重松清のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
◾️サマリー
・物哀しい気持ちになる12の短編集
・別れ、悲しみ、虚しさを表現
・年齢を重ねて読むことで分かる味わい
◾️所感
12個も短編があれば、どれか1つか2つくらいは、この話いいなぁと感じる。
私は、「少しだけ欠けた月」が、なんとも秋の切ない感じと相まって胸にグッとくるものがある。
両親が離婚について話し合う場面から始まる。
小学三年生のアキラくんは、両親に離婚してほしくないのである。子どもは皆、父と母にそばにいて欲しい。それが叶わない本作品。子供の目線に立った展開がさらに切なさを感じる。
そして、本小説全体に言えることは、毎度のことながら、人が心の中で考えることを言語化して、うまく表現されている。
◾️心に残る箇所
「つかまえたーっ」
お父さんは息をはずませて、アキラを抱きしめた。
「つかまえたぞお、お父さん、アキラをつかまえちゃったぞお!」アキラはお父さんに髪の毛をくしゃくしゃにされながら、「違うよ、つかまえるのは鬼のほうなんだよお」とふくれっつらで言った。
でも、お父さんは笑って、さらに強くアキラを抱きしめる。お母さんも走るのをやめて、アキラの背中にゆっくりと近づいていく。
月が三人を照らす。もうすぐ終わってしまう家族を静かに照らす。
やがて、影は一つになって、小刻みに揺れはじめた。
*****
子どもたちは、これからの長い人生を、勝ったり負けたりを繰り返して生きていく。
運動会のようなさっぱりした勝負は、そう多くないだろう。やり場のない悔しさや、後ろめたさを背負った喜びを味わうことも、きっとあるはずだ。
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