あらすじ
中学校教師の宮本陽平が見つけた離婚届には、妻・美代子の署名が入っていた。
彼女に問いただすこともできずに途方に暮れる陽平。
そして料理仲間の一博の家では、料理講師のエリカとその臨月の娘がなぜか居候。
陽平と、幼なじみの康文も巻き込んだ出産騒動に。
50歳前後のオヤジ3人それぞれの奮闘の行方は――?
「メシをつくって食べること」を横軸に描き出す、夫婦、家族、友情。
人生の滋味がぎゅっと詰まったおいしい物語。
●2017年1月公開映画「恋妻家宮本」原作
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やっぱり面白かった。著者は分かりやすい言葉で、根源的で普段何となくスルーしていることを考えさせてくれます。それと、ほとんどの作品の読後感が良い。50歳前後の男たち3人を軸に夫婦のあり方や、その後の人生をどう送るべきなのかを問いかけてくれます。著者は、おじさんの気持ちと子供の心、女性の心を巧みに描いています。私が共感したのは、自分の人生の核とは何なのか。正直言って即答できません、考えなくては。正しさと正しさがぶつかると争いになるが、優しさと優しさがぶつかっても争いにはならない。そうだと思います。今の時代の人間関係、国際関係。優しさが欠けていると考えてしまいます。でも、誤った優しさは人を追い詰めてしまう、それも一理ある。「ファミレス」と言うタイトルと言うイメージとは違うような気がします。また、読み返してみたいです。あとがきで著者はコメディと評していますが違うのではないかと私的には思います。
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50歳を目前にした主人公と、主人公に関わる人たちが料理を通じて人生を切り開いていく。
食べることは人を幸せにすることなんだと、しみじみ味あわせてくれた。
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平成30年12月
上に続き、下を読む。
話の内容的には、おじさんたちのドタバタ劇で、まーまー面白いかな。さらーって読める。
でも、その話の中にあるポイントがはまる。
最高の一皿を考えさせられる。
ただ美味しいだけじゃない。思い出も詰まった一皿。
それが、一番おいしい。
自分なら何かな~。
お母さんのエビフライとチーズニンジン豚巻きフライ。茶碗蒸し。赤飯。そんなとこ。
次は、奥さんとの一皿を作らないとな。
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これは読み手が既婚者or未婚者、また年齢によって感想が大きく変わる作品だと思う。
読んでいて納得できる事が多くあり、また印象に残る名言も多く出てきます。
この作品を読むと「離婚=ネガティブイメージ」というのが変わります。
色んな夫婦、また家族の形があるんだなと実感します。
とても良い作品に出会えたと思います。
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40歳を前に読めたことを幸せに思う一冊でした。
家族には様々な形がある。
子育てを終え、仕事も落ち着きを迎えたとき、夫婦が、そして家族が迎えるその先の未来とは何か?
もとは別々の人生を歩んでいたふたりが、ひとつの目的のもと夫婦という形で共に暮らし、その達成後にはまたそれぞれの人生を模索していく。
今後の人生の糧となる素晴らしい内容でした。
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重松清と言えば、「家族」!「ファミリー」!
そしてこの文庫本「ファミレス」
「ファミリーレストラン」?、ファミリーレス」?
3夫婦のあり方、そして一つの新しい「家族」!
主人公である先生の受け持つ生徒の家庭問題。
いろいろな夫婦の問題をテーマを、料理を通して語られていく。
夫婦間において、FA権を行使するかのように、新しい人生、新しい生き方を模索するため、「離婚する」。
子どもが成長し、二人きりになってこれから先どう生きてゆくのか。
ちょっと極端ではあるが、まぁそのような考え方があっても不思議ではないかな。熟年離婚ってこんな感じなのか?
