あらすじ
少年犯罪、家族のあり方、教育問題、本や映画や音楽、少年時代の思い出など、家族をテーマに作品を書きつづける直木賞作家・重松清の原点がわかる著者初のエッセー集。現代社会を生き抜く少年少女と悩める大人たちへの、温かいメッセージ。
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おもしろい
書いた時期が少し昔だったから知らないネタも結構あったが内容としては楽しめた。重松作品は大人になってから読みたくなるようなものばかりで、そういう作品をたくさん読んできたからこういうエッセイはすごく新鮮。
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重松さん、文章うまいなぁ。話の流れの持っていき方が、絶妙に。小説もエッセイも、重松さんのやさしさが文章ににじみ出てくるから、読んでいて心地いい。重松さんが大学に合格して上京してくるときのエピソードとか、とんでもなくよかった。母親はいちばんに自分を愛してくれるひとで、父親は最後に自分を愛してくれるひと。頷くしかない。
Posted by ブクログ
重松清のようにニュートラルにものごとを見れるようになりたいな。このエッセイのおかげでいままで読んだ重松清の物語が愛おしくなった。
・大きな言葉/小さな現実
「指導」や「教育」ってたしかに大違いだ。かつての上司から言われた「知らない言葉は辞書で確かめろ」のアドバイスに辞書を手元におくようになったオイラはとても共感。
・不幸せとの付き合い方」
結婚して間もないころ、嫁に「『サザエさん』んちみたいな家族っていいよね 」と言ったら「幻想に決まってるじゃん」と返された。たしかに我が家は嫁の言うとおりになったけど、彼女の教えのおかげでいまに幻滅したり絶望したりしないで小さな喜びを見つけられるようになった。
・「嫌い」と「苦手」について
「嫌い」は一方的な拒絶、だな、たしかに。「苦手」は自ら努力する余地があるもんな。それにしても重松家の四歳の次女はスゴい。
・観てから文句言いなよ
誰かが判断したことに対してその根拠も確かめない、ってことが多い気がする。コメンテーターの言葉を自分の言葉のように話す人とか。
・僕は昔「ポン」と呼ばれていた
「どげん苦労してでもええけん、キヨシに仕送りをしてやりたかった」を自分に重ねて泣きそうになった。オイラの親父もそうだったのかもしれない。でもそういう話ってお互いに避けちゃうからわからないままだ。そんな話がいつかできるといいな。
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父と同い年の作家、重松清とは今後も長い付き合いになるだろうと感じさせてもらえた一冊だ。
なぜ自分が重松作品に惹かれ、そして読み続けているのか、彼のバックボーンに触れることで改めて分かった気がする。
おそらく彼も、不器用で頑固で自惚れやすくて、何よりも人が好きな人間なのだろう。
一つひとつに紡がれたエピソードに共感の涙を流した。
そして、自分が家族を持ったとき、また新たな一面を彼の文章から感じることができるのだろうと期待をしている。
Posted by ブクログ
ドラえもんの話が面白くて買ってしまった。
重松さんの原点を垣間見た気がする。
なぜ人を殺してはいけないか?
という問に対する答えの
「殺されるほうは、すげえ迷惑だから」
っていうのは、シンプルだけど、それが全てだと思います。
Posted by ブクログ
少年犯罪、家族のあり方、教育問題、本や映画や音楽、大切な友、少年時代の思い出など、家族をテーマに作品を書きつづける直木賞作家・重松清の原点がわかる著者初めてのエッセイ集。単行本『セカンド・ライン』を改題し、まったく新たに構成した待望の文庫版登場!
(裏表紙紹介文より)
***
共感するところも、そういう考えもあるんだと思えるところもたくさんあった。
日常の出来事をこんな風に考えているから、あんな小説がかけるんだろうなぁ。
【以下ネタバレあり】
短編集なので、私が気になったのをいくつか書いておきます。
ネタバレなので読んでいない方はご注意ください。
p26『友だち三人できるかな』
「いちねんせいになったら♪」っていう歌があるけど、その歌詞が、タイトルのようだったら。
もう少し気楽に生きられる子が、ほんの少しだけでも増えるんじゃないかな。
私も、もうちょっと気楽にいられたと思うから。
あとは、ドラえもんは本当に夢を与えているだけなのか、学校は安全だとなぜ言えるのか、「くさい」という言葉、子どもとお金の話、「知る」ことから始めるということ、重松と重松清と重松さんとか。
ほんとにそのまま書き出して、私もこんな風に考えてたんですって言ってしまいたいほど共感した話がいくつも。
エッセイって今まであまり興味なかったけど、フィクションばかりじゃなくて、こういうのももっと読んでみようかな、と思いました。
Posted by ブクログ
重松清さんエッセイ。
じーんと心に響くものがあった。
「幸せ」を求めることって・・それよりかは今あるものを大切にすること。
オノヨーコさんの言葉「私達の視線は蟻にとっては宇宙」(違ってるかも曖昧)
桜前線があるように、物事をいろんな視線から見る大切さ。
割り算の余りのような人生・・・・
良かったな。小説も好きだけれど、なんかいい。
Posted by ブクログ
重松清の家族や友人、恩師など
バックグラウンドがよくわかるエッセイ集みたいな本。
著者の文面での素直さと、
人と面と向かったときのひねくれ具合のギャップが
よくわかるように書かれていると思った。
Posted by ブクログ
著者がいろいろな場所に書いたコラムを集めたエッセイ短編集。
著者自身が余りの物語と言っているが,
人生の難しさに明確な答を出すのではなく,
余りの部分から1つの提案をするような物語。
そういった作品の原点ともなる思想を垣間見ることができる。
そして,小説作品と同じく少しだけ勇気づけられるかもしれない。
個人的には,「ぼくは昔「ポン」と呼ばれていた」が良かった。
Posted by ブクログ
彼の小説は、親子の断絶、リストラ問題、いじめ、自殺など現代社会 が抱えている問題に直面している主人公が、最終的に問題から逃げるのでなく、真正面から向き合うようになるところで話を終えている。
読者は、主人公に共感し、生きる勇気をもらう。
「明日があるさ」は、重松清が、なぜこのような小説を書くようになったのかの種明かしをしてくれている。