重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久しぶりに読む重松作品。
スタートからなんか不思議な違和感を感じながらの展開。
その違和感は、なぜか途中から「あ、これってこういうもんなんだな」と納得が出来てしまう。
子供から大人まで、登場人物すべての「懐かしい」を感じられる。
かと言って登場人物の誰かに自己投影できるかというと、どっちかというとそうではなく、どちらかというと自分も登場人物のひとりになったかのような感じになる。
昔、確かに『少年ドラマ』ってあったなぁ。
NHKのは世代が違うのかわからないのだけれど、『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』とか大好きだった。
誰が出ていたのかも覚えていないし、わざわざ思い出して懐かしむことも無く、何気なくあんなドラマあったなと数年に一度くらい思う程度だけれど、出演者そのまま30年ぶりの新作とかあったらちょっと感動するかも。
そんなちょっとした思いを形にしてくれた。
結局最後まで違和感は違和感のままだったけれど、それもまたこの作品の一部。
帯、すごいな。重松作品をすべて読んだわけではないけれど、ここまで言い切ってしまうなんて。
なんか作家と編集者の関係性の良さを感じられる帯。 -
Posted by ブクログ
夢オチとまではいかないけれど、作家が描くストーリーという設定の物語なので最後までハッピーエンドを信じました。バットエンドとは言わないかもしれないけれど、少なくも幸せな結末ではないですね。
もともとツカちゃんとエミちゃんが出てくるお話だと前情報で聞いたので、これまでの人気作品を絡めたその後の物語だと軽い気持ちで読み始めました。軽い気持ちで読んではいけなかったですね。読後のダメージが大きかったです。誰かにとって嫌いな人は、誰かにとって大事な人でもあるんです。それを後で後悔したって時間は戻せないのです。物語の中で幸せに生きていたってそれが現実でなければ辛いだけですし、発作のように突然襲ってくる苦しみや悲しみには想像力では勝てない。それでも遺された人たちは生きていかなきゃいけないなんてしんどいですね。 -
Posted by ブクログ
少年の成長物語として、とても完成された作品だと思います。
戦後30年が経過した広島に、東京からやってきた主人公のマナブ。知識として「ヒロシマ」のことは知っていても、今尚、生活の中に根強く残る「ヒロシマ」の実態を、地元の人のように理解することができない「よそモン」として疎外感を感じながら広島での生活を始めます。
そこで出会ったヤスとユキオの2人の「連れ」と、次第に打ち解け広島の街にも馴染んで行くマナブ。
なにが「正しい」と決められるわけではないですが、自分なりに考え、日々を無駄にせずに生きている少年たちの姿に心を打たれます。
それぞれに「辛さ」はあるし、そのことは本人にしかわからないけれど、周りもそのことを受け入れること(辛いと思っていることを認めてやること)で、互いに支えあいながら生きている、「もはや戦後ではない」と言いながらもやはり戦争の傷跡がまだ残る昭和の時代を感じます。
ぜひ、夏休みの時期に高校生や中学生に読んでもらいたいと思う作品でした。
「原爆」だけがフォーカスされることが多い広島ですが、もちろん空襲もあり、ほかにも戦争の犠牲となった方は多くいます。では、「ヒロシマ」以外のことが原因で犠牲となった方と、「ヒロシマ」の犠牲になった方との違いは何なのか。
「よそモン」にはわからならい、と切って捨てるのではなく、戦争の被害と、そこからどう立ち直って(未来へと目を向けて)過ごしてゆくのか、ということもひとつのテーマになっていると思います。太平洋戦争から長い時間が経ち、戦争を知る世代が少なくなっているからこそ(そして「戦後」に育ち戦争の傷跡を見てきた人も次第に少なくなってゆくこれからだからこそ)、読むべきテーマの小説でもあると思います。
ただ、少し作品自体のボリュームがあることと、広島カープ推しが強いこと(物語の性質上、仕方ないのですが)が巨人ファンでもあるので個人的には読みにくく感じた部分でもありました。
エンディングが完全にハッピーエンドでないあたりはリアリティがあってよかったと思う反面、もう少し「救い」があっても…とも思います。
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