重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
重松清は知っているけれど、鶴見俊輔という哲学者を私は今まで知らなかった。
教育、家族、友情、老い、師弟。
斬新な答えが出て来るテーマではない。
けれど、鶴見氏の圧倒的……なんだろう、人柄?
時代を渡り、多くの人を見つめてきたその人物がよく現れている、素敵な対談集だった。
弱みを見せて、余裕を持って、向き合っていく。
けれど、例えば挨拶のようなカタチを軽んじない。
そういうところが、いいなと思う。
その中で育つ人物とは、点数が取れるわけでも、一番でなくても、何かを為すのだろう。
そのことに、価値を見出さなくとも、いつも我慢が効かなくなって不安になる。
そんな自分への処方箋にもなった。 -
Posted by ブクログ
世代は少し違うが、いちいち頷きながら読んでいた。薄く、父娘の会話形式で進められるので、易しくて読みやすい。
幸せの定義は人それぞれだけど、次の世代に幸せになってほしいと願う気持ちは皆持っていると思いたい。
あらすじ(背表紙)
「お父さんの子どもの頃って、どんな時代だったの?」15歳の娘からの問いを機に、父は自分が育ってきた時代の「歴史」を振り返ることに。あの頃、テレビが家庭の中心だった。親たちは「勉強すれば幸せになれる」と信じていた。宇宙や科学に憧れ、明るい未来へ向かって全力疾走していた――。そして、父が出した答えとは。明日へ歩み出す子どもたちへ、切なる願いが込められた希望の物語。 -
Posted by ブクログ
どんな話なのか知らずに読み始めたら、3.11で被災した家族のオムニバスで読んでて自然と涙が流れた。本当に震災は誰も悪くないし、亡くなった人も、残された家族も、なにも関係の無い遠く離れた人にも多大な影響を与えたし、私自身にもすごい影響があった出来事だったから本当に読んでいて辛かった。
読み始めて2日後に熊本で震度6の地震が起きて、なんちゅうタイミング。。。辛い。
「しおり」の中でのセリフで、行方不明になった男の子に対して死亡届を出して供養した方がいいという主人公に対して母親が「あんたをすっきりさせるために亡くなったわけじゃない」っていうんだけど、本当にそうだなぁって。死体もあがらずにもうダメだと -
Posted by ブクログ
なんかかわいい表紙に騙されて、ぱっと開いた「すいか」で「!?」となる。エロ話である。いきなり「かっぽん屋」のタイトルの意味もわかるし、「疾走」みたいに1冊これかいな?と不安になったら、短編集でした。エロ話は2本で、少年の熱くてどうしようもないリビドーの話。「疾走」みたいな直接なものではないけど、そこまでネバネバとした表現は必要なんだろうか。
短編をいくつかにわけ、A面とB面にそれぞれ配置。前者は青春のほろ苦い経験を語る純文学。後者は、ちょっと不思議なSFや怪談めいたショートショートみたいな話と、統一感はある。
どれぞれ好きずきあるだろうけれども、いずれもそれなりのクオリティで、重松清らしく -
Posted by ブクログ
まだ1歳の誕生日を迎えたばかりの息子を失くした父親の旅の物語。
出だしがうまいなあ、
と最初は技術的なところに目を向けて読んでいたのですが、
読み終わる頃にはそういうことよりも
物語に入り込んで味わうというふつうの読書になっていました。
物語の中へと引き込む力に負けたのです。
それに、だんだん、登場人物の動きやセリフが
こなれていったのだと思います。
それで、読んでいて自然に感じられる土台が前半部分に作られて、
その貯金分みたいなもので、
後半の大事なところをスパートをかけているような感じでしょうかね。
こういうのは、長編だからこそ効く「溜め」と「解放」なんじゃないか、と、
長編を書いたこ -
Posted by ブクログ
『泣きの重松』の作品なのである。
彼に家族を描かせたら、
もう自由自在に読者を泣かせることができるくらい
読む者のツボを心得た巧みな作者なのである。
その重松さんが書いた3.11震災の短編集。
なのに、読み始めて2つ目の短編で『あれ?』と思い
3つ目、4つ目辺りで気がつく。
主人公への感情移入が浅い・・・
たぶん重松さんは、あんな悲惨な出来事を
当事者でない自分が書くことに迷い、あえて第三者的な書き方を選んだのでしょう。
『経験してない人にわかるものか』と言われれば返す言葉が無い。
安易に『がんばって』なんて声もかけられない。
自分が何事もなく平凡な暮らしを送っていることさえも
罪悪感を感じて
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