山田風太郎のレビュー一覧

  • 風来忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

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    ネタバレ

    のぼう様のいない『のぼうの城』です。

    金のあるところ上方も北条も関係なく、香具師稼業のかたわらいい女を見つけるとさらって犯して売り飛ばし、その金で博奕に明け暮れる7人のならず者。
    そろいもそろって人間のクズ。

    豊臣軍に包囲され、情勢の不利を悟った北条方の武将が城からそっと逃がした妻子を、かどわかし売り飛ばしたことを、太田道灌の子孫・麻也姫に咎められ、顔を踏みつけにされたことを恨み、彼女を辱めることを誓い、動向を探る7人。
    麻也姫が忍城城主の成田左馬助と結婚することを知り、何とか忍城に潜り込もうとする。

    麻也姫には風魔組の中でも優れた忍法使いの3人が護衛についているが、風魔組を取りまとめて

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    2018年08月24日
  • 忍法双頭の鷲

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     伊賀に代わって公儀隠密を目論む根来忍者、その主命を受けた二人は復讐の怨念に燃える伊賀信者たちとの闘いを繰り広げる。

     この作品のポイントは、二人の根来忍者を主人公に据え、物語の展開にこの二人の立場が重要になってくる所です。

     しかも、二人の忍術も二人のコンビを活かしたもので、それで伊賀忍者に立ち向かっていく所も読みごたえがありました。

     ヒロインを挟んで、二人の忍者が苦悩する様子や最後は意外な展開で幕を閉じる所もさすが風太郎忍法帖という感じでした。

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    2018年05月06日
  • 室町少年倶楽部

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    室町時代を題材にした中編2つ。
    個人的にはあんまり馴染みがない室町時代、しかも3代将軍以降となってはさらに馴染みがなかったのでおもしろかった。
    文体も飄々としていて読者に媚びている感じがなくて読みやすかった。

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    2018年03月08日
  • 妖説太閤記 下 山田風太郎ベストコレクション

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    一片の漏らしもなく秀吉の物語を読みきった、という錯覚に陥らせてくれる大傑作。歴史にさほどの興味も知識も無い私であるが、戦国の世の無情と人の心の無情と、肉体の無情と、孤高の雄の無情とに、このちっぽけな心は今、千切れんばかりに締め付けられる。
    すべてはただたった一人の女性への恋慕のために、という奇想で歴史を見れば、案外それこそがただひとつの回答のようにも見えてくる。
    ともすれば陶酔を邪魔しかねないにも関わらず、随所に差し込まれる太平洋戦争の逸話も、むしろ著者の気骨をかんじさせ、あらためて山田風太郎の凄さを実感できる力作であった。

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    2018年02月18日
  • 十 ~忍法魔界転生~(12)

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    まるで笑ゥせぇるすまんのような森宗意軒の見開き。

    改めて読み返してみると、割と『柳生忍法帖』と展開が近いというか、これまで自由勝手にしてきた暴君については「政治的」に矛を収めさせる手順があって、最後の最後でそれがズバッと決まる部分が爽快。流石に「ラスボス倒せばすべてうやむやに」ってわけにもいかないものなぁ。そして遂に次巻完結。ラストシーンが楽しみ。

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    2018年02月12日
  • 夜よりほかに聴くものもなし 山田風太郎ベストコレクション

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    著者のうまさが堪能できる短編集。すべて八坂刑事を主人公にした毎回同じフレーズで終わる10編が収録されている。とにかくうまい。けっこう複雑な状況をほんのわずかな文字数で説明し切る文章力もすごいし、途中でものの見方が変わってしまう構成力もすごい。しかもすべてに重い社会的なテーマを含んでいて味わい深い。ストーリー中に偶然という名のご都合主義は若干多いけれど、それも含んでほんと短編小説のお手本のような作品集。ジャンルは違うが、その意味合いで手塚治虫の漫画を彷彿とさせた。本物の職業作家ってのは本当にすごいな。

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    2018年01月09日
  • 甲賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

