重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ自殺を図った中年作家のダザイさんと、三年前に命を絶った少女ルビィ。
7人の命を救わないと天国に行けないという彼女と共に、失われるはずだった命を救う。
重い題材だが、設定がメルヘン。
ルビィもちょっと意地悪で、イラっとしたり、モヤモヤしながら読み進む。
「生きることも死ぬことも軽かった」という彼女の言葉。
分かる。
十代の頃は、そうだった。
ルビィとダザイの別れの場面。
「どーせストーリーとかキャラとかつまんないと思うんだけどさ、我慢して最後まで読んだら、やっぱり生きるの『あり』じゃん、って…本を閉じるときに思うの。そういう小説を書いて欲しいの、絶対に」
そして、最後のページで思いがけなく咽び泣いてしまった。
してやられた。 -
Posted by ブクログ
1999年から2007年に書かれたお話をまとめた短編集。特に連作でも、関連性もない。
重松清さんいわく、「不揃いな息遣いの、その揺らぎを楽しんでいただけないかと考えた」とのこと。
主人公も、大学生や、主婦や、中年サラリーマンや、若い働く女性、など様々。
正反対なセッカチな夫との暮らしを書いた「電光セッカチ」、かつての演歌歌手を20年ぶりにステージに立たせるべく奮闘する「望郷波止場」、子供がいないけどすごく良い関係の夫婦と、空気の読めない義弟とのやりとりを描いた「ひとしずく」が良かったかな。
重松さんの短編集は、たまに読みたくなりますね。
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Posted by ブクログ
「死」や身近な人に対する憤り、上手く説明出来ないようなもどかしい気持ちを描いた短編集。
ノストラダムスの大予言を信じていた少年と自分の命をおもちゃのようにゲームにしている幼なじみの少女の話
テレビ局の下請けの下請けのような小さな会社でアルバイトをする大学生が売れなくなった元アイドルのレポーターと一緒に働く話
高校時代に砲丸投げの選手だった妻とその妻のマネージャーだった夫の話
とてつもないせっかちな夫とのんびり屋の妻の夫婦のすれ違いの話
元教師のタクシードライバーが不良に見える少年少女をタクシーにのせる話
不妊に悩む夫婦が愛犬を「息子」と言ってしまった嘘から自分達を苦しめていく話
リストラの不安に怯える中年サラリーマンが目黒川に迷い込んだアザラシに自身を投影していく話
情けない自分自身を変えたい!と家出した少年の話
一発屋だった元演歌歌手が一夜限りのバラエティ番組に引っ張り出される話
妻の誕生日のために一生懸命用意したプレゼントを無神経な義弟に台無しにされる話
実家に帰るたびに老いていく父母を、心配に思う気持ちと疎ましく思う気持ちが綯い交ぜになっていく中年男の話 -
Posted by ブクログ
小学5年生って義務教育の中でいちばんモヤモヤした時期だったなぁと思う。
4年生だとまだまだ子ども!って感じたけど、6年生には大人だなぁ、あと一年でわたしも…と羨望の眼差しを向けていた。
今まで仲がよかった子との間に、うっすらとした上下関係や立ち位置が生まれたり、ちょっとした一言にイライラしたり、傷ついたり、気になる子はいるけれど「好き」という感情を認めたくなかったり…。
この中途半端な「小学5年生」という学年は、からだの変化だけでなく心の変化も著しい時期でもあると思う。
「大人」でも「子ども」でもない。
曖昧で不安定な階段を登りきった先には、どんな未来が待っているのだろう。
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Posted by ブクログ
「重松清」が「山口瞳」の傑作コラム50篇を選んだコラム集『山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇』を読みました。
「向田邦子」の随筆や短編小説に惚れ込み、第83回直木賞では「向田邦子」を強く推薦して受賞に至らしめた「山口瞳」(最近読んだ『向田邦子全対談』と『向田邦子ふたたび』の両作品に登場しています)… その「山口瞳」の作品を読んでみたくなったんですよね。
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昭和38年に直木賞を受賞した著者は同年末から『週刊新潮』で連載を始めた。
『男性自身』という奇妙な題名のコラムは、会社員兼作家である自身の哀歓、家族・友人のエピソード、行きつけの店での出来事などが綴られた身辺雑記だった。
それは独断と偏見が醸す力強さと、淋しさ・優しさが滲み出た独特の文体で、読者の心を掴んだ。
40代に書かれた作品を中心に、大ファンの「重松」氏が50編を選ぶ。
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昭和40年代に綴られたコラムが中心なので、、、
当時と現代とでは、生活環境や社会環境が大きく異なり、物質面で豊かになって、生活水準の格段に向上していることは当時と大きく違う部分なのですが… サラリーマンとしての価値観については、現在に通じるところあって、意外と時代の違いを感じずに愉しく読めました。
「重松清」が厳選した50篇が収録されていますが、
■酒飲みの夜と朝
■冬の公園
■焚火
■女の知恵
■人生は楽しいか
■白鳥の湖
■貧乏
■金魚
■ネフリュードフの心配
■バンザイ屋 他全50篇
特に印象に残ったのは、以下の3篇。
『リカ王』で語られる次の言葉、、、
「勝負事や、その支払いの仕方において慎重であり綿密であるような男は、そっちのほうに神経が片寄ってしまって、勝負にも負けるし、カンジンな仕事も駄目になるように思われてならない。」
確かにねぇ… 慎重であり綿密であることも、度を過ぎるとマイナスなんでしょうね。
リアルに身のまわりにありそうなことです。
『やれやれ二十年』での夫婦の間柄を示す言葉、、、
「支えてもらった恩人」というのは、的を得ているひと言でしたね。
『少年達よ、未来は』での人生を表す言葉、、、
「人生は短い。
あっという間に過ぎてゆく。
しかし、目の前にいる電車にどうしても乗らなければならないというほどには短くない。」
そうなんですよねぇ… 焦りすぎは禁物ですよね。
目の前のことも大切ですが、それだけでなく、中長期的なスパンで広い視野で物事を捉えることって大切です。
『男性自身』って、『週刊新潮』に1963年から31年間、延べ1614回、死去まで一度も穴を開けることなく連載を続けたコラムなんだそうです… 凄いなぁ。 -
Posted by ブクログ
大人になっても幼馴染みとつるんでいるのっていいなあ、と思っている。転校とかあってホントに小さい頃からの友だちっていない。ガキたちにはこの家で長く付き合える友だちがたくさんできるといいなあ、と思っていた。二人ともあまり友だちを連れてきたことはないけど、まあ地元で遊んでいるところをみるといるんだと思っている。娘も学校を卒業してもここにいるのかわからないし。あと数年で夫婦二人暮しになる。きっとガキたちが帰ってくるのが楽しみで仕方ないんじゃないかな。自分が定年を迎える歳に近づいてることもピンとこないけど、心は輝かしていたい。オイラは簡単に定年退職できる余裕はないからまだまだ働かないといけない。だから山崎さんたちの愁いを知るのは彼らの年齢よりもあとになる。その時のオイラのココロとカラダがピンピンしていますように!
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