド感じた一冊でした
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生きることの素晴らしさ、人の心の中には様々なものがあって、その心の中のものはとても大切で、忘れてはいけない、心のどこかにしまっておく。
生きることはすごいことなんだと強く感じました。
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各エピソードでそれぞれの人生に出会い、それぞれの「死」と出会い、私自身が「生きる」とは何かを考えさせられた。
生きることの重さ、死ぬことの重さ、どちらも簡単に言葉では言い表すことはできないが、「ルビィ」を通じて、「重さ」を感じることができた気がする。
物語の展開は、ある程度予想がついていたが、それにしても最後の展開、そして最後の1ページに感動した。
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2020/12/15
自殺を図った女子高生のルビィと、作家のダザイさん。ふたりは7人の命を救えば天国へ行ける。
各エピソードで色々と考えさせられた。
この「火曜日のルビィ」の発売が延びていたので、最後のエピローグが気になって堪らなくなってしまった。
若者が何となく自殺、やめてくれるといいよね。
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生きることは、どんなに疲れてたりキツかったとしても、休めない。
でもすごいことなんだ。わたしは生きられなくなってから気づいたんだ。
というルビィの言葉に重みがあって、
この物語を読んだからこそ、その言葉が登場人物の心に刺さったように私にも伝わりました。
とはいえ、全体的に重くなく、どうやってこの状況を打破するのだろう?とワクワクもある作品です。
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久しぶりの重松作品。
どうしようもない人達がほんのちょっとだけ救われる、というのがよくある展開だけど、今回の作品はより救われる側の話が多かった気がする。
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死に行く人を救うといったらヒーローみたいになるけれど自然体で寄り添うダザイさんとルビィちゃんの空気感がとてもいい。人の心にシンクロして少し寄り添うことで、人の運命は変わるのかもしれない。コロナ禍で不安の多いこの世の中で心に日が灯る一冊だったように思う。
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小さい頃「帰ってきたウルトラマン」というテレビ番組があって、主人公がピンチになるとウルトラマンに変身することができました。初代ウルトラマンのようにスプーンをかざしてなりたいときになれる方がずいぶんいいなと思ったものです。
ルビィの主人公2人は、相手に「シンクロ」しないと乗り移ることができません。残念だな〜と思いながらの読書でした。シンクロするまでのお膳立てがむず痒く少しうるさく感じました。
とはいえワタシの涙の蛇口をよく知っている重松さん、通勤車内でまたもや泣いてしまいました。
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もう20年も前に
なるでしょうか
重松清さんの「講演」を聞きに行ったことがある
ー今の少年少女たちに必要なのは
先生でもなく、両親でもなく、
その人たちとは違った価値観を持っている
三人目の大人
それも 思いっきり個性的な
できれば 変っている人
おじさん か おばさん
だと 思う
というフレーズを
聞きました
それ以来
重松清さんの作品を
読むたびに
その言葉が思い起こされます
この作品でも
ルビィに寄り添って
一緒に 行動して
一緒に 考えて
一緒に 悩む
売れない中年作家さんを
そのように見立てて
読んでいました
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生きることに対して少しずつ熱が冷めていく。大きく評価される事もなく、生きる理由が見つからず、かといって死ぬ理由もないので今日を繰り返す。明日もきっと、変わらない今日のはずで、ゆったりとした失望がどんどん心を不感症にしていく。そしてふとした拍子に死に転がっていってしまう。あり得ない事ではない。
そんな毎日だから、無条件に自分の生を肯定することはやっぱり難しいのだけれど、それでも生きなきゃな、という気持ちを思い起してくれるような作品だった。
同時に重松清に思春期前後の子供達の描写描かせたらやっぱり凄いな、と思った。
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著名人が自ら死を選んで行く姿をみて、自殺をするとはどういった心の状態なのかを考える内に、自分自身にもそういった気持ちが心を充満する日が来るのかもしれない。そういった日がやって来た時、一度考え直すにはどうしたら良いんだろうか。と思っていた時に出会った本。展開は想像出来てしまったが、どの章も、人の心が揺れ動く姿を丁寧に描いていて、とても読みやす、良かった。
重松さんでした。
やはり重松清さんの作品です。安心感をもって読めます。
読み始めてから一気読みでした。通勤時に読み、昼休みにも。
ただ、私には美咲先生の途中で7人目が見えてしまいました。それでも、読ませてしまう作品です。
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作家の仕事に疲れて自殺した主人公のダザイさんが、同じく自殺した少女ルビィと、自殺しそうな人を7人救うことで天国に行けるということで、自殺しそうな人を救っていくというストーリーですが、自殺しそうな方々の境遇を救う段階で、のぞき見することで、人間の深層心理を探求することができ、ダザイさんが自殺した後悔や作家としての未熟さを自覚しつつ、最終的にダザイさんとルビィの行きつく先は?という展開でした!
