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Posted by ブクログ
30代で、自分の子供が不安なく育つために何を伝えようかと思った時に見つけて手に取ってみました。
年代は微妙に合致しないものの、自分世代が学校や親からうけた教育なり価値観の根底にある思想は何か、ヒントを与えてくれるような内容に感じました。
戦後にテレビが果たした役割や、こんにちは赤ちゃんとパパママ呼称、核家族、中流意識、標準世帯と欠損家庭、生産社会、ウルトラマンに見る正義、3分間、全力疾走できる幸せ、等のキーワードから、自分を育ててくれた世代には、確かに科学の進歩が、それが対価としての悪を生んだとしても、未来への希望をもたせてくれる、そういう世の中だったのかなと思いました。
明るい未来を描けない世代は不幸なのかという核心をつく問いに、答えなき答えを打ち出してくれている筆者の人生観を教わりました。娘との付き合い方を考えさせてくれます。
Posted by ブクログ
1963年生まれの著者は、本作が刊行された2006年の時点で43歳。自分と同い年の男性を主人公に据えた、フィクションでありながらノンフィクション、自伝エッセイでもある1冊。文庫化されたのがその10年後の2016年で、著者は53歳。それと同年代の人はきっと生まれ育った時代を振り返りながら読めるはず。
1963(昭和38)年生まれ、43歳のカズアキには同い年の妻、それに中学3年生と小学校3年生の娘がいる。長女が冬休みに「お年寄りから話を聞く」という宿題を受け、じいちゃんばあちゃんに話を聞いたところ、戦時中の悲しくひもじい話が目白押し。長女がカズアキを馬鹿にするように言う、「お父さんてさあ、ほんとうに幸せな時代に生まれてるよね。なにも苦労してないじゃん」。確かにそうかもしれないけれど、そう言われるとなんだかなぁ。平和な時代の子どもにだって、ちゃんと「歴史」はある。カズアキは正月休みを返上して「歴史」を調べはじめる。
1953年に開始されたテレビ放送が徐々に普及。1958年、東京タワーが完成し、1万円札が登場し、長嶋茂雄と王貞治がデビューする。1963年に『鉄腕アトム』が始まったから、カズアキはアトムと同い年。子どもには「勉強しなさい」、おとなには「働きなさい」と言うのが普通。女性はまだまだ専業主婦が当たり前だった時代。「速さ」が絶対的で、ゆえに週刊の少年漫画雑誌が創刊される。お金で買える幸せがいっぱいあった時代だけれど、四大公害病が発生したのもこの時代。ヒーローものに科学者が現れ、科学が大事なキーワード。そしてみんなの思いは宇宙へ。
著者と同年代の人の歴史でもあります。幸せの中身は自分で決めろ。それに尽きる。
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