重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1999年から2007年に書かれたお話をまとめた短編集。特に連作でも、関連性もない。
重松清さんいわく、「不揃いな息遣いの、その揺らぎを楽しんでいただけないかと考えた」とのこと。
主人公も、大学生や、主婦や、中年サラリーマンや、若い働く女性、など様々。
正反対なセッカチな夫との暮らしを書いた「電光セッカチ」、かつての演歌歌手を20年ぶりにステージに立たせるべく奮闘する「望郷波止場」、子供がいないけどすごく良い関係の夫婦と、空気の読めない義弟とのやりとりを描いた「ひとしずく」が良かったかな。
重松さんの短編集は、たまに読みたくなりますね。
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Posted by ブクログ
「死」や身近な人に対する憤り、上手く説明出来ないようなもどかしい気持ちを描いた短編集。
ノストラダムスの大予言を信じていた少年と自分の命をおもちゃのようにゲームにしている幼なじみの少女の話
テレビ局の下請けの下請けのような小さな会社でアルバイトをする大学生が売れなくなった元アイドルのレポーターと一緒に働く話
高校時代に砲丸投げの選手だった妻とその妻のマネージャーだった夫の話
とてつもないせっかちな夫とのんびり屋の妻の夫婦のすれ違いの話
元教師のタクシードライバーが不良に見える少年少女をタクシーにのせる話
不妊に悩む夫婦が愛犬を「息子」と言ってしまった嘘から自分達を苦しめていく話
リストラの不 -
Posted by ブクログ
小学5年生って義務教育の中でいちばんモヤモヤした時期だったなぁと思う。
4年生だとまだまだ子ども!って感じたけど、6年生には大人だなぁ、あと一年でわたしも…と羨望の眼差しを向けていた。
今まで仲がよかった子との間に、うっすらとした上下関係や立ち位置が生まれたり、ちょっとした一言にイライラしたり、傷ついたり、気になる子はいるけれど「好き」という感情を認めたくなかったり…。
この中途半端な「小学5年生」という学年は、からだの変化だけでなく心の変化も著しい時期でもあると思う。
「大人」でも「子ども」でもない。
曖昧で不安定な階段を登りきった先には、どんな未来が待っているのだろう。
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「重松清」が「山口瞳」の傑作コラム50篇を選んだコラム集『山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇』を読みました。
「向田邦子」の随筆や短編小説に惚れ込み、第83回直木賞では「向田邦子」を強く推薦して受賞に至らしめた「山口瞳」(最近読んだ『向田邦子全対談』と『向田邦子ふたたび』の両作品に登場しています)… その「山口瞳」の作品を読んでみたくなったんですよね。
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昭和38年に直木賞を受賞した著者は同年末から『週刊新潮』で連載を始めた。
『男性自身』という奇妙な題名のコラムは、会社員兼作家である自身の哀歓、家族・友人のエピソード、行きつけの店での出来事など -
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大人になっても幼馴染みとつるんでいるのっていいなあ、と思っている。転校とかあってホントに小さい頃からの友だちっていない。ガキたちにはこの家で長く付き合える友だちがたくさんできるといいなあ、と思っていた。二人ともあまり友だちを連れてきたことはないけど、まあ地元で遊んでいるところをみるといるんだと思っている。娘も学校を卒業してもここにいるのかわからないし。あと数年で夫婦二人暮しになる。きっとガキたちが帰ってくるのが楽しみで仕方ないんじゃないかな。自分が定年を迎える歳に近づいてることもピンとこないけど、心は輝かしていたい。オイラは簡単に定年退職できる余裕はないからまだまだ働かないといけない。だから山
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シュウたちはオイラの4つ上だ。だから「風を感じて」はオイラが小学四年生の時ということになる。確かにその頃から部屋でラジオを聴くようになった。だから「風を感じて」以降の曲たちはどれもよく聴いていた。シュウが高校を卒業したら東京に行こうとしていた気持ちがちょっとわかる。別に家族と仲が悪かったわけでもないが、地元を出てみたかった。馬鹿だから国立は諦めて私立に決めたが、経済的に厳しいのはわかっていたから新聞奨学生というやつになった。それでも家を出ることのほうがはるかに嬉しかった。まあ、そのあといろんないいこと、わるいことがあったけど家を出たからこそわかったことはオイラの大きな糧になっていると思う。シュ
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それぞれの人物の視点から見た母親
ないし、母親自身の物語。連作短編形式で
繋がっていく物語。最初の話で涙。
忘れないでいること、十字架を背負っていくことが主題になっているが、いじめ問題を扱っているので、子を持つ親として
共感ばかりできる内容ではなかったが、
いじめの被害者になってないかと心配することはあれ、加害者になってないかと
心配することは確かに皆無であることに気付かされた。
いじめたことを忘れないでいることで、許されるわけがない。何かを終わらせるためにではなく、何かを始めるために
加害者が被害者に会いに行く?ふざけんな!としか思えない。
しかし、ぬくぬくとなかった事にして生きて行かれても -
Posted by ブクログ
どこかのサイトで紹介されてたので買ってみた一冊。
いじめの話しの短編集だった。
短編の話でも続けていじめの話しを読むのはなんとなく気が重くなる。
結構えぐいいじめの描写もあったし
この小説は20年以上前の話みたいだか、いじめの内容がけっこうえぐい。今も多分実際に同じような内容のいじめを受けている人はいるだろうし、これからもひどいいじめを受ける人はたくさんいるのだろうと思う。
時代がすすんでもいじめはなくならないし、解決できない問題だと思う。
この小説の話でも、いじめ問題は解決してない。
どの短編もいい感じで話が終わってる感じがするが、根本的な所は解決していないように感じた。
いじめ
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