重松清のレビュー一覧

  • きよしこ

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    きよしこが自分の思いを言葉にしようと成長していく姿に心を打たれた。吃音症ではなくても、自分の気持ちを表現する難しさは共感する部分が多く、学びが多かった。最後のあさのあつこさんの解説も小説家ならではの視点でとても良かった。定期的に読み直したいお気に入りの小説。

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    2021年10月11日
  • ハレルヤ!(新潮文庫)

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    やっぱり重松さんはハズレがないな。
    ちょうど同年代の人たちの話で、わかるわかるって感じで読み終えた。
    私も人生の後半戦に入ったと感じていて、そっか、B面か!と納得。

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    2021年10月08日
  • 疾走(上)

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    ラスト2ページがなかったら何も救いがないままだったのでは?

    環境で人生って底なし沼の様に堕ちていくものなんだなと思った。シュウジの環境は厳しすぎた。
    住んでいた場所が悪かったのか、生まれた親が家族が悪かったのか…悪い連鎖は止める事が出来なかった。誰も、神様だって止められなかった。
    遠藤周作の「沈黙」を思い出す。
    今だって救えない子どもたちはたくさんいる。少しでも救いがあるといいと思うなんて、言葉が軽すぎて嫌になる。

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    2021年10月05日
  • ファミレス 上

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    ネタバレ

    再読。宮本先生が(全校生徒の前だけど)ドンに、食事を作って食べることを訴えるシーンは心にささった。子供は平等に栄養をとって欲しい、こんな世の中だけど。
    タケと北白川親子のやりとりはあまり響かずさらっと読んでしまう。

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    2021年09月25日
  • かあちゃん

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    様々な事情を抱えた家庭の「母と子」の物語。
    私は、「お母さんって凄いんだな」ではなく、「子供って凄いな」って思った。
    家庭、学校、友人関係、など子供はあらゆる場で様々なストレスを抱えながら生きていると思う。
    大人は「何かあったら相談しなさい」と言うけれど、結局自分で解決しなきゃ前には進めないし何でも人任せにしていたら、根本は解決できない。
    多分、子供って偉大なんだろうな。

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    2021年09月15日
  • 見張り塔から ずっと

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    3つの短編のうち、『扉を開けて』が一番考えさせられた。一才の息子をなくした夫婦、その息子と偶然にも同じ名前の男の子が最初に出てくる。そこから惹かれた。終始悲しい気持ちが胸からあふれる感じ。

    『陽だまりの猫』は旦那の伸夫さんという人間と、決断力がなく酷く不器用な みどりさんの夫婦のストーリーに苛立ちを覚え、男女の不平等さ、昔の概念が描写されていて心が締め付けられるようだった。

    『カラス』はとりあえずホラー、廃れたニュータウンに閉じ込められたような主婦は怖い。

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    2021年08月31日
  • 定年ゴジラ

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    時代は少々古いが、ニュータウンの定年世代のオヤジ達の物語。
    自分の家を建てるという事は、現役世代で働いている時間をすべて捧げ無ければ普通の家庭には難しい。
    定年まで健康で働けるか、職は失わないか。リスクだって当然あって不安にもなる。けれど家を建てたいと考えたとき「子供が伸び伸びと笑顔で暮らしてくれれば」とその一心で決断してきたのだろう。私だってそうだ。子供が思いっきり遊べて、自分の家を好きになってくれて、時に家を疎ましく思いながらも、自分が当たり前に帰れる場所と思ってほしい。物語のニュータウンに家を建てた当時のお父さん達は、皆きっとそう思って長年働き続けてきたはずだ。

