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Posted by ブクログ
今、中学生の子どもと暮らしている。赤ちゃんの頃から一緒に生活をし、一緒に思い出を作ってきたはずなのに、子どもが何を考え何に悩んでいるのかはわからない。親失格なのかもしれないが、それが本心だ。子どもが私に見せる笑顔も伝えてくる言葉も、すべてが本心とは限らない。
何もわかってあげられないし、勝手にこの世に連れてきてしまったけれど、この世に産まれてきたことを少しでもよかったと思ってもらえたら、涙がでるほどうれしい。
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少年による無差別毒殺事件『木曜日の子ども』事件を中心に、翻弄される家族の話。
人間は弱いから、不完全なものに惹かれるのかなぁと考えたりした。
1日を無事に終えた兵士は逆に安心して眠ることができない。静かで、清潔で、絵に描いたように幸せな街に暮らしても、どこか不気味さを感じる。
私たちは完全なものを手にしても、それが失われる恐怖に常に迫られる。
だからこそ私たちは、その恐怖が現実になる確率を下げて、不完全なものにすがって、「自分は大丈夫」と思いたいのかもしれない。
重松清さんの作品はもともと大好きで読んでいたけど、この作品はいつものような、リアルでどこか温かい親子の物語にとどまらない。ミステリーの要素が掛け合わされた良作だと思ったから、(このアプリ上でしかないけど)評価が意外と低くてびっくりした。
確かにラスト、というか犯人の言いたかったことは明確に書かれていなくて回りくどく感じる読者も多いかもしれない。
でもこれこそが作者の伝えたいことでもあるように思う。
人はみんなわからないものに対して不安を抱き、どうにか理解しようとする。意味づけをしたり意図を知ること、あるいは「狂気」とラベルをつけることで安心したがる。でもそれは自己満足であって、決して本当の意味の理解ではない。そういうことではないだろうか。
読んでよかった作品。
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2022.10.16
ノンフィクションと言われても納得いく
このリアリティーさ。
死にたいわけじゃないけど
死んだっていい。
世界ってなに
命ってなに
親子ってなに
子ども、親、
だれもがよく考えること。
それでも答えの出ないこと。
答えが出ない不安をいつも紛らわしながら
みんな生きてる。
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中学校で起きた無差別毒殺事件。
その7年後、舞台となった街に、40代初婚の父と、14歳の少年を持つ再婚の母という家族が越してくる。
少年少女の間で神格化されている犯人の男。
子供たちが見えている世界と、大人たちが言う世界の間には大きな隔たりがある。
終盤、その子供たちの世界に魅せられてしまった大人がいることに、物語とはいえ衝撃を受けた。
それを含め、「現実にはあり得ない」とは言い切れないと思わされてしまう筆致で描かれ、その怖さが余韻を引く。
理由付けすることを彼らは馬鹿にしたが、敢えて言う。
ウエダサマは、真の意味で人は誰もが孤独であることを知っていて、その上で孤独を受け入れることが出来ず、仲間が欲しかっただけだ。
孤独を愛せば良かったのに、それが出来ない程、子供だったのだ。
晴彦には頼もしい父親がいる。
それが救いだ。
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いつものなんとなくジメジメした中で救われていく展開とは全く異なり、完全にサスペンスでした。最後の展開はあっさりしてましたが、ウエダサマが登場する直前までは、ドキドキしながら一気に読んでしまいました。突然息子を持つ父親の歯がゆさとかはいつもの語り口でとても感情移入できましたました。一方で血の繋がりのない息子にこだわりすぎる主人公の気持ちがわからないところもありました。全体を通してテンポがよく、変に横道に行くこともなく、これまでと違った重松ワールドに浸ることができて満足です。大好き度❤️❤️❤️
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少し長めだけどテンポ感も良くてすぐに読めた。
今まで読んできた重松清作品とは一味違う作風だったかな、と思う。だけど好きで読みやすいのは変わらない。
後半、ウエダサマ、聖者、神、等が出てきたところからすごいわかりづらくなったので星4にした。
(私の理解力の問題かもしれない)
上田と高木は世界を終わらせたかった、全人類を滅亡させることはできないけど周りの人間を殺すことで自分から見える世界が一変することに気が付きそれを実行した。それと同時に、なぜクラスメートを無差別に殺したのか、〝分からない”状態にすることで周囲の人(特に大人達)を怖がらせ、一部の人間から崇拝されるようになった。彼らは自分の命を人質にとることは最強の手札になりうると悟り主人公を貶め、ワルキューレのカプセルが混ざった瓶を使って運試しをすることで、自分たちが神となれる存在なのか試そうとした。ここで運試しに負けたものは聖者に、買ったものはウエダサマ同等神になれる。
以上が私の解釈だが、合ってるのだろうか?
