あらすじ
15歳。頭の中にあることといったらただ一つ、かっぽん――。憧れと妄想に身を持て余す思春期の少年たちの、ひたすらな性への関心をユーモラスに描いて、もどかしい青春の痛みを鮮やかに蘇らせた表題作のほか、デビュー間もない時期に書き下ろされた奇想天外な物語など、全8編を収録。作家・重松清のバラエティと軌跡が存分に味わえる、著者初のオリジナル短編集を電子化!
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Posted by ブクログ
短編集。
もう何年も前に読んだものを掘り起こし、再読。
「ウサギの日々」が、当時部活一筋だった私の心に1番響いていたのを覚えています。こんな先輩、いたよなあ。こんな気持ち、なったよなあ。
最後の描写でドキドキ…!
若く幼き日の、葛藤や思い、泥臭さがリアルに表現されていて、私にも、誰にでも経験あるだろうあの日あの時を思い出させてくれる作品です。
若いって、いいな。
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「失われた文字を求めて」
ふかーい話。映像化で見たいです。
「デンチュウさんの傘」
おもしれぇ話。痛快です。映像化で見たいですⅡ。
重松作品、いずれも呼吸をするように読めます。最高!
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かっぽんとはそういう意味のことを言うのか。個人的には傘の話が好きだなー!ひとつのものでも大切な人からもらったものは大切にしたい。よりよいものを探すんじゃなくて自分にかけがえのないものを集めよう。
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タイトルがあれだからちょっと入れるか前から迷ってたんだけど「まあいいか!」のノリで←
失われた文字を求めてと桜桃忌の恋人'92が好き過ぎる
特に桜桃忌の恋人'92はあたしが本気で文学部を目指したきっかけのお話
そして志望校をある場所に決めたのも
あたしの中では大事なお話のひとつ、
Posted by ブクログ
重松清初期の作品も含む短編集。
重松清の描く思春期男子が好きだから読んでみたら、期待通り萌えた。
著者は思春期の頃の性欲の強さを共感してもらうことを狙いとして書いていると思うんだけど、そういう視点ではなく、もっと客観的に盛りのついた若い男の子のどうしようもなさに愛おしさを覚えた。エロいようでエロくない、絶妙な文章だから老若男女問わず楽しめると思う。
ただ、短編集だからそんなにおもしろくない作品も混ざっているということは難点として挙げられると思う。後半からの単行本未収録作品は話の筋がしょうもなく、あまりおもしろくなかった。
Posted by ブクログ
A面では「すいか」あたりが良いですね。
いきなり強烈なシーンから始まるのですが、少年の性への憧れが美味く描かれています。
B面では「デンチュウさんの傘」ですかね。
田中一夫さんが、その名前の平凡さゆえに気弱に成っていくのですが、ある日自分はタナカではなくデンチュウであると名乗ることにより、強気に生きることが出来るようになるというお話。
テレビの脚本みたいな小説ですが、なんとなく納得させられるのが面白い。
Posted by ブクログ
えろい(笑)
中学生男子はみんなこんな感じなのかな??
本当に重松さんは人間を書くのが上手。
大里さんの次なる人格が気になる。
デンチュウさん、がんばれ。
東条教授が愛しすぎる。
そしてかっぽんしか頭にない少年たちは違う意味で愛しい。
いや、でもやっぱり彼らはアホだ(笑)
薄っぺらだけれど私も太宰治がすきなので、
やっぱり「桜桃忌の恋人'92」が一番よかったかな。
Posted by ブクログ
初期の未収録短編を集めた文庫オリジナル。
バラエティ豊かな短編が色あいによってレコードみたいにA面B面と振り分けられて楽しませてくれる。
個人的には思春期の少年の性への憧れと興味とホロ苦さをユーモラスに描いた「すいか」「かっぽん屋」が収められたA面がよかったけど今の重松さんの作品とは毛色の違う不思議で奇妙な物語が収められてるB面も楽しめました。
A面とB面の間の重松さんの解説と巻末のロングインタビューもいいですね。
Posted by ブクログ
重松清の短編集。
重松氏って、こんなにエロかったっけ?
いきなり、こんな心境で始まる短編から、
不思議な気分で終わるものまで多彩である。
特に、面白かったのは
「失われた文字を求めて」
世にも奇妙な物語っぽい感じだが
ラストはどうなるのかハラハラしながら読んだ。
ある意味、重松氏の感性にも、笑えた感じだった。
Posted by ブクログ
「かっぽん」の意味を知ったらこのタイトル結構恥ずかしいな、と思ってしまった。しおしお。
だとしたら、あたしはかなり恥ずかしい本を読んでいるように見えてしまうなあと思う。
ブックカバーマニアでよかった。しっかり防ぐぜ、他者からの表紙閲覧。
うはははは!(?)