このようなことにならぬよう、仲良く生きて行きたいところだが、果たしてどうなることやら・・・・
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昔と違い、離婚なんて珍しくない時代になった。娘達が、大学生になって、パパは、ママと2人で大丈夫?て心配されました。子どもたちの、教育費とかでお金がない、ないでよく喧嘩ばっかり、してたからなぁ。夫婦2人の暮らしが始まった。付き合って、手を繋いで歩いていたら、その間に子ども達が誕生した。でも、その子ども達も、寂しいけど、大人になった。つぎは、孫かなあ?頑張ろ。他人事ではないと、気になりながら、どうなるんだろう?とハラハラしながら読みました。
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おいしい生活
おいしい、の根っこには
しあわせ、がある
おいしくなる相手がそばにいること
お腹がすいて、いただきます、
ごちそうさまを満ち足りた顔で言えること
ごはんのおいしさを決めるのは
誰とたべるか
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落ち着く所に落ち着いたというより、でこれからどうなってしまうのか分からないけれどそれぞれがまた自分の生活を始める。絶対もこうしていこうもはっきりしなくても、また続けていく。やっぱりこの先どうなるのかな、な話。
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おじさんの青春物語。
ドンに『怒っていい、泣いていい』と伝えるシーンはぐっとくるものがある。
ドンかメイミーを主人公にした物語も読んでみたい。
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夫婦、親子、家族、友達。
色んな形があって、それぞれの事情がある。
終盤の、ドンと陽平先生のファミレスでのやり取りが良かった。大人になったからこそ分かる気持ちもたくさんあった。
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最後は話が気になり止まらなかった。
『家族』の在り方とは、一家団欒とは。
ご飯は何の為に食べるのか
1番大事なのは知識による正論ではなく、優しさ。
甘やかす優しさではない。
正論と正論はお互い正しくてもぶつかってしまう
でも、優しさと優しさは重なり合うと一つの大きな優しさになる。
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上に続いて下巻読み終わりました。
教え子のドンのお話の部分が一番気になる話でした。
陽平の家族は本当に普通の幸せで優しいお父さんなのになんで子どもたちは全員母側につくのか不思議だし、色々わからない部分もあったけど、最後まで気になって楽しく読み切りました。
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正しさ同士はぶつかり合うけど優しさはぶつからない的な言葉が印象的。ドンのおばあさんの正子は、もう少し子供達に気を遣えないのか?って思った。ドンの強さの裏に隠された寂しさが切ない
離婚をずっと恐れていた編集長(名前忘れた)は、桜子と別れる時なんでそんなに余裕だったのか気になる。生臭くないレバカツの味が気になります。あと登場人物たちが50代が多くて、私の両親と重ねて考えてた
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50代〜大人の後半戦、これからの生き方、夫婦や家族のあり方など色々考えさせられた。
子どもが小さかった頃が我が家の幸せのピークだったなぁ〜なんて私も思うこともあるけど過去の思い出があって今の幸せがある。これからは"半身浴"で家族から体の半分をだして自分の生き方を考えよう。
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料理を作るシーンが多く、読んでいるとお腹が減ってくるし、面倒だと思っていた自炊もしたくなってくる。
自分も含め誰かのために料理作って食べるって、当たり前のことと思いがちだが、その時々で意味合いが変わってくることもあるし、意識しているよりも貴重なことなのかもしれない。
料理、食べることを通じて、家族の関係性を考えさせられる作品。
料理講師のエリカ先生が陽平の教え子ドンに伝えた家族の例え話が、妙に納得して印象に残った。
Posted by ブクログ
下巻も料理のヒントというか、料理好きな人には見逃せないかも?
