重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公がフリーライターということで今後の創作の参考になるかと思って読んだ。主人公は重松さん本人がモデルだとおぼしき売れっ子のライター。主人公は自分を絵本作家が本業だと思っている。ある日を境に絵本が書けなくなったり、妻子と別れて会えなくなったりするが、ライター業がうまくいってるためか、悲壮感は薄い。強引に何かに突き進む生き方をせず、器用に世の中を遊泳していく自分のやり方というのを最後の方で分析してみせているくだりを読み鼻白んだ。実際、作者はそうやってばりばり仕事をやってきたのだろう。
「パパと一緒に」のディテールが最後まで明かされないので、登場人物はなぜこの作品に入れ込むのか、そもそもなぜ主人公が絵本にこだわっているのかが、最後までわからなかった。家族のことを遠景としてとどめて書いたせいか、別れて暮らす家族の悲哀もあまり伝わってこなかった。
個々のエピソードといい情報の配合といい絶妙だし、フリーライターの実態って意味ではよく書けているとは思うが、何かと中途半端な作品。でも、フリーライターを主人公にどうやったら作品が描けるかという意味で大変参考になった。 -
Posted by ブクログ
まず自殺を肯定することはできません。どんな状況にあってもです。自分が昔の彼らと同じ年齢の頃でも自殺しようとする人、自殺した人の気持ちは分からなかったです。
自殺する人の気持ちが分からないのは強い人だからだと言われたことがあります。別に強いとは思わない。弱いとも思わないけど。
死んだら終わりなのに、本当にそれしか方法はなかったのだろうかと思います。もし死ぬしかないと思って飛び降りたなら、舞姫っていうのは違うと思うんです。伝説という形で美化してるだけ。もしあたしが原島先生と同じ立場なら、きっと舞姫通信を残らず集めて焼いてしまいます。
生徒たちにとって死ぬということはリアルな世界で想像もつかない神秘の世界なのかもしれません。自殺はただの手に届かないものに対する憧れです。大人になったら舞姫も城真吾も、居酒屋で酒の肴になって終わりそう。あんな奴いたね、みたいな感じで。でも生きてるってそんなもんじゃないのかな。
一番印象に残ったのは、17歳で死んだ人間の16歳が晩年であるということ。そりゃそうですよね。でもこの作品を読むまで全く気づかなかったです。 -
Posted by ブクログ
“死”をテーマにしたお話。重松さんのお話は“死”に関するお話が多いけど、今回は生後一歳という若さで子供を亡くした両親と、離婚して離れ離れになった娘明日香とのお話で死ぬまでのお話でなく、残された人達のお話。
全ての章が「旅をしている」で始まるように、全国各地に旅をしている。旅は父親の関根さんだけで、待っている母親の洋子さんはすごく強いなと思った。
明日香に、ひとりぼっち出いたおかげで強くなったという母親の美奈子はずるいなと思った。でも、母親を責めない明日香は本当に大人で、本当に幸せになって欲しいと思ったし死ぬまでに満足に美奈子に「お母さん」も呼べただろうかという関根さんの想いがなんとも切なくて苦しかった。
これからも明日香は関根さんをあまり頼らないだろうけど、ずーっと親子だと言うことは忘れないで欲しい。 -
Posted by ブクログ
尊敬する作家の一人、重松清さんが初めて臨んだルポルタージュ。
ご本人いわく、寄り道、無駄足、蛇足だらけの一冊で
世紀末に起きた犯罪や出来事に縁のある土地を訪ねて書かれたものです。
西暦2000年はあたしがハタチになった年で
当時の出来事で鮮明な記憶に残っているのは
和歌山で起きたカレー砒素混入事件ぐらいだったんですが
ここ数年で立て続けに起きているかのような気がしていた
通り魔殺人事件や監禁事件、そして若者による犯罪はあの頃も存在して、
世の中を震撼させ、評論家を騒がせていたんですねえ。
犯罪者や人間の弱さを擁護するわけじゃないんですけど
世の中が狂ってきたと何年も嘆き続けたってなくなりはしないんだから
そろそろ”最近の日本”に落胆するのはやめてもいいんじゃないかって
そんなことを考えさせられました。
★が3つなのは
序盤の犯罪の話から
終盤にかけて日産や多摩ニュータウンの話に移行して
ちょっと尻すぼみな印象を抱いたことと
最終章が東京育ちのあたしには物悲しすぎたからです。
相変わらず文章には惹かれるので
今度はもうちょっとのどかで優しいルポを読んでみたいなあ。
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