    ローン組んだ直後に不安

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    2021年08月23日
  • ファミレス 下

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    やっぱり面白かった。著者は分かりやすい言葉で、根源的で普段何となくスルーしていることを考えさせてくれます。それと、ほとんどの作品の読後感が良い。50歳前後の男たち3人を軸に夫婦のあり方や、その後の人生をどう送るべきなのかを問いかけてくれます。著者は、おじさんの気持ちと子供の心、女性の心を巧みに描いています。私が共感したのは、自分の人生の核とは何なのか。正直言って即答できません、考えなくては。正しさと正しさがぶつかると争いになるが、優しさと優しさがぶつかっても争いにはならない。そうだと思います。今の時代の人間関係、国際関係。優しさが欠けていると考えてしまいます。でも、誤った優しさは人を追い詰めて

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    2021年08月15日
  • トワイライト

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    高校生の時に読んで、再読。
    この本に出会ったのは、本の一節が現代文の問題集に登場したとき。お話にのめり込んで泣きそうになりました。過去に一度読んだけど、もう一度読みたいと思って中古で購入。

    このお話の題材が好き。
    人生の黄昏に、希望に溢れていたあの頃を回顧する。今では取り戻せなくて、どうしようもない。我に返ってちょっと寂しくなるような…そんな人の感情の動きに触れると、感情移入してしまいます。
    このお話は私の好き詰め合わセットです。黄昏に回顧する人々、太陽の塔、ドラえもん、団地…読みながら胸がキュッと痛むような作品です。

    作者さんの筆致もいいです。感情ベースに物語が進むので読みやすいです。読

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    2021年07月31日
  • 娘に語るお父さんの歴史

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    タイトルがいい!
    娘に自分の歴史を語り尽くしたい!
    (でも絶対にウザがられる‥)

    主人公であるお父さんの子ども時代設定がド昭和
    1958年 東京タワーが生まれた年が起点

    確かにあの頃は、著者が述べるように
    「TV」に育てられ、「パパとママ」に育てられ
    「ふつう」を期待され、小さな「正義の味方」

    そんな懐かしい想いでと、子どもの頃はがむしゃらに深く考えずに生きていた。

    でも大人になり、父親になりこの本で違う目線で振り返ると、人生ってほんと奥が深い!

    いつかこんなふうに、娘に自分の歴史的を語りたいけど、やっぱりウザがられるんだろうなー

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    2021年07月23日
  • ルビィ

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    自殺してしまった17歳の少女ルビィと小説家のダザイさん(オジサン)が出会い、二人で命を絶とうとしてる人を探して思いとどませる旅をする。ノルマがあり達成できると天国へ行ける。ルビィが後一人で天国に行ける最後の人が・・・だったんだね〜
    悲しい話だったけど笑えるところもあったよ

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    2021年07月18日
  • 赤ヘル1975

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    ネタバレ

    広島ネタが満載で、贔屓をして最高評価。
    広島弁と、小さいころに聞いたジャンク語が盛り沢山。
    原爆投下、1975年カープの初優勝と、やんちゃな野球少年、転勤族の子供たちの成長と共に描いている。
    1、アメリカの行った理不尽な事実
    ・B29の爆撃機に付けられた名前は記帳の母親エノラ・ゲイ
    ・8/8福山、岩国、東京空襲で 原爆後も大量殺戮

    2、・結核で入院中の患者が、カープ樽募金を呼びかけ
     金山に手紙を書いたら、入団OKの変身を返した
    以後RCC解説者として活躍
    ・山本一義 地元への情から入団。
     広島に来るたびにファンの熱烈な歓迎を受けた
    ・中日との終盤対決で、クロスプレーでトラブル。

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    2021年07月18日
  • 卒業

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    小学校の時に全く本を読まなかった私が、「重松清」は小学校の読書レールの鉄板であると知って、慌てて読んだ。
    家族を題材とした本ということも知らずに読んだが、4編どれも素晴らしいヒューマンドラマだった。
    反出生主義が再び注目・見直される中、是非とも著者の作品は読んでみるべきだと思う。

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    2021年07月11日
  • 見張り塔から ずっと

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    再読です。何回読んでも面白いですね。3つの短編、「カラス」「扉を開けて」「陽だまりの猫」
    特に「カラス」が怖くて好きです。
    コロナ禍の今、あえてこういう物語を読むのもいいかもしれません。

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    2021年07月02日
  • エイジ

    購入済み

    負けてらんねーよ!