それぞれの登場人物の人間模様が濃くて、非常に面白い内容でした!
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作家の私は仕事場で首をつった
気がつくと1人の少女がいた
彼女は3年前に自ら命を絶った
7人の命を救わなければ天国にはいけない
彼女はルビィと自らを名のり
私をダザイさんと呼ぶ
2人は様々な人の命を救えるのか
出会う人々の心のキズが痛々しい
読んでいて辛くなるけれど
命を消したらおしまい
あなたのその命が消えることで悲しむ人がいる
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自殺してしまった主人公ダザイさんと少女ルビィが出会って、さまざまな人生と向き合う、ちょっとメルヘンチックな物語でした。
前回読んだ「とんび」のように直接心を揺さぶられるのではなく、なんか、じわじわと沁みてくる感じっていうのかな。
だから、涙腺崩壊といったものではなく、深く考えさせられる話だった。
何について深く考えるのかというと、みんな誰もがこの世に生まれて、幸せや、悲しみ、苦しみを感じながらも、なんとか生きているっていうことがとても尊いんだなってこと。
ダザイさんとルビィは、死ぬ可能性のある何人かを救うが、特に第二章のミュージシャンへの夢破れた島野という中年男を描いたのが、本当に身に沁みた。学生の頃、自分もアパートの部屋でフォークギターをかき鳴らしてここに登場する曲を歌ったりしたなぁ…。あの瞬間があって今の自分もあるんだな。
みんな、それぞれ、さまざまな、自分だけの人生を懸命に生きるしかないんですね。このささやかな人生を。
この本を読んで、色々なことを諦めたり、惰性で過ごすには人生は勿体無いな、新しい明日はもっと素晴らしいのかも、と思わせてくれた気がします。
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自殺した売れない作家ダザイは、同じく自殺した少女ルビィと出会う。7人の死ぬ運命にある人を救わないと天国に行けないという。ダザイは、ルビィの魂を救う旅に付き合うことになる。
なんだか不思議な設定。死ぬ運命にある人たちも、シビアな人生。読み終わって救いを感じたかというと??という感じだった。
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自殺しそうな人をルビィとダザイさんがとめる話。
最後のひとりはダザイさんなんだろうと最初の方から薄々感じていた。
タクヤの話は感動した。
期待していたよりは面白くなかったため星3。
久しぶりに重松清さんの本を読んだ。
ルビィは本当は死ぬ気なかったというところが心が痛かった。
残された遺族は死んだ本人が思ってるよりも苦しみ、悲しむのだと思い知らされた。しかし、ニュースや新聞に載ってもその話題はすぐに他の話題に移り、人々の記憶からはすぐに消えてしまうのだと感じた。
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自殺を図った中年作家のダザイさんと、三年前に命を絶った少女ルビィ。
7人の命を救わないと天国に行けないという彼女と共に、失われるはずだった命を救う。
重い題材だが、設定がメルヘン。
ルビィもちょっと意地悪で、イラっとしたり、モヤモヤしながら読み進む。
「生きることも死ぬことも軽かった」という彼女の言葉。
分かる。
十代の頃は、そうだった。
ルビィとダザイの別れの場面。
「どーせストーリーとかキャラとかつまんないと思うんだけどさ、我慢して最後まで読んだら、やっぱり生きるの『あり』じゃん、って…本を閉じるときに思うの。そういう小説を書いて欲しいの、絶対に」
そして、最後のページで思いがけなく咽び泣いてしまった。
してやられた。
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同じ痛みを抱いて、俺たちは、生きている。
