あらすじ
アカネたち五人は、学生時代のバンド仲間。社会人になって解散した後は、それぞれ子育てや仕事、恋愛に奮闘をつづけ、気がつくと、もう四十六歳になった。音楽さえあればゴキゲンだった青春時代とは違う「人生の後半戦」に鬱々としていたある日、あのキヨシローが遠くへ旅立った。伝説の男の啓示に導かれ、五人は再会を果たすのだが――。「ベイビー、生きるんだ」。勇気わきあがる感動長編。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ところどころにキヨシローが、RCサクセションが登場して、それがきっかけになって話がぐっと進んだり、止まったり、戻ったり。
キヨシローが亡くなったのをきっかけに、アカネがショットガン.ホーンズのメンバー4人に会う。各々、解散してから今までのなんやかんや、現在のなんやかんや…
そうだよね、いい事ばかりじゃ、いやいや上手いこといかない事の方が多かったよね。
それでも各々の未来に向かって生きていく。
じっくり読めたけど、ほんの一昼夜の話。こういう進みの遅い話もいいものだ。
Posted by ブクログ
登場人物たちより年齢は大きくなってしまったけど、今まさに同じような心境かも。私自身はアカネと似た状況。子育て一段落。さて、私の人生の第3章が始まるけれども、どうするかと。ここまで『今』が一番幸せだなと思いながら過ごしてきたけど、なんだろ…。なんだかモヤモヤした気分と物足りなさを感じるのは。ちょっと私もアカネのように旅に出てみようか。
課せられてきた課題が終わりつつあるロス感なのかな…。
この本は同じ世代にならないと登場人物が感じてること、言ってることの意味が分からないかも。青春時代のモヤモヤの第2弾なんだけどなぁ。
Posted by ブクログ
いい!思わず「ブルース・ブラザーズ」を見てしまいました。バンド経験もなくR&Bもソウルもキヨシローも知らない私でさえ、こんなに心揺さぶられてしまいました。きっと音楽青年だったおじさん、おばさん方は、震えてるんでしょうね。ただ、主人公たちの気持ちにはシンクロです。そうそう、そういう感じなんだよ、って思って、高校の同級生に連絡を取ってしまいました。
Posted by ブクログ
やっぱり重松さんはハズレがないな。
ちょうど同年代の人たちの話で、わかるわかるって感じで読み終えた。
私も人生の後半戦に入ったと感じていて、そっか、B面か!と納得。
Posted by ブクログ
ビタミンFもそうだけれど、登場人物たちの年齢に近づいて初めて、この小説の良さがわかってくる気がする。
大人になって、まるでおとぎ話のような純度100%の疑いようのないハッピーエンドの話よりも、一筋の光の中にもほろ苦さがあるような話の方を好むようになった。
例えばそれは、昔は苦手だったふきのとうを、大人になっておいしいと感じてむしろ好んで食べるようになったのに似ていると思う。まだそれでもビールの苦さは私にはわからない。もしかしたらそれももっと歳を重ねればその良さがいつかわかってきて、かえって好んで飲むようになるのかもしれない。
この話も、みんなが予想できるような完全無欠のハッピーエンドではなくて、先をうっすらと照らす光は見えているけれど、ほろ苦さも同居しているような話だった。
残念ながら今の私では、まだこのほろ苦さの良さを深くまで味わうことは出来なかった。もちろんそれは文章が悪いというわけではなく、苦さを理解できるほどに成熟しきっていないからだと感じた。
この話の登場人物たちと同じくらいに年齢を重ねた時この本を読み返せば、もしかしたら見える世界は変わってきているのかもしれないと思う。そしてその時には、ビールの良さもわかるようになっているのかもしれないとも思う。
Posted by ブクログ
RCサクセションのキヨシローが死んだ。から始まった昔のバンド仲間に会いに行く。
5人のそれぞれの生活。3人の女と2人の男、若い頃の下手なバンドのセッション。
でも、満ち足りていた。
若い頃。
Posted by ブクログ
いるかさんの本棚でみっけ!
