あらすじ
思春期の悩みを抱える十代。社会に出てはじめての挫折を味わう二十代。仕事や家族の悩みも複雑になってくる三十代。そして、生きる苦みを味わう四十代――。人生折々の機微を描いた短編小説集。
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ひたむきな人生
死ぬ理由がなければ、生きる理由があるわけでもない。
人生という物語に大きなことは起きないかもしれないけれど、そこには人それぞれ様々な生き様、人生があると思わせる小説
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それぞれの物語に登場する人たちの息遣いが聞こえてくるような作品でした。
短編のお話が11編集録されておりそれぞれ違う立場の人たちのお話ですが、最後は暖かい気持ちになる生きる勇気をもらえる物語でした。
重松さんにしか書けない作品です☺️
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石の女で大号泣。全ての話が面白かったですし、寝に染みたり、ほっこり笑えたり。本当に良い読書時間でした。人に薦めたい本、ナンバーワンかもしれません。皆さん、読んでもらいたいです。
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「石の女」がいつまでもいつまでも忘れられない。
石女、うまずめ。
ひとりぼっちで涙を流した人がいったいどれだけいるだろう。
私はこのお話をはじめ、みぞれに収録された短編に多く希望をもらいました。
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特に、『石の女』は、13歳のハスキー、龍之介くんがパオちゃんと重なった。人間と犬だって、立派な家族だ
『ひとしずく』に出てくるような夫婦になりたいなあ
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命とか人間関係を題材にした短編集。
あとがきにもあったが、どれもわりと地に足がついていて空想ではないリアルなお話しだった。
個人的に刺さったのは、架空の息子と飼い犬をめぐる「石の女」と老齢の両親を故郷にかかえる「みぞれ」の二つ。
前者の面白さは社会的には少し古い考えかもしれないが跡継ぎを欲する両親からの抑圧や子供がいて当たり前という中での不妊夫婦の生きづらさが妙なリアリティがあってモヤっとするところ。
後者は完全に自分を投影してしまったが、脳梗塞で後遺症を持つ父とそれを支える母の老老介護のあり方と思い通りにならない苛立ちと少しの虚しさがすごく刺さった。
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自分の日常でもありえそうな話がいくつかあって、それぞれの人物の感情の動きがわかった部分と、私はまだわからない部分とがあった。もう少し大人になったらわかるかもしれない。「ひとしずく」は朝読んでいたけれど、寝起きの頭でも腹立たしく感じた。きっとこの話はしばらく経っても憶えていると思う。
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短編集。
ラストのタイトルにもなっている『みぞれ』と、ラス前の『ひとしずく』が良かった。特に、ひとしずくが良かった。
重松さんは、子どもの話もとってもいいんだけど、中年男性の話もとってもいい。
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オムニバス小説。
どの話にも「死」や「生命」が漂っていた。
みぞれに関して、「死にたがっているのかと思った」や「楽しみがないのに生きていたい?」など、頭の中でパッと浮かぶ、オブラートに包む前のストレートな言葉たちが印象的。いじめの対象や他人ではなく、愛する親族に向けているからこそ、様々な意味を纏っていて胸が熱くなった。
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重松せんせいの短編集。「ひとしずく」と「みぞれ」が個人的なお気に入りです。数年前に読んだ時、「みぞれ」なんて意味不明で、主人公の気持ちは理解不能だったけど、この数年で知ってる人が亡くなることが増えてきて、自分自身の一生って実はそんなに長いものじゃないんだとか、与えられたいのちに尊くないものなんて1つもないんだとか、そういうことを考えてきたのでとても心に沁みました。どのお話も、抱えた問題が最後に解決方向に向かうわけではないけれど、それでもじんわり心の中で溶けていくようなものでした。
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重松清の短編集。
あとがきで「小説」と「お話」を次のように対比している。
『息をするように「お話」を書きたい。(中略)虚構の世界をきっちりとつくりこみ、語り方をさまざまにたくらんだ「小説」の素晴らしさについては、読み手として強く憧れている。それでも、時代や社会ー要は世間の中から生み出される、暮らしと地続きの「お話」だって捨てたものではない。書き手としての自分は、むしろそちらのほうに強く惹かれているのだとも思う。』
膝を打つ表現だ。これだから重松清の「お話」は止められない。
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些細だけど、大事な日常。それが少し崩れるとき。いつかそんな日が、と不安に思っていた日は時折、本当にやってくる。全然、ドラマチックなんかじゃなく。ただ、自然に、当たり前のように、日常は崩れる。そんな微妙なバランスの上で成り立っている日常を生きている。後悔したって、もう崩れる前には戻れない。
