重松清のレビュー一覧

  • 季節風 冬

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    何気なさが良い。普通が優しい。そして冬が好きだ。
    どの話も何か解決するわけではないのに、いやに心が暖かくなって前に進む力をもらえる。
    焼き芋も散歩道も鬼は外も日常の1ページだが、人にはそれだけで立ち上がる力になることがある。
    重松清は私と同い年で同じ大学だが、こんな小説を書き続ける彼に賛辞を送りたい。

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    2022年01月12日
  • 希望の地図 3.11から始まる物語

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    最初の方で被災者が前を向いて頑張りますとインタビューで答える。報道はそこまでで締めに入るけど、好転していない状態で前向きになれる根拠もないが自分を奮い立たせるためにあえて元気にふるまっているとあり、心の強い人だけを映し出していたのかと思っていたけど本当はその人たちも不安を抱えていたのだと知る。
    当事者でない人に不安を語っても親身になって問題を解決してくれる訳じゃないし、頑張って下さいだけで終わる。

    震災で職を失った人が給付金をもらって、企業が求人を出しても今の状態が楽だからと働かない。
    生きる気力を失った人たち。
    それと対象的に違う従業員を護る社長の話。バイタリティに溢れて自分がなんとかしな

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    2021年12月18日
  • 赤ヘル1975

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    1975年の広島を舞台に描かれる少年たちの友情の物語。広島カープが優勝に突き進み、街や住人の熱狂とともにじんわりと心が暖かくなる物語です。オススメ!

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    2021年12月12日
  • ルビィ

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    期待を裏切らない、重松清ワールド。



    ほんとうに大切なものは、胸に浮かんだばかりの、できたてのほやほやの言葉の中にしかないんだ


    うまく説明できないかとか、何かいい感じのことを言えないかとか考えがちな自分には、ささる言葉だった。


    生きてるだけですごいんだよね。
    生きてこそ。

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    2021年12月02日
  • 希望ヶ丘の人びと(下)

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    爽快。現実はこんな上手くは行かないだろうけど、こうあって欲しい展開を見事に描いてくれる。小説が映画やドラマの何倍も心に刺さる。そういうお話。重松清さんは凄いなあ。長めの長編の中では一番良かった。大好き度❤️❤️❤️❤️

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    2021年11月26日
  • 山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇

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    最近では週刊誌の漫画でさえ腰を据えて追いかけることもないが
    時代が噛み合えばこの週刊のコラムをその延長線上で毎週楽しみにしていたかもしれない。

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    2021年11月26日
  • 希望ヶ丘の人びと(上)

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    何読んでも全部面白い。ものすごく泣けるとかはないんだけど、登場人物がいい味出してるし、その表現が素晴らしすぎて、主人公と同化してしまう。毎回ですけど止まりません。ありがとうございます。大好き度❤️❤️❤️ 下巻も楽しみ

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    2021年11月25日
  • ロング・ロング・アゴー

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    いろんな人の人生に想いを馳せる短編集。
    読みやすくてあたたかい。

    いいものあげる:語り手の女の子がはじめはあまり好きになれなかったが,気がついたら感情移入しながら読んでいた。大人の事情によって左右される子どもの世界が切なくて苦しい。

    ホラ吹きおじさん:主人公と同じように,私もこのおじさんが好きかもしれない。尊敬できるようなところはなく,親戚中の鼻つまみ者のおじさん。どんな人生を生きて,心の内ではどんなことを考えていたんだろう。

    永遠:本書で一番印象に残ったお話かもしれない。人生のステージが変わると付き合う友人も変わって,自然に優先順位をつけて付き合わなくなっていく相手がいる。障害のあるユ

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    2022年01月19日
  • かあちゃん

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    ネタバレ

    理屈では分かっていてもそうは出来ない事や自分でもどうしてそんな事をしてしまったり言ってしまうのか分からなかったり。けして解決してすっきりするわけではなくても、寄り添う気持ちを忘れずにもてればそれで人は進んでいけるのかもしれない。人の居場所を奪うのはいじめ、本当にそう思う。

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    2021年11月18日
  • ハレルヤ!(新潮文庫)

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    いい!思わず「ブルース・ブラザーズ」を見てしまいました。バンド経験もなくR&Bもソウルもキヨシローも知らない私でさえ、こんなに心揺さぶられてしまいました。きっと音楽青年だったおじさん、おばさん方は、震えてるんでしょうね。ただ、主人公たちの気持ちにはシンクロです。そうそう、そういう感じなんだよ、って思って、高校の同級生に連絡を取ってしまいました。

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    2021年10月19日
  • 疾走(上)

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    所々、兄同様主人公も愛されたかったんだな…って伝わってくる。読んでいるだけでかなり辛い。けど続きが気になって読んじゃう小説。

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    2021年10月15日
  • きよしこ

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    きよしこが自分の思いを言葉にしようと成長していく姿に心を打たれた。吃音症ではなくても、自分の気持ちを表現する難しさは共感する部分が多く、学びが多かった。最後のあさのあつこさんの解説も小説家ならではの視点でとても良かった。定期的に読み直したいお気に入りの小説。

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    2023年09月06日
  • ハレルヤ!(新潮文庫)

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    やっぱり重松さんはハズレがないな。
    ちょうど同年代の人たちの話で、わかるわかるって感じで読み終えた。
    私も人生の後半戦に入ったと感じていて、そっか、B面か!と納得。

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    2021年10月08日
  • 疾走(上)

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    ラスト2ページがなかったら何も救いがないままだったのでは?

