あらすじ
7年前、旭ヶ丘の中学校で起きた、クラスメイト9人の無差別毒殺事件。結婚を機にその地に移った私は、妻の連れ子である14歳の晴彦との関係をうまく築けずにいた。晴彦は、犯人の上田祐太郎の面影があるらしい。上田が社会に復帰したこの夏、ある噂が流れる――世界の終わりを見せるため、ウエダサマが降臨した。やがて近所で飼い犬の変死、学校への脅迫が相次ぎ、私と晴彦の距離は縮まらないまま、再び「事件」が起きる。
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Posted by ブクログ
2022.10.16
ノンフィクションと言われても納得いく
このリアリティーさ。
死にたいわけじゃないけど死んだっていい。
世界ってなに、命ってなに、親子ってなに
きっとだれもが考えたことのあること。
それでも答えの出ないこと。
答えが出ない不安をいつも紛らせている。
Posted by ブクログ
重松清さんといえば家族物が多い。
今回はちょっと違ったミステリーっぽい感じだった。
引き込まれてすぐに読み終わった。
最後は悲しいけど温かな感じでうるっと来る。
Posted by ブクログ
大人は子供がする行動に意味を求めようとするけどそこに意味がないことのほうがほとんどだと、中学生と接することが多い仕事に就いている自分はそうだと思いながら読み進めた。サクサク読みやすかった
Posted by ブクログ
少し長めだけどテンポ感も良くてすぐに読めた。
今まで読んできた重松清作品とは一味違う作風だったかな、と思う。だけど好きで読みやすいのは変わらない。
後半、ウエダサマ、聖者、神、等が出てきたところからすごいわかりづらくなったので星4にした。
(私の理解力の問題かもしれない)
上田と高木は世界を終わらせたかった、全人類を滅亡させることはできないけど周りの人間を殺すことで自分から見える世界が一変することに気が付きそれを実行した。それと同時に、なぜクラスメートを無差別に殺したのか、〝分からない”状態にすることで周囲の人(特に大人達)を怖がらせ、一部の人間から崇拝されるようになった。彼らは自分の命を人質にとることは最強の手札になりうると悟り主人公を貶め、ワルキューレのカプセルが混ざった瓶を使って運試しをすることで、自分たちが神となれる存在なのか試そうとした。ここで運試しに負けたものは聖者に、買ったものはウエダサマ同等神になれる。
以上が私の解釈だが、合ってるのだろうか?
この小説の解釈に答えなどなく、分からないままにしておくのが良いのかもしれないが。
Posted by ブクログ
『お母さんを悲しませたら殺しますよ。』
コロシマスヨ。とてもゾッとした。
血縁関係があろうがなかろうが、親と子に信頼関係を結ぶことは非常に困難だ。
全力で本音が言える人間関係なんてあるのか。
私はないと思う。
家庭や職場であったり恋人、友人その関係性によって差はあるが、100%で相対することはできない。
他者の心境などわからない。
だから、努力する。
97年に起きた神戸連続児童殺傷事件を彷彿とさせる作品でした。
Posted by ブクログ
最初から得体の知れない恐怖みたいな、
もやもやしたものがあって
どうなっていくんだろうとサクサク読めた。
だけど、最後ついていけなかった…。
内藤先生に手紙出したのなんだったの?
あんなにお母さん思いの子なんだから、
お母さん登場してほしかった気もする。
Posted by ブクログ
7年前クラスメイトに毒を飲ませて大事件を起こした犯人が住んでいた街に引っ越してきた主人公家族。
主人公には血の繋がってない中学生の息子がおり、
その息子の様子もどこか不気味。
そんな時にその犯人が娑婆に出てきてこの街に帰ってきたかもしれないという噂が広まり—
新しい思想を吸収できた様な気がする。