重松清のレビュー一覧
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ネタバレ【舞姫通信】 重松清さん
ラストシーンは、もう始まっているのかもしれない。
人は、誰でも、気づかないうちに人生のラストシーン
を始めている。17歳で死んだ<自殺志願>のタレント
城真吾にとっては、16歳は晩年だった。城真吾は教え
てくれた。人は死ねる。いつ。いつか。いつでもー。
でも、僕は思う。僕の教え子の君たちの「いつか」が、
ずっとずっと、遠い日でありますよに。
教師と、生徒と、生と死の物語。
(文庫本裏表紙より)
☆
今ひとつ動機のつかめない自殺をした少女。
彼女は校舎の7階から飛び降り、中庭にその身を横たえた。
彼女が飛び降り自殺をして後、「舞姫通信」という
彼女のコトを伝える -
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小学生向けの児童書だが、この3月の東日本大震災がなければ世に出なかったものと聞く。(詳細はあとがきに詳しい、、、)
お話は、小学5年生の女の子・エリカが、父親に言われておじいいちゃんのお家を一人で訪問するところから始まる。父親・母親より一日早く送り出された訳は、翌日早くにおじいちゃんと一緒に会社へ出かけるためだった、、、
その日、定年を迎える工場労働者のおじいちゃんの職場訪問で、エリカが発見するさまざまな気付きがお話のポイント。ロボットやどんな精密機械でも、仕上げの最後の最後の部分では、五感を駆使した人間の研ぎ澄まされた勘に頼らざるを得ないことを知って、エリカは驚く。
そして、その工場の -
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すごく言葉巧みな人だなぁということが、悪い方面を使って言い表していることも含めてわかる作品。
短編集です。
30pくらいのものと、60pくらいのものが11篇収められています。
あとがきで重松さんは、どの作品から読んでも良いと書かれていますが、
僕は初めから順繰り順繰りと最後まで読んだのでした。
読んでいて読みやすいのだけれど、ちょっと軽すぎやしないかという感想。
読んでいる最中に文章にひっかかるところもなくすらすら読めすぎる。
そして、言葉はうまいのだが、作品中のテーマとか、諸所の問題の解決が
簡単すぎるように読めた。
さらに、「望郷波止場」という作品では、
マスコミの悪趣味さ、面白けれ -
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子供にもわかる簡単な文章を使って、なかなか他の人には言い表せないようなことを表現してしまう重松清さん。雑誌小学4年生だか5年生だかに連載された作品だそうです。
これは雑誌『小学四年生』に連載されていたもので、
加筆修正してまとめなおした作品らしいです。
語り手である作家・ツヨシが自分が小学4年生だったころの
同級生・「くちぶえ番長」のことを思い出して書いた
ということになっているのが今作。
小学生が、自分と同じ目線の主人公と、
その目線で展開される世界に本当になじんで読めるものかはわかりません。
「こんなに子供っぽい考え方はしない」
っていう子もいるだろうし、
「僕よりも大人びているな」
と -
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元気になりたい時には読めないような、そこはかとなく悲しく切ない、死を扱った連作物語です。
主に、「死」というものを眼前にぶらさげられた人たちがでてくるお話。
連作短編集という形式です。
死期が迫ったひとたちの悲しみや絶望、無念さというものもありますが、
そうしたひとたちの家族なり友達なりといった周囲の人の心理、
悲しみのほかにも、思いやりも見られるし、死を前にした本人よりも
戸惑いを感じさせられるところがある。
死にざまにもよるのでしょうけれど、新聞のお悔やみ欄に、飾り気なく
載せられる名前と住所と年齢と葬儀の日程などがありますよね。
そういうのは事務的で無味乾燥なものですが、
この本を読 -
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下巻で地の底まで気持ちが墜ちました。
この物語は、「僕」などの一人称や「彼」などの三人称ではなく、
「おまえ」という二人称で語られる珍しい形式でした。
読んでいてなれなかったんだけど、「おまえ」というように
語られることで、ぐっと主人公の気持ちや行動なんかを突きつけられる
感じがしました。そして内容もどんどん重くなっていく。悲惨です。
物語のなかにも出てくるんだけど、「運命」に翻弄されるんですよねぇ。
この読後感もなかなか落ちさせられるものでしたよ。ははは…。
重松清という人は、本当にその登場人物の知的レベルや年齢に合わせて
思考や会話を繰り広げているなぁという印象を受けました。
妙に大人び -
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ネタバレ暗い。そして重い。最初のうちはよかったものの、読むにつれて読むのがどんどん辛くなっていきました。けれど、いろいろと考えさせられることが多かったです。
逃げ道としての自殺ならわかるけど、理由もなしに "なんとなく" 死んでみたいというのは、どうなんだろう。生とはそんなに軽いものでしょうか。
「人はいつでも死ねる」
繰り返しでてきたこの言葉、確かに理屈ではそうだろうと思う。でも、死ぬってそんなに簡単なことじゃないと思うんです。この言葉を唱える人たちの中のどれほどが死に直面した時にそれを受け入れることができるのだろう。
私が何よりも怖かったのは、自殺よりも無気力 -
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【本の内容】
話は、主人公の就職先の女子高での初日、舞姫通信なるプリントがクラスのゴミ箱に山積みになっているところを主人公が気づくところからはじまる。
そして、この舞姫通信は、この学校で自殺した生徒を元にした作成物だと言うことを主人公は知る。
舞姫通信を知った日に主人公は五年前に自殺した兄の彼女であった大手芸能会社の社長令嬢の佐智子に今度デビューさせようと思っているという高校生ぐらいの年齢の少年の写真を見せられる。
ただ、そこに写っていた少年はタレントというのには今一つ冴えない。
しかし、この少年には人の興味をひく過去があった。。。
ストーリーはこの少年と舞姫通信、主人公を軸に進んで -
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こればっかりは賛否両論仕方ない。
中途半端な私は星三つという軟弱者。
でもどっちかっていうと反対意見。
しかし、読み物としてはとても興味深い。
足し算の原理はあたしもそうかもしれないなあ。
そうだよね、単純に「増える」とかそういうことじゃないよね。
でもなあ、これ「重松清」っていう優しいルポライターの憶測でしかないんだよなあ。
そうなのかもしれないけど、そうじゃないかもしれないよね。
別にこの人だって庇ってるわけでは決してないんだろうし、あくまでも客観的に、あんまり見ない角度から事件を見るっていうコンセプトなんだろうけど。
でも被害者家族はたまんないだろうな。
あたしも決して加害者を
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