いろいろな人間の話で面白かった。
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題名、すごい。
ぶっ飛んでるけどリアルな匂いがする。一つ一つの話の主人公と話した気分になる不思議。
この本で知ったことだけれど、
私個人的には桜桃忌がお父さんの誕生日、2人で心中を図った日がお母さんの誕生日。
なんだこれ、。ぞっとするわー。めちゃめちゃこわい。変な運命ありませんように。
重い恋愛も一人生き残されるのもやだあああ!
Posted by ブクログ
この作品はあたしを困らせる作品やった。
いつも本は病院で読むさかい、
まわりの目がむっちゃ気になった。
「かっぽん」ってでっかい字で
書いてあるし、ホントびくびく。
せやけど、おもしろい作品やったと思う。
Posted by ブクログ
SIDEAとSIDEBで分けられた色の違う短編小説を8つ楽しむことができる。
胸が押しつぶされるような青春の酸っぱさでいっぱいのSIDEA。
大人たちの少し変わった日常を愛らしく描き出すSIDEB。
スッキリと読める後味のよさに惚れました。
私は、「五月の聖バレンタイン」と「大里さんの本音」が好きです!
あなたのお気に入りもきっとここにあるはず!
Posted by ブクログ
「かっぽん屋」って何だろう・・?そう思い手にとってパラパラとめくる。ああ・・アレのことか(笑)少年期に性の目覚めを感じたあの懐かしき時代。誰が先に経験するのか・・アホな勝負をしたような気もする。表紙もよく見れば、股間を押さえる少年が・・なるほどね。
Posted by ブクログ
重松清のかっぽん屋を読みました。重松清の初期作品集でした。高校生の頃の性の目覚めやクラブ活動を描いた短編4編と「世にも不思議な物語」風の短編4編が収録されていました。それぞれの短編はそれなりに面白かったのですが、それぞれの物語に共通するテーマがなかったので、ちょっと物足りない感じがしました。最後に収録されていたインタビューで、重松清はプロのライターとしての誇りを熱く語っていました。ちょっと泥臭い感じがしたのですが、このような人だからこそ、いじめを題材にした、のどがひりひりするような小説が書けるんだろうなあ、と納得する部分もあったのでした。
Posted by ブクログ
重松好きなので中身も何も確認せずに読み始めました。1ページ目からべっくり。おおぉ「かっぽん」って…そ…そうだったのね。重松作品には上品なセクシャル描写がいつも出てくるのだけどこれは「あはは、まんまじゃん」って感じです。がんばれ少年!って応援したくなります。今の重松カラーである少年の悲しさと中年の哀しさの断片がそこかしこに見えてちょっと得した気分になる1冊です。
Posted by ブクログ
この本も私が買った本じゃなく、家の本棚に重ねてあった奴。
だれが買ったのかなぁ。。。
「かっぽん」ってのは地方の隠語で、男女の営みの事。
15歳の少年が頭にある事は四六時中かっぽんの事ですわな。
そんな少年の悩みとか、太宰治の研究をする大学教授の話とか全8編からなる短編集です。
レコードのようにA面とB面に別れていて、A面は青春純情物語、B面は世にも奇妙な物語的なように別れてます。
いつもは、ホロリとさせてくれる重松さんですが、この本中の物語ではそんなのは無かったなぁ。でも、青春期のノスタルジックな気分に浸れます。
重松さんにしては性描写がリアルな部分があるんだけど、この本、息子が買ったのかなぁ。中学生(今は高校生)には刺激が強すぎるかも。
さて、いよいよ読む本が無くなったぞ。
本屋へ行かなきゃ。
Posted by ブクログ
2019/09/13
「ぬ」まみれの話が印象深かった
そして思春期の性への探求
やはり昔の何もかもよくわからないまま読んでたのとは違う。
「すいか」「失われた文字を求めて」は、また時を経て読むだろう。
Posted by ブクログ
昭和時代の、若干イカ臭く、でも等身大の少年たちが躍動する青春物語集。
「思春期あるある」と言おうか、なんと言おうか・・。
昭和から平成へ変わったその日を、始業式後の6年生の教室で過ごした(はず)自分よりは少々年上である登場人物たち・・・そのどれもに、多かれ少なかれの共感が抱けた。
★3つ、7ポイント。
2009年?2010年?頃。
Posted by ブクログ