    中学生の姿が本当に生っぽく描かれていて、ギュウッとしました。

    エイジの内面の葛藤とか、ツカちゃんの一見ハチャメチャに見えるけど本人にもどうにも出来ない行動とか、岡野くんとか相沢さんとかめぐみちゃんとか…一人一人本当に、そこにいるみたいでした。

    彼らを理解しようとかそういうのは難しいことだし、大人の自己満足だし、彼らにとってはプレッシャーなんだろうけど、やっぱりこういう姿が愛しいな、と思いました。

    中学生とか少年の事件が続いて、社会問題になっていたのは少し昔のような気がしますが、事件の被害者でも加害者でもなく、その周りの人達にも物語があるよね、と思わせる切り口も良かったです。

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    2021年08月05日
  • アゲイン 28年目の甲子園

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    一歳になって間もない娘を連れて初めて行った海外旅行の飛行機の中で映画を観て感動したのが本作との最初の出会い。
    以降、5年ぶりに去年また映画を観て、今回またノベライズを読みました。
    野球ではないけれど中高と大学の部活で一緒に戦った仲間、妻、娘、今の自分、いろいろ思い返される、心が揺さぶられる熱い物語です。
    正直、妻とうまくいっているとは言えない自分だけど、それで娘を悲しませてることがあっては良くないなと戒められる。
    あとはやっぱり、自分が信じるものを追いかけて一生懸命に生きている姿を娘に見せていたいと思った。
    いつか大人になった娘とキャッチボールしたい。

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    2021年06月09日
  • 卒業

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    まずジーンとくるお話ばかりだった!!
    4つのストーリー全てが面白いという本はなかなかないので凄く読んでて楽しかった。
    のめり込んで一気に読んでしまった。
    家族を題材にした話だったので共感できる部分も多かった。

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    2021年06月03日
  • 娘に語るお父さんの歴史

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    ネタバレ

    1963年生まれの主人公が43歳の時に子供の頃の歴史を調べて子供に伝えることで自分の人生を再確認する。大人になって社会とか経済とか文化とかを知ってから自分の子供時代を振り返る。大人の大変さを知ってるからこそ自分の親の苦労もわかる。幸せの形は子供が決める。親は子供に未来を信じさせ、精一杯育てる。未来はどうなるかわからないけど、必ず幸せになる道があるので未来を信じて精一杯生きる。そういうことを再確認させてくれた。今、主人公とほとんど同じ歳。自分の子供時代を調べたくなった。

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    2021年05月22日
  • 卒業

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    さまざまな人生の卒業。
    生きている中で、何度も卒業しながら次のステップに進んでいくけれど、その先に見えるものは清々しくて、希望なんだと思う。
    そして、進んだステージにはまたいろいろな苦悩や試練が待っている。

    生きるってことは、こうやって命の卒業の日まで、たくさんの卒業をしていくんだな。。。

    もがきながらも卒業していく姿に涙が出ましたし、応援したくなった。
    そして、自分もちゃんと折り合いつけながら卒業をしていこうと思う。

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    2021年05月22日
  • ロング・ロング・アゴー

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    大人になった自分が子供の頃を振り返る、再会をテーマにした全7編。

    「きよしこ」を小学生の時に読んで大号泣したとき、重松さんってどうしてこんなに私の気持ちわかるの!?って思ってた。
    友達はいるんだけど、どこか孤独を感じていたり。何が出来ないってわけじゃないけど、子供の自分の力だけじゃどうしても思い通りにいかなくてもどかしい気持ちになったり。

    読んでると誰しもどこかで苦しくなったり、激しく共感したりする場面があるような気がする、タイムスリップしたみたいに。だけど最後には爽やかな風が吹くような。重松さんって、どれだけの大人の「過去の自分」を救ってきたんだろう...。

    小中時代は、楽しいことばか

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    2021年05月22日