山田風太郎のレビュー一覧
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山田風太郎といえば忍法帖。なのだけれど、あえてこれを読んでみた。かつてどこかの本屋で偶然見かけて以来、ずっと気にかかっていた本。何年か経った今再び出会って読んだのも、すべては天の巡り合わせだろうと思う。今このタイミングで読むべし、ときっと誰かが言っていたのだろう。
さて、なんの予備知識もなく読み始めてみたけれど、これはかなり衝撃的だった。わりと軽めの口調で語られる物語の滑り出しからは想像もつかないところへ最終的には連れていかれる。連れていかれてしまう。「堕落願望」「破滅願望」とでも言うべきものを描きながら、最終的には、そんな甘っちょろいこと考えてるお前らは平和ボケ野郎共だな!と糾弾されてしまう -
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沢田研二映画を若山富三郎目当てで見たのがきっかけで。
映画版とおそろしく内容が違うんですね。びっくりしました。
昭和の脂ギッシュなサラリーマンが好きそうなえろぐろシーンになんども挫折しそうになりました。これさえなければめっちゃ面白いのに!と。
十兵衛が出てくるあたりからテンポアップで一気読み。
斬新な発想ですすめられるお話に、超ワクワク!
しかし山田風太郎の作品はあまり巷の本屋さんで扱っていなくて探すのが大変です。巨大本屋さんまで行かないと……
※田宮坊太郎が講談や歌舞伎で有名だとか
宝蔵院だれそれも有名とか
十兵衛のお父さんたちの確執とか
知らないことがいっぱいでした。
こういった -
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ネタバレ魔界転生下巻。対宝蔵院まではとても面白く、先を読みたくて仕方がないほどの吸引力があるのですが、その後が、面白いは面白いものの、少し単調になってしまうのが難点かなと思います。
魔剣士対十兵衛→なんらかの理由があって十兵衛に有利な事情が生じ、十兵衛が勝つ、というのを繰り返していくので驚きがなくなってしまうのです。
特に十兵衛と関係のある又右得門や如雲斎、但馬守の扱いをもう少し工夫すればもっと面白くなったのではないか、と思ってしまいます。
そういう意味では、但馬守を実質ラスボスに据えた深作版の方が、魔剣士の扱いは良かったかなと思います。
また、柳生十人衆や三人娘など人数は多いため話の焦点が -
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山田風太郎 「戦中派不戦日記」 昭和20年 敗戦前後における自分との対話という感じ。当時の著者は 戦争肯定、玉砕上等、復讐のための復興 という思想を持っている
この本の命題は 著者の言葉「戦争の前は憤怒なり。戦争の中は悲惨なり。戦争の後は滑稽なり」にあると思う。
著者は戦後の何に滑稽さを感じたのか 特定できなかった
*死ぬべき世代(戦中派)である著者が 生きようとする姿?
*戦争責任をすべて軍人に押し付けた民衆の姿?
*科学を勉強し 軍事力を上げ 再び戦おうとする姿?
8/15 の日記 「帝国ツイニ敵に屈ス」の一言のみ
*ショックの大きさ、自暴自棄の心情を感じる
*戦争=科学→戦争の -
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面白い。山田風太郎の才能際立つ1冊です。
「明治バベルの塔」アナグラムの妙。
「牢屋の坊ちゃん」文体模写の妙。
「いろは大王の火葬場」娯楽小説の妙。
「四分割秋水伝」評伝の妙。
風太郎の明治物は現実の歴史と風太郎の想像する虚構とが交錯する、まるで言語ではなく歴史を扱ったアナグラムのようであり、現実の歴史の文体模写をしたような書き換えであり、娯楽であり、そこから歴史上の人物の四面(上半身、下半身、背中、大脳旧皮質)が浮かび上がる。まことに風太郎の真骨頂が詰め込まれた4作である。
その上、対象となる人物はみなその時代の弱者であり反逆者であり、そういった虐げられる者に対しての風太郎の愛ある悲し -
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ネタバレ個人的に、篝火のキャラがすごく迫力あって好きでしたね。
まぁ悲劇のヒロインポジションなんですが、死ぬ間際残した言葉が
『仇を討ってくれ』『私以外の女と寝ないでくれ』です。
物凄く素直な言葉だと思うんですよ。こういう役割を与えられた登場人物って、やっぱり綺麗な事を言う最期が多いような気がします。
それこそ私の事は忘れてだ、貴方は幸せに生きて、だ。
それが嘘だとは言いませんけどね。でもやっぱり、志半ばにしてこの世を去る人間としての、非常に説得力のある呪詛の言葉のように感じましたね。
新左衛門の立ち位置が格好いいんだけど・・・惜しいような。城太郎の知らない所で1人くらい根来衆を討つくらいの暗躍が見