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Posted by ブクログ
淑子、中学三年生。
お父さんに睨まれながらも、峠うどんの手伝いは続く。
だんだんと歳を感じさせるようになるおじいちゃんとおばあちゃんの手伝いがしたいからであり、お父さんは、だからこそ店をたためばいいのに、と思う。
上巻よりも、年輪を感じさせる話、身近な死の話も増えた。
災害の記憶も、戦争の記憶も、体験した人が亡くなるとともに風化する。
いろいろな物の終わりが多く語られる。
榎本医院の院長先生と奥さんの話は、最高に良かった。
みやま亭のアホボンの言い草には「食品業界終わった」と思った。(まあ、しかたないけど)
源さんの憤る顔が目の前に見えるようだ。
そして、淑子、初めて峠うどんの客になる。
私がお通夜に出て良かったのか、と複雑な思いを持て余し、うどんを手繰る。
第六章 『柿八年』
およそ五十年前、淑子の街を大型台風による大水害が襲った。
翌日、家を失った人たちにうどんをふるまった職人がいたという。
うどんには、柿の葉が一枚のっていた。
第七章 『本年も又、喪中につき』
長年地域に寄り添ってきた町医者の榎本先生と、医療センターで難しい患者の治療にあたる、先生の息子。
息子は初めて本音を語る。
第八章 『わびすけ』
峠うどんの棚の奥から、古びた木札が出てきた。
うっすらと「御予約席」と読める。
おじいちゃんの、戦後の苦労を共にした幼なじみの「わびすけ」さん専用。
第九章 『立春大吉』
第一章に出てきた大友くん。
成績は悪くないのに、高校進学をやめてうどん職人になりたいという。
手伝いを許された大友くんがもたらした驚くべき情報とは?
第十章 『アメイジング・グレイス』
受験の前日、おばあちゃんから、帰りに「アメイジング・グレイス」という“シーデー”を買ってきてほしいと頼まれた淑子。
その歌詞の内容は、罪深い自分にもよき人と変わりなく恵を与えてくれた神に感謝をし、たたえるものだった。
人の魂はいつか召される。
峠うどんにアメイジング・グレイスが流れる。
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淑子は、一つ大人になったのだなあと思う。
峠うどんのその後も知りたいし、大友くんの受験も気になる。
Posted by ブクログ
下巻では上巻よりもよっちゃんの顔見知りやおじいちゃんの親友など、よっちゃんの割と近くで生きる人たちの死が多くあったように感じました。
上巻ではよっちゃんがおじいちゃんおばあちゃんのうどん屋を手伝いながら、斎場を訪れる人たちによって色んなことを学んでいたが、下巻ではそれが遂に身をもって実感しているという感じ。
柿の葉うどんが下巻では物語の主軸を担っていたと思う。おじいちゃんと親友の最後のアメイジング・グレイスの話は特に印象深かった。
「お父さん、俺、医療センターに勤めて十五年だよ。十五年間に何人の患者さんを看取ってきたと思う?百人じゃきかないよ。ぜんぶ立ち会った。俺が聴診器をあてて、脈をとって、散瞳を確認して、家族に頭を下げるんだ。残念でした、よくがんばってくださいました、ご冥福をお祈りします……ウチに来たときにはもう手遅れの状態だったとしても、俺たちが頭を下げるんだ。家族が泣き叫ぶのを、俺たちが見るんだ。町医者のぶんも俺たちが背負うんだよ。そういうのをぜんぶ」(P.96)
この町医者と医者の息子のやりとりの中にあった息子のこの言葉がなぜだかとても心にささった。
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