この小説の解釈に答えなどなく、分からないままにしておくのが良いのかもしれないが。
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恐ろしい犯罪を犯してしまう子どもも、親からしたら「うちの子が一体どうして」と思うことがほとんどかもしれない。
幼少期の辛い記憶は大きくなってから幸せな体験で覆ってやることはできるのだろうか。
もし、自分の子どもだったら支えて包み込んでやれるだろうか。
読んでいる途中で恐ろしい気持ちになったが、最後まで読み終えた。
心地よい読後感に包まれることはなかったが、親としての覚悟を持っているか試されたような気持ちになった。
Posted by ブクログ
少年による無差別殺人がテーマとなっているだけに、重たくて、色々なことを考えさせられる小説だった。
まだ未熟な子どもに宿った狂気は、いとも簡単に暴走する。それに気づいたとき、私たち大人に出来ることは何だろう。一番近くにいるはずの親は、何をしてやれるだろう。
親子や夫婦、家族の形には正解がなく、答えを見つけるのは難しい。一緒に重ねる時間の中で、皆どこかでもがき苦しみながら、それを掴み取っていくのかも知れないなと思った。
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読みやすく一気に完読。
この子たちの言う世界の終わりの定義が
イマイチ分からなかったけれど、
『命を捨てたいわけじゃない。誰だって自分の命がなくなるなんて嫌ですよ、せっかく産まれてきたんですから。でも、明日をどうしても迎えたくないと思ったら‥‥』
ってとこには 激しく共感。
そうなんだよね。そう思うんだよね。もうそれしか考えれなくなるよね。
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重松清さんの本は何冊か読んだことがあるけど、ヒューマンドラマみたいなのが多くてこういうミステリーみたいなのは初めて読んだと思う。少し奇妙で不気味さがあって次が読みたくなる。木曜日の子供の歌があることを改めて知って展開に最後までドキドキした。新鮮でなかなか面白いと思った。
重松さんの作品を読むと元気をもらうことも多く読んできた。いじめや過去の親との確執などをテーマにした作品も多く、中学受験にもよく出題されるようだ。
こんなサスベンス的な作品を書くんだと驚き。
学校給食での大量殺人から7年、新たな殺人が起こる。日常生活の中に不気味さガンダム潜み、全体的に面白かった。ただ最後にの展開は、ちょっと物足りないかな。
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全く感情移入できなかったが、カッコ悪い泥臭い真実の姿が本当の心に訴えかけるのかもしれないと思った。
このような作品を書き上げる筆力はすごいと思う。
Posted by ブクログ
『お母さんを悲しませたら殺しますよ。』
コロシマスヨ。とてもゾッとした。
血縁関係があろうがなかろうが、親と子に信頼関係を結ぶことは非常に困難だ。
全力で本音が言える人間関係なんてあるのか。
私はないと思う。
家庭や職場であったり恋人、友人その関係性によって差はあるが、100%で相対することはできない。
他者の心境などわからない。
だから、努力する。
97年に起きた神戸連続児童殺傷事件を彷彿とさせる作品でした。
Posted by ブクログ
うーん、楽しく読めましたが共感ができないというが本音です。
ミステリーだから共感する必要はないのですが、ここまで狂ってしまう人も大変だと思いつつ、スリルがあまりなくて、本当に奴らと息子がつながっていたんだという物語が安っぽく感じた。
Posted by ブクログ
7年前クラスメイトに毒を飲ませて大事件を起こした犯人が住んでいた街に引っ越してきた主人公家族。
主人公には血の繋がってない中学生の息子がおり、
その息子の様子もどこか不気味。
そんな時にその犯人が娑婆に出てきてこの街に帰ってきたかもしれないという噂が広まり—
新しい思想を吸収できた様な気がする。
Posted by ブクログ
あ〜もう世界が滅んでくれたらいいのにな。
と思ったことは数知れず。
だけど実際には毎日を何とか生きて、一喜一憂しながら大人になりました。
辛い経験を積んでしまった子どもたちが見ている、失望という名の景色に、大人になった今、どれだけ気付けているだろうかと考えさせられました。
万人から好かれる人などはいないから、だからこそ大切に思う人からは好かれたいし守りたい。
Posted by ブクログ
2023/1/16
少年事件のあった街へ引っ越すと、義理の息子がその犯人と見間違われる。
そして不穏な出来事が続く...
