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Posted by ブクログ
(5.0)
言葉にできないほど胸がいっぱい。胸がいっぱい。ただいっぱい。こんなに心の真ん中がいっぱいになる本は久しぶりだ。物語の進め方、言葉のチョイス、表現全てが本当に素晴らしい本だった。内容はとてもつらくて、重いものだが色んな人に読んでほしいと思える、終始グダることのない完璧な一冊だと思った。
186p 「自転車は買わない。ナイフを買おう、と決めた…」ここまで追い詰めまれて、心を壊して、閉ざして、、何も言えない気持ちになった。
192p 「火は落ち着く タバコも放火も…」自分の心の闇と兄の心の闇が、ひとりぼっちの闇が繋がった気がして、悲しくなった。
235p 「お前は知らない、神父の手紙」いい…
247p 「ラブホテルにてクライマックス」
ここからは呼吸を忘れるくらい物語に引きづり込まれる。
2時間が一瞬だった。
352p 「おまえは、すでに、物語の閉じ方を決めていたのだろう…」
オチのつけ方を想像しながら読んでいた。ここまで盛り上がってどう終わらせることができるのだろうと。この一文で自分の思考など、推測など全てを嘲笑うかのように吹き飛ばされた。ゾッとした。身震いさえした。降参です。
疾走のように読みました
面白かった、と言っていいのか。
とにかくすごい作品でした。
最後までまさしく疾走のように読みました。
ここまで絶望的でなくても良かったのではと思いますが、ラストには温かいエピソードもあり救われました。
結局シュウジもエリも「ひとり」じゃ無かったんだよ。
今「ひとり」と感じるている若者にも読んでほしい作品です。
中学生には衝撃的すぎると思うけど・・・
Posted by ブクログ
この巻でシュウジのものがたりは『完結』するんですけれど、これを読んで僕はもう6年近くが経つわけですが、いまだに彼のたどった『生』を強く考えている自分がいて、少なからず驚きを感じております。
この本の最初で、アカネによって女を知ったシュウジは自分が生まれ育った街を出て、大阪でアカネの夫であるヤクザの新田に陵辱を受け、アカネが新田を殺して、シュウジは東京に出ます。
そして彼がもぐりこんだのが、(具体的な地名は書いていないがおそらく多摩ニュータウン)の新聞販売店でした。
僕はかつて、新聞の世界、及びあの界隈で仕事をしていたことがあるだけに、所長の人物像や同居人の「トクさん」のことや、シュウジが新聞を配る描写が克明に今回読み直していて、頭に浮かんできました。
そして、初めての給料は盗まれ、道中で拾った携帯電話で東京にいるエリに『会いたい…』ひたすら懇願して、
「新宿までこれる?」
とエリが応えた場面がすごく印象的で、映画はここが確か新宿駅の東南口でしたが、よく歩いていた場所だけに
「僕もあそこでシュウジやエリにすれ違ったのかな?」
と言うようなことを思ってしまいました。
ところが、シュウジが絶望の中で出会ったヒロインのエリも二人で入ったラブホテルでの独白で事故で歩けなくなって、叔父夫婦に引き取られて東京に引っ越してからは叔父からの執拗な性的虐待と叔母の容認で、自暴自棄になり、ひたすら行きずりの男に身を任せると言う場面はあまりにおぞましさに、読んでいるページが止まってしまいました。
そして、ホテルを出た二人はある商店街を歩いていて、
エリがそのシャッターに
「誰か私を殺してください」
そしてシュウジが対句のような形で
「誰か一緒に生きてください」
と落書きするほどに毀れていて、
ここで僕は涙が止まりませんでした。
シュウジとエリは結局、最後は『ひとり』と『ひとり』に戻ってしまいますが、アカネとシュウジとの間に出来た『ノゾミ』と言う男の子の存在がこの救いようのない物語に一筋の光を与えてくれるような気がしてなりませんでした。
やばい
不覚にも、泣きました。
最初、ほんわか、次第に現実的に、中盤は「ふうぅん」と、遥かな自分の記憶を微妙に重ねたりしながら、そこまでは…と思いながら。
最後、あれで良かったんだろうな。
それにしても、14、5歳であれだけ密度の濃い体験、孤独と孤独が重なる体験が出来るのは、ないだろうなぁ。望んでも出来ることじゃない。
疾走とは、うまい題をつけたものです。
久しぶりに心に残る小説を読みました。
濃い2日間でした。
Posted by ブクログ
岡山県(?)の海辺の街の子のお話
冒頭の雰囲気から、兄弟を中心にしたノスタルジー家族物語かと思いきや違って
主人公が走ることに傾倒しだしたので、タイトルも相まって陸上競技物語かと思いきや違って
結局は過酷な人生を疾走するように駆け抜けた物語だった
重い方の重松清だったか……
救いがないなぁ
まぁ、考えようによっては悪くはない終わり方なのだろうけどさぁ
子供と大人の境界線だけど、かなりの子供寄りの主人公が経験するには過酷すぎる……
作中で納得したところ
「孤立」と「孤独」と「孤高」の違い
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仲間が欲しいのに誰もいない「ひとり」が、「孤立」。
「ひとり」でいるのが寂しい「ひとり」が、「孤独」。
誇りのある「ひとり」が、「孤高」。
エリは、まちがいない、「孤高」の「ひとり」だった。
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私はどれだろ?
どれでもないのは幸せな状況かもしれないな
誰かと繋がりたくて、懸命に疾走したが、報われないシュウジ
主人公のシュウジを「おまえ」と語りかける二人称小説故か、どうもシュウジの気持ちがよく見えなかった
兄は放火犯で、父は家族を捨てて逃げ出し、母もギャンブル依存
そりゃぁ死にたくもなるわなぁ
その結果としての出奔
しかしまぁヤクザの女に手を出したらいかんよ
それにしても、シュウジの人生はどうすればよかったのだろうか?
転換期はどこだったのでしょうね?
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「どうして、にんげんは死ぬの?」
舌足らずなおまえの声が言う「にんげん」は、漢字の「人間」とも片仮名の「ニンゲン」とも違って、
とてもやわらかだった。そのくせ「死ぬ」は輪郭がくっきりとして、おとなが言う「死ぬ」のような照れやごまかしなどいっさいなく、
まっすぐに、耳なのか胸なのか、とにかくまっすぐに、奥深くまで、届く――。
想像を絶する孤独のなか、ただ、他人とつながりたい……それだけを胸に煉獄の道のりを懸命に走りつづけた一人の少年。
現代日本に出現した奇跡の衝撃作!
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