なんかかわいい表紙に騙されて、ぱっと開いた「すいか」で「!?」となる。エロ話である。いきなり「かっぽん屋」のタイトルの意味もわかるし、「疾走」みたいに1冊これかいな?と不安になったら、短編集でした。エロ話は2本で、少年の熱くてどうしようもないリビドーの話。「疾走」みたいな直接なものではないけど、そこまでネバネバとした表現は必要なんだろうか。
短編をいくつかにわけ、A面とB面にそれぞれ配置。前者は青春のほろ苦い経験を語る純文学。後者は、ちょっと不思議なSFや怪談めいたショートショートみたいな話と、統一感はある。
どれぞれ好きずきあるだろうけれども、いずれもそれなりのクオリティで、重松清らしく嫌なやつがいたり、外面をつくろうために、心にもないことを言わなければならないのはいつものとおり。ただ、短いのもあって、奥歯をぎりぎり噛み締めなければいけないような話までには展開しない。
初期の作品だからか、ちょっと不足気味な読後感であるものの、後半のサラリーマンの話に感情移入してしまうのは、歳だからかねえ。
巻末のインタビューは「俺って特別だから」という意識が垂れ流されているだけに感じたし、読んでない本の解説をダラダラされても面白く無いので途中でやめた。デビュー作が特別なんだったら、そのデビュー作の巻末につけとけよな。
Posted by ブクログ
表題作はさわやかな?エロス。
少年だった時期がないので共感とは違うけど想像通りの甘酸っぱさ。
統一のない短編集。
後半は世にも奇妙な物語風(実際に世にも~からの作品も)で面白い。
「失われた文字を求めて」でゲシュタルト崩壊になりかけた。
Posted by ブクログ
重松先生の短編小説集。A面B面に分かれていて,B面には田村章名義で発表された作品もある。個人的にはB面のほうが面白かったかな。
他の重松先生の作品があまりに感動的だからなのか,SEXの描写を見ると,嫌な気分になるんだよな~。
Posted by ブクログ
8編からなる短編集ですが、昔のLPレコードの様にサイドAとサイドBに分かれています。
2編は少しエッチな少年の話でしたが、どれも重松氏らしい作品ばかりでした。
この本の巻末には3回のロングインタビューが載っています。
これを読むと重松氏のことがよく分かります。
この本はそういう意味でも重松ファン必見の本です。
Posted by ブクログ
重松さんが最初に書いた、エッチなお話「かっぽん屋」が表題作となった短編集。
中に入っていた「失われた物語」が秀逸だったことを覚えている。
えーえーえー!!!!!っと思う展開。
いつものノスタルジー満載の重松さんと違い、かなり世にも奇妙な物語系になっている。
面白い。
この作品だけでも読んでほしい。
青いうさぎ?のような題名の短編も、重松さんらしさ満載(こちらはノスタルジー、青春万歳な感じ)でよかった。
Posted by ブクログ
ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ
ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ・・・・・・・・
極度に追い詰められた精神状態。。
人はこうも簡単に壊れていくものなのかぁ〜 爆)
「失われた文字をもとめて」
いままでの重松ワールドとは違った味わいで
読ませていただきましたぁ♪
「すいか」「かっぽん屋」は私の苦手な
アノ(?)描写がところどころで・・・。
重松さんってこういうのも書くんだぁ−と。
でも、その描写と主人公の行動の対比が
少年から大人になっていく男の子の性を
バランスよく表現しているよーな。
重松ワールドの豊かさに驚きの一冊でちゅ♪
Posted by ブクログ
様々な名義で活動していた著者の作品を集めた短編集。最後に収録されている著者のインタビューは必見。小説と言う物に対する著者の考え方や向き合い方が分かる。
この作品にも、それは非常に反映されている。主張だとか、やるせない思いだとか、文学的な物は殆ど感じないが、エンターティメントとして読むと非常に優れていて、面白い。人生を変えたり、考え方に影響を受ける様な話は無いが、ノスタルジックな気持ちや、やさしい気持ちになれる作品に出会える。
Posted by ブクログ
表題作を含むバラエティに富んだ短編集。
思春期の少年たちの性への関心をユーモラスに描いた表題作,
まだ著者が田村章名義で小説を発表していた頃の作品,
その頃の作品を加筆改稿した作品などが,
A面B面に分けて収録されているお得な1冊。
巻末には直木賞受賞時のインタビューなども収録され,
著者の作品に対するスタンスなども垣間見ることができる。
個人的には「かっぽん屋」,「デンチュウさんの傘」が良かった。