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    時代劇専門チャンネルで「バジリスク」が放映される前の予習として読もうと思ったら

    「SHINOBI」だった。

    最初の数ページであれ? ってなって
    もしかして? 
    ああ、やっぱり!って

    「SHINOBI」は仲間由紀恵の白い美しさが際立っていましたが、こちらはとても山田風太郎でした。むしろよく一般向けにこんな系統の違う美しい映画にしたな「SHINOBI」と別に意味で感心しました。

    「魔界転生」で「小説って自由なんだなあ」と感心したものですが、こちらも自由でした。すごく面白い。
    エログロさえ乗り越えることができれば、たまらん面白い。
    設定斬新すぎるし、やりきってしまうところもすごい。

    次は「

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    2017年12月10日
  • 伊賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

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    エログロ表現で毎度吐きそうになりながら読んでいます。
    いつもここで挫けそうになるのですが、乗り越えれば! 面白いから! と岩にしがみつくくらいの気力を振り絞っています。

    本当、めっちゃくちゃ面白いんだもの。エログロスルーさえできればすっごい面白い。たまらないワクワク感。
    敵が沢山出てきて名前を覚える前に消えていくとかもう慣れたし、そんなことお構いなしに読みたい、読みたいようと思わせてくれる。

    ああ、山田風太郎。なんて面白いんだろう……娯楽小説という言葉がぴったりです。



    そうだ。笛吹城太郎、いつ笛吹くんだろうと待っていたら終わってしまいました。関係なかったんですね。

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    2017年12月10日
  • 警視庁草紙(上) ――山田風太郎明治小説全集(1)

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    シリーズ物で、前の話があるらしい。私はこれから読んだけど、前を知らなくても楽しい。
    実在した人物を登場させているところも、楽しめる。こんな時代に、あの人物は生きてたんだな、と思う人物がたくさん出ていて、明治とはすごい時代だったんだと思った。

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    2017年10月29日
  • エイトドッグス 忍法八犬伝 (1)

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    おお、まんま山風の世界。山口譲司先生の作画がこんなにもマッチするとは…

    魔羅蝋燭はもっと流行っていい。

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    2017年10月01日
  • 忍法破倭兵状 ――山田風太郎忍法帖短篇全集(3)

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    ネタバレ

    ■忍者鞘飛脚
    四肢を切断し目を潰し耳を潰し…とかなりグロい。エログロナンセンス小説の代表のようなドギつい小説だが、冒頭とオチがギャグみたいでなかなかおもしろい。

    ■忍者肉太鼓
    たわけた跡継ぎ争いに巻き込まれて人がどんどん死んでいく。これまたエロい。本書の中では最もオチが明確。

    ■忍者花盗人
    女陰恐怖症のために跡継ぎが生まれずお家断絶の危機を救うべく忍法でEDを治療する話。この話の忍者はどれも救われない。ED治療のために妻が自殺するは本人も自殺するはで。

    ■忍法しだれ桜
    政治に巻き込まれて当事者ではない忍者が一人を残してみんな死んでしまう。登場人物が多いのとあっという間に死んでしまうのとで

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    2017年08月30日
  • 警視庁草紙 下 山田風太郎ベストコレクション

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    面白かった。
    敵の正体がはっきりしてくる下巻の方が読み応えがあるね。
    描かれている人たちは何も悲しい。
    でも巻末までの読後感は決して暗くなくスッキリしたものだ。作者の本はいくつか読んでいるけど個人的にはこのシリーズが最高だと感じているよ。

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    2017年08月27日
  • 十 ~忍法魔界転生~(11)

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    設定とかストーリー展開をいじるわけでもなし、大コマ使いの外連で現代の読者を魅了する。

    原作読んだ時は(自分の若さもあって)正直「うわしょっぱい」と思っていた宗矩との闘いですが、流石せがわ先生、生前の未練に醜悪にすがる宗矩と、父と戦わなければならない十兵衛の対比を見事にビジュアル化。