確かに少年事件が起こると
「なぜこんな事件を起こしたのか」
動機がすごく気になってしまうよね。
とにかく題材が好き。そして大好きな重松清作品。
だけど...自分の読みたいものとは違った。
大事件は起きなくていいから、重松清お得意の心の機微で読ませて欲しかった。
これはただのわたしの好み。
自分の世界を終わらせるためには、殺したい相手を殺すか、自分が死ぬしかない。
Posted by ブクログ
何においても物事の動機は誰にも分からないということ。99%はわかっても最後の1%は絶対にわからない。家族でも子供でも全てを分かり合えることはできない。
なぜやったのかを知りたいのは、自分が安心したいから。子供のことをなんでも知っておきたいのは子供に対して優位に立って置きたいから。人間は他者の分からないことが怖いものだ。
その不安をわかってもわかっても、また次の不安が出てくる際限なく。その通りやと思いましたし、その不安を解決することなく何気なく紛らわせて生きている。
生きていて本音で話せないことの方が多いように思います。仮面を被らずありのままでいられるということは信頼があって出来ること。
考えさせられました。
展開のスピード感が良かったです。
Posted by ブクログ
うーん、難しい作品でした。
こちら側の人間とそちら側の人間
自分が本当に苦しい状況にいて、唆されてしまうような立場だったら、導かれてしまうのか
いろんなことを考えさせられる内容でした
Posted by ブクログ
シゲマツの本は、面白いですが、書き方にクセがあることがあります。
まず、ちょっと自分がいきなり中2の夫になったという事を強調しすぎではないでしょうか。
また、沢井が旧友役になるときも、それが演技であることを言い過ぎな気がします。
シゲマツの良さに難癖をつけてしまっていますが、私は気取らないさっぱり系の文章が好きなので、ねっとりした中毒性のあるこの文章は合わなかったように感じます。
次に話の内容は、「結局何なの?」という結末でした。要素はあちこちに散らばっていたのですが、それが形にならなかったという感じ。「聖女」だの「約束された場所」だのもうどうでもいいやっという気持ちになりました。
私にこの本は、あまり合わなかったです。
ただ、他のシゲマツの本も読んでみたいです。
Posted by ブクログ
ミステリーかと思いきやスリラーな話。
家族について書きたかったのならここまで過去の話を複雑にしなくても…といった感じではある。
ただ死生観という面ではとても考えさせられた。『未来を生きるために命があるのと同じように、死ぬために命が必要なら捨てるしかない』
自殺が目的ではなく、手段にもなるのだということを認識させられた。
重い割にサクサク読めた。
Posted by ブクログ
主人公とその妻の連れ子。わかり会うには、時間や経験が必要だと思う。薬瓶のなかにある命を簡単に駆け引きしながら…。読んでいて苦しい時間でした。
最後の2台のパトカーのシーンがあって…少しいい兆しと信じたいと思います。
Posted by ブクログ
失敗しながら、かっこ悪くても一生懸命生きていることが、なんとなくださく見えてしまう
若い時期はありましたが
そんな
中二病の延長?な感じ
同じ絶望は絶望でも
『疾走』はその絶望に耐えきれなくなり、
上巻でリタイアしてしまったけど
こちらの絶望は
なんか軽い…
特に後半からはスピードが落ちてしまった
重松清さん
好きなので
次回に期待!
Posted by ブクログ
グイグイ引き込まれて読めるんだけど、
最後になるにつれてちょっと設定がイマイチ盛り上がれなかった。
違う方向になった方がもっと楽しめたかなぁ。
Posted by ブクログ
自分の未来を消し去るために命を使わなきゃいけないことになったら、それはもう、しょうがないじゃないですか
国民全員かいなくなってほしいと思っている相手を7人ずつ書いていくと、国民すべての名前が記されたリストができあがるのだという。
大人になれば、そうではないと分かっても、子供にとっては、学校や家庭がその子の世界のすべてであり、その世界を消し去りたいような環境にいるとき、その世界を滅ぼすか、自分を消し去るか、、。
どうか、そんな子供達に違う世界があるんだよ、と連れ去ってくれる大人がいるようにと願いたいと思った。
Posted by ブクログ
読んでる間、ずっと主人公の不安感に引き摺られていた。
こんな気持ちで早く読み終わりたいと思ったのは初めてかもしれない。
今は私も親だから、結末に安心したけれど、
思春期の頃に読んでいたら、また違う様に思ったかもしれない。
Posted by ブクログ
最初の方はノンフィクション!って感じの流れで淡々と読めました。
中盤あたりから
主人公、人を信じすぎ!
警察に頼ればいい!
ちょっと有り得ない感じのことが多すぎて
頭を抱えながら読みました。