重松清のレビュー一覧

  • みぞれ

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    1999年から2007年に書かれたお話をまとめた短編集。特に連作でも、関連性もない。
    重松清さんいわく、「不揃いな息遣いの、その揺らぎを楽しんでいただけないかと考えた」とのこと。

    主人公も、大学生や、主婦や、中年サラリーマンや、若い働く女性、など様々。

    正反対なセッカチな夫との暮らしを書いた「電光セッカチ」、かつての演歌歌手を20年ぶりにステージに立たせるべく奮闘する「望郷波止場」、子供がいないけどすごく良い関係の夫婦と、空気の読めない義弟とのやりとりを描いた「ひとしずく」が良かったかな。

    重松さんの短編集は、たまに読みたくなりますね。

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    2022年09月08日
  • みぞれ

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    「死」や身近な人に対する憤り、上手く説明出来ないようなもどかしい気持ちを描いた短編集。

    ノストラダムスの大予言を信じていた少年と自分の命をおもちゃのようにゲームにしている幼なじみの少女の話
    テレビ局の下請けの下請けのような小さな会社でアルバイトをする大学生が売れなくなった元アイドルのレポーターと一緒に働く話
    高校時代に砲丸投げの選手だった妻とその妻のマネージャーだった夫の話
    とてつもないせっかちな夫とのんびり屋の妻の夫婦のすれ違いの話
    元教師のタクシードライバーが不良に見える少年少女をタクシーにのせる話
    不妊に悩む夫婦が愛犬を「息子」と言ってしまった嘘から自分達を苦しめていく話
    リストラの不

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    2022年08月26日
  • 卒業

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    ゆるすという事はとても難しいです。忘れる、放棄するとは違うんですよね。何十年経っても和解できないのに、ふとした瞬間にほどける事ありますよね。全てを受け入れなくても「ゆるす」「ゆるされた」という事でほどけていく。とても大事な事ですね。そんな短編集。

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    2022年08月19日
  • さすらい猫ノアの伝説

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    大切なものを思い出させてくれるさすらい猫に出会った子供達の物語、学園物ファンタジー?重松清もそろそろネタギレか?

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    2022年08月04日
  • 小学五年生

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    小学5年生って義務教育の中でいちばんモヤモヤした時期だったなぁと思う。
    4年生だとまだまだ子ども!って感じたけど、6年生には大人だなぁ、あと一年でわたしも…と羨望の眼差しを向けていた。

    今まで仲がよかった子との間に、うっすらとした上下関係や立ち位置が生まれたり、ちょっとした一言にイライラしたり、傷ついたり、気になる子はいるけれど「好き」という感情を認めたくなかったり…。
    この中途半端な「小学5年生」という学年は、からだの変化だけでなく心の変化も著しい時期でもあると思う。

    「大人」でも「子ども」でもない。
    曖昧で不安定な階段を登りきった先には、どんな未来が待っているのだろう。


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    2022年08月05日
  • 山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇

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    「重松清」が「山口瞳」の傑作コラム50篇を選んだコラム集『山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇』を読みました。

    「向田邦子」の随筆や短編小説に惚れ込み、第83回直木賞では「向田邦子」を強く推薦して受賞に至らしめた「山口瞳」(最近読んだ『向田邦子全対談』と『向田邦子ふたたび』の両作品に登場しています)… その「山口瞳」の作品を読んでみたくなったんですよね。

    -----story-------------
    昭和38年に直木賞を受賞した著者は同年末から『週刊新潮』で連載を始めた。
    『男性自身』という奇妙な題名のコラムは、会社員兼作家である自身の哀歓、家族・友人のエピソード、行きつけの店での出来事など

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    2022年07月04日
  • 定年ゴジラ

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    大人になっても幼馴染みとつるんでいるのっていいなあ、と思っている。転校とかあってホントに小さい頃からの友だちっていない。ガキたちにはこの家で長く付き合える友だちがたくさんできるといいなあ、と思っていた。二人ともあまり友だちを連れてきたことはないけど、まあ地元で遊んでいるところをみるといるんだと思っている。娘も学校を卒業してもここにいるのかわからないし。あと数年で夫婦二人暮しになる。きっとガキたちが帰ってくるのが楽しみで仕方ないんじゃないかな。自分が定年を迎える歳に近づいてることもピンとこないけど、心は輝かしていたい。オイラは簡単に定年退職できる余裕はないからまだまだ働かないといけない。だから山

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    2022年07月04日
  • 口笛吹いて

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    読んでいて分からなかったけどなにかに負けたことについて書かれた本だったのか。
    子供はみんな負けることに関して、かなり否定的だけど大人になったら負けることが必ずしも悪いことではないのだと思うよね。勝ち続ける人生なんてないんだから。

    たち悪い小学生と先生の話は重いけど印象的だった。

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    2022年06月12日
  • ナイフ

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    かなり心が苦しくなります。
    辛すぎて目を背けたくなるような内容がほとんどですが私の卒業校では似たようないじめがありました。
    この話をフィクションだからと軽い心で読んではいけない。

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    2022年06月05日
  • カカシの夏休み

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    人生半ばを過ぎて、努力しても必ずしも報われないこともあることはわかっている私ですが。
    いろいろなものを抱えた登場人物達のやりとりに、悲しいような辛いようなものを感じました。