だけど、崩れたって案外なんとかなる。崩れたからこそ、そこから歩き出す一歩は強い。日常を壊すきっかけはそこら中に転がっていて、いつかその日が、と怯えながら暮らしているから、日常が崩れてしまったとき、諦めや後悔とともに少し安心するのかもしれない。それでまた、新しい日常に戻っていく。新しい日常を迎えられた人達はきっと強い。
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様々な人物の日常を心温まるストーリーとして表現する重松清の短編集。
何の前触れもなく自殺を図った高校生の幼なじみ、
テレビ業界の現実に戸惑う女子大生、
セッカチな夫と夫婦の溝を感じ始めた主婦、
かつての夢に挫折した中年タクシードライバー、
同期の社員か自分か…二人に一人のリストラに苦しむサラリーマン、
晩年を迎えた父への複雑な思いを抱く息子―――
甘くはない現実、しかしその中にあるわずかな光を垣間見ることができる。
オススメは
『拝啓ノストラダムス様』
『遅霜おりた朝』
『ひとしずく』
そして表題作『みぞれ』
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■一言で言うと
なるほど
■もう少し詳しく言うと
あとがきにある
息をするように「お話」を書きたい
なるほど
重松清作品て、こちらも息を吸うよう読める
構えずに自然に入ってくるお話
望郷波止場が好き
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色々な世代の人生の一部分にスポットライトを当てた短編集。
どの世代もみんな、悩みながら迷いながら生きている。
そうやって人生は続く。
どの話も終わり方が良い。
読み終えた時にはちょっと良い気分になれる。
悪くない。
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★3.5
短編面白かった
それぞれの人生があって、ノンフィクションのよう
「メグちゃん危機一髪」は、切なさとこれからの人生頑張れ!と言う応援の気持ちでいっぱいになった
「みぞれ」は親が年をとった時
これから私も直面する事だなと、、、
人ごとではないなと思いながら読みました
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Iwakuma 借りた本
読みやすい短編集
誰かを信じることって、ゲームじゃないと思う
子供ができない夫婦の短編 ひとしずく 物悲しさある
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どこかで、どこかの家で起こりっていそうなエピソードが散りばめられている。短編集なので、すぐその世界に入れる。そして、読んだ後じんわりする…少し時代が古い感じがするが、それがいい。
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定期的に読みたくなりますよね。
重松清さんの作品って…
個人的に重松さんの大人(ミドル世代)を描く短編集って大好きです。
子供を描かせてもピカイチですが。
今回も胸に来る話が色々あり、好きなのは
砲丸ママ、遅霜おりた朝、石の女、ひとしずくなど。
やっぱり良いですね。ただ本作に収録されているものは温かい感動よりも寂しくて胸が痛む作品が多かったような気がします。
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1999年から2007年に書かれたお話をまとめた短編集。特に連作でも、関連性もない。
重松清さんいわく、「不揃いな息遣いの、その揺らぎを楽しんでいただけないかと考えた」とのこと。
主人公も、大学生や、主婦や、中年サラリーマンや、若い働く女性、など様々。
正反対なセッカチな夫との暮らしを書いた「電光セッカチ」、かつての演歌歌手を20年ぶりにステージに立たせるべく奮闘する「望郷波止場」、子供がいないけどすごく良い関係の夫婦と、空気の読めない義弟とのやりとりを描いた「ひとしずく」が良かったかな。
重松さんの短編集は、たまに読みたくなりますね。
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「死」や身近な人に対する憤り、上手く説明出来ないようなもどかしい気持ちを描いた短編集。
ノストラダムスの大予言を信じていた少年と自分の命をおもちゃのようにゲームにしている幼なじみの少女の話
テレビ局の下請けの下請けのような小さな会社でアルバイトをする大学生が売れなくなった元アイドルのレポーターと一緒に働く話
高校時代に砲丸投げの選手だった妻とその妻のマネージャーだった夫の話
とてつもないせっかちな夫とのんびり屋の妻の夫婦のすれ違いの話
元教師のタクシードライバーが不良に見える少年少女をタクシーにのせる話
不妊に悩む夫婦が愛犬を「息子」と言ってしまった嘘から自分達を苦しめていく話
リストラの不安に怯える中年サラリーマンが目黒川に迷い込んだアザラシに自身を投影していく話
情けない自分自身を変えたい!と家出した少年の話
一発屋だった元演歌歌手が一夜限りのバラエティ番組に引っ張り出される話
妻の誕生日のために一生懸命用意したプレゼントを無神経な義弟に台無しにされる話
実家に帰るたびに老いていく父母を、心配に思う気持ちと疎ましく思う気持ちが綯い交ぜになっていく中年男の話
