重松清のレビュー一覧
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何においても物事の動機は誰にも分からないということ。99%はわかっても最後の1%は絶対にわからない。家族でも子供でも全てを分かり合えることはできない。
なぜやったのかを知りたいのは、自分が安心したいから。子供のことをなんでも知っておきたいのは子供に対して優位に立って置きたいから。人間は他者の分からないことが怖いものだ。
その不安をわかってもわかっても、また次の不安が出てくる際限なく。その通りやと思いましたし、その不安を解決することなく何気なく紛らわせて生きている。
生きていて本音で話せないことの方が多いように思います。仮面を被らずありのままでいられるということは信頼があって出来ること。
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Posted by ブクログ
ネタバレ小学6年生掲載。
いじめを受けている少年が、塾の友人からどんなことも耐えられる「星のかけら」というお守りのことを聞き、一緒に探しにいったことから、さまざまな人たちの人生が動き出す。
大人になって読むと、少しものごとが綺麗に解決しすぎているように思えるけれど、子どもの頃の自分だったら、生きることや死んでしまうこと、何かを変えたいときにどうしていく必要があるのか、考えるきっかけになっていたと思う。
生きていくことは、自分の足で歩んでいくこと。
昨日と今日の自分は違って、今日と明日の自分も違う。新しい夢にも悩みにもあいながら、変わっていけるのだ。
怒ること……というか、向き合うことについての描 -
Posted by ブクログ
都会か田舎かどちらを選ぶかは別にして、田舎と家族のあたたかさが、じーんと沁みるお話でした。
特に第5話の「エラジンさん」は、本物のエラジンさん(=偉い人)が田舎だからこそ共に生きていけるお話で、いい話だけど切ない。
東大受験に3度失敗した末に、将来に行き詰まり実家の田舎に戻ったレイコさん。
今まで嫌で仕方なかった梅郷の暮らしだったけど、3年ぶりに帰ってみると、家族や友人の温かさに気づき、このまま田舎もいいかもと気持ちが揺らぎ始める。家族のためにも地元の大学へ進学しようと思うと話すレイコさんは、「家族のせいにするんだね」と言われてしまう。
レイコさんは思う。
「家族のためと、家族のせいの違い -
Posted by ブクログ
ネタバレ自殺を図った中年作家のダザイさんと、三年前に命を絶った少女ルビィ。
7人の命を救わないと天国に行けないという彼女と共に、失われるはずだった命を救う。
重い題材だが、設定がメルヘン。
ルビィもちょっと意地悪で、イラっとしたり、モヤモヤしながら読み進む。
「生きることも死ぬことも軽かった」という彼女の言葉。
分かる。
十代の頃は、そうだった。
ルビィとダザイの別れの場面。
「どーせストーリーとかキャラとかつまんないと思うんだけどさ、我慢して最後まで読んだら、やっぱり生きるの『あり』じゃん、って…本を閉じるときに思うの。そういう小説を書いて欲しいの、絶対に」
そして、最後のページで思いがけなく
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