重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ共働き夫婦の引越し先のお隣の太田家は、
理想的なお花畑の庭かえって押し付けがましいと、
早々に近所づきあいに悩む日々。
鯉のぼりを見渡せる田舎で、
それぞれの人たちの抱える事情。
おばあちゃんの唯一の友達との不思議な関係を疑問に思い
自分の親友とのケンカと、納得したわけ。
離婚寸前の夫婦が
夫の母の墓参りで、かつて母が言っていた言葉の意味。
仕事で悩む妻に追い打ちをかけるかのような太田家からのバーベキューの誘いと、突然の雨。
同窓会に出席するつもりで、
家事と育児から解放されたと思ったけれど
冷静になって実感したこと。
本家の一人娘にこき使われて
革命を起こそうとした分家の嫁たちと
本家娘の切なく実った恋。
多忙な仕事でおろそかになる健康と、
太田家の一人息子のたまった鬱憤と割れる植木鉢。
えーちゃんのようなロック一色だったあの頃、一緒に青春をともにし、今は孫ができたクジラちゃん。
両親の離婚は息子にどう影響しているのか、
探偵を通じてわかったこと。
妻との些細なケンカ
太田家の呑気なバーベキューの誘いで気が晴れたこと。
親の離婚で明日から苗字が変わるもっちんの最後の日。
重松ワールド全開で、お腹いっぱい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ震災ものは、涙なくしては読めないね。
しかも本書は、小説という形をとってはいるが、中身はというと取材にもとづいた事実の連続。
(詳しく調べたわけではないが、内容と構成と文庫裏表紙のあらすじ書きからすると、実名かどうかは別としても、きっとみな事実なのだろうと推測)
作中何度泣かされたことか・・・。しかも、涙が浮かんでくる、とかでなく“こぼれ落ちる”レベルで。
理不尽な自然の仕打ちに懸命に立ち向かう男たち、リーダーシップをとり虐げられた人々を導く者達の姿の、なんと格好よいことか。
一読の価値ありと、声を大にして薦めたい一冊。
いや、日本人はこれを読むべきだろう、とも思える。
・・・ただし・・・
主人公の挫折と葛藤、成長、というドラマが用意されていはするものの、終始一貫して取材事実を繋ぐ狂言回し役にしか見えなかった。
小説なのか?ルポタージュなのか?どちらかに絞られていた方が、作品としての重みが増しただろうと思えた。
よって、半ノンフィクションとしてなら★4つの9ポイントつけたいところだが、、、
小説としては・・・
★3つ、7ポイント。
2017.05.19.図。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「40歳になったら開けよう」と埋めたタイムカプセルを、学校が閉校になったため1年早く開けることになった。
ジャイアンと言われていた徹夫と、しずかちゃんのようにしっかり者の真理子夫婦。のび太と言われていた克也、誰とも群れずに孤高を保っていた文学少女ケチャこと淳子、たった数ヶ月だけしかクラスメートではなかった転校生の杉本、そして、ずっと変わらずにのんびりマイペースの浩平。
夫の暴力により家庭崩壊寸前の徹夫と真理子。かつての天才少年克也はリストラの対象になり、カリスマ予備校講師だった淳子の人気は翳っていた。
あのころの未来はバラ色ではなかったのか?
もう、読み進むのが辛くて辛くて。
ねっとりと絡みつくような負の感情。
自分で立とうとせずにもたれ合う。
問題を先送りし、ダメだと思ったら逃げ出す。
確かに40歳って、仕事でも家庭でも行き詰ったりする時期かもしれない。
だけど40歳って、人生のトワイライトか?
21世紀になったばかりの、バブルがはじけて沈んでいくばかりだったあの時代。
誰にも等しく転機はおとずれたはずだ。
だけど、彼らの落ちっぷりはどう?