    (と、ここで原作を読み返してみましたが、やはりこの戦いは「古今無双の親不孝」を描いたシーンであって、漫画同様の悲劇的シーンであったのだなぁと改めて確認

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    2017年08月20日
  • 忍法忠臣蔵 山田風太郎忍法帖(2)

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    ネタバレ

    忍法の発想がぶっとんでいる。特に歓喜天はすさまじい。私は忠臣蔵をよく知らないが、面白くよめた。

    千坂兵部が女忍者をもって仇討ち防止と能登忍者が赤穂浪士を殺害するのを食い止めるのは、はじめから成功を信じていなかったのではないかと思われる。この役割だと女忍者が相手の忍者より相当強くないとできない。それなのに人数も少ない。結局綱太郎が一人で相手の忍者を倒している。
    死んでいった大勢の忍者はひとえに綱憲の復讐心の元に死んでいった。これは忠義の元に死んでいったわけである。綱太郎が忠義も女も嫌いと語って終わる。虚しい終わり方だった。

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    2017年08月13日
  • 新装版 戦中派不戦日記

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    1月の初めの日記や8月14日の日記を見ると、愛国心のかたまりのような印象を受けかねないが、むしろ他の山田作品から推してどちらかというと人生・人間世界に対してはニヒルな?、シニカルな厭世的作家と思っていたので、意外であった。むしろこの一時期の愛国的心境は当時の青年がすべからくかかっていた熱病のごときもので、いかに山田風太郎と言えど例外ではなかったものと思われる。解説にもある通り、ややはすに構え客観的で冷徹な視点と熱情的なものとが混在している。
    山田風太郎の他作品との比較は非常に興味深いものとなると思われる。

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    2017年06月19日
  • 警視庁草紙(下) ――山田風太郎明治小説全集(2)

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    川路大警視とご隠居様の長い闘いがここで終結。
    気球に乗ってしまうのはビックリだが、明治の文物、風土、思想まで全てが登場人物の動きにあわせて動いていく筆致が素晴らしい。

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    2017年06月17日
  • 警視庁草紙(上) ――山田風太郎明治小説全集(1)

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    大好きなシリーズの第一弾を改めて読む。
    警視庁VS町奉行の闘いも去ることながら、実在の人物達が縦横無尽に活躍する姿が面白い。

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    2017年06月06日
  • 虚像淫楽 山田風太郎ベストコレクション

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    山田風太郎は本物のストーリーテラーであることが分かるし、本当に文章が上手い。長いことずっと忍法帖のイメージしかなかったのだが、ここ何冊かでそれは大きく覆った。ここには9つの短編が収録されているが、いずれもが変幻自在なアイデアに満ちている。その視点は人間の深層を探り、戦争を憎み、何よりも小説的な面白さの追求に向けられている。
    「厨子家の悪霊」と「黒衣の聖母」が好きだ。

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    2017年05月21日
  • かげろう忍法帖 山田風太郎忍法帖(12)

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     怪異忍者出現の短編9作品。

     怪しげな忍者の影を通して、歴史の裏側に迫るミステリー要素も楽しめる作品ばかりでした。

     特に、その中の一編「忍者本多佐渡守」は秀逸でした。

     権力を維持していく世代交代のために補佐役が果たす役割を忍者という非情の手段で決断していく展開はとても読みごたえがありました。

     忍者を通して歴史上の人物の新たな一面を知ることができた感じです。

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    2017年04月17日
  • 夜よりほかに聴くものもなし 山田風太郎ベストコレクション

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     犯罪者それぞれの背景に心揺れる一人の刑事を通して、哀愁漂う事件を描く連作ミステリー。

     犯罪の裏側に隠された悲しく切ない心の葛藤にページをめくる手が止まりませんでした。

     書かれた当時の世相を象徴しているような事件の裏側も描かれていて、今読むと当時の人々の息遣いが感じられるようでした。

     どの作品も最後に刑事の同じ言葉で締めくくられるのですが、その言葉の重みが最後に心に染み入るようでした。

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    2017年03月27日