    環境で人生って底なし沼の様に堕ちていくものなんだなと思った。シュウジの環境は厳しすぎた。
    住んでいた場所が悪かったのか、生まれた親が家族が悪かったのか…悪い連鎖は止める事が出来なかった。誰も、神様だって止められなかった。
    遠藤周作の「沈黙」を思い出す。
    今だって救えない子どもたちはたくさんいる。少しでも救いがあるといいと思うなんて、言葉が軽すぎて嫌になる。

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    2021年10月05日
  • ファミレス 上

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    ネタバレ

    再読。宮本先生が(全校生徒の前だけど)ドンに、食事を作って食べることを訴えるシーンは心にささった。子供は平等に栄養をとって欲しい、こんな世の中だけど。
    タケと北白川親子のやりとりはあまり響かずさらっと読んでしまう。

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    2021年09月25日
  • かあちゃん

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    様々な事情を抱えた家庭の「母と子」の物語。
    私は、「お母さんって凄いんだな」ではなく、「子供って凄いな」って思った。
    家庭、学校、友人関係、など子供はあらゆる場で様々なストレスを抱えながら生きていると思う。
    大人は「何かあったら相談しなさい」と言うけれど、結局自分で解決しなきゃ前には進めないし何でも人任せにしていたら、根本は解決できない。
    多分、子供って偉大なんだろうな。

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    2021年09月15日
  • 見張り塔から ずっと

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    3つの短編のうち、『扉を開けて』が一番考えさせられた。一才の息子をなくした夫婦、その息子と偶然にも同じ名前の男の子が最初に出てくる。そこから惹かれた。終始悲しい気持ちが胸からあふれる感じ。

    『陽だまりの猫』は旦那の伸夫さんという人間と、決断力がなく酷く不器用な みどりさんの夫婦のストーリーに苛立ちを覚え、男女の不平等さ、昔の概念が描写されていて心が締め付けられるようだった。

    『カラス』はとりあえずホラー、廃れたニュータウンに閉じ込められたような主婦は怖い。

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    2021年08月31日
  • 定年ゴジラ

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    時代は少々古いが、ニュータウンの定年世代のオヤジ達の物語。
    自分の家を建てるという事は、現役世代で働いている時間をすべて捧げ無ければ普通の家庭には難しい。
    定年まで健康で働けるか、職は失わないか。リスクだって当然あって不安にもなる。けれど家を建てたいと考えたとき「子供が伸び伸びと笑顔で暮らしてくれれば」とその一心で決断してきたのだろう。私だってそうだ。子供が思いっきり遊べて、自分の家を好きになってくれて、時に家を疎ましく思いながらも、自分が当たり前に帰れる場所と思ってほしい。物語のニュータウンに家を建てた当時のお父さん達は、皆きっとそう思って長年働き続けてきたはずだ。

    ローン組んだ直後に不安

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    2021年08月23日
  • ファミレス 下

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    やっぱり面白かった。著者は分かりやすい言葉で、根源的で普段何となくスルーしていることを考えさせてくれます。それと、ほとんどの作品の読後感が良い。50歳前後の男たち3人を軸に夫婦のあり方や、その後の人生をどう送るべきなのかを問いかけてくれます。著者は、おじさんの気持ちと子供の心、女性の心を巧みに描いています。私が共感したのは、自分の人生の核とは何なのか。正直言って即答できません、考えなくては。正しさと正しさがぶつかると争いになるが、優しさと優しさがぶつかっても争いにはならない。そうだと思います。今の時代の人間関係、国際関係。優しさが欠けていると考えてしまいます。でも、誤った優しさは人を追い詰めて

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    2021年08月15日
  • トワイライト

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    高校生の時に読んで、再読。
    この本に出会ったのは、本の一節が現代文の問題集に登場したとき。お話にのめり込んで泣きそうになりました。過去に一度読んだけど、もう一度読みたいと思って中古で購入。

    このお話の題材が好き。
    人生の黄昏に、希望に溢れていたあの頃を回顧する。今では取り戻せなくて、どうしようもない。我に返ってちょっと寂しくなるような…そんな人の感情の動きに触れると、感情移入してしまいます。
    このお話は私の好き詰め合わセットです。黄昏に回顧する人々、太陽の塔、ドラえもん、団地…読みながら胸がキュッと痛むような作品です。

    作者さんの筆致もいいです。感情ベースに物語が進むので読みやすいです。読

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    2021年07月31日