闘病中の杉本と、変わらない浩平以外の4人はうじうじぐるぐる悩み続ける。
ああ辛い。
鬱陶しい。
読むの止めたいけど、読み始めちゃったしなあ。
特に真理子はひどい。
自分しか見えないから平気で他人を降りまわすし、おいて行かれている子どもたちの気持ちも考えない。
最後の彼女の心の動きは、正直よくわからない。
ストーリーの都合としか思えなかった。
ただ、淳子は、いい。
選ばなかったもうひとつの道に、戻れたかもしれないのはいつまでだったのか?
そんなことくらいは誰でも考えるだろう。
負けないようにまっすぐ立つだけではなく、自分をいたわることを覚えた淳子はこの先も自分らしく生きていけると思った。 -
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1963年生まれの著者は、本作が刊行された2006年の時点で43歳。自分と同い年の男性を主人公に据えた、フィクションでありながらノンフィクション、自伝エッセイでもある1冊。文庫化されたのがその10年後の2016年で、著者は53歳。それと同年代の人はきっと生まれ育った時代を振り返りながら読めるはず。
1963(昭和38)年生まれ、43歳のカズアキには同い年の妻、それに中学3年生と小学校3年生の娘がいる。長女が冬休みに「お年寄りから話を聞く」という宿題を受け、じいちゃんばあちゃんに話を聞いたところ、戦時中の悲しくひもじい話が目白押し。長女がカズアキを馬鹿にするように言う、「お父さんてさあ、ほんとうに幸せな時代に生まれてるよね。なにも苦労してないじゃん」。確かにそうかもしれないけれど、そう言われるとなんだかなぁ。平和な時代の子どもにだって、ちゃんと「歴史」はある。カズアキは正月休みを返上して「歴史」を調べはじめる。
1953年に開始されたテレビ放送が徐々に普及。1958年、東京タワーが完成し、1万円札が登場し、長嶋茂雄と王貞治がデビューする。1963年に『鉄腕アトム』が始まったから、カズアキはアトムと同い年。子どもには「勉強しなさい」、おとなには「働きなさい」と言うのが普通。女性はまだまだ専業主婦が当たり前だった時代。「速さ」が絶対的で、ゆえに週刊の少年漫画雑誌が創刊される。お金で買える幸せがいっぱいあった時代だけれど、四大公害病が発生したのもこの時代。ヒーローものに科学者が現れ、科学が大事なキーワード。そしてみんなの思いは宇宙へ。
著者と同年代の人の歴史でもあります。幸せの中身は自分で決めろ。それに尽きる。 -
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重松さんのお話大好きだけど、カープと興味無いしなぁ、、、と避けていた本。カープのお話というより、広島の原爆後のお話だった。読んでよかったな、と思った。
いつも父親の仕事がうまくいかず、転校ばかりしているマナブと、広島で野球大好きで男気溢れるヤス、ヤスの友達で優しくこれまた野球大好きなユキオの友情がとってもよかった。ヤスは曲がったことが大嫌いな暑くてめんどうなやつなんだけど、とにかくユキオが大人でかわいいし、ユキオというクッション材のお陰でヤスとマナブもなんやかんやで仲良くなってるしいいトリオだなぁー。
転校してもずっと仲良しでいたらいいのにな。 -
Posted by ブクログ
人生の何かに「負け」た人達を描く短編集。
読むほどに切なくなるおハナシたちなのだが、何故か読むのをやめたくない…。
決して、いや、全く、、、、最後にナニか救いがあるわけでもなんでもないのに、でもなんとなくじんわりと、前向きになれる、そんな作品たち。
「カタツムリ失踪」のお父さん、格好良いでしょ。
「春になれば」は、テレビドラマにでもできそう。
★3つ、7ポイント。
2017.01.30.図。
※重松清が好んで描く主人公たちが、いつのまにか同世代になっていた。間もなく追い抜いてしまうくらいに。。。
自分じゃまだまだ若いつもりなのだけれど、世間一般から見たらやっぱり“中年”の域に入ってしまったのだなぁと、哀しい現実を再認識(苦笑)。