自ら命を絶った少女・ルビィと出会った、中年作家のダザイさん。
「ねえ、ダザイさん、一緒に行こうよ」
ルビィが誘ったのは、見知らぬ誰かの命を救うための旅だった――。
作家の仕事に疲れて自殺を図ったダザイさんは、一人の少女・ルビィと出会った。三年前に命を絶った彼女は、「七人の命を救わないと天国に行けないの」。ダザイさんは、その義務(ノルマ)を果たす旅に付き合わされ、出会った人たちの心の中に自分と同じ痛みを次々に見つけて……。命の哀しさと尊さに涙する感動長編。
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自殺してしまった女子高生と自殺を図った中年の売れない作家が成仏するために、これから死のうとしている命を救っていくお話。
「重松清のお話はこんな感じだよな、うんうん…」と思いながら予想していた展開で話が進んでいくも、最後のたたみかけで不覚にも涙ぐんでしまう。ルビィの屈折した弟の心がたまらなく痛くてつらい。
Posted by ブクログ
ただただ生きることの大切さを伝える重松節全開の作品。
テイストとしては「流星ワゴン」や「なぎさの媚薬」に近い、死者を通して生きることの意義を伝えていると思います。
三章仕立てですが、第一章で引いてしまう人がいるかもしれまないですね。
重松さんが連載後14年たってから文庫化した割には特別感はなかったですが、相変わらず涙腺攻撃がうまいです。
Posted by ブクログ
感動させられたい、安易でいいから、泣かされたい。と思っていた。そんな気分というのは恐らく精神の疲弊・衰弱によるものに違いない。歳をとるとやたら涙腺が緩く、国産の恋愛ものテレビドラマなんか見ても簡単に泣いてしまうので、もうそれは真摯な作品批評とか関係なしに、ディレクターの思惑どおりに、ただ泣きたくなって泣くのである。
小説で安直に泣かせてくれるのは何かなあ、と思い手に取ったのは重松清さん。2005-2006年に連載されたもの。
読み始めて面食らったのは、かなり安手の「おとぎばなし」だということだ。描写がない。ディテールがない。ヘンゼルとグレーテルの服装や森について細部にわたって描写する必要が無いのと同じように、「おとぎばなし」である本小説には会話以外一切のディテールがなくて、スイスイと話が進んでいく。
霊的存在となった「私」と少女ルビィが、死ぬ運命にある人間の命を救うということで、3つのミッションに取り組む。
最初のミッションではデリヘル嬢だのSM器具だのが登場するので大人の話にはなっているけれども、本作はアニメ化するのにぴったりだと思った。つまりそれは文学的深みの点で弱いと言うことだ。
死へと向かう人びとの人生の「物語」を見いだして、そこに救いの手を差し伸べるミッションであるわけだが、そうした「物語」はちょっとステレオタイプで、本当の人間の複雑さには届いていないように思えた。
しかし、最後の部分では安直ながらしっかりと感動させて貰えたから、私の目標は達せられた。
Posted by ブクログ
"特別死にたいわけではないけれど生きるのに疲れてしまった"という気持ちを優しく受け入れた上で、でももう少しだけ生きてみない?と誘ってくるような作品。
設定が少々強引かつありきたりなので繊細さを欠いた印象が若干あるが、各エピソードは面白かった。
Posted by ブクログ
まだ深く共感できるような年齢ではないのかなあ、と思った。あとはヒロインがちょっと(読者というか主人公にとって)都合良いような感じもした。
ただ、3章は結構面白かったし、良いなと感じる箇所もいくつかあった。
終わり方はもう粗方の設定が明かされた時点で、概ね予想がついてしまったので、もう少し捻りがあって欲しかったところ。加えて、結末を実現させるための説得力というか、理屈が見い出せず、ちょっと納得はできなかった。各エピソードはそれなりに楽しめたし、描写される感情もいい感じではあったけど、エンディングが納得が行かないのと、全体としてちょっとありきたりな感じはあったように思う。