重松清はマチガイナシ
レコード(なつかしい)B面折り返しどころか
フェイドアウト近い婆さんも、共感したよ
青春を共にしたサークルの仲間はこの時期になっても
まだ十分語り合えるんだもの
いろんな大切な言葉がちりばめられてました
ーいま、幸せですか……?ー
ちっとも思い通りにならなかった人生だし
今も道は険しいけれど まあ思いようだしね
≪ ツアーだね 誰も知らない どこに行く ≫
Posted by ブクログ
p.18
風景がモノトーンになると、気持ちが落ち着く。色が消えただけで、世界のすべてが過去になるような気もする。
p.346
苦笑交じりのため息をついたあとの表情は、よけいな力が抜けて、意外と悪くない。
p.352
「なんでもいいから、なにかをやってみて、なにかを初めてみることから、ぜんぶが始まるんだよ」
ショットガン・ホーンズの再結成というお話にはならなかったですね。そんなストーリーをちょっと期待していたのですが。
でも、読み終わった後は、なぜか、ちょっと、いろいろ頑張ってみようかな、まあ、無理し過ぎない程度に。といった気持ちにさせてくれる作品でした。
生きていると苦笑やため息は尽きませんが、その後には空気を吸いこんで、また、空気を吐き出している。生きている自分自身が存在している。そのことが生きていることなんだ。幸せなことなんだと感じました。忘れてしまいがちですが、日々を大切に過ごしていこうと思いました。
Posted by ブクログ
忌野清志郎
自分にとっては「なんかすごい人」って認識でしかないけれど、彼の死が誰かに与えるものはとてつもなく大きなものだったんだな、と感じた。
昔を思い返してもう一度辿ろうとするのは簡単だしそうしたくなってしまうけれどそうせずにそれぞれの「ツアー」を続けていく、っていうのがすごくかっこよくて大人ってそうだよな、って思った。
チャワンからの伝言をアカネに伝える本間くんの話し方が社会人なりたて(今もあまり変わっていないかもしれないけど)の自分と全く同じで、アカネの苛立ちがグサグサ刺さった。曖昧に伝えようとするのは自分を守るためでしかないから、ちゃんと自分の発言に自信と責任を持って伝えられる人間になろう…。
最終章でいきなり「私」が出てきて驚いた。そして震災まで時間が進んで驚いた。
大人になるとどうしても学生の頃と色々同じようにいられなくなるけど、それもそれで悪くないよね。
Posted by ブクログ
初出 2009ー11年「新刊展望」。単行本になっておらず、文庫オリジナル。
高校のブラバン仲間5人が大学時代に「ショットガン・ホーンズ」というバンドで活動し、その後バラバラになっていたのだが、清志郎の葬儀に参列した”アカネ”が、啓示を受けて旅(ツアー)に出て、46歳になったバンドの仲間たちに会う。
リストラされた”ハクブン”と会って、近所の高校でトランペットを吹き始めた少年を激励し、偶然聴いたラジオで”チャワン”がレポーターをしていることを知って、メールを送って現場に駆けつける。そこへ妊活で双子を産んだが夫が海外へ行ってしまった”キョウコ”も子供を連れて駆けつける。しかし、「いま、幸せですか?」というメールに”チャワン”は誰にも会わずに引き上げてしまうのだが、その夜、番組のメインパーソナリティと不倫していた”チャワン”は別れるつもりで手首を切って病院に運ばれ、新聞社に勤める”カン”に入った情報から、みんなが病院に駆けつける。
それぞれが厳しい状況に置かれている。人生の前半戦を終え、A面を反転(という表現はCD世代には通じない!)したB面における人生の希望はA面のそれとは違うのだと語られる。
病院のベッドのチャワンに会えたアカネは、「みんなそれぞれのツアーはまだ終わっていない。次のステージのために自分の楽器を鳴らしていて、それは幸せなこと。だからチャワンも次のステージ頑張りなよ。」と励ます。
最後の章は2011年という東日本大震災の状況でどうしても挿入せざるを得なかったのだろう。希望を暗示してはいるが、ここまで単行本にならなかった理由でもあるのかな。
Posted by ブクログ
かつてのバンドマンたちの話