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    2022年06月04日
  • カカシの夏休み

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    劇的なドラマチックな展開はないけれど、じっくり考えさせられる3本の短編集だった。

    人生いろいろ苦しいこともあるけど、
    皆、それぞれの人生を一生懸命生きているんだなと。

    結構重め&大きな展開なしなので
    好き嫌いが分かれそう

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    2022年06月04日
  • さすらい猫ノアの伝説

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    さすらい猫ノアの登場する2つの物語から成る。
    読みながら、児童文学っぽいな〜と思っていたら、やはり元々児童向けの青い鳥文庫のものだったもよう。

    やっぱり小学生が読むのに向いているストーリーだと思ったけど、大人でも小学生の頃の友達との関係やクラスメイトの色んな子のことを思い出して、とても懐かしかった。

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    2022年05月21日
  • みぞれ

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    11の短編でなる物語です。短いストーリーなので読みやすいです。
    私は砲丸ママが好きでした。砲丸投げが特技のママに対して、特技のないパパ。
    息子の作文の中で出番のないパパのためにいろいろ考える砲丸ママがかわいい。
    そして息子の作文が面白かったです。

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    2022年05月19日
  • あの歌がきこえる

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    シュウたちはオイラの4つ上だ。だから「風を感じて」はオイラが小学四年生の時ということになる。確かにその頃から部屋でラジオを聴くようになった。だから「風を感じて」以降の曲たちはどれもよく聴いていた。シュウが高校を卒業したら東京に行こうとしていた気持ちがちょっとわかる。別に家族と仲が悪かったわけでもないが、地元を出てみたかった。馬鹿だから国立は諦めて私立に決めたが、経済的に厳しいのはわかっていたから新聞奨学生というやつになった。それでも家を出ることのほうがはるかに嬉しかった。まあ、そのあといろんないいこと、わるいことがあったけど家を出たからこそわかったことはオイラの大きな糧になっていると思う。シュ

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    2022年05月15日
  • 小学五年生

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    小学5年生って大人でもないけど子供でもない、小学生だともう大人扱いされるような年齢で。
    体の変化だったり、友達との関係も複雑になってきてっていう時期だったよなぁ、と思った。

    重松清さんの本って子供が出てくることは多くても子供のことだけが書いてある本って珍しく感じて読んでみました。
    短編だけどどれもストーリーが素敵で、最後いつもああ、素敵な終わり方って言う感じで終わる。

    また読み返したい本だった。娘たちが小学5年生になる頃にまた読みたいなと思った。あと6年後だなー(笑)

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    2022年05月08日
  • 見張り塔から ずっと

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    3編からなるお話。どのお話も暗くてちょっと苦手でした。
    団地内の大人のいじめの話、1歳の息子を亡くした夫婦の話、モラハラでマザコンな年の離れた夫を持つ若い妻の話の3つです。
    どちらかというと勧善懲悪な話が好きなので、救いのないこの本の内容は後味が悪く苦手でした。

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    2022年04月22日
  • あの歌がきこえる

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    馬場くんの嫌われっぷり可哀想だと思ったけど、実際クラスにいたら私も目を合わさずに声も掛けないだろうな〜
    ヤスオのあのお気楽さ私にも分けてくれ笑

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    2022年04月13日
  • ファミレス 下

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    料理を作るシーンが多く、読んでいるとお腹が減ってくるし、面倒だと思っていた自炊もしたくなってくる。

    自分も含め誰かのために料理作って食べるって、当たり前のことと思いがちだが、その時々で意味合いが変わってくることもあるし、意識しているよりも貴重なことなのかもしれない。
    料理、食べることを通じて、家族の関係性を考えさせられる作品。

    料理講師のエリカ先生が陽平の教え子ドンに伝えた家族の例え話が、妙に納得して印象に残った。

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    2022年04月09日
  • かあちゃん

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    それぞれの人物の視点から見た母親
    ないし、母親自身の物語。連作短編形式で
    繋がっていく物語。最初の話で涙。
    忘れないでいること、十字架を背負っていくことが主題になっているが、いじめ問題を扱っているので、子を持つ親として
    共感ばかりできる内容ではなかったが、
    いじめの被害者になってないかと心配することはあれ、加害者になってないかと
    心配することは確かに皆無であることに気付かされた。
    いじめたことを忘れないでいることで、許されるわけがない。何かを終わらせるためにではなく、何かを始めるために
    加害者が被害者に会いに行く?ふざけんな!としか思えない。
    しかし、ぬくぬくとなかった事にして生きて行かれても

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    2022年04月09日
  • ナイフ

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    どこかのサイトで紹介されてたので買ってみた一冊。

    いじめの話しの短編集だった。

    短編の話でも続けていじめの話しを読むのはなんとなく気が重くなる。
    結構えぐいいじめの描写もあったし

    この小説は20年以上前の話みたいだか、いじめの内容がけっこうえぐい。今も多分実際に同じような内容のいじめを受けている人はいるだろうし、これからもひどいいじめを受ける人はたくさんいるのだろうと思う。

    時代がすすんでもいじめはなくならないし、解決できない問題だと思う。
    この小説の話でも、いじめ問題は解決してない。

    どの短編もいい感じで話が終わってる感じがするが、根本的な所は解決していないように感じた。

    いじめ

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    2022年03月27日