重松清のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
終わりの後の始まりの前が、たっぷり詰まった短編12編
最後のあとがきで、夏という季節がいかに終わりというフレーズに相応しいかが書かられていて、少し納得。
終わり=人が乗り越えていくもの。人の死も然り、卒業も然り。本作で印象的だった終わりは、死んだ兄の奥さんが再婚することによる、家族との別れ。一回家族になり、孫も出来ても、再婚することで赤の他人になる。嬉しいような、悲しいような。。。
人はそれらを受け入れて、少しずつ変わっていく。変わっていくから人であり、人はみな変わっていく。
死に関わるテーマが多いけど、なぜか身近に感じられるエピソードが多い。ストーリーに入りやすくて、読みやすく面白いです。オススメ。
違う季節のも読んでみたい。作者がその季節をどう感じているか、に少し触れてみたくなりました。 -
Posted by ブクログ
重松さんの作品は好きでよく読んでいたが、ちょっとした退屈感を覚え、読むのを休止していた。そしてこの本で復帰。
久々に読む重松作品、やっぱりいいね!
どことなく哀しみを含んだ物語、それが重松作品の特徴の一つだと思う。でもそれがラストには必ず心温まるお話に変わってしまうから不思議。
そして今回の作品は、時代ごとにヒットした歌謡曲を混ぜ合わせてそれを物語にうまくリンクさせているのが面白い。吉田拓郎、さだまさし、南こうせつ・・・などなど。
個人的には結構世代はズレるが、丁度親父たちが青春を過ごしたであろう時代の歌が、なぜかぼんやり、薄っすらと世代が違う俺にも共感と懐かしさと感動の響きで伝わってくる。 -
Posted by ブクログ
17の短編、すべての主人公が小学五年生です。
ませている子もいれば、生意気な子もいるし、
おとなしめの子もいれば、影の薄そうな子もいる。
そういういくらかはっきりとしたキャラ立てをされて、
出てくる少年たちではありますが、
17人の少年、すべての要素が、きっと、重松清という作者の中にあるのかもしれないし、
読んでいる人の中にも、17人の中の多くと符合する性質を備えていることでしょう。
昔はよく思ったんですよ。
伝記とか人物特集とかを読むと、
「あぁ、彼と彼を合わせた性格がこの偉人だな」だとかって。
同じように、漫画とかドラマとかのキャラの誰と誰をプラスすると、
友達のA君になるなぁだとかもありました。
前者は、偉人や有名人は概して人間の幅が広いことを物語っているし(?)、
後者は、いかに虚構の人物が一面的であるかを物語っていやしないでしょうか。
僕は意外と、人間性をはじけさせて生きていないので、
秘めた部分の未知性があるとともに、
しっかり制御されていてこそ生きていられるというような、
自己完結的性分が板についていたりします。
以前、予備校の先生に、「アンバランスのバランスっていうのもあるんだよ」
なんていう言葉をいただきましたが、僕の場合は、
通常あまり周囲に負荷をかけるような態度を取ることはありません。
意図せず負荷をかける場合はあるでしょうけれど、
他人にもたれかかるようなことは、あまりしない。
みんなそういうものかなとも思いますね。
仲の良い人には別ですが、だんだん、年と共にでしょうか、
そういう仲でいられる人との付き合いも減ってきました。
と、何を語っているのでしょう。
人間性の幅の広さは、目に見えるところ以外に、
見えないところにも、ポテンシャルのようなものとして眠っているものなんだ
って言いたいんです。
何か、事をなすような人は、そのポテンシャルの部分を顕在化して、みんなからしたら
可視化されているような状態になっているような気がするな。
つまり、潜在的にしろ顕在的にしろ、人は多くの要素を持っているわけで。
潜在的に持っているよという人と、顕在的に持っているよという人の違いが
あるのではないかな。
顕在化することを、「その要素が発現した」と表現するといいかもしれない。
そこはもう、自己をクリエイトするっていうものに近いかもしれないですね。
産みの苦しみというか、大変さがあって、潜在的な要素を顕在化できるのではないかな。
そういう、自分の潜在性に気付かせてくれるのが、
こういう、10歳~11歳の少年の心理を扱った小説だったりします。
自分の潜在性に気付いて、それを発現できるかどうかは、
その心理なり思考なりをわざとらしくでもなぞったり、
パクるように実生活に落としこんだりすることにヒントがあると思います。
ある要素が自分にもあるなと思ったら、それを顕在化させるために、
真似をしてみろ、と言うのです、早い話が。
そっからでも広がっていくような気がしないですか。
ただの空論にすぎないかなぁ、そんなことはないと言いたいのだけれど。
最後に言っておきますが、
そんな、くどくどわかりにくい、潜在だの顕在だのは一切この本には出てきませんので。
もっと読みやすくてわかりやすくて、ときに心がキュンとするお話が収録された本です。
そこから何を考えるかは、読んだ人の自由ですから、
僕はこう考えたに過ぎないのです。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。