夫婦の問題は色々あるけど、それぞれが乗り越えて行くしかない。
悲しい場面もあるけど、人生は一度きりだしね…
2021.2..27
Posted by ブクログ
何だか共感出来ない。
陽平の妻、美代子の行動に説得力や誠実さがなくていらいらするが、それを受け止める陽平の寛大すぎる対応にも更にイライラ。一博とその嫁にも同じくいらいら。別れ話の前に夫と連れだっての食巡り、ありえない。一博かわいそう。それを容認する一博の態度は、無理に円満離婚に持っていっている節を感じてしらける。
料理教室のエリカのにわがままっぷりに辟易するし、それを許容する周りの人にも共感できない。
中学男子、ドンの家庭に至っては何も解決していなさそう
上手く言えた感のある比喩も沢山あり過ぎてくどく、鼻につく。
やはりファミレスの深堀は下巻でなく、残念。たまに取ってつけたように舞台になるが必然性はない。
下巻の上巻同様手ぬき料理満載。試してみたくなるのもあったかな。
作者の作品はシリアスのほうがいいな。
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妻と生まれた子供のために、手料理を学んだコージー。
大怪我を負った母が不倫をしていたことにショックを受けるドン。そんな彼は自分を鼓舞し、大好きな母やみんなに手料理を振る舞うことで、離れ離れになりそうな家族の危機を救った。
長年別居していた桜子に離婚を宣言された一博。
最後に最高のおもてなしをするため、全国各地で最高の食材を探し求め、最高の料理を作り、元妻をねぎらった。
誰かの為に作る料理は、特別な味がするらしい。
それぞれの家庭には、家庭の味付けがあるように家族のあり方も様々だ。
落ち着くところに落ち着いた形。納得いくかいかないかは、読んだ人の感覚次第だと思う。
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重松清の久しぶりの本。
※ファミレスはファミリーレスの略なんでは?という言葉が深い。
3つの家族が織りなす決して円満ではないストーリー。
50代を迎える筆者の心情が色濃く出た作品だったせいか、これまでの重松作品とは少し違ういびつさがありました。号泣するような物語ではない。後悔を受け入れ、少し笑える強さを持って前進するような物語。いつか自分もこのときの気持がわかるようになるのか。
切ないだけではない。正しい別れもある。いびつな関係性を吸収するような物語。
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家族とは?夫婦とは?人生とは?
そんな問いが出てくる。そして、答えは一つじゃない。
エリカ先生・ひなた親子がなかなか好きになれなかったけど、コージーへの想いを聞いて、ひなたちゃんは好きになった。エリカ先生は…。後半ちょっと性格が変わりすぎ?と思ってしまった。
宮本夫婦は、映画では駅舎で語り合ってたけど、こちらはあっさり。むしろ、ほとんど描かれず。ここももう少し描いてほしかったなあ。
上巻が結構勢いがあっただけに、下巻後半のあっさり展開が残念だったかな。
重松清のコメディはなかなか面白い。
Posted by ブクログ
新聞連載されていた時に、ところどころを読んで面白がっていたこの作品を、映画化されたとの惹句に惹かれ、文庫版を読んだ。
新聞などの連載、単行本、文庫と、たどる道はちょっと興味ある。
新聞連載=毎日連載のこととて、何せ忙しい毎日、今のわたしには読み忘れなどあって不向き。
単行本=なにしろちょっと高価、よほどでないと手を出さず。
文庫=その小説の定本になるかと思う、この『ファミレス』も少し手直しなさったと重松氏のあとがき、だから完全版を読める喜び、本好きのこだわりだけどね。
前に『ビタミンF』を読んで以来の重松氏作品。
飲みやすいお酒、口当たりのいい食べ物、軽いデザート、さっぱりしたお茶、の後に来るそこはかとない哀愁を味わう、の感想は裏腹かな。
というのも全編食べ物うんちく満載なんだから、ホントは満腹なんだけどね。
離婚届を懐に抱いて行動する妻におろろするする夫図は、深刻でもあり、今更平凡でもあり、氏あとがきにあるようにそういう時もあったのだ・・・ということで。
タイトル『ファミレス』=「ファミリー・レストラン」ならず、「ファミレス」=「ファミリー・レス」家族が無いというのもこれまたいまさらで、
ともかくも家族形態がこう迄変わってしまった現代を軽く流すか、深刻重大なこと、国家の根底にもかかわることであるとするか・・・。
そういえば、「ファミレス」はいつごろからあっただろうか?と調べたら1970年代とか、やっぱりお世話になってますね、わたし達。
Posted by ブクログ
なかなか本題の進展がなくイライラしながら読んだけど、登場する人物それぞれの視点で少しづつ問題が解決へと向かう。内容以外に料理の美味しそうでレシピヒントもありが楽しめる。同年代夫婦の後半人生には色々だ。
Posted by ブクログ
▪️もうドタバタしすぎてるからどうなるの?どうなるの?という勢いで読み切った笑
ここにいての湯気か!星野源か!とつい突っ込んでしまったけど笑
家族のメニューがあることは素晴らしいなぁ
それを語れる相手がいることも素晴らしいこと。もう兄としか語れないから尚更。
ファミレス、というタイトルとの絡みもよいな。
Posted by ブクログ
50歳─
大人になってからの折り返し地点。
皆、それぞれの分岐点に立つ。
人生の……夫婦の……
少しくさい言葉で言えば、本作の友情を羨ましいと思った。