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11の短編でなる物語です。短いストーリーなので読みやすいです。
私は砲丸ママが好きでした。砲丸投げが特技のママに対して、特技のないパパ。
息子の作文の中で出番のないパパのためにいろいろ考える砲丸ママがかわいい。
そして息子の作文が面白かったです。
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ほろっとくる話や暖かな話で連なる11作の短編集。好きな作家は?と聞かれたら毎回挙げてる好きな作家。大人から少年まで描かれる登場人物がとても好き。共感できることや考えさせられることも多い。今作もそう。自分にもこんなとこあるなとか登場人物に感情移入して読んだ。
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年齢も境遇も様々な11人を主人公に、それぞれの人生をありのまま描いた短編集。
"死"をテーマにしているのに"生"について考えさせられるような、全体を通してあたたかいお話だった。
個人的には、特に「拝啓ノストラダムス様」に引き込まれた。
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「本社の課長に選ばれたんじゃなくて、リストラ社員に選ばれなかった。オレはお前の代わりになれない。だけど、お前はオレの代わりにいつでもなれる」
積極的推薦なのか、消去法なのか。選ばれたという事実だけで一喜一憂してはならない。
「父は強いふりをした弱い人だった」
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普通の人の暮らしと地続きのいろいろな物語を収めている短編集。リストラの嵐にさらされている同期の課長の話や、演歌歌手を復活させる番組を任された若手の話など、温かいストーリーが多い。
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すごく言葉巧みな人だなぁということが、悪い方面を使って言い表していることも含めてわかる作品。
短編集です。
30pくらいのものと、60pくらいのものが11篇収められています。
あとがきで重松さんは、どの作品から読んでも良いと書かれていますが、
僕は初めから順繰り順繰りと最後まで読んだのでした。
読んでいて読みやすいのだけれど、ちょっと軽すぎやしないかという感想。
読んでいる最中に文章にひっかかるところもなくすらすら読めすぎる。
そして、言葉はうまいのだが、作品中のテーマとか、諸所の問題の解決が
簡単すぎるように読めた。
さらに、「望郷波止場」という作品では、
マスコミの悪趣味さ、面白ければいいんだという方向性の醜悪さを
感じさせられ、その描写がすらすらと書かれているものだけに、
その中で真面目でしっとりとした部分が中盤にでてきても、
読み手として咄嗟の反応ができず、嘘寒く感じてしまい、
それどころか、どうとでも書けることに対して「言葉がうますぎる」と
怒りさえ感じるくらいでした。とはいえ、その後を読むことで
怒りは収まり、まぁ良かったかなという感想を持つことになるのです。
しかし、ほんと、週刊誌とかをほとんど読まないし、テレビ業界の
考え方っていうのを知らないのだけれど、こういうのを読んで知ってみると、
とにかく、良いか悪いかは別として、物事の筋は通すらしいんです。
こうだからこうだ、っていう感じでしょう。
そういう理屈だか屁理屈だかに依拠している気持ちじゃないと、
テレビマンは精神面がひずんでくるんだと思われます。
そうやって、正気を保っているフシがある。
なんたって、やってることは醜悪だったりしますから、
その醜悪さに目を向けて凝視することなどできないのでしょう。
その方法論のほうに目を向けて重視するという、ある意味、焦点のすり変えを、
人間の、人間性防御の本能によってやっているんだと推察します。
なーんてさ、素人が、わかったようなことを書くと、
生意気だ!とか言われるんじゃないだろうか。
まぁ、テレビ業界を知っているわけじゃないので、本当に推測でしかないんですけどね。
そんなわけで、この短編集を読んでいて、軽すぎるとか醜悪だとか
感想を持ちながらも、習慣と、貧乏性なのと、作者への礼儀だと勝手に思っている性分ゆえに
最後まで読み終えたわけなのですが、最後の2篇はけっこう好きな作品でした。
あぁ、最後にはちゃんと良い気持ちにさせてもらえるのだな、という感じ。
全体としては、本当に、どうしようもない人間、いらだたしい人間が数多くでてきます。
だけれど、それが人間なんですねぇ、そういうのがいるのが社会なんですねぇ、
フィクションの中で、そういった彼らの特徴を精妙に捉えていて、
それを足がかりとして、そういった性向の困った人間を分析する手立てになったりもします。
…とかって、これ、悪用ですね。
分析というか、彼らのことを考えてみる機会とヒントが与えられるわけですよ。
困ったちゃん達がのさばってちゃ楽しくないのでね、そういう人たちと精神的に対抗しうるための、
彼らと対峙する予行練習みたいな意味合いが読書によって得られるのです。
この本の物語の中では、そういった困ってしまう人々との付き合いの中で、
ただただ苦笑するほかないタイプの人たちがいて、それがまた美しかったりもします。
そうするのが性に合うか合わないかは、人によるのでしょう。
面白かったか面白くなかったを言えば、
不快でもあり感動もする、きれいごとときれいごとじゃないものが
混じった短編集と評するところです。
興味のある方は、余裕のある方は読んでみるといいかもしれません。