おじさんおばさんになるのも悪くない。
ツラいことも知りたくなかったこともいっぱいあるけど
こういう話で諸々感じるものが多いはず。
RCは世代じゃないけど
一度だけ生で観たキヨシローはまだ覚えているよ。
Posted by ブクログ
読後は爽やかで、途中続きが気になって気になって、どんどん読み進めてしまいました。
ただ、ラストはあれで良かったのか?賛成、反対取りまぜて色んな意見が出そうです。私は・・・なんか少し急ぎすぎたような気がしています。ではあれ以上があるのか?と問われると、それもまたないんですが。
会わなくて良かったんかなあ。寅さん的大団円も、あの日を書くならあったんではないか?まあそれでも、それぞれがそれぞれに生きていくしかないのはわかってますが。今、主人公達の年齢にたどり着いた私はそんな風に感じました。
Posted by ブクログ
中年の男と女の現実と「あの頃」の自分の想いに真っ直ぐだった記憶。なんだか読んでいて切なくなってしまいました。
でも、何故ピケさんはラジオのオンエアで「いま、幸せですか?」を2回繰り返したのだろう?それがその後の悲しい出来事を誘ったように思えてならないんだよなぁ。
Posted by ブクログ
RCサクセションの故忌野清志郎に捧げる追悼オマージュ小説。かつて高校時代にバンドを組んでいた男女6人が50歳目前になって再会する物語。はっとする展開もなく重松清も歳と共にキレがなくなってきたか。」
Posted by ブクログ
凄い事が起こってるんやけど、文章は落ち着いている。体が重くて動けないとか、ちょっとのことでは動じないとか、人生後半戦を迎えた大人をよく表している。僕も後半戦。がんばろ。
Posted by ブクログ
2009年、40代後半に差し掛かった男女5人。かつて学生時代に素人バンドを組んでいた。
忌野清志郎の死をきっかけにメンバーの1人が再度バンドメンバーに会いに行くツアーに出掛け、それぞれの人生の後半戦が始まっていく。
生きていれば苦悩や葛藤はいくらでもある。
30代後半の自分でも勇気がもらえて明日から頑張ってみようと思わせてくれる作品。
そして10年後も読んでみようと思った作成。面白かった。
Posted by ブクログ
キヨシローの葬儀に行こうと思ったけどやめた。
行くと本当のことになってしまうのが嫌だった。
確かに世界の一部分が色褪せた。キヨシローのいた世界とキヨシローのいなくなった世界。
その頃は子育て真っ最中で、悲しみに浸る余裕もなかったけど、アカネと同じ境遇の今だったらどう受け止めただろう。
Posted by ブクログ
「キングオブロック」キヨシローの、訃報。
その、盛大なる葬儀に参列した、今は主婦のアカネ、46歳。
キヨシローの啓示を受け、弾丸ツアーと称し、学生時代のバンド仲間との再会の旅に出る。
人生後半戦の仲間たちは、それぞれ人生の課題と格闘中。そして、それぞれの人生に介入はできない。
一日だけの、再会だけど、昔の仲間は、同志だね。
共感できる部分は多けれど、ロックとバンドにあまりに疎くて。
連載の最後、東北の大震災が発生して、著者はその気持ちを吐露されていた。多分、予定されていたラストとは変更されたのでしょう。
“ハレルヤ”は、キヨシローさんと、復興していく東北へ。
Posted by ブクログ
思ってたのとは、全然違った内容。
「人生の後半戦」には、その通りだなー、まだまだ後半戦、がんばろーって共感はできた。
自分自身もあの頃の仲間と今会ったら…どうだろ?といろいろ重ね合わせても思いを馳せることもできた。
でもなんだろー。何か違和感。
たぶん、私自身が歳をとってることはわかっているけど、そこに馴染めていないというか、後半戦なのは、確かなんだけど…やっぱり、大人になれてないのかな…なんて思ったり。
それにしても、震災のことをああいう形で入れ込むところ、すごいなと思うし、あれがあると、このコロナ渦で、彼らはきっとこうしてると勝手に思ってしまうのは、このお話、心に刻まれてるってことなんだろうな。
Posted by ブクログ
46歳になった学生時代のバンド仲間たちが青春を取り戻す!?
なんか元気をもらえそうなあらすじに惹かれ。
人生折り返しにかかれば、みんなそれぞれなんかある。
でも「昔はよかったなー」では終わらせたくないよな。
仲間たちと再開していくところは、まさに同窓会。
若い時に培ったパワーは無くなりはしない!
と元気になれた!
Posted by ブクログ
やはり重松さんの本は「子供のいる中年男性」に刺さるんだなぁ…と再確認。
しかし、この本読むにはちと早すぎた、かつ若すぎた。
というのが率直な感想。
キヨシローは忌野清志郎さんの事だと思うんですが、私は小説にもある晩年の時代しか知らず(昔そんなスゴい人だったとも知らず)ピンと来んかったです。
しかしながら、今まで人生のB面(後半戦)なんて定年退職してからの話だろ、と考えてましたが、平均寿命的に言うと前半も残すところ僅か(?!)であることを悟り勝手に衝撃を受けました。
アカネさんみたいに天啓により気づく人は多分稀で、気がつけばハーフタイムの休憩もないまま後半戦を迎える人が大半なのだろう。なぜか毎日子育てに奮闘する嫁が愛おしく思えた。
人生の前後半。これに気づかさせてくれた意義は大きいです。
気持ち的にはまだ前半真っ只中なんですがねー
Posted by ブクログ
キヨシローが亡くなった2009年の5月。親を看取り、子供が手を離れ、「人生のA面が終わった」アカネが動き出すことで物語は始まる。
そして、懐かしい仲間たちとの再会の旅に出る。
高校の吹奏楽部で一緒だったアカネ、ハクブン、キョーコ、チャワン、カン。彼らはサックスとブラスの5人組、ショットガンホーンズをかつて組んでいて、卒業後も吹奏楽のアンサンブル大会に出たりと、5年ほど活動をしていた。
そして46歳になり、久々に再会した彼らは、それぞれの人生を生き、もがいていた。
文中でも何度も触れているが、少し設定は「ブルースブラザーズ」を思わせる。
かつてのバンドメンバーが旅をしながら再会していくところが。
でも、物語は全体的に哀愁が漂っており、そして一人一人の人物像が丁寧に描かれていて、いかにも重松さん風なテイスト。
重松さんを思わせる「小説家」の一人称のパートも織り交ぜており、それもやはり重松さん節、という感じ。
終盤の展開も嫌いじゃない。理想的な夢物語で終わらず、リアルだけど希望もちゃんと感じる。
私も楽器が大好きです。
でも一人でいつも練習しているので寂しい…
来年は私も仲間を作って音合わせをしたいな、と思っています♫
Posted by ブクログ
バンド仲間の数十年ぶりの再会。それぞれ別の人生を送っているが、昔と変わらぬ面も窺える。「人生のB面の『希望』は苦笑いとため息とともに語られる。ため息をついたあとの表情は、よけいな力が抜けて、意外と悪くない。」共感。人生の後半を迎えた人向けのお話。2021.11.7
Posted by ブクログ
一緒に夢にむかって進んだ友人だからこそ分かり合えること、伝えられることってあるんだな。
わたしも30年後、学生時代の部活仲間と会いたい。
くすぶってても、えい!となる瞬間があるはずだしその瞬間を見逃さないようにしないと!
Posted by ブクログ
忌野清志郎が亡くなった。学生時代にバンドを組んでいたメンバーの一人が、その悲報を受けて過去のメンバーを訪ねて回る。メンバーは日々の悩みを抱えながら生きていて…。
Posted by ブクログ
「人生の後半戦」いい表現だなー。
やっぱり物語は後半になるにつれて盛り上がる
これからの人生の方が気合い入るって希望が持てる!
学生から、20〜30年も経ってしまえば
そりゃみんな変わるだろうし、
年月に比例していろんなことを経験してくだろうし
人生難航でしかない時もある………。
それにしても読んでてRCセクションが聴きたくなった。
そんなに自分から聴いてたわけではいけど、やっぱり、誰しも聴けばわかる曲を持ってるってのは強い!!!
学生時代、軽音楽部だったとき
部室とか、自分たちのライブの合間とか、合宿とか
ドライブの車の中でとか、常に音楽があったなーーって
懐かしくて嬉しくて寂しい気持ちになりました。