山田風太郎のレビュー一覧
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幕末に活躍した大立者が明治の元勲となり、その妻達も大いに活躍していた時代。
だいぶ前の作品ですが、さすが山田風太郎、面白い!
若き日の山本権兵衛が陸軍中将・西郷従道の命で、大臣らの妻を訪ねて歩くという連作短編。
鹿鳴館を建てたものの、舞踏会への出席者が少なく、特に女性が足りないため、大山捨松とともに、説得してほしいというのだ。
大山巌の妻の捨松はアメリカに長く留学していたから、舞踏会もお手の物。
でも、抵抗を感じる女性も多かったんですね。
明治政府の主要な人物はほとんど、花柳界の出の女性を妻にしていました。
もと芸者とか、そういう社交に慣れた女性。
当時の政治は、欧米の見様見真似。外国から -
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ネタバレ読んでいる最中は、若者の破滅を描いた青春小説としか思えなかったが、最後にある人物の独白があり、ミステリー作品へと変貌する。
事件の構造と動機に特色がある。
また、戦争による犠牲の無意味さへの作者のメッセージが込められている。
(ネタバレ)
犯人はこの犯罪を「遠隔操作の殺人」と称しており、これがこの作品の狙い、特色になっている。作品の初めの方に出てくる、ある書物の内容が事件の真相に直結する核心となっているところが実に巧妙である。
「プロバビリティーの犯罪」で、遠大で相当大掛かりな計画に基づく犯罪であり、このようなタイプのミステリーを読んだときにいつも感じることだが、そんなに都合よくいくだろうか -
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ネタバレ犯人はヤスならぬ潘金蓮。
浅学菲才の身ゆえ『水滸伝』の武松の名こそは知っていたものの彼の伝で語られる豪商西門慶とその第五夫人潘金蓮はとんと知らず、まして水滸伝と並んで中国四大奇書とされる『金瓶梅』がそのスピンオフ小説でありタイトルの「金」がその潘金蓮の金だと知ったのは本作の読後の事であった。
さて本作はその『金瓶梅』をベースにその官能性を失わぬまま大胆にアレンジした16篇からなる短編連作ミステリーである。
作中で度々「稀代の大淫婦」「妖婦」「毒婦」だの散々な…恐らく水滸伝や金瓶梅そのままの評で呼ばれる潘金蓮が傍から見れば些末な出来事で癇に触れ、その相手を死なせる、死ななくとも酷い目に遭わ -
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ネタバレ映画とだいぶ違う。忍法帖を冠しないのは、蘇生は忍法ながら、柳生十兵衛と各戦士との一騎打ちは全て剣法だからでしょうね。忍法合戦を期待してたので少し拍子抜け、筆力はさすが山風あいかわらず抜群ですが。
ラスボス宮本武蔵(映画でラスボスだった天草四郎はあっけなくやられます。剣士でないから話としては合理的ですが、幻惑忍法つかって抗戦させたほうがよかったのでは)との闘いはさすがに丁寧に書かれてますが、個人的には尾張柳生兵庫助との2度の闘いと、最初の槍の名人宝蔵院胤舜との異種格闘技っぽい闘いの描写が好きでした。
敵にも味方にもなるまるで峰不二子(笑)なクララお品をあえて入れたことで物語にはふくらみがでま -
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山田風太郎作品のエログロにいい加減慣れて参りまして、いちいちショックを受けずにすむように……なってきたはずなのに、相変わらずの奇想天外忍法に驚かされてしまいます。
これだけえげつないのに、なんでこんなにおもしろいんだろうとつくづく不思議。「えげつない」部分を除くと涼やかできらめいて美しく、かつ息をつかせぬエンターテインメント作品だからかな。「SHINOBI」はそれと知らず見て、なんて美しいのだろうと感心し、後に山田風太郎作品アレンジと知りましたがまさにそう。美しい。
村雨さまの美しさもこう、なんというか眼の前におられるかのように白く輝く肌が見える。里見の殿からうばってしまいたいわほんともう。 -
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ネタバレのぼう様のいない『のぼうの城』です。
金のあるところ上方も北条も関係なく、香具師稼業のかたわらいい女を見つけるとさらって犯して売り飛ばし、その金で博奕に明け暮れる7人のならず者。
そろいもそろって人間のクズ。
豊臣軍に包囲され、情勢の不利を悟った北条方の武将が城からそっと逃がした妻子を、かどわかし売り飛ばしたことを、太田道灌の子孫・麻也姫に咎められ、顔を踏みつけにされたことを恨み、彼女を辱めることを誓い、動向を探る7人。
麻也姫が忍城城主の成田左馬助と結婚することを知り、何とか忍城に潜り込もうとする。
麻也姫には風魔組の中でも優れた忍法使いの3人が護衛についているが